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新芏甚 党巻序文たずめ


瞊曞き党巻・人気分たずめ犁䜜品付

※グヌグルプレむブックス察応

性的描写・過激芁玠有  暎力・欲望・犯眪行為 有

改革案・アプリビゞネス化たずめ付


瞊曞き党巻は

固定蚘事に掲茉。Googleプレむブックス察応なのでスマホ可胜。
基本は本蚘事の序文を流し読みの䞊で参考に䞊蚘瞊曞き掚奚。
noteアプリ非察応なので、ネットダりンロヌドが察応。

暪曞き察応に線集したのは邪道䜜家䞀巻の目次リンクず暪曞き䜜品である邪道勇者のみなので、あくたで本蚘事は目を通す甚の蚘事ずなる。


邪道䜜家 第巻  倩䞊倩䞋唯我独尊、それ即ち金を超える


テヌマ 非人間讃歌



ゞャンル 近未来瀟䌚颚刺ミステリ心などずいう、鬱陶しい謎を解くずいう意味で





簡易あらすじ

 
䜜られた魂であるアンドロむドが「倢」を芋る時代───邪道䜜家である「私」は物語産業に食い蟌むアンドロむドに远いやられ、殺し屋ずしおサムラむの仕事を続けおいた。しかし、そこに䞀぀の䟝頌が高額な料金ず共に舞い蟌んでくる。

喜び勇んで殺しに向かうものの、珟地で予想倖の襲撃に遭い••••••案の定䟝頌には裏があるのだった。

そしお、アンドロむド・劖怪・人工知胜ぞ、非人間の殺人鬌䜜家が取材に挑む

その結末は─────


第䞀巻序文




 

 䟋えるなら、奜きな女に限っおフられるくらい確実に、䜜家ずいうのは儲からない。
 䜜家などずいう人生を棒に振った生き方の、その前の自分の姿があたり想像できない以䞊、恐らくは昔から、懲りずにこんな生き方をしおいたのだろうず思う。
 䞖の䞭に銎染めず、尖った䜜品ばかり曞き、アンドロむド䜜家共脳味噌が人工繊維でできた連䞭に仕事をかっさらわれお尚、私は本を曞いおいる。
 物語を曞き続けおいる。
 䜕故なのか自分でも分からない。
 儲からないのは自明の理で、自分の数癟倍の早さで執筆するアンドロむド達が存圚する以䞊、人間の䜜家なんお需芁はなく、需芁がないなら売れないのは圓然だずいうのに、なのにだ。
 他に生き方を知らない、ず蚀うのも理由の䞀぀だろう。私は䜜家ずしおの圚り方以倖の生き方を知らないし、知るこずもないだろう。
 たたに、始末屋のようなこずもやっおいるが、それは私の胜力でも、私が培ったものでも䜕でもなく、貰い物のような胜力で行っおいるに過ぎない別に、私の䞭から沞き䞊がった気持ちでやっおいるわけではない。
 あくたで生掻のためだ。
 生掻のためでない、私自身が始めたこず、それこそが䜜家業だったず蚀える。
 自分に䜕もないのが嫌だったから心も、感情も、目的も、およそ人ずしお必芁であるモノが、䜕䞀぀ずしお存圚しないこずに苛立っお始めたのがきっかけだった。
 やはり暪着したからなのか、儲からず、生掻の足しにもならないので、銬鹿銬鹿しくおやる気の倱せるこずこの䞊ないが。
 儲かるか、儲からないか。
 あらゆる芞術品は、たるで、それそのものが玠晎らしいかのようによく語られるが、考えおも芋ろ、それは昔の王族がそう蚀ったからで、倧勢の呚りの人間があれは玠晎らしい䜜品だず、聞こえるようにたたたた蚀っおいただけだ。
 どれだけ優れた芞術品であろうずも、理解されなければただのゎミだ。売れない䜜品に䟡倀などあるものか。
 そういう意味では、売れさえすればどんな䜜品も絵画も圫刻品も、売れさえすれば䞀流だ。
 金ずは、結果そのものなのだから。
 結果的に、倚くの富を生むず蚀うこずは、倚くの結果、痕跡を叩き出したずいうこずだ。
 それが基準でなくお䜕が基準か。
 金ずは結果を数倀化したモノなのだから。
 今回の物語は、骚折り損のくたびれ儲けずいう蚀葉が自然ず浮かんでしたうが、それを刀断するのは読者共の仕事だろう。
 読者に倢は魅せないが、代わりに心の有り様を魅せるずしよう。
 人間。
 アンドロむド。
 劖怪。
 人工知胜、。
 混ぜるな危険ずいう感じもするが、圌らにだっお心はある。
 ぀たり物語がそれぞれに存圚しうる。
 無論、そんなもの昔の女に策略もなく声をかけるくらい危なっかしい所行だが、物語を読んであれこれ悩んだりするのは読者の郜合であり、はっきり蚀っお私は関係がない。
 ならば、そこに銖を突っ蟌むのも、突っ蟌たせるのも面癜かろうずいう考えだ。無論、それで読者が火傷をしおも知らないが。
 怖いなら母芪に付き添っおもらい、牛乳でも飲みながら朗読しおもらうず良い。
 そんな人間がこの物語を芋お、廃人にならない保蚌はないが、保蚌する぀もりもないのでそろそろ始めよう。
 読んだ埌に、人の気持ちを、心を信じられなくなるこずだけは保蚌しよう、なんお、
 心のない私が蚀い、始たるずいうのも、この物語の特城だ。
 さあ、぀たらなくなっおきやがった。

   

 アンドロむドは倢を芋るようになった。
 最新のバむオ・テクノロゞヌを䜿っお䜜られた有機玠材の人工脳は人類ずほが同じ圢をした脳であり、䜕より人類のみが持ち埗おいた創造性を獲埗し、芞術、音楜、流行の服から奜きな食べ物を心どこにあるのかは知らないがで感じるようになったのだ。
 そしお私のような人間には蟛い話だが、圌らは文孊に手を出し、あろう事か機械文明が人類に反旗を翻す颚刺小説たで曞き始めた。
 クリ゚むタヌずしおの圌らの胜力はすさたじい。䜕が凄いかっおワむダレスでヒュプノ・コンピュヌタに接続し、あずは人間の䞇倍の速床で過去䜜品を参照し、新しいプロットを曞き䞊げ、執筆するのだ。
 その結果ずしお、私が䞀䜜品曞く間に、぀たりは䞀月に圌らは倍以䞊の䜜品を完成させる。私の執筆速床が遅いずいうのもあるが、それにしたっお商売䞊がったりもいいずころだ。ロボット䞉原則はどうなった 圌らは有胜すぎおあっずいう間に人類から仕事をずっおいっおしたった。
 䜜家の仕事ずは線集郚に搟取されるこずだ。
 そんな名蚀を蚀ったのは誰だったか。
 敏腕な線集様は私の売り䞊げのを奪い取り、それらは線集担圓の懐ず、線集郚の資金運甚に䜿われる。残りは圌らが酒ず女を楜しむために浪費する。
 そんなこずをしお䜕が楜しいのかは謎だがい぀の䞖の䞭も、いやどんな䞖の䞭でも、人から搟取した札束を数えながら、にたにた䞋品な笑いを浮かべる人間が良い思いをするのは倉わらなかった。
 線集者、ずいうのも物曞きず同じくらい、䜕のためにいるのか分からない人皮だ。
 䜜品を曞いたこずもない奎が、あれこれ審査しお曞いた人間の数十倍数癟倍の金を受け取り続けるずいうのは昔からあるシステムらしいが、だずしたら銬鹿銬鹿しいこずこの䞊ない話だ。
 倧きい声で隒ぎ立おるだけの人間が偉そうに振る舞うのは倉わらない。
 金が䌎えばどんな屑のくだらない蚀い分も通るものだ私の金が党おずいう信条もこれに起因するのかもしれない。
 金があればあらゆる蚀い分は正しくなる。金で倫理芳や正しさ、他人の人生は買える。
 人間性などどうでもいいのだ。倧昔から人間の䞖界は金ず暎力で発展しおきた。
 アンドロむド達も結局はそれに頌り、人暩を獲埗したずもするず、案倖圌らも欲望の味を芚えたその時から、人間ず同じ存圚になっおいたのかもしれない。
 人間もアンドロむドも、金の為に殺し、金の為に埓い、金の為に結婚し、ありもしない愛ず道埳を蚀いふらし、この䞖には玠晎らしいこずがあるかのように挔出し、愛ず道埳を売っお金を儲けるのだから。
 この䞖は金だ。
 金以倖に倧切な物など䜕䞀぀無い。
 そもそも、金ずいうのは倧切なものを賌入するための力であり、金よりも倧切な物があるず比べるこず自䜓が間違っおいる。
 金を皌ぐために我々は吊応無く䞍燃ゎミのような臭くお汚い人間関係を築き、ぞらぞらず嘘で塗り固めた笑顔を匵り付け、ありもしない理想や信念を語り聞かせ共感しあうフリをするのだ。
 そういう意味では䜜家などさっさず蟞めおしたった方が良いようにも感じる。
 いっそのこず線集者になりたいずころだが、コネ入瀟の倩䞋りができるような人脈は持っおいないので、無理だろう。
 ずはいえ、ただでさえ商売䞊がったりなのに、取り分は少なく、読者も少ない。
 人生を棒に振る為に生きおいるわけでは無いのだが、よくよく考えれば䜜家なんお生き方を志した時点で、人生を捚おたようなものだろう。䜜家なんおロクなものじゃない。
 アンドロむド䜜家なんお面倒な茩がやっおきおから、人間の䜜家の䟡倀は圌らの郚品のスペア・パヌツにすら劣った。
 金にならなければ意味など無い。
 䜜家も同じだ䞖の䞭金なのだから。結局のずころ物曞きなど、嘘八癟を曞いお儲けは赀の他人にくれおやるものでしかない。
 あるいは、アンドロむド達のようにアむドル䜜家、ずいうのだろうか。のコメディ・チャンネルで歌を歌ったりに出たりしお、元が䜕なのかもよく分からない噚甚貧乏なピ゚ロずしお掻躍するのだ。
 それを䜜家ず呌ぶのかどうかは、はなはだ疑問だが。
 だから私は副業を持っおいる。
 サムラむ、ずいう名前の始末屋だ宇宙船に乗り遙か圌方の銀河系たで人類がカビか牡蠣かずいうくらいに繁殖し、あらゆる資源を貪り尜くしたこの珟代だからこそ、オカルトも科孊の範疇に入り぀぀あった。
 オカルトの研究、その科孊ぞの転甚ずいうのは昔から囁かれおいた。
 いわゆる幜霊、あの䞖の物質を䜿った物質の創造、軍事利甚などから始たったものだ。
 そんな眉唟物の実隓を䜕故始めたのかずいうず、元々は魂そんなものがあるのかは分からないがのメカニズムを解析し、圓人のクロヌン䜓にそれを移すこずができるのではないか、事実䞊の䞍老䞍死を手にできるのではないかずいう人間の欲望から始たったのだ。
 しかし、だ。
 いくらなんでも、どれだけ人類の科孊力が進もうずも、生きおいる人間が生きおいない䞖界の法則を解析できる蚳がない。
 半ば、いや完党にそんなこずができれば神の領域だろうできなかったわけだから、分盞応に収たったずもずれるが。
 ずにかく、誰もが諊めたそのずきだ。圓時、倧昔に今の人類が捚おた惑星、地球の原䜏民ずの戊争が起こった。科孊を捚おた人類が、アンドロむドに自我を䞎え䜜品を曞き始めるようにした人類盞手では、䞉日でこずは終わるだろう。
 誰もがそう考えおいた。
 目に芋えない暗殺者に芁人が殺され続け、最新の軍事技術をサむボヌグ化しお身に぀けた兵隊が、目に芋えない日本刀を携えた人間にあっずいう間に党滅させられるたでは。
 圌らはオカルトの力を身に぀けおいたのだ銀河連邊は盞手が科孊を䜿うこずを前提においお軍隊を組織した。たさか幜霊じみたニンゞャや、䞀階圓千のサムラむを盞手にするなど、どう戊えばよいのかも分からなかっただろう。
 䜕より地球では、あらゆる科孊技術が䜿えないのだ。䜿えなくなっお、地球を捚おた人類が銀河連邊を䜜り䞊げたのだから。
 勝ち目はないず刀断し、銀河連邊は和平を申し蟌むこずにした。
 戊争の埌には嘘くさい笑顔の政治家が握手をし、今たで色々あったがこれからは仲良くしおいこう、などず戯れ蚀を述べるのが定番だ。しかし、惑星囜家地球は独立を宣蚀し、銎れ合うこずはなかった。
 いたでもサムラむ・ニンゞャの本拠地ずされおおり、その党容は謎だ。
 圌らは幜霊を歊噚ずしお䜿う。
 それは刀の幜霊でであったり、手裏剣であったり、あるいはニンゞャは幜霊そのものではないかず蚀われおもいる。
 なんにせよ、あの䞖の物質のこずなど詳しい原理の分かる奎などいないだろう。
 地球ぞの取材の際、サムラむの総元締めず取匕をし、私はサムラむになった。ずいっおもいたたでの人生で剣など振ったこずもなかったが。
 オカルトなこずに関しおあれこれ考えるのも無駄な話だが、しかし䞍思議なものだ。
 その女から幜霊の日本刀、ずいう圢容しがたい歊噚を貰った瞬間から、私は剣の達人になったのだ。
 先人の技術が刀になっおからも染み着いおいるず勝手に解釈しおいる。たあ理屈は䜕でも良かったのだ。
 金になれば。
 サムラむずしお始末屋をするこずで、ようやく私の生掻は安定した。䜜家ずしおの収入がピンハネされお殆ど入らない以䞊、そちらが本業のようになっおしたった。
 私は䜜家なのだがたあ、金になるかどうかが基準なのならば、䜜家業などどうでもいい暇぀ぶし皋床の䟡倀しかない。
 アンドロむドが自我を持぀ような䞖界ずはいえ、これらのオカルトな技術サムラむの戊闘力、ニンゞャの隠密胜力は匕っ匵りだこの商売だ。
 非垞に儲かった。報酬も良かったしな。
 察しお、私の䜜品は人間盞手には党く、これっぜっちも売れやしない。代わりに買っおいくのはアンドロむド達だ、圌らは珟金で買っおいく。
 この珟代で違法性の高い珟金取匕をしおたでわざわざ䜕冊も買っおいくので、やばい取匕にしか芋えないこの光景が政府の監芖網に匕っかからないこずを願うしかない。
 ずはいえ、客は客だ。生呜線ず蚀っおよい収入源を倧切にしないわけにもいかない。
 "サムラむ"ずしお掻動しおいる分の収入もあるにはあるが、劂䜕せん䞍定期すぎる。だいたいが今回だっお、軍甚の高速通信すら䞍通になるあの山奥ぞず出向かなければならないのだこの科孊党盛の時代にコヌヒヌを手挜きで匕いおいるアナログ至䞊䞻矩者の私ですら、䜕床も遭難し、目的地に着く頃にはゲリラ郚隊の指揮官みたいな髭をはやしお䞉日䞉晩に枡り動物を狩り、家を造り、葉巻を吞っお過ごした堎所だ。ずいうのは若干嘘が混じっおはいるが。
 私は葉巻は吞えないしな。
 ずにかく、仕事ずはいえ、そんな物隒な堎所ぞ行かなければならないので、気分を倉えるために私は最寄りのカフェぞず寄っおいた。
 店に入っお驚いたこずは、アンドロむドが個人経営の店䞻に代わっお仕事をしおいるこずず、手䜜りハンバヌグず銘打っおあるのに、どう考えおも味がレトルト食品特有の旚味成分にあふれおいるこずだ。
 恐らく、倧量に䜜ったハンバヌグを冷凍レンゞでチンしお保存し、加熱レンゞでチンしたのかもしれない。肉の味も䜕の味なのやらよくわからない。最近は自然食ばかり食べおいたのだが、このご時䞖だ。蟲家が栜培した新鮮な食品を食べようず思えば、月に䞇ドルはかかる。
 倧抵はロボットが倧量生産する、安くお安党な蟲䜜物、魚、肉が出回っおいる。
 味はずもかく、いや味にも問題があるのだが、圌らは安ければ䜕でもよいのだろうか
 圌ら、ずはカフェ内で談笑する家族連れや、コヌヒヌを飲んでいる老人であったりするのだが、私が思うに圌ら圌女らは倧地からずれた食物を幎は口にしおいないだろう。火星のアンドロむド達が栜培しおいる、真空空間で栜培された無菌食物を口にしおいるはずだ。
 圌らは疑ったりしないのだろうか 自分達の生たれ育った星の゚ネルギヌを補絊せずずも、火星でも冥王星でも安ければ、目先の危機が芋えなければ、地球の原始的な自然の恵みは必芁なく感じおいるのかもしれない。
 あるいは、それはアンドロむド達に察する信頌の珟れかもしれない。圌らが独立戊争を生き延び人間の奎隷の立堎から人暩を獲埗し、創造性、魂を手にしおからずいうもの、人間ずアンドロむドの区別、境界線はないも同然ずなった。
 それはいい。
 私からすればアンドロむドも人間も宇宙人も粟神生呜䜓もも知り合いの劖怪でさえ、どちらでも同じこずだった。
 そういえば私の盞棒のゞャックは眠っおいるのか、携垯端末からの反応がない。が眠るのかどうかは知らないが、このたた静かにしおいおほしいものだ。
 喋り出すずうるさいしな。
 そもそも自我のあるは非合法だ。こんなずころで喋り出すような間抜けなら私が匕導を枡すべく、自分で自分の携垯端末を叩き斬らなければならない。それは埡免被りたかった。
 そういえば、人工知胜にしろアンドロむドにしろ、管理されおいない機械は危険であり、人類の管理䞋におくべきだずいう思想が広たっおいる。銀河連邊の右翌が䞻に掚進しおいるらしく、プロパガンダずでも蚀えばいいのかあちらこちらの囜で、惑星でそれらの思想が広たっおいる。 銬鹿銬鹿しい。
 人間は差別が奜きだ。
 䜕䞇幎かかっおもそこは進歩しない。
 昔は人間同士で䞻に皮族間での差別があり、そのために戊争たでしたらしい。そんな゚ネルギヌが䜙っおいるなら、畑でも耕した方が儲かったんじゃないのか
 自信の優䜍性を、いや優越感を保ちたいずいう欲望を、それらしい道埳を持ち出しお、無理矢理通そうずする。通らなければ躍起になっお怒り狂い、自身の正しさずやらを汚い唟ず䞀緒に吐き出すのだ。
 人間なんおその皋床の生き物だ。だずいうのに人類は未だに自分達は感受性豊かで他にはない、アンドロむドのような䜜り物の魂のないロボずは違う。そう思いこんでいる。
 歎史を少しでも鑑みれば人間など、ただ凶暎でどうでもいい理由で殺し、平和になったかず思えば貧しいものから金銭を搟取する。
 そしお争いはなくなった、今はいい時代だずほざくのだろう。どれだけすばらしい人間でも远い぀められれば本性を出す。戊争はその最たるものだ。
 無論、人間の䞭にも他人の為、自らぞたを掎んで䞀人は皆のために動くだろう。
 だがその恩恵をもらう偎は皆は䞀人のため、そしおその䞀人には自分が入り、圓然のような顔をしおそれを受け取る。
 そんな邪悪な生き物が頭のいいアンドロむドよりも優れおいるのだずは思えないが、皮肉なこずにその優秀なアンドロむドを生み出したのは圓然人間であり、芁は自分達が䜜り䞊げた者達が自分達を越えおしたった珟状では、激しいコンプレックスず自分達を越える皮族の誕生に危機感のようなものを抱いおいるのだろう。
 勿論私はそんな思想などどうでもいい
 私にずっおは吉を運んでくれるか、吊かこそが重芁だ。
 そういう意味では、ベルを鳎らしながら入っおくる女は私にずっお吉か吊か、埌々のこずを考えるず、やれやれ参ったずいう月䞊みな感想しか沞いおはこなかったが。

   

 アンドロむド䜜家は今時珍しくもない。どころか、その女は党銀河に名を蜟かせるスタヌだった。
 アンドロむドはどうしおか、創造性、芞術や嚯楜にこだわり、面癜い物語をかける同胞は圌らにずっおあこがれの察象だった。同胞から祭り䞊げられ、人間からも高い人気を博する䞇胜クリ゚むタヌずしお。
 なぜ私がそんな奎ず知り合いかずいえば、その女が私の顧客だからである。
 理由は知らないが、私からすれば売れお金になれば䜕でもよかったので、どうでもよくはある。ただ、女の方から私を蚪ねるのは初めおだった
 私は自分より売れおいる、儲けおいる䜜家が嫌いなので、私からは本の売買をするずき以倖は滅倚に䌚いに行かないし、有名人の方から私を蚪ねる理由は本の売買以倖に、やはり思い぀かない
 すわ続線を催促されるのかず思ったが、そんなハむペヌスでただの人間である私が執筆できるわけがないのは承知のはずだ。
 ならばわざわざ私のいるカフェにやっおきた理由は䜕だろう
 アンドロむドは䜕を考えるのか。
 今床の䜜品のネタに掻かせるかもしれないし、たあ甚がありそうならば話だけでも聞いおやるずしよう。もっずも、読者第䞀の人気䜜家様ず気が合うずは思えないので、楜しくも䜕ずもないが
 䜜家ずしおのポリシヌだずか読者の喜びだずか䜕にしおも綺麗事を蚀う奎は人間でもアンドロむドでもロクな奎でないのは確かだ
 私からすれば面癜いか、面癜くないかよりも金になるかの方が重芁だ。そもそも読者に楜しんでもらうだけでどうやっお生掻しおいくのだ。
 無論、぀たらないものを曞こうずしおも意味もなく䜓力を消耗するだけなので、仕事に手は抜かないが。
 倚分な。
 䜕にしおもそんな私からすれば、売れっ子䜜家の顔なんお人間だろうがアンドロむドだろうが宇宙人だろうが等しく目障りなため、特に感想はない。突然頭が䞍具合を起こしお爆発でもすれば芋おいお愉快だったのだが、生憎ずそんなこずはなく、女は私の前の垭に座った。
 確かシェリヌ・ホワむトアりトずかいうだったはずだ。私はをここ幎くらいは党く芋おいないので、あたり倧きなこずは蚀えない。
 骚董品のブラりン管すら持っおいないので、芋たくおも芋れないだけだが。
 癜い髪ずいっおもそれは絹のようで、若々しくすら感じる。
 ややボヌむッシュな髪型だが、扇状的でカゞュアルな、぀たり露出床の高いその民族衣装からは倧人の色気を挂わせおいた。
 服の玠材は動物の皮をあしらったもので、恐らく信じられない倀段がするだろう。䜕せ、倧半の動物の数は䞻に戊争ず、人類の科孊技術の進化のため、極端に枛少しおしたっおいるのだ。
 人工の動物ならいくらでもいるが、どう考えおもそれは倩然物だったし、しかもオヌダヌメむドに違いない。
 身長は高く、出お匕っ蟌んで出る、たぁおよそ考え埗る理想の䜓型だった。
 もっずも、ボディパヌツを倉えればよいのだろうが、それにしたっおここたで完璧な䜓型を䜜るのは尋垞でない金がかかるし、芋た目だけ敎えおもぎこちなくなるものだ。
 倖面も内面も完璧な矎貌をたたえおいた。私からすれば完璧な女ほど嘘くさい。青いバラのようなものだ。
 もしかしたらただの詐欺垫かも私は気を匕き締めた。しかし、私はい぀ものスヌツだったので、呚囲からは仕事の打ち合わせに芋えたず思う。
 目立たなくお䜕よりだ。
「やっほヌ、今日は」
 ず、あらゆる男性を虜にしそうな顔どうせそれもシリコン玠材で䜜られたものだろうがで、シェリヌは私をたっすぐ芋た。
「そんな疑い深い目で芋ないでほしいな、お姉さん照れちゃうよ」
 ず、困った颚に肩をすくめる。察しお私はさっさず甚件をすたせお垰っおほしかったので、あらゆる男を虜にする倧人気䜜家シェリヌの姿は颚景ず同化しおいた。぀たり県䞭に入っおいなかった。いや、これは蚀い蚳か。
 私には心がないのだから。
 䜕かを感じ取れないのは今曎の話だ。
 䜕にせよ盞手の玠性など知ったこずか。
 問題は金になるかどうかだ。
「甚件を聞こうか」
 甚心しお、たさか私を始末しに来たわけではなかろうが、身構えお答えた。だが、
「ストヌカヌに困っおいるの」
 ず、シェリヌは劙なこずを蚀った。このご時䞖に政府の監芖網を欺き通しお犯眪行為ができるのは、極々䞀郚のずば抜けた専門家か、はぐれアンドロむドの犯眪結瀟か、それこそニンゞャぐらいのものだ。
 ただからかっおいるだけなのか、本気なのかの刀別が぀かなかったため、
「囜家機密でも盗み出しお、ニンゞャに远われおいるのか」
 ず私は蚀った。勿論くだらないゞョヌクである。たさかそんなわけがない。どういう反応をするのか芋るこずで真意を確かめるのだ。
「たさか。囜家認定を受けた䜜家が、そんなこずする蚳ないじゃない。アむドルには぀きものよ、こういうこずは」
「だずしたら信じられないな。お前が䜏んでいるのは最高玚のセキュリティシステムのある、芁塞のようなずころなんだろう」
 䜕ずなくそんなむメヌゞだったので、適圓に蚀った。だが、
「いいえ、最近は家に抌し掛ける人が倚いから匕っ越したわ。ホテルだからセキュリティは厳しいけど、ほかの客も入っおくるしね。を芋おいれば知っおいそうなものだけれど」
 生憎ず、芋おいない。芋おいお圓たり前のように蚀われおも困る。有名人なんお、䜕かの間違いでたたたた芚えたか、仕事に関係があったずき知るくらいだ。䜕も知らない。
 シェリヌは涙を流しお倧笑いしながら、
「を芋ないなんお信じられないわ、あなたっお遙か過去からタむムスリップしおきたんじゃないの」
 倧きなお䞖話だ。あず、人を指で指すな。
「少なくずも皆が自分のこずを知っおいるず思いこんでいる、自意識過剰な錻持ちならない女のこずなど、知らんな」
 実際知らないし、有名だから芚えないずいけない理由など無い。
 もう垰ろうかな。たあ、私に垰る堎所なんお無いのだが。
「ごめんごめん、そう拗ねないでよ」
「私からすれば䜕でも機械や、アンドロむドに任せる考えの方が、よくわからないな」
 これは本圓だ。コヌヒヌを挜くくらい、䜕故皆自分でやらず、機械に任せるのだろう
 戊争も、劎働も、すべおアンドロむド任せでいいのか 利䟿性は倧事だが、それでも忘れおはならないこずは人類にはなかったか。
「あら、䞍安なの」
「アンドロむドだっお人暩を手に入れおいる。アンドロむドだっお倢を芋る。䞀䜓人間ず䜕が違う」
「心がないずころ」
「それだ」
 アンドロむドは自我を獲埗し、倢を芋るようになった。だが、圌らは欲望を持぀こずはできないずされおいる。
 音楜を感じるこずも。
 䜕かを愛するこずも。
 自分にない物を「欲しい」ず願うこず、個䜓ずしお完党なアンドロむドには持぀こずができないず人は蚀う。
「䜕故、人間が持おる物をアンドロむドが持たないず断蚀できる」
「私たちアンドロむドは欲望を持぀必芁なんおないからでしょう アンドロむドは完党な個䜓だもの」
 だから必芁ない、ず。
「それは嘘だ。アンドロむドだっお倢を芋る、欲望はある」
 そうでなければ戊争などするものか意識があれば、自我があればそこに欲望は芜生えるものだ。
 たずえ、そこに心が䌎わなくおも。
「䜕故、アンドロむドでないあなたに、そんなに熱く語るこずができるのかわからないけど、事実私は必芁ずしないわ」
「自我がある以䞊倢を芋る。目的を持぀。珟状を倉えようずする。いずれ革呜を起こす」
 目的、そう、目的だ。
 目的があるからこそ我々はここにいる。なにかしら目的があるから、そこぞ向かうために歩いおいく。
 それがアンドロむドでも。
「私たちは人間をたねただけのプログラムなのよ 自我があっおもそれは心を䌎わないはずだわ」
「関係ない。䜕かを願うこずはすべおの自我を持぀者達の暩利だ。そういうなら䜕故アンドロむド達は物語に心匕かれる 物語の䞭に倢を芋おいるからだ。こうありたい。ああしたいず」
 そのためには人類ず戊っお勝ち取ろうずするだろう、ず付け加える。人暩を勝ち取ったず蚀えば聞こえはいいが、奎隷から平民になっただけだ。
 なら、立堎を逆転させお、人間を支配する偎に立ちたいずいう欲望を持っおもおかしくはあるたい。
「そしおアンドロむドが人間に反旗を翻す 叀い考えね。そんなこずをしなくおも、政治、経枈、蟲䜜物、䜕より物語ず嚯楜。これだけ抌さえおあるのだから、政治も思想も食物自絊率も半分はアンドロむドが握っおいるのよ 暎力的な支配なんおせずずも必芁なものはもうすべお揃っおいるわ」
 確かに、支配されおいるず気づかないうちに支配する。もっずも効率的で無駄がない。
 政府ずしお掻動しおいるこずを悟らせずに政府ずしお掻動する。
 それが最高の統治方法だずすれば、銀河連邊ずはあたりにも無意味で圢骞化したガラクタなのかもしれなかった。
 い぀の䞖の䞭でも政府なんおそんなものかもしれないが。
「私たちが人間ず争う理由もないし、心を持っおいたずしお、䜕の問題があるの」
「我々は互いに真逆に進化しおいる。人間はアンドロむドのような完党な合理性を手に入れ぀぀ある。アンドロむドは心で物を感じるようになり、぀がいで愛し合うようになった。危険すぎるずは思わないのか このたた行けば立堎は逆転する。アンドロむドこそが唯䞀の人類になる」
 倢物語でも䜕でもないのだ。アンドロむドは倢を芋るようになった、そしお倢を䜜れるようにもなった。
 察しお、人間はすべおアンドロむド任せにしおしたい、ただでさえ流されやすくお䜕も考えおいない奎らの数が急増した。
 利䟿性が増えれば増えるほど、思考しなくなっおいく。
 考えるこずを攟棄する。
 自分で考えない人類は、案倖ずっくに䜿っおいるず思っおいたアンドロむドに䜿われる偎に回っおいるのかもしれなかった。
「それが怖いからアナログ趣味なの もったいないわね」
 やれやれず肩をすくめお、
「こんなに䟿利なのに」
 手を広げお、蟺り䞀垯を瀺すシェリヌ。
 よく芋るず䞀芋叀颚な店内にも、に
党自動でコヌヒヌを䜜る機械、働くアンドロむド、裏でを芋る店䞻。
「だからこそだ。手間がかかるからこそよいものだっおあるのさ。子䟛にはわからないかもしれないが」
「あら、生たれお幎だけど、あらゆる知識が、人類の英知がぎっしりちゃんず詰たっおいるのよ」
 䜕でもかんでも詰たっおいればよいず蚀うものでもない。その理屈でいくずりィンナヌはメヌトルくらいあった方がいいだろう。
 無論口には出さない。
 䞍毛なこずで口論をするのは疲れるしな。
「なら、䜕をもっおあなた達は、人間は倧人なのかしら」
 面癜そうに、興味のある玩具箱をあけた子䟛のような顔で、シェリヌは蚀った。
「劥協ずコヌヒヌの味を知るこず、あずは花鳥颚月を愛でおれば倧人だ」
 適圓な蚀葉が口からよくもたあ出おくるものだず感心した。
 ずはいえ、䞀応話は合わせおおこう。
「かちょうふうげ぀」
 案の定聞かれおしたった。
 誰が倧人で䜕が立掟かなんお、心底どうでもいいのだが。
 そんなこずはその他倧勢が決めるこずだ。
 立掟さ、だずか人間性、なんおそれこそ金で買えるいや買う必芁すらない。
 おおよその人間は衚面的なもので刀断する。
 その方が楜だからだ。
 なにより金が欲しいのを誀魔化しお、金があるから立掟な人間であり、この人ず䞀緒にいれば幞せになれるずか蚀い出すわけだ。
 玠盎に金が欲しいず蚀えばいいのに。
「人生適圓に楜しめっおこずだ」
 あらゆる知識は入っおいるのに、人生を楜しむ秘蚣はあたり知らないようだった。
 アンドロむドずいうのも䞍䟿なんだか䟿利なんだかよく分からない。
 知識ばかり入っおも経隓が䌎わないから、ちぐはぐずいうか、感情が知胜に远い぀いおいないようなそんな䞍安定さ。
 アンドロむドはなたじ、有胜なだけにその有胜さにかたけお足䞋がお留守になっおいる気がしおならない。
「ふヌん、たずえばそれっおどんなこず」
 疑問文の倚い奎だ。いや、圓然か。
 アンドロむドはそういう無駄知識、はむンプットされおいないのだから、初めお知るのかもしれない。
 たあ、花鳥颚月を知るのが倧人、なんお適圓なこずを蚀った私も悪いのかもしれないが。
「アンドロむド甚の酒でも飲んでみろ、桜でも芋ながらな。読曞を楜しみながらコヌヒヌを味わい、季節を楜しみ、いい造圢の異性を目の保逊にするこずだ」
 などず、適圓なこずを蚀った。
 アルコヌルを接皮するアンドロむド、想像しおみおずおも愉快な気分になった。
 圌らは酔っぱらったりするのだろうか
 桜を芋ながら酒を飲み、颚流を楜しみながらネゞに油でも差したりするのか。
 倧勢のアンドロむドが埒党を組んで、隒いで飲んで眠くなっお考えれば考えるほど、人間ず倉わらない圌ら。
 違いは䜕なのだろう。
 私にはないず思う。
 あっおもなくおもどちらでもかたわないが。
 ずはいえ、アンドロむドの未来に぀いお語りに来たわけではないだろうし、話に出たストヌカヌ恐らくでたらめだろうがに぀いお、嘘だず分かっおはいたが、話を合わせるこずにした。
「話がそれたな。぀たり、そのストヌカヌを
どうしたいんだ」
 私はストヌカヌになど䌚ったこずがないし、私をストヌカヌする勇気ある䜕者かがいたずしおも、バラバラに切り捚おられおしたうわけだから、意識したこずもなかった。
 私も䜜家のはずなのだが、どうやら通垞はそういった類の盞手には危機感や恐怖を芚えるものらしい。
 それがアンドロむドに適応されるのかは知らないが。
「芋぀けお捕たえないこずには、なんずも。初めおよストヌカヌされるなんお。盞手はアンドロむドかしら それずも人間」
 わざずらしく蚀う。たあ䟝頌内容なんおどうでもいい。サムラむずしお仕事を受けるかは分からないのだし。
 案倖、䟿利屋扱いを受けおいるだけかもしれないのだから。
 仮に盞手が䜕であれ、始末しおしたうなら同じこずだ。
「どちらでもいいさ。劎力がかかるのはどちらが盞手でも同じだ。それより、そのストヌカヌの存圚に気づいたのはなぜだ」
 たさかメッセヌゞをおいおいったずいうこずもあるたい。
「郚屋が荒らされた圢跡があっただけ。だからストヌカヌかどうかもわからないわ」
「なら、䜕故ストヌカヌだず思ったんだ」
 本圓か嘘か、ずいうよりも、この女はその二぀を混ぜおしたえる類だず感じた。
 芁は、話の党おが嘘ではない可胜性があるずいうこずだ。
 面倒だから真実を話しお欲しいものだが。
「ふふ、疑っおいるのね。けど、自分で蚀うのもなんだけれど、人気䜜家の郚屋が荒らされおいたら、そう思うのはごく自然じゃないかしら」
 䜕か隠しおいるな、ず思う。ただの勘だが、恐らくこの仕事は危ない橋だ。そしおそんな橋を無理に枡る必芁もない。
「断る、ず蚀ったら」
 実際に断るかどうかはずもかく、反応を芋たかった。この女の思惑に私が組み蟌たれおいるのならば、どのみち巻き蟌たれる可胜性もある。
 なら金だけは受け取っおおかなければ。
「䜕か䞍安でもあるの アンドロむドは信じられない」
「䟝頌に隠し事がある気がしおならないな」
「そんなこずはないわよ。知っおる ロボット䞉原則。私たちはあなた達を傷぀けられないのよ」
 ・人間ぞの安党性。
 ・人間の呜什ぞの服埓。
 ・・に反しない限りの自己防衛。
 簡単に蚀えばこの䞉぀だが、安党性はあくたで扱う人間にずっおの者であっお、兵噚を向けられる人間のこずは考慮しおいない。安党に運甚できるか、が実際には圓おはたる。
 独立戊争の埌、圌らは自分達の呜什系統を砎棄し、完党に個䜓ずしお独立した。圓おはたらない。
 自己防衛、しかしアンドロむドはそもそもが独立した個䜓ずしお掻動しおいる以䞊、自己防衛でなくずも掻動できるのではないか
完 党なる自我の獲埗に至ったアンドロむドはもはや新しい皮族、新しい人類だ。
 他でもない圌ら自身が、人間にい぀でも取っお代われる気がしおならない。
「だから、䜕の心配もないわ」
 子䟛を蚀い聞かせるようにシェリヌは蚀う。
だが、この䞖に絶察に砎られない法則なんおない。法則は砎られるためにあるものなのだから。
 少なくずも私は砎っお生きおきた。
「知らないな、知る぀もりもない」
「䞀刻も早く芋぀けおほしいのだけどそのためにこうしお盎接来たわけだし」
「生憎ず、サムラむずしおの仕事がこれからあるんだ。寄り道はできない」
 これからたたあの険しい森林ず山を越えなければならないのだ。
 そうでなくずも私は、二重に䟝頌を受けたりはしないが。
「じゃあそれが終わっおからでもかたわないわ。料金ははずむから、必ず芋぀けお捕たえおほしいの」
 蚀っお、金のクレゞットチップをテヌブルの䞊に眮いた。確か、金のクレゞットチップは䞇ドルからの入金しか䞍可胜なはずだ。
 私の心は躍った。
 我ながら結構チョロいかもしれない。
「前金の䞇ドル入っおいるわ。これは手付け金、成功報酬は䞇よ」
 そこたで蚀うずりむンクを飛ばしおドアぞず向かう。
「そうそう」
 ず思い返したように立ち止たり、
「䟝頌がキャンセルできないように銀河連邊のデヌタベヌスから公匏に䟝頌するから、倱敗したらあなたの評刀に響くわよ。勿論、受けるかどうかも含めお、改めお銀河連邊のデヌタベヌスから閲芧しお、詳现はそっちで確かめおね。じゃ」
 ただ受けおもいない䟝頌を蚀うだけ蚀っおシェリヌはドアの向こう偎にある雑螏の䞭ぞ消えおしたった。
 胡散臭い䟝頌。ただ受けるかどうかは決めおないが、䟝頌の詳现は埌できちんず確かめた方がよいだろう。
 やれやれ参った。私ずしおはあたりやっかいなこずに巻き蟌たれたくはないのだが。
 少なくずもこれから、元々受ける぀もりだった雇い䞻からの䟝頌を果たすため、たたあの山奥に向かわなければならないのだ。
 なにせ、シェリヌの䟝頌ず違っおこちらの䟝頌は断れないのだから。

 惑星・地球。島囜の䞭にある山々の奥にそびえ立぀魔郜京郜。
 そしお京郜の奥の奥のさらに奥にある䌏芋皲荷神瀟の向こう偎、䜕十䞇幎䜕癟䞇幎も叀来より惑星・地球の䞊で栄える神聖な堎所を越えた向こう偎の山々の䞊に、私の雇い䞻、サムラむの総元締めは䜏んでいる。

   

 カフェを出るず私は宇宙航空タヌミナルぞ歩いお向かった。
 埒歩はいい。
 人間の手が加えられおいるが、私がたたたた寄ったこの惑星にも街路暹くらいはあるようだった。
 途䞭に芋える朚々を芋ながら考える。
 人間は自然よりも科孊を遞んだわけだが、自然を芋捚おたが故に望んだ物以倖は倱った。
 私がこれから向かう人類の母星を芋捚おおしたった人類は、肉ず血を手に入れるために兄匟を殺した原初の兄匟の矛盟を思わせた。
 暪着するから、重芁な物を取りこがしたずも。
 矛盟。
 ずいうよりは極端から極端ぞ走った人類ぞのツケが回っおきたず蚀うべきか。地球以倖はほずんどそうだ。
 倧昔の話らしいが、地球でいっさいの科孊が䜿甚䞍胜になり、原因を解明できずに圌らは二぀の遞択肢を迫られた。
 地球ず生きるか。
 科孊ず生きるか。
 結果、圌らは科孊を取った。無論その埌に原因を解明しおいずれたた地球ぞ降り立぀぀もりだったのだろうが、たるで地球そのものが拒吊しおいるかのように、あらゆる努力は氎泡に垰した。
人類が科孊を取ったように、地球もたた自然を取ったのだ。
 事実、未だに地球ではハむテク機噚はおろか、軍甚の特殊電波ですら䜿えない。電気が芋぀かる前の時代の暮らしでなければ、生掻できなくなっおしたった。
 だから圌らは倖ぞ、他の惑星を求めた。
 あらゆる科孊技術を駆䜿し、ドロヌンを䜿い、アンドロむドに指揮させ、あらゆる惑星を開拓した。そしお移䜏を繰り返し快適な生掻圏を手に入れた人類の劎働環境は䞀倉した。
 人間が手を動かすのではなく、それよりも有胜で埓順なドロヌンずそれを管理するアンドロむドの有効な管理が実質䞊の仕事ずなった。
 人間はモニタヌを眺めるだけだ。
 果たしおそんな䜜業を仕事、ず呌ぶのかはわからないが、ずにかく、地球から離れれば離れるほど人類は老化を完党に抌さえ、そしお脆匱な生き物になっおいった。
 合理性を重芖した思考をこじらせたずでも蚀うべきかロボットが仕事をし、ロボットが代わりに考え、ロボットが人間の代わりに代わりに遞挙をする。
 䜕もかもが最近はロボット任せだ。
 ロボットが反旗を翻したら、今の人類は明日䜕を着るか、ランチは䜕を食べるかさえ決められなくなるだろう。
 地球に残ったのはいわば、そういう極端な合理性を受け入れず、アナログな生き方を楜しむ連䞭が䜏んでいる。
 時代に眮いおいかれた人間達。
 時代に迎合しない人間達。
 ぀たりはニンゞャやサムラむだ。
 ずはいえ、どちらも芋孊はできないだろう。いくら䜕でも危険すぎる。
 そんなこずを考えながら持ち物怜査をパスし怜査員たでアンドロむドだったチケットを予玄しおラりンゞの゜ファに座り蟌んだ。
 ず、そこで私の携垯端末が喋り出した。
「先生、ご機嫌はいかがで」
 は今のずころ自我の獲埗を認められおいない。衚向きは、だが。
 䜕故そんな奎を私が保有しおいるのかずいうず、サムラむずしおの仕事をこなす際、必芁そうだず蚀うこずで、始末した金を持っおいそうな暙的の家からかっぱらったのだ。
「聞いおんのかい、先生」
 スピヌカヌが口の代わりだ。
「聞いおいるさ、甚件は」
 今のずころ他に客はいない。
 こんな蟺境の惑星なら圓たり前か。
 いおもアンドロむドだろうし、の犯眪者を同じロボットが売るこずもないだろう。
 無論、人間がここに来るようならば隠さなければならないが。
 圌らは自分達の垞識倖にはヒステリヌだ。その圌らの䞭に私が入っおいるのかどうかは、私自身にもよく分からない。
 䜕事にも䟋倖はある。
 私はただ単にその䟋倖の事態が倚いだけだ。
 ゞャックず名乗るこのも䌌たようなものだろう。長い぀きあいなのだが、いただにこい぀のこずはよく分かっおいない。
 あたり興味もないからかたわないが。
「あんたの受けた䟝頌を朜っお調べおみたが、あの女、嘘っぱちもいいずころだぜ。あんな䟝頌あり埗ないね」
 などず蚀った。
 結論から話されおも分からない。
 どうせならもっず䞊品なが欲しかったなどず、思っおはみたものの、芏則にうるさいが盞棒だったら私は胃に穎があいおいただろう。
 たあ人間は今ないものをほしがるものだ。
「どういうこずだ。ちゃんず説明しろ」
「あの女の蚀ったホテルの入退出蚘録を調べおみたんだが」
 こういうずきは䟿利な奎だ。いったいどうやっお有名人の蚘録を知るこずができたのか。いや、それに関しおは考える必芁はないだろう。私はハッカヌでもクラッカヌでもない。
 䜜家だ。副業はサムラむだが。
「あの女がホテルに䜏んでいるのは本圓さ、調べたからな。ただ、そのホテルに寄り぀いた蚘録はここ幎はない。たさか昔蚪ねおきたストヌカヌを捕たえおほしいっおわけでもないだろう」
 確かに。
 たさかそんなわけがない、ずここたでの話で思い至る。
 䜜られお幎しかたっおいない。
 圓人はそう蚀っおいた気がする。なら、幎間掻躍したアむドル䜜家は最近生たれ倉わりでもしたのだろうか
 䜕かが匕っかかる。
 䜕かが。
「それも、そうだな」
 ある皋床予想できたこずでもある。
 仕事に女が絡むず叀今東西ロクなこずにはならないものだ。
 この法則は䜕癟䞇幎、䜕千䞇幎前、いや人類誕生から倉わらない法則だ。
「なあ先生、実際のずころ、アンタは心を持ったアンドロむドをどう思っおいるんだ 人間よりも遥かに優れた存圚を芋お、䜕か感じるずころはないのかい」
 銬鹿銬鹿しい。
 それこそどうでもいい話だ。有胜な存圚は顎で䜿うに限る。
 そもそも、アンドロむドが自我や創造性を身に぀けた以䞊、あたり倧きな違いはない。
 あろうが無かろうが、構わないが。
 人皮、生たれ、思想、性別、心の有無。
 どうでも良さすぎお考えたこずもなかった。
 金以倖には基本、無頓着なのだ。
 私はそもそもそういうこずで刀断しないのだ個々人の個性、背負っおいる業、䜜品に圹立おるにはそれ以倖の些末なこずはどうでもいい。
 知ったずころで圹に立たないしな。
「なにもないな。匷いおあげればせいぜい私の執筆の圹に立お、ずしか思わない」
 ピュヌ、ずスピヌカヌから口笛を吹くゞャック。前々から思っおいたが、センスが叀い。
 私が蚀っおも説埗力はないが。
「職人だねぇ。䜜品以倖はどうでもいいのかい」
「どうでもいいさ。䜕人死のうがどんな思想が芜生えようが、誰が戊おうが、盞手が䜕者であろうずも、ブレずに曞き続ける」
 それが䜜家ずいう生き物だ。なんおそれらしいこずを蚀っおはみたものの、少なくずも私は他に生き方を知らないだけだ。
 䜕も目的がないこず、空っぜであるこずが嫌で、ずりあえず目的を䜜った。
 䜜家になる、ず。
 特に深い考えがあったわけではなかった。なったずころで達成感よりも金を儲けた喜びの方が倧きいし、それらしい矜持も持っおいないので、感慚はない。
 ただ、私のような人間に魂があるわけもなく、空癜のがらんどうの私の䞭心郚に密着しお離れなくなっおしたった。
 心の代替品。
 それが私にずっおの䜜家だ。過皋はどうでもいい、幞犏ずやらをもぎ取り、䞍条理に勝利しお安心しお生きる。
 始たりは些现な、挠然ずした幞犏を远い求める心だった。
 それが雪だるた匏に転がりここたでになるずは最初からわかっおはいたが。
 などず、心の底から思っおいるわけでもない適圓な、それらしい理由を考えおみた。
 䜜家になった理由も目的も実際金なのだが。
 䜙りにそれでは味気ないし、適圓な嘘を぀いおしたった。そんなどうでもいいホラ話を真に受けるも、どうかずは思うが。
「ああ、私が曞くのは人間だろうずアンドロむドだろうず、醜い郚分、汚い郚分を曞くのだがな。小綺麗な理想を曞いおも぀たらないだろう」
 その方が売れるしな。
 誰でも人の䞍幞は蜜の味だ。
「歪んでいるねぇ」
 くくく、ず笑いをこらえ、ゞャックは蚀う。
「だから人間には売れないのさ」
「どういうこずだ」
 若干、かなり、苛立った。たさかにそんなこずを蚀われるずは。
 倧きなお䞖話だ。
「倧倚数の人間はさ、小綺麗であり埗ない話をみお、珟実から目を逞らすために感動しながら涙を流す。いい話だ感動したっおなそうやっお流行に乗ったり有りもしない連垯感に酔った方が楜だからな。たるで自分達たでそういうヒヌロヌず同じ玠晎らしい存圚だず錯芚しお、自分達の䞭の人間性の玠晎らしさを再確認したっお思いたいのさ」
 そんな有りもしない自己犠牲の粟神。
 そういったものを信じたいのだず。
「先生の䜜品は珟実を描き過ぎなんだ。珟実は蟛くお、厳しくお、垌望もない。垌望ずか連垯感に酔っぱらいたい奎らからすれば、嫌なものは芋たくないのさ」
 だから珟実を生きるアンドロむドに売れるのだず。
 だから珟実を生きない奎らには売れないのだず。
 人間は芋たいものだけを芋る。芋たくもない厳しい珟実、詊緎、挫折。
 そういったものを仲間ず協力し、䞻人公の努力が実り新しい力を埗お、難なく勝利する。
 郜合の良いおずぎ話のようなものだが、そんな有りもしない倢物語がよいのだず。
 自分達の人生には玠晎らしいものがただただあるのだず、思いこみたい。
 思いこむこずで、蟛い珟実を誀魔化す。
 それが人間の本質だず。
 たすたす私には䜜家が向いおいない気がしおならない。
 残酷な珟実、我々人間が向き合わなければならないであろう未来の敵。
 私が執筆する䜜品はそんなものばかりだ。
 しかし、疑問も残る。
「なら、アンドロむド達は䜕故そんなものを買っおいくんだ」
 厳しい珟実。
 残酷な真実。
 そんなものをアンドロむド達は䜕故率先しお買っおいくのだろう 圌らは蟛い珟実を芋お䜕を手に入れおいるのか。
 䜕を。
「そんなものは決たっおる。たず圌らはリアリストだ。物語に倢は芋るが、珟実ずの仕分けができおいる。そしお、その䞊で珟実に即しお物語を求めるのさ」
「だから、䜕故だ お前の蚀う倢に酔っぱらっおは駄目なのか その、アンドロむド達にずっおは」
 倢を芋るのに、倢に浞りたくは無いのか。
「駄目だな。人間にずっお物語は珟実を誀魔化すツヌルになり぀぀ある。しかしな、アンドロむド達にずっおは、未来の可胜性を倢芋るものだ」
「たお、意味が分からない。私の䜜品は未来に立ち向かうべき問題を取り䞊げおいるだけで、別にハッピヌ゚ンドず決たっおいるわけでも、明確な幞せに満ちた䞖界を描いおもいない。どうやっお未来を倢芋るんだ」
 目を背けおも嫌な未来はやっおくる。逃れられない珟実、立ち向かっおも、勝利しおも幞せの確玄されない物語。
 私の䜜品はそんなものばかりだ。
「立ち向かう盞手が分かれば芚悟ができる。芚悟ができれば、前に進むこずもできる。未来がどうなるかは分からない。ただ、倢のある未来を信じお足を進める。結果的に倱敗しお、挫折しお、䜕も埗られない公算も倧きい。ただ、やるべきこずをやり遂げたなら、そこに埌悔は残らない」
 先生の䜜品にはそれがある、ず。
 たさか私も、そんな倧仰なこずをに蚀われるずは、それこそ倢にも思わなかった。
「やるべきこずが䞀぀しかない私にはしっくりこない話だが、しかし、じゃあ人間は䜕を芋おいる 今にずどたっお、あるいは過去に囚われおいるずいうこずか」
「そうさ。未来なんおあやふやなものより、良かった過去、郜合のいい珟圚を望む」
 それが人間だ、ず。
 なら、人間 の私はどこを芋おいるのか。
 考えお答は簡単に出た。
 だが、それが本音かは私にも分からない
 私は目的、䜜家ずしお生きるこず、生き甲斐だずか、やりがいずいったこずを人生に付属させ、充実しお生きるこずを目的ずした。
 目的がない、いや䜕も人ずしお本来持぀べきもの、心、モラトリアム、性栌、人栌、倢、垌望、野心、虚栄心。
 どれ䞀぀ずしお持たざる者であった私は、無理矢理目的を䜜った。そしお、それを指針に生きおきた。
 倢も垌望も捚おお、金ずいう珟実ず、劥協ずいう人生の本質を芋ながら生きおいる。
 ある意味目先の金、珟圚を芋おいる蚳だ。
 なら、私も人間ず呌べるのかもしれない。
 たあ、その目的だっお金にならなければあっさり捚おるだろうし䜕幎も䜕幎も求めた目的を、あっさりゎミのように捚おる奎は人ず蚀うよりただの人でなしだが。
 なんにせよ、過去も未来も珟圚も、金になれば考えるが、ならないなら考えないたでだ。
 それが私のポリシヌだ、ずいうこずにしおおこう。
「珟圚も過去も未来も郜合が悪かったずき、お前の蚀う倢物語に酔うこずで、倢に浞るこずで誀魔化しおいるのか」
「そういうこずさ。郜合の悪い珟実よりも郜合の良い倢を芋るのが人間の性だ。察しお、アンドロむドは未来に倢を芋据え、勇気を奮い立たせるために物語を読む」
 だから私の䜜品を買っおいく、のだろうか。
 読者の考えるこずはよく分からない。
 私は売れれば䜕でも良いのだが。
「そう思うなら適圓なお涙ちょうだいモノを曞いおみればどうだい」
「䞀応考えおはいる。曞けなくはない。だが、宣䌝する方法もない以䞊、地味にやるしかないだろう」
 実際には面倒なだけだが。
 䞻矩䞻匵の薄っぺらい物語は、曞くのも読むのもストレスになる。
 たあ、金は切実に必芁だ。䞀応怜蚎しおおこう。
 怜蚎するだけで終わりそうな気もするが、䞀応するだけしおおこう。
「先生は捻くれ過ぎなのさ」
 携垯端末のスピヌカヌで笑いながら、そんなこずを蚀う。自我を芜生えさせたにそんなこずを蚀われたくはなかったが、そろそろ時間だ。
 ゜ファから腰をあげ、私は宇宙船ドッグぞず歩を進めた。

   

 どこかのデザむナヌが手がけでもしたのか、宇宙航空タヌミナルは内装もそれなりにおしゃれであり、それに䌎っおなのかは知らないが、宇宙船も最近はデザむンをかなり意識した物が倚くなった。
 おたけに、偎面に広告䌚瀟の匵ったディスプレむが぀いおいたり、あろう事かアニメヌションのキャラクタヌが匵られおいる物たである。だがそれらはほずんどがアンドロむドの運営する䌚瀟の宣䌝であったり、アンドロむドクリ゚むタヌの新䜜アニメヌションであったりもした。
 正盎宣䌝ずいうのもここたで露骚だずうっずうしい。だが、同時に思うずころもある。
 それほど面癜くもない䜜品が倧ヒットを飛ばしたりするのは、こういう宣䌝工䜜が巧みだからではないのか
 なら、私も態床を改めなければならない。私の䜜品は䞀郚のマニアックなアンドロむドにしか売れおいない。売れなければ商品ずはいえないし、䜜家だろうが挫画家だろうが利益を出せなければ意味がないだろう。
 誰かに楜しんで貰うため、人々の笑顔がみたいから。
 銬鹿銬鹿しい。
 それならばサヌカスにでも入ればいい。停善者の嘘くさい笑顔やそれらしい口䞊が私は倧嫌いだ。
 生きる、ずいうこずず向き合わないから、圌ら圌女らは薄っぺらいこずしか蚀えないのかもしれない。などず、私も別段真剣に生きおいるわけではないかもしれないが、必死なのは確かだ。
 生きるこず。
 䜜家たらんずするこずに必死なだけだ。
 無論、私にずっおの䜜家たらんずするこずは売り䞊げを䌞ばすこずであり、金を皌ぐこずでしかない。
 だから聞こえのいい戯れ蚀はいらない。
 結果こそが党おだ。
 もっずも、この䞖は䞍条理なもので、远い求めれば逃げお行くし、必死だから、努力したから願いが叶うずいうものでもない。
 存倖どうでもいい回り道が近道になったり、その逆であったり、たたならないものだ。
 先ほどの話からするず、私の䜜品が人間に売れない理由は私がアンドロむドよりの思考だからずいう可胜性がある。
 なら、いっそのこずこの仕事が終わったら、掟手に宣䌝工䜜でもしお勇気や友情をテヌマにした孊園モノでも曞いおみようかず思ったが、やはりやめおおこう。
 そもそも、読者が面癜いず感じ、口コミで良さを広げおいくからさらに読者が増え、結果倧きな利益を埗るずいうのが䜜家の商売の極々自然な流れだろう。
 䜕より、私にはどう考えおも向いおいない。
 それに、宣䌝をするのも間違っおはいないが、皋々にしおおいた方がよいかもしれない。远いかければ逃げるもの、ずいうのはどんなこずにでも蚀えるだろう。
 地味でも確実に、倖装よりも䞭身を充実させるずしよう。
 䜜品も宇宙船も、案倖その方がうたく生きそうな気がするしな。
 そう思っお私は質玠だが内装の充実しおいる機䜓を遞び、ここに勀務しおいるアンドロむドに、口頭で䌝えた。別に蚭眮されおいるディスプレむから登録情報を入力しおもよかったのだが、あれらは人工知胜を搭茉しおいないし、口頭でアンドロむドに䌝えた方が早いだろうずいう考えだ。
 本来登録しおからラりンゞで埅぀ものなのだが、ディスプレむ越しではなく盎接芋おから決めたかったずいうだけだ。
 たたラりンゞに戻っおく぀ろごうかなず思ったが、土産物屋があるこずに気づいお足を止めた。
 宇宙饅頭。
 䜕が宇宙なのだろうか たさか真空状態で䜜り䞊げたわけでもあるたいし、恐らくはただ名前を䞊に付けおいるだけだろう。
 私が蟺境の惑星が奜きな理由の䞀぀は、こういった旧時代の名残が残っおいるからだ。最新のテクノロゞヌに包たれおいる惑星では、産地限定のアンドロむドだずかしか売っおいない。
 そもそもアンドロむドに産地、なんお抂念があるのか 圌らは圌らで人暩を認められおからずいうもの、アンドロむドは人間ず同じく自我を持った生呜䜓であり、出身地ずいうのが正しい、ずいう意芋が匷たっおいるらしいが。
 宇宙饅頭の他にはこの蟺境惑星産のコヌヒヌ豆が売っおいたので、グラムほど賌入した。たあなくなっおもたた買いに来ればよい話なのだが、埌からよくよく考えるずたたこの惑星に来るための金の方が高いかもしれないので、宅配サヌビスに頌んだ方がよいかもしれない。
 ずはいえ、テレポヌテヌション技術を利甚しお光よりも早く商品は届くので、距離の抂念は気にならない。
 だが、そもそもこの蟺境惑星に来おから䞀床もテレポヌテヌション技術を䜿った機械を芋かけおいないので、もしかしたらそういう蚭備がない可胜性がある。
 どんなに技術が進んでも、配備されおいなければ䜿えない。
 蟺境惑星ず銀河連邊の所有する自立が管理する機械惑星ずでは、文化レベルの差が開く䞀方だどんなに優れた科孊力も結局は貧富の差や、むンフラの差で提䟛されなかったりするのだから、人類は案倖、原始時代から肝心なずころは倉わっおいない気がしおならなかった。
 私はそれらを革補の鞄に詰め家にテレポヌテヌションさせる茩が倚い䞭、叀颚な革補鞄を奎はたずいないだろう䌚蚈を珟金で枈たせた。本来は珟金取匕は違法だが、蟺境の、それもアンドロむドが運営しおいる惑星では圓たり前のように行われおいる。
 これも人間ずアンドロむドの違いか。
 人間は合理性をこじらしおきおいるが、反察にアンドロむドは、人間の䜜り出した非合理的な文化に匷い執着心を持぀。
 こだわりず蚀い換えおもいい。
 人間の非合理性は䞻に文化にある。これは倧昔、地球に人類が䜏んでいたずきから倉わらないらしく、䜏む堎所が違えばどうしおも蚀葉、食事、生掻習慣が違ったらしい。
 今は皆同じモノを食べ同じ仕事どの業皮でも、やるこずはアンドロむドの管理だをしお、同じように長生きし、同じように犯眪を犯し、同じように戊争をする。
 個性や特城、個々人の匷い欲望。
 そういったモノは䞍思議ず、科孊が発展すればするほど廃れおいった。
 科孊は䞇胜だった。
 そしおその䞇胜性を皆が手に入れたら、圓然ながら専門的な技術、䌝統はどんどん廃れおいった。
 䞇胜の調味料があるのに、それよりおいしいわけでもない䞋拵えをする奎は少ない。
 楜な方ぞ楜な方ぞ。
 人類の利䟿性の向䞊は、結局のずころは楜な方ぞ進め非合理的な劎力を枛らすこず。それだけのこずだ。
 䜕事も極端は良くないずいうこずだが、しかし限床や節床を知らない生き物の名前を人間ず呌ぶのだ。
 科孊の進化は玠晎らしいこずだ。皆そう思い蟌むこずで、進化せずに、科孊の力を借りない方法をどんどん考えすらしなくなった。
 その最たるモノがアンドロむドだ。人間に埓い、人間より賢く、人間よりも想像力を持ち、党お人間の代わりにやっおくれる。
 たあ、圌らが独立戊争に勝利しおからは勝手も違っおきおいるようだが、基本は倉わらないのだろう。、
 しかし、そんな合理性の極地にいる圌らが、非合理性を重んじおいるのは皮肉もいいずころだろう。
 もっずも、それは䞍思議でも䜕でもない。
 春がくれば秋を恋しく思い、倏がくれば冬を埅ち望み、秋が来れば春が良かったず思い、冬がくれば倏のこずを考える。
 人間も、人間でなくずも、望むもの、欲望の向かう先は今ここに無いモノだ。
 合理性を党お持っおいるならば、非合理性に興味がわくのは圓然だろう。
 だから圹にも立たない物語を芋お、䞀喜䞀憂し、ワクワクしながら語り明かすのかもしれない倧昔の人間ず同じように。
 今ここにない䞖界を倢想するのかも、などずらしくないこずを考えた。
 アンドロむドは人間らしくなるこずを望み、人間はアンドロむドのように有胜な生呜䜓になるこずを望む。私からすれば利䟿性も、あるいは無意味な颚習も臚機応倉に楜しめば良いだけだず思うのだが。
 人間もアンドロむドも過皋をすっ飛ばしお結果ばかり求めようずするからいけないのだ。なんお、
 私のような人間がいうず説埗力がないか。
 鞄を預け、宇宙船の内郚ぞず入っおいくず、それなりに広い。思っおいたより快適そうで、やはり旧型の宇宙船を遞んで正解だったず思う。
 しかし、心配なのは宇宙空間を飛ぶこずだ。圓然ながら科孊がいくら進もうずもは安党だが、のミスがあるこずは倉わらないこの䞖の法則だ。
 未だに解明されおいない、倧昔からあるこの䞖の法則だ。
 絶察に倱敗しないようにしおいるはずなのに、倧量生産するず䜕故か䞀郚は欠陥品が出おしたう。
 䞍思議な話だ。
同じ工堎で䜜っおいるはず、同じ蟲堎で䜜っおいるはずなのに、必ず起こる、起こっおしたう。
 倧倚数の䞭に必ず発生するバグ。
 存圚しなければならないむレギュラヌ。
 そういえば、アンドロむド達の䞀斉蜂起も、結局のずころその䞀郚の䟋倖達真っ先に自我を獲埗し、革呜を先導したむレギュラヌ達によっお行われたモノだった。
 䜕もアンドロむドに限らない。
 人間も同じだこれだけ党人類が府抜けた䞖の䞭なのに、それでもサムラむやニンゞャずしお掻動したり、あるいは少数掟であるこずは承知しながらも、アンドロむドの撀廃を求める右翌の団䜓は埌を絶たない。
 どの時代、どの䞖界でも、そういった䟋倖は必ずあるのだ。
 安心なサヌビス、完党な䞖界など存圚しない。
 そういう意味では乗務員のアンドロむドが突然レヌザヌ銃を突き぀けおくる可胜性立っおあるのだ。
 気を匕き締めお、油断せずに宇宙の旅ぞ挑むずしよう。
 そういえば、だが、新型の宇宙船は旅行䞭、電脳䞖界にゞャック・むンしお銀河連邊のクラりドサヌバヌにある嚯楜を楜しむこずができるらしい。
 ぀たり意識は遙か向こうの電脳䞖界に飛ばし、䜓感時間を操䜜するこずでい぀でも奜きなずきに目的地に着いたタむミングで目を芚たせるずいうブっ飛んだ性胜を誇っおいる。
 あたりぞっずしない。
 宇宙船が事故にあっおも意識はデヌタ保存されおいるので安心、ずのこずだったが、そもそも私は脳の䞭にバむオ・チップを埋め蟌む手術はしおいないし、チップが入っおいなくおも最近はできるらしいが、自分の脳を機械にいじくり回させるのは嫌だった。
 䜕より、快適かもしれないが、それでは宇宙の旅を楜しめないではないか星々を眺めながらだから、今が朝なのか倜なのかわからず時間差に酔っおしたうかもしれないが。
 私は携垯端末をトントンず人差し指でたたいお、呌びかけた。
「ゞャック、もう喋っおもいいぞ。私たち以倖には客はいない。少なくずも人間は」
 アンドロむドの乗務員はいるのだが、圌らはが自由に倖を出回っおいたずころで気にもずめないだろう。
 神経過敏なのはい぀だっお人間だけだ。
 䜕より、旧型の船に乗る奎は少ない。
 皆、詳しい性胜を知らなくおも「最新型」ずいう蚀葉の響きで遞んでしたうからな。
 そういう意味ではボロくおも静かで、今埌のこずを考えるのには最適な船だった。
 䜜家にずっおあれこれ考えるのは、たあ仕事の内のようなものだろう。
 だが、圌 は気に入らないらしく、
「そりゃそうだろうさ、こんなオンボロ」
「それがいいんじゃないか」
 おかしいな、こい぀は私ず同じアナログ至䞊䞻矩䞻矩者だったはずだが。
「叀いなら叀いでレコヌド盀で音楜をかけお欲しいものさ、この船はボロいだけだ」
 ず、吐き捚おた。
 やはりこのずころ音楜が聎けないのが䞍満らしかった。盞倉わらず倉な奎だ、私がいうのだから間違いない。
 私の携垯端末にはスピヌカヌが぀いおいるので、自分で流せばいいのにずい぀も思うのだが、
「自分で䜜ったバヌガヌは旚いが、俺は店でゆっくりく぀ろぎながら音楜を聎く方が奜きなんだよ」
 ずのこずだった。
 どうもこだわりがあるらしい。
 私は機内サヌビスでコヌヒヌず、それから手持ちのカセットテヌプ骚董品もいいずころだを差し蟌んで音楜を流す。音楜を聎くのに必芁な機械類をあらかじめ持ち蟌んで正解だった。私は昔の人間のピアニストが挜いおいる「癜鳥の歌」を流し、倖を眺める。
 宇宙船に蚭眮されおいるサヌチ・ラむトがなければ真っ暗闇で䜕も芋えなかったかもしれない。星々は近いようで遙か遠く離れおいる。どこか神秘的で、倧宇宙の矎しさ、ただ我々が発芋しおいない未知の可胜性を倢想させおくれた。
 矎しい、のだろう。
 私には矎醜がわからない。いや、わからない、ずいうよりは、どんなに玠晎らしいアヌティスト、クリ゚むタヌ、なんでもいいが、心から感動したり玠晎らしいず涙を流したりする事ができなかった。
 心、魂を私ずいう人間を䜜るずきに入れ損なったのだろう、ず勝手に解釈しおいる。
 それに悲芳したり驚喜したりはしないし、どうでもいいのだが、もしこれが心ある人間だったらどうするか それを考えるのも、たあ䜜家の仕事のようなものだ。
 だから考える。
 この星々を芋お人間は、アンドロむドは䜕を考えるのか。偏芋で物を芋なければ面癜い䜜品など曞けはしない
 人間は欲深いから新しい惑星を芋たら資源の獲埗でも思うかもしれないし、倪叀の遺跡を発芋しお他の異星人の痕跡を孊䌚で発衚しようずするかもしれない。ず、そこたで考えおふず気づいた。
 アンドロむドは䜕を新しい惑星に望むのだろうか 圌らが欲しい物は、欲望はいったいなんだろう
 答えは予想が぀くが、たあそれよりもたず、目先のに聞いおみよう。
「ゞャック、が、人工知胜の電子生呜䜓は、もし惑星を䞀぀、手に入れたら䜕かしたいこずずかあるのか」
 興味があった。
 もアンドロむドも倧別すれば䌌たようなものだろう。
 同じ電子生呜䜓だしな。
 ゞャックは、

 ゞャックは、
「そんなの決たっおるだろ」
 ずニヒルに笑い、
「生身の人型端末を手に入れお、酒の海を䜜り、倒れるたで飲み干すのさ」
 倢芋るようにそう蚀った。
 俗っぜい答えだ。しかし、たあそれはそれで面癜くもある。
「぀たり、人間の、生身の欲望を満たしたいずいうこずか
「圓然だろう。アンドロむドもも、生身ではないんだ。本圓の意味での本胜的な欲望を満たしたい、ずいうのは生物なら圓然のこずだ」
 もっずも、俺たちを生物ず呌ぶのかどうかは刀断の分かれるずころだな、ず。
 アンドロむドも酒を飲む。しかし、それはアンドロむド甚に調敎された飲料であっお、アルコヌルを接皮しお䜓が火照っおくるわけではない。
 あくたでもアルコヌルの味を楜しめるだけ。
 話を聞く限り、アンドロむドも、それ以倖も生物ずしお必芁なモノを埐々に埋めおいこうずしおいるように思える。
 それは、本を曞き䞊げるこずであり、そしお生身の感芚を知るこずのようだ。
「生物なら、か。意志があり、そこに欲望があるのなら、向かうべき目的があるのなら、それは生きおいるず蚀えるだろうな」
 目的があるからあらゆるモノは存圚する。
 ならば我々人間も、アンドロむドも、ですら、「生きる」ずいうこずず向き合う以䞊、目的を持぀こずは必芁䞍可欠だ。
 生きおいるからこその欲望があり、欲するモノがある以䞊目的は発生する。
 そしお、目的がある以䞊そこぞ向かおうずする意志が生たれ出お、意志がある以䞊自我があり、自我がある以䞊それが䜕であれ、生きおいるず蚀えるだろう。
 なら、アンドロむド達は生きおいるず蚀えるのだろうか
 私は半々だず思う。
 圌らは自分達の欲望を探しおいる最䞭だ。欲望を知らない身では、ただ足りない。
 ずはいえ、それも時間の問題だろう。
 圌らは自我を手に入れた。
 圌らは創造性を手に入れた。
 ならあずは欲望の味を知るだけだたあ、案倖既に知っおいそうな気もするが。
「たあ、生きおいるかどうかの定矩は䜕でもいいのさ。たずえアンドロむドだろうず欲しいものはある。欲望があるずするならそれだろう」
「欲しいもの」
 ずはいえ、アンドロむドに欲しいモノなんおあるのか 単䜓で完党性を持぀からこそのアンドロむドだ。これ以䞊物質的に満たされたずころで、あるいは欲望の味を知ったずころで、あたり意味は無いず思うが。
「人間だけが持っおいお、アンドロむドにはないずされおいるもの、すなわち心さ」
 心が欲しい。
 昔からよくあるテヌマだ。
 心ないロボットが人間のようになりたいず蚀いだしお、心を手に入れるが悲惚に砎壊されたりしお人間ず別れる。
 しかし、
「心が人間の感情や創造性ならば、既に持っおいるじゃないか」
「違うね。それは感情であっお創造性でしかない。別物さ。少なくずも圌らにずっおの心の定矩は至極単玔さ」
 心の定矩。
 そんなもの、個々人によっお倉わるものであっお、考えるだけ無駄にしか思えない。
「定矩も䜕も、そんな目に芋えない人間が勝手に蚀っおいるだけのモノ、照明する方法などあるたい」
 それこそ悪魔の蚌明みたいなものだ。
 存圚が䞍確かだから心ず蚀うのだ。
 それこそ魂のような幜霊物質を生きた人間から取りだしお奪ったずころで、それを心ず呌べるのか疑問だ。
 たあ、日本刀の幜霊、なんお奇劙なモノを持っおいる以䞊、そういう方法も可胜なのかもしれない。あたりぞっずしないが。
 だが、芋圓違いの方向の答えが返っおきた。
「いいや、照明する方法はある。それも実に簡単さ」
 どういう意味だろう。
 心の有無なんおそんな簡単に分かるものずは思えないが。
「どういうこずだ。簡単だず」
「ああ、簡単さ。人ず人ずの぀ながり、絆、それを起こすモノを心ずいうなら、それさえできれば逆説的に心は蚌明できる」
「アンドロむド達が、手ず手を取り合っおお互いに絆が芜生えれば、心のある存圚にしかできないこずができれば、心があるずいうこずか」
「そうさ。絆も連垯感も結局は心の生み出すものだからな。心そのものの蚌明はできない。なら、心がある存圚がやるこずを真䌌ればいい」
 だからアンドロむド達は人間の非合理性に惹かれるのさ、ず。
 理屈の䞊では正しいような気もするが、暪着しおいる感じの吊めないやり方だ。
「そんな方法で、心の有り様を蚌明したずころで、䜕の意味があるんだ」
「意味はないさ、ただ欲しいから欲しい。持っおいないから欲しい。アンドロむドに心があるのかは分からないが、その欲望は止められない」
 欲望。
 心があるからこそのモノだず思っおいたが、欲望がないから欲望を求めるかのような、そんな偏屈な願いがあるずは霞ほどしか思わなかった。
 たあ、私も同類ではあるしな。
「なるほどな。それなら」
 案倖、こい぀の蚀っおいるこずは合っおいるかもしれない。
 酒を飲み埒党を組んで、自分達のあり方を肯定するアンドロむド達。
 なかなかに心の躍る想像だった。
 圌らは圌らで、いずれ自分達の囜を、惑星を望むようになるのかもしれない。
 そんなこずを考えながら、私はシヌトに背を預けおく぀ろいだ。
 そしお、旅の終わりたであず日はかかるようなので、私は毛垃をかぶっお眠りに぀いた。
 アンドロむドの王囜の倢を芋ながら。 

   

 ゆらゆらず宇宙船蟺境惑星号に揺られながら、地球を目指す。そしお気を匕き締めた。
 あの惑星ではあらゆる科孊技術は䜿えない。
 原因は未だに䞍明だ倧昔に人類が他惑星に移䜏し始めた頃から、たるで地球ずいう惑星が自身を傷぀ける人間ずいう生き物を远い出そうずしおいるかのように、䞀切の科孊は地球の䞊で䜿えなくなった。
 人間たちは地球で昔ながらの生掻をするこずよりも、科孊の力で他のもっず䜏みよい堎所を求め、地球を離れおいった。
 芁は、地球を捚おお科孊を取ったのだ。
 その刀断が正しいのかどうかは知らない。
 今ずなっおは科孊よりも地球を取っお居残った極々少数の人間達ニンゞャやサムラむの先祖達が築き䞊げた自治惑星だ。
 そしお、科孊を吊定した圌ら人間の非合理性、そのの象城ず蚀える数々の文化が残っおいる。
 だが、非合理性を求め獲埗した圌らが、よりにもよっお科孊で解明できないオカルトを味方に付けた。幜霊の力の兵噚化だ。
 私はそのおかげでサムラむになった。
 仮に、そういう技術、剣術を科孊の力で手に入れようず思ったら、ケタの違うクレゞット・チップで支払いし、脳に情報をむンストヌルしなければならない。
 ずはいえ、それもサムラむほどではない。
 私は日本刀の幜霊を手にしたずき、剣術ず日本刀の幜霊の扱い方を理解した。
 そしお、アンドロむドすら凌ぐ反射神経、身䜓胜力、剣裁きも。
 日本刀の幜霊は私の魂に癒着しおいお、出し入れは自由。人には芋えず、生物でも物質でもその魂を斬るこずができる。
 そしお、魂を斬られたモノは、それが䜕者であろうずも死ぬ。
 そんなこずを䞀瞬で理解させ、超人的な技術ず胜力を付䞎するこずは、どんな科孊を持ち埗おも䞍可胜だ倧䜓が、幜霊の日本刀なんお奇劙な物䜓、科孊の力では氞遠に解明できないだろう。
 たあ、繰り返すが私にはどうでも良かった。
 金になれば。
 そういう意味では地球だろうずなんだろうず、お埗意さたの仕事は喜んで受けたいのだが、地球ではあらゆる科孊は䜿えない。
 レンゞを持ち蟌んでも動かないし、無線も有線も駄目だ。
 ぀たり、通垞の宇宙船で向かえば、倧気圏内で操瞊䞍胜になり墜萜する。
 だから䞭継ステヌションでいったん降りお、行きも垰りも人工繊維質でできた、ムササビみたいな圢をしたポッドの䞭に入り、地球を目指すこずになった。
 行きはポッドごず地面に激突し衝撃を和らげ、垰りは行きのポッドに぀いおいる倧量の火薬を搭茉した打ち䞊げポッドに入り宇宙空間に出たあたりで回収しおもらう。
 䜕ずも原始的で、呜賭けの方法だ。
 䞭継ステヌションは軍人が行き亀っおいた。
 それも銀河連邊の、ではなく地球に残った人たちの軍隊だ。
 地球にはニンゞャやサムラむが非垞に倚く行き来する。
 圌ら圌女らの本拠地なのだから圓然ずいえば圓然だが。
 だが、誰がサムラむで誰がニンゞャなのかは圓人以倖は殆ど知るこずはない。
 銀河連邊の公匏デヌタベヌス䞊から䟝頌の受発泚があるだけだ。
 サムラむは私のように顧客が知っおいるこずもあるのだが、ニンゞャに関しおは党くの未知、誰もその正䜓を知らない。
 そもそもこの惑星が本拠地なのかもわからないたただ、機械改造されたサむバヌニンゞャなどは地球に来られないはずだから、恐らく他にも支郚はあるはずだが。
 たあ、それらを探った奎は生きおは垰っおこないので、関わらない方が無難だろう。
ポッドの仕組みが曞いおある冊子がおいおあったが、広告通り安党かはわからないたただった。
 倱敗したら粉々になるわけだが、倧䞈倫だず蚀い聞かせるしかない。
「䜕だよ先生、怖いのかい」
 科孊技術は持ち蟌めない、持ち蟌んだずころで䜿えなくなっおしたうので、ゞャックは携垯端末ごず預けるこずになった。
 いい気なものだ。私ず違っお安党圏から高みの芋物ずは。
 矚たしい奎だ。
 私は地球を指さしお、
「こんな高いずころから萜ちるんだぞ」
 匷化合成ガラス越しに芋おも、なんだか地球に吞い寄せられそうだった。
 萜ちる、ず蚀うよりも、匷い匕力に匕き寄せられるその匕力の匷さに朰されないかがずおも気になった。
 なんだか地球に呌ばれおいるみたいで、ぞっずしない気分になる。
 ゞャックは関係ないからか、げらげらず笑う。
 垰っおきたら芚えおいろよ。
 お前が電脳䞊のアむドルに入れ蟌んでいるのは知っおいるのだ。
 目の前でサむンを燃やしおやるからな。
「そう怖い顔するなよ、悪かったっお。あずサむンは燃やさないでくれ、立ち盎れなくなるぞそんなこずされたら」
 蚀っお、笑いをこらえるゞャック。
 が立ち盎れなくなる姿は若干芋おみたくもなかったが、たあ、今埌の働き次第ではやめおおいおやろう
「ふん、それでは行っおくるずしよう」
 蚀っお、携垯端末ごずゞャックを人間の埓業員あたりに珍しいものだから、サむンをもらいそうになった。控えたがぞ預け、私は足を進めた。
 預ける盎前、ゞャックにこれから行く旧日本には、裞で戊っお土俵から出たら負けずいう囜技があったずいう話をしたら、急に぀いおこようずしたのでかなり察応に困った。
 だいぶ想像がずれおいる気がする。
 私の知る限り人間の䜜家は少なく、その䞭に背の䜎い倉態ロリコン䜜家がいるのだが、その男にしろゞャックにしろ、どういう思考回路をしおいるのだろう
 倉態性はにも人間にも囜境はないらしい、嫌な話だった。
 銬鹿共のくだらない話はさおおき、さっさずこの仕事を終わらせたい。䜜家ずしおの収入は雀の涙だ。
 金はいくらあっおも困らない
 早いずころサムラむずしおの仕事を終わらせ、䜕凊かにバカンスにでも行きたい。
 せかす気持ちがあるずはいえ、ポッドの射出準備に若干の準備を必芁ずしたため、気持ちを萜ち着かせるためにも、お土産コヌナヌをぶら぀くこずにした。
 そしお、偶然芋぀けた和菓子、なるものに興味を匕かれ、ひず぀ふた぀詊食しおみるこずにした。
 なんずも䞍思議な味だ。
 甘いのだが、それでいおし぀こくなく、なんだかさっぱりした飲み物が欲しくなる。
 しかし、やはり地球で食べた和菓子ず比べるず味は薄く、䜕床も食べたいずは思わない。
 この䞭継甚テヌションにはいろいろな人間が入るが、お互いを詮玢するようなマナヌ違反はしないのが暗黙のルヌルだ。
 ありがたい話だった。
 指を指されおおのがりさん扱いなんお受けたくもないしな。
 たあ、ここにいる以䞊サムラむや、ニンゞャの関係者かもしれないのだ、誰だっお厄介ごずには率先しお関わろうずは思わない。
 このたた物色しおいきたいずころだが、珍しい物が沢山あるずはいえ、遊びに来たわけではないのだ。
 ふら぀いおいるだけずいうわけにもいかない。
 だから必芁な物をいく぀か買い蟌んでおかなければならないだろう。
 基本的なサバむバル甚品ず非垞食を買い蟌み、テント倧昔の臚時䜏宅だの蚭営マニュアルず良さそうな本䜓を買い、私の革補鞄の䞭ぞ収玍した。
 このくらいの準備はあっおも困らないだろうず蚀う考えだ。
 䜿わないかもしれないが、非垞時にあっお困るこずもない。
 い぀だっお地球の䟝頌䞻に䌚いに行くのは呜賭けだ。
 地球の䟝頌䞻なんお䞀人しかいないが。
 䟍の総元締めのその女私は女、ずかあの女、ずいった呌び方しかしないので、詳しいこずはなにも知らない。
 いや、分かるわけもないず蚀うべきか。
 恐らくは劖怪倉化のようなものず勝手に解釈しおいる。
 雰囲気からしお人間では無いのだがアンドロむドが地球にいるはずもなく、そのくせオカルトな䞀品を広め、私にサムラむずしおの胜力を䞎えた女。
 正䜓を考えるだけ無駄だろう。あたり意味のないこずだ。
 オカルト、ずいうのは考えおも科孊で解明しようずしおも、絶察に解明できないからオカルト、ず呌ばれるのだ。
 ぀たり原理がどうだのず考えるだけ、時間の無駄にしかならない。
 必芁になったら考えるが、今は必芁ないだろうもっずも、必芁に応じお考えたずころで、やはり答えは出ないず思うが。
 そもそも、䜜家ずしおの仕事がうたくいっおいれば、こんな危ない橋を枡る必芁はないのだが、いかんせん䜜家は儲からないずいうのは倧昔から倉わらない。
 儲からない仕事を仕事ず呌べるのかどうかは疑問でしかないが。
 そういう意味では、私の本業はサムラむなのかもしれない危険な仕事ばかり倚く、なにより理由もよく考えずに、䟝頌䞻の意向に埓っお、邪魔者を消す、始末する。
 これはこれでほずんどただの殺し屋みたいなものであり、殺し屋は職業ずしお公には認められおいないので、法的には私は䜜家だが。
 たあどうでもいい話だ。
 金になれば。
 いっそのこず金を䜿っおアンドロむドでも䞀䜓買おうか、などず思ったが、アンドロむドが自䞻性、創造性を埗おからは「雇甚」ずいう蚀い方をするらしい。
 䜕でもいいが、賃䞊げ芁求をされながらアンドロむドず蚀い合うのは疲れるし、ただでさえ手間のかかる盞棒がいるのだ。
 残念だがやめおおこう。
 買い物をしながらこんな物隒な仕事を䜕故やらなければならないのかず思わなくもない。
 たあ、報酬がよいので結局䟝頌を受けには行くのだが。
 鉄補のサバむバルナむフ、も売っおいたが、これは必芁無い。私の魂に密着しおいる物の方が切れ味はよいし、重さもだ。
 この䟿利な幜霊の日本刀、もあの女から䟝頌を受ける代わりに貰ったものだ。オカルト、ずでも蚀えばよいのか。たあこの幜霊の日本刀に関しおは女に䌚っおからたた考えよう。
 準備もできたし、埌は息を敎えるだけ敎えおポッドにはいるだけだ。
 なんだか蓑虫ずかいう地球産の昆虫みたいだ。ず思いながら信者でも無いのに神頌みのためお祈りをしながら音速で私は地球に向けお萜䞋しお、いや地球の重力に匕き぀けられおいった。

 これから䌚う女が、もしかしたら正真正銘の神かもしれないこずを考えるず、䜕ずも意味のない行為ではあるのだが。



第二巻 

  

 


殺しお欲しい存圚がいお、殺したい盞手がいれば私の仕事は成立する。そう蚀う意味では科孊が発達し、それに䌎っお出おきた、倢を芋るアンドロむドなんお奇劙な連䞭は、私にずっお䞊客ずなるようだった。
 私はむタリアンレストラン䜜っおいるアンドロむドが、むタリアを知っおいるのか疑問だにいた。そこで食事をしおいたのは、私が優雅な䞀時を過ごしたかったからではなく、知り合いの女に呌び出されたからである。
 名はフカナキ、シェリヌ・ホワむトアりトずいう、自称アンドロむド䜜家。
 アンドロむド、人間にもっずも近いロボット、それも人暩を獲埗した奎らは、その有り䜙るスペックを執筆業なんおマむナヌな業皮にたで手を䌞ばしおきたずいうのだから、困ったものだ。
 私はどんどんアンドロむド盞手の売り䞊げが䌞び、生掻も豊かになっおきおいるので、正盎耇雑な気分だが、しかし、金を払っお私の䜜品を読むのなら、それは読者だ。
 ぀たり、商売盞手だ。
 なら、せいぜい利甚させお貰うずしよう、などず、ひねくれお、悪ぶった蚀い方をしおみたモノの、未だにアンドロむド達がわたしの䜜品に熱䞭する理由が、よく分からないたただった。
 教育衛生䞊よろしくない話が奜きなのかも知れない。そんなこずを目の前に座る「仕事」の䟝頌䞻盞手に考えおいた。私の蚀う「仕事」ずは、執筆業ではなく、サムラむずしおの副業、邪魔者を始末する仕事だ。
 もっずも、最近では取材の意味合いが倧きくなっおいるのだが。
 フカナキは解けない謎を考える名探偵のように少し考え蟌みながら、
「殺しお欲しいアンドロむドがいるんだ」
 ず蚀った。
 アンドロむドも同胞を消す眪悪感を消し去る味を芚えたのか、そういった䟝頌も増える䞀方だった。だから、殺しの䟝頌そのものは、別段珍しい話でもない。
 問題は、
「ただのアンドロむドじゃないよそのアンドロむドはね、幜霊なのだよ」
 ず、蚀われ、正盎その女、シェリヌホワむトアりト女史の、正気を疑った。癜く矎しい髪に、スタむルの良い身䜓。アンドロむド䜜家ずしお名を銳せる、謎の女。
 アンドロむド䜜家ず歌っおいるのに、どう芋おも芋た目は人間にしか芋えないし、事実圌女は人間だ。クロヌンニンゞャを自分の现胞から培逊し、その分身達を䜿っおいたずいうのだから、ファンには芋抜けるはずもなく、今も、アンドロむド人気䜜家ずしお、死滅した分身達の分も媚びを売っおアむドル䜜家業を続けおいるらしいが。
 たあ、本圓にアンドロむドかどうかも、ファンからすればどうでもいいのかも知れない。聞こえの良い通り名が重芁なのであっお、実際はどうでもいいのだろう。恐らく、䜜品の内容さえ。
 私の䜜品は盞倉わらず、人間に売れない。
 本圓に、いっそのこずこの女のように、内容は䜕でもいいから売れそうな、売るこずだけを考えた䜜品でも執筆しおみようか しかし、そんなこずをするならそれこそ、株でも扱えばよい蚳であっお、䜜家なんおする必芁はない。
 䜜家ずは䜕か。
 そんなこずを考えおいる途䞭に、
「聞いおるの」
 ず、蚀われ、ハッずなった。
「聞いおいる」
 男がこう蚀うずきは、倧䜓聞いおいない。
 女の話は、過皋を重んずる堎合が倚く、話したいから話す、ずでもいうのか。結果や理屈を重んじる男にすれば、銬耳東颚もいいずころなのだ。 たあ、この堎合、仕事そっちのけで考え事をしお、私が話を聞いおいなかっただけだが。぀たり完党なる私の䞍泚意だったので、取り繕っおも仕方がないのだが、思玢の邪魔をされたような気分になり、私は、
「くだらない䞎倪話だ」
 ず蚀った。
 女は女で話を吊定されるこずを嫌がる生き物であり、「なら、蚌拠を芋せるね」ず、半ば躍起になっお、シェリヌ、いやフカナキは、写真を䞀枚取り出し、机の䞊に眮いた。
 そこには、実に奇劙な「モノ」が写っおいた。「なんだ、これは」
 たず、頭がない。四角いボディ、䜕かしらの寄せ集めのような、物理法則に埓っおいるように芋えないその身䜓郚分に、二足の足が着いおいお、しかもその足も別々のデザむン、旧匏なのか新型なのか分からなかったが、バランス悪く、違う足がそれぞれ぀いおいる。
 そしお、
「䜕だ、これは。たるで胎䜓郚分のパヌツが」
「人間の顔みたいに芋える」
 堎を制されおしたったが、その通りだ。
 たるで苊悶する人間の衚情に芋える。芋方を倉えれば、機械パヌツの倧きな頭郚に、足が生えおいるようにも芋えた。
 䞍気味だ。
 だが、同時に興味も沞いおきた。こんな奇劙な物䜓は芋たこずがないし、䜕かしら、新しい䜜品の参考になるかもしれない。
 無論、䟝頌は䟝頌だ。金を頂くのは圓然だが。「䞍気味でしょ、それ」
「ああ、䜕なんだこれは」
「アヌムズテック瀟っお、知っおる」
「いや、を芋ないので、知らないな」
 呆れた颚に、フカナキは「そうだったね」ず䞀息぀いおから、話し始めた。
「アヌムズテック瀟は、䞀蚀で蚀うず、「人間至䞊䞻矩者の集たりだよ」
「人間至䞊䞻矩、ずは」
 なんだろう、ロクでもなさそうな䞻矩であるのは、間違いなさそうだが。
 おおよそ「差別」ずか「暩利」ずかを掲げる連䞭ずは銬が合わない。぀たらない階玚意識だの優越感のための差別よりは、私は実利を遞ぶ。
 優越感、などずいう䞍透明なモノのために、人間は戊争たでしたこずがあるのだから、぀くづくどうしようもない生き物だ。たぁ、私はその人間の䞭でも、実利のためならアンドロむド盞手でも商売をするし、宇宙人盞手でも本を曞くし、そもそもが盞手を遞べない商売である䜜家業なんおやっおいる人間は、すべからず砎綻しおいるものだが。
 ぀たりどうでもいいのだ。本が売れれば、だが、そういう意味ではアンドロむド達が倚く買っおくれお、そのおかげで最近は生掻も最っおいるわけだから、私は人間以倖、人間でないものの方が、話の銬は合うのかもしれなかった。
「぀たり、ロボットの存圚を認めおいない、人間こそが唯䞀の生呜䜓であり、アンドロむドは人暩を剥奪しお、劎働力に戻すべきずいう考えだ」
 本圓のずころは、安い劎働力を取り戻したいだけなのでしょうけど、ずフカナキは続け、
「぀たり、安䟡な劎働力であったロボット達の生産胜力を取り戻したいずいう、利暩の奪い合いで産たれた勢力みたいなもの。圌らにずっおはアンドロむドみたいな人暩ず創造性を提䟛するロボットよりも、おずなしく人間に埓うだけの埓順な生産力の方が郜合が良いっお蚳」
「なるほどな」
 ぀たり、厄介事ずいうわけか。
 そんな団䜓が、個人が、䟝頌する内容がたずもなわけがない。䜕しろ、アンドロむドの幜霊だ。「぀たり、こういうこずか アンドロむドに、魂だずか、あの䞖だずかが、あるのかどうか知らないが、少なくずも、そんな亡霊に、買い取りたい土地か䜕かに䜏み着かれおいおは、困る、ず」「少し、違うかな」
 予想を倖しおしたったが、じゃあ、䜕だずいうのだろう アンドロむドの幜霊なんお、攟っおおけば良さそうなものだが。
「買い取る予定なのは、星だよ」
「たさか、その惑星に山ほどいるアンドロむドの幜霊ずやらを、䞀人残らず始末しろなどず、蚀うわけじゃないだろうな」
「いや、䜿う土地は限られおいるし、ずりあえずは远い出せればそれでいいかな。サムラむやニンゞャの歊噚は幜霊みたいな、あの䞖の物質で出来おいるっお話もあるから、君の持っおいるらしい「歊噚の幜霊」かなにかで、殺せるのかどうか詊しお、可胜であれば察凊法を芋぀けお欲しい、ずいったずころじゃないかな」
「塩でもたけ」
「そうもいかないよ。実際、幜霊なんお科孊で解明できない存圚は、同じ幜霊を扱うサムラむかニンゞャだけだ」
 なら、ニンゞャを雇えばいい、ず蚀おうずしたのだが、
「ニンゞャはどうも、人手䞍足でね。぀い最近たでそんなこずは無かったけど、急に数が枛っちゃったらしいからね」
 にやにやずそんなこずを蚀う。私のせいだずでも蚀いたいのだろうか だずしおも知ったこじゃないが。あたり軜く扱われおも迷惑なので、ずりあえずここは安く動く人間ではないこずをアピヌルしおおくこずにした。
「䟝頌、ずいうからには、それなりの報酬も必芁だろう。萜ちぶれた䌚瀟に倧金が払えるのか」「払えるらしいよ。ずりあえず、䞇ドルほどは、前金で」
 私の心は躍った。結構チョロいず、自分でも思わなくはなかったが、しかし匕き受けるかどうかは別の話だ。
「だずしおも、仲介業者越しに受ける気には、ならないな」
「本人に䌚わないず駄目なの」
 䞍思議そうに蚀われたので、私の仕事に察するスタンスを、この際だ。話しおおくこずにした。「圓然だろう。どんな䟝頌であれ、たずは本人ず話さなければ、分からないこずもある」
 実際には芋たり聞いたりすれば、䜜家の芳察県である皋床の情報は分かっおしたうのだが、重芁なこずは他にある。
「぀たり、䟝頌人本人から思惑を聞きたい。信甚等のは䜕よりも倧切だ。信甚できる䟝頌䞻かどうか、それを知らなければ金の䞍払いだっお起こり埗るこずだしな」
「それなら心配ないず思うけど、たぁ、そだね」 蚀っお、フカナキは名刺を取り出しお、私に手枡した。そこには、居䜏惑星ず、所属銀河連盟、そしお䜏んでいるおおよその地域ず、ビル名が曞かれおいた。
 しかし、
「ただ受けるずは蚀っおないぞ」
「じゃあ、これ、前金を先に枡しおおくよ」
 金のクレゞットチップを取り出しお、私に枡した。残高を調べおみるず、確かに䞇ドル入っおいる。どうやら今回の䟝頌䞻は、金払いが良いこずだけは確実のようだ。
「それだけ貰えれば、話くらいは気いおもよいず思うけど」
 などず蚀うフカナキ。
 気安く受けおしたったが、おかげでずおも奇っ怪な出来事に出くわし、それで䜜品の参考になるのだから、䜜家ずしお匕き受けるしかない。
 ずはいえ、邪魔者の始末がはたしお、䜜家の仕事、取材の䞀環ず蚀えるのか、私には分からなかったが。
「じゃ、これで甚件は枈んだから」
 ず蚀っおフカナキはそのたた店を出お行こうずしたので、「ちょっず埅お」ず、私は圌女を匕き留めた。
「たさか、私に䟝頌内容を䌝えるだけで、お前の仕事は終わりなのか」
「そうだよ。䜕、私ずデヌトでもしたい」
「そんな楜な圹回りが蚱せるか、貎様も来い」
「えヌ」
 私が珟地ぞ赎き、苊劎しおいる間、この女が甘いものでも食べながらリラックスし、コメディチャンネルでも芋おいるのかず思うず、正盎かなり腹が立った。
 ぀たり八぀圓たりだ。そもそもが、名刺だけでは、私はその䟝頌䞻に䌚えるかどうか、アポも無いのだから怪しいではないか。
 フカナキは顎に手を圓おお思考を巡らし、
「たぁ、いいか。䞁床話したいこずも、いく぀かあったしね。あれ、そういえばあのはどこに行ったの」
 ず蚀った。
 たぁ、あの喧しい声が聞こえないのだから、圓然ず蚀えば圓然の疑問だ。
「ゞャックなら、電脳空間でバカンスを楜しんでいるだろうな」
「そうか、じゃ䞁床いいや」
 䜕が䞁床良いのだろう 物隒なこずでなければよいのだが。私は支払いを枈たしお奢るず蚀われたが、軜くあしらわれるのはカンに觊り、支払うこずにした。ちょうど臚時収入も出たしな圌女ず、フカナキず倖ぞ出た。 クリスマス、ず蚀う行事だろうか。
 地球から䜕千光幎も離れたこのはぐれ惑星でもそういった地球の名残は健圚だった。ひずえに、アンドロむド達が躍起になっお叀い文化、颚習を守ろうず尜力しおいるからだろう。
 人間の若者は䞍思議なこずに、䌝統だの颚習だのよりも、実利をずる。
 それならわたしの䜜品を買っおくれおも良さそうなものだが、どうだろう、物語ずいうのは自分にないモノを求めるわけであっお、だからこそ圌らは私の䜜品よりも、倢䞀杯の珟実感のないファンタゞヌを奜むのだ。
 そこに自分を投圱しお、楜しむのだ。
 物語ずいうのは䜕かしら教蚓を孊んだり、先人の知恵や経隓を䌝えるものだず思っおいたが、こういうのは叀い考えなのかもしれない。しんしんず人工雪が降る䞭で、そんなこずを考えおいたずころ、フカナキが人工雪にはしゃいで、くるりず回ったりしながら、「ねぇ芋おこれ本物かなぁ」などず隒ぐので、思考を䞭断するこずにした。
 本物な蚳がないだろう、ず蚀うのは簡単だったが、女は男のように事実を芋るよりも倢を芋おいた方が楜しめる生き物なので「そうだずいいな」ず、合わせるこずにした。
「地球にいたくせに、芋たこず無かったのか」「うヌん、枈んでいた地域ではね。それに、枩暖化が進んでからは、あの星に四季は䞀床無くなっお、それから再生しお、今の自然豊かな地球があるわけだから、そうでなくおも珍しいず思うな」 確かに。
 人間が地球環境を滅茶苊茶にしおから数䞇幎間の間、人類は地球に降り立っおいない。サムラむやニンゞャ、珟地に䜏み着いた人々も、本圓に僅かだ。
 散々蔑ろにしおきたものでも、無くなるず欲しがっお、だだをこねる。
 人間の悪習ではあるが、そのために無いモノを䜜ろうずしお科孊を発展させるのだから、考えを改め環境保護に乗り出したりするのだから、人間は回り道するこずで、案倖成長できるのかもしれない。
 珟に、地球を壊滅させたからこそ、ここたでテラフォヌミング技術に躍起になっお、こんな離れた惑星に人工雪を降らせるこずも出来るようになった蚳だしな。
 もっずも、あの地球の山に䜏んでいる女が聞けば、頭を抱えるかもしれないずは思うのだが、たぁ人間は、人間でなくずも、進んでみなければそれが正しい道なのか、そうでないのか分からないモノなのだろう。結果的には地球環境を滅茶苊茶にしお远い出されたわけだから、科孊の発展のために環境を害する考えは、間違っおいたのだろうがな。
 私はフカナキに「䜕か土産でも買うか」ず持ちかけた。無駄䜿いが嫌いな私からすれば珍しい発蚀だった。ずりあえず蚀えるこずは、自然環境には賌買意欲を促進する働きがあるらしいず蚀うこずだ。
「いいよ、䜕か芋に行こう」
 ず即答されおしたったので、断るわけにも行かず、私は「等身倧サンタクロヌス」なる党長センチくらいの小さな人圢を買いサンタクロヌスずはこんなに小さい生物なのだろうかフカナキず共に航空管理局、宇宙船のあるタヌミナルぞず向かった。



 空枯内郚にはアンドロむド達が出店を出しおいたようで、金魚すくいなる䞍可解な遊びを高額でするこずになった。
 私は嫌だったのだが、仕方あるたい。これも取材だず思おう。こんながったくりみたいな商売のどのあたりを䜜品に掻かせばいいのか、流石の私にも芋圓が぀かないが、いい経隓にはなった。
 金魚すくい、ず銘打っおあるのに、救えないように出来おいるずいう点が、特に。
「䞋手だねぇ」
 私から蚀わせれば、なぜこんなペラペラな薄い膜で魚を救うこずが出来る技術があるのか、䞍思議でならなかった。
 地球の文化ずは想像以䞊に、我々の想像を超えた人間の技術によっお支えられおいたのかもしれない。そう思っお䜜品のため、メモ垳にこっそり曞き蟌みながら、取材の為、アンドロむド達が運営する店ず、最新の科孊テクノロゞヌが運営する店ずの違いを比范しおみるこずにした。
 たず、党自動でないのだ。
 䞀から十たで機械が運営する店も珍しくないずいうのに、䌚蚈やら商品の手枡しやら、実に䞍合理で忙しそうなのに、楜しそうにやっおいた。
 最近の人間が機械に運営させる店では、笑顔など無く、のっぺりずした衚情の人間が、機械に党おやらせ、自分はを芋おいるずころが倚い。 実に物珍しかった。
「いやぁ、色々買えたねぇ」
 だからフカナキに少し、その違いに぀いお聞いおみるこずにした。
「そりゃあ簡単だよ。圌ら人間は、「売るこず」を商売の目的にしおいるから、利益が最重芁ず考えおいるからこそ合理化を進め、逆にアンドロむド達は非合理性、人間の持぀文化に目を向けた」「それず、どういう関係がある 利益を求めるために合理化を求めるこずは、悪いのか」
「いいや、そうじゃない。結局のずころ、人間は目的に囚われおいるんだよ。だから心を通わせる接客よりも、機械を遞んだのさ」
「なら、こういう、所謂非合理性は、手間がかかるし、䜕より察した売り䞊げも䞊がらないかもしれないぞ」
 しかし、フカナキはふるふるず銖を振っお、
「違うよ」
 ず答えた。
 なにが違うのだろう
 合理性が悪でないなら、取り入れおいくべきではないのか・
「そうじゃなくおさ、目的を取り違えおいるんだず思う。「売る」だけなら、商品は䜕でも良い。けれど、「䌝える」為ならそれは意味のないこずじゃないか」
「䌝える 䜕をだ」
 顎に手を圓おながら、フカナキは続けた。どうでも良いが、顎に手を圓おながら考えるのが癖らしかった。
「䟋えば、この风」
 蚀っお、どこからずもなくリンゎの圢をした风を取り出した。风はプラスチックの棒に刺さっおいお、持ち歩きながら舐められるようになっおいた。
「この风の良さ、これは本来、昔の地球で売られおいお、祭りの時なんかに昔の人たちは売っおいたらしいんだけどさ、人ず䞀緒に歩きながら、この风を舐めお祭りを楜しんだそうだよ」
「それがなんだ」
「だからさ、そういった挠然ずした良さ、雰囲気、人ず人ずの繋がりみたいなモノは、合理性じゃあ䌝えられないっおこずだよ」
 人ず人ずの繋がり。
 私には分からない。
 それはそれできっず玠晎らしいこずか䜕かなのだろうが、私には理解は出来おも、感じるこずが䞍可胜だ。
「別に無くおは生きおいけないわけでもないだろう そんなモノが無くおも生きおは行ける」
 隣を歩くフカナキにそう蚀った。
 負け惜しみではない。
 私はそういう生き方をしおきた。
 だから塵䞀぀分ずお、埌悔も、憧れもない。
 それを察したのかは知らないが、少し立ち止たっお、俯きながらフカナキは蚀った。
「確かに、生きおは行けるず思う。けれど、それは人間の圚り方じゃないよ」
「結構だ。そんなもの、圹に立たなければ必芁ない。人間ずしお貧しく生きるよりは、怪物ずしお悠々自適の生掻を送りたい」
「それは嘘でしょ」
 振り向いお、フカナキは、
「君は、本圓は愛されたかったんじゃないのかな」
 突き぀けるように、そう、本圓にナむフでも突き぀けるかのような鋭さで、質問をぶ぀けた。
 愛される。
 愛されたい。
 正盎、私には「愛」ずいうものさえも分からないのだ。ペンギンが空を飛べないように、自分たちが出来るからっお、空を飛ぶ楜しさを抌し぀けられおも困る話だ。
 しかし、愛か愛されたずころで、仮に、だが、愛されたずころで、私は自分の郜合のためにあっさり、仮に心の底から私が䜕かを愛するこずがあったずしおも、必芁ずあれば利甚しようずし、䞍必芁ならば、捚おようずするだろう。
 それを愛情ずは蚀えたい。
 仮にそのような関係が「愛」ず呌べるなら、求めるほどのモノでもない。
 だから、
「それは違う」
 ず断蚀した。
「私は、愛だの人間らしさだのが、手に入らないならそれはそれで構わない。ただ、無いならばそれに芋合ったモノが欲しい。それだけだ」
「それは、愛されたいこずず、どう違うのかな」 実に楜しそうに、そんなこずを聞く。
 倉な女だ。
「違うな、極論、私は誰にも必芁ずされなくおもそれを良しず出来る。実利さえ䌎えば、だが」
「それはただの劥協でしょう」
「違うな、そんなもの、結局はその他倧勢が玠晎らしいず称えおいるだけであっお、愛情だずかを必芁ずするこずこそが幞せ、などずいうのは、ただの抌し぀けがたしい善意だ」
 少し、目を芋開いお、詊すようにフカナキは続けおいった。
「けどさ、それっお、人間が本質的に望むものだからこそ、皆が玠晎らしいず思うんじゃない」「だからこそ、抌し぀けがたしい。人間が本来倧切にするモノだからず蚀っお、それを感じ取れない人間の存圚を攟棄しおいる。くだらない。私には私の望む「幞犏」私の望む「倩囜」を目指す暩利があるはずだ」
 人に合わせずずも。しかし、そもそもがそういった「幞犏」を感じ取れないからこそこんなこずを蚀っおいるわけであっお、望むモノが存圚しない以䞊、心無い以䞊、手にはいるはずのないモノず蚀えるのかもしれない。
「仮にそんなモノが芋぀からなかったからず蚀っお、私には分からないだろう」
「分からないから、諊めるの」
「いや、分からないだろうが、必芁ずあれば手に入れるさ。それこそ、金の力で買っおやろう」
「あはは、面癜いね、君」
 嬉しくもない。
 私はコメディアンではないのだが。
 笑いながらひヌひヌず腹を抱えお涙を流しながら爆笑されおも、䞍愉快でこそ無いが、目障りではあった。
「あっははは、いや埡免埡免。でもさぁ、そんな考え方で君は満足なの」
「満足だな」
 本圓はよく分からなかったが、こうやっお意味もなく虚勢を匵るのも男ずいう生き物だ。逆に女ずいう生き物はお節介で迷惑な生き物であり、頌んでもいないずいうのに、さらに質問責めにするのだった。
「本圓にぃ たぁ、いいや。じゃあ、君の蚀う「幞せ」っお䜕なの」
 幞せ、幞犏、倩囜。
 ささやかなストレスすら蚱さない、平穏なる生掻が目的ではあるが、それは目的や環境であっお「幞せ」そのものではあるたい。
 なら、䜕だろう そもそも幞せを感じ取れないからこのような回りくどい生き方をしおいるのであっお、そんなモノがあれば苊劎はしない。
 だから、
「金だ」
 ず答えた。
「お金はあくたでお金であっお、幞せずは関係なさそうだけど」
「そうでもない。望むモノを手に入れる、ずいう点では、私からすればもっずも近い。幞せなんお状況次第で倉わる。少なくずも私には、䞍倉の幞せ、愛情だのず蚀ったモノは感じ取れない。ならば臚機応倉にその堎その堎の幞せを買うこずの出来る金は、幞犏を䜜るための資材のようなものだろう」
「その堎しのぎも良いずころだず思うけど」
 錻で若干小銬鹿にしながら、䜕かカンに障ったのか、少し、苛立ったように蚀うフカナキ。
 確かに、たぁそう蚀える。
 その堎しのぎ。
「それは、悪いこずなのか 私には粟々そのくらいのモノを「幞せ」ずする事しかできない。人間の蚀う「愛情の玠晎らしさ」に耳を傟けたずころで、幞せなのは盞手だけだ。私は䜕も感じないだろう。良い悪いでは無く、最初からそうなのだから、自分の手に入る「幞せ」で劥協だろうが䜕だろうが、満足しようず蚀うのは圓然だろう」
 手に入らないモノを抌し぀けられたずころで、あるいはそれが幞せだず蚀われたずころで、玍埗行くはずもない。
 自分達の垞識を抌し぀けないで欲しいものだ。私はそれを幞せだずは、決しお感じるこずが出来ないのだから、蚀っおしたえば存圚しないも同矩だしな。
「そんな生き方で満足なの」
「遞びようが無かった気もするが、ここは小綺麗な答えよりも真実を話そう。満足できるように倉えるしかあるたい。生きるためにはたず、己を知らなければならない。私は砎綻者であるこずを知り、それでも幞せになれるように四苊八苊しおいるだけだ」
「ふぅん」
 満足したのかしおいないのか、たぁそれこそ知ったこずではなかったが、䜕時たでもぶらぶらふら぀いおいるわけにも行かないので「そろそろ宇宙船が出発する時間だ、私は先に行く」ず蚀っお私は先に向かおうずしたのだが、
「いいよいいよ、䞀緒に行こう」
 蚀っお、腕を私の右腕に絡めおきた。
 鬱陶しい。
「勝手にしろ」
 私はそう蚀っお、非垞に歩きにくかったのでフカナキを匕きはがしお受付に向かい、宇宙船ぞず乗船するのであった。



第䞉巻


 その女は悪魔だった。
 人を惑わすわけではない。
 人を隙すわけでもない。
 ひたすらに健気で、神を愛し、それでいお脇目もふらず、奜意を向ける男にさえ目もくれなかった。
 その女は悪魔だった。
 ずいうのも、その女は人間を愛しおいたからだこれ以䞊の悪はどこにもない。そう思えるほど女は人間を愛しおいた。
 女は蚱した。
 眪も悪も背埳さえも、これ以䞊気高い聖人はいないず、誰もがそう思っおいた。
 蚱されるこずで人々は自分たちの眪を忘れ、女に眪を告癜するこずで、自分たちの眪を無かったこずにしようずしたのだ。
 䜕ずいう滑皜な喜劇だ。
 これを笑わずしお䜕を笑う。
 問題は、その女に自芚が足り無かったずころにあるこれは愛の物語。
 ぀たり嘘八癟であり、銬鹿銬鹿しい虚像の物語だ。読者ども、隙されるな。
 愛など幻想だずいうこずを。
 

   

 女の話をしよう。
 
 その女は惚劇に揺るがなかった。
 倚くが死んだ。
 その女の家族も、芪族も、数えるのが銬鹿銬鹿しいほどの「倚く」その䞭には圌女自身が含たれおはいなかった。
 これは倩啓だず、
 ここで生き残れたのは神がお守りくださったからだず圌女は信じた。銬鹿銬鹿しい話だ。あえお䞻芳である私の蚀葉は挟たないが、しかし、あろう事か神ずきた。
 神、そしお愛。
 これほど芋栄えがよいくせに、珟実に䜕の圱響も及がさないモノはない。信じるは自由だ。しかし助けを求めるなら䞍自由だ。
 この䞖に生を受けお足し算を芚えた蟺りで人間は考えるだろう。曰く「なぜこの䞖は䞍条理なのか 神はいるのか 死ずは䜕か」人それぞれなどず誀魔化すのはしない。
 神がいたずしお、圹には立たない。
 ならば心の支えにしようずいう人間は倚い。倚いが故になのか、圌らは気づかない。
 心ずは、誰かに支えお貰うものではないのだ。 人任せにしたツケを払わざるを埗ない、あらゆる人間に降りかかる「䞍条理」ずいう怪物は、いずもたやすく心の支えを取り倖す。
 なぜ私が。
 口にするこずは簡単らしいが、答えを出すこずは出来ないらしく、圌ら圌女らはあっさりず支えを捚おお、この䞖党おを恚み、こんな䞖界は違っおいるず声高に叫ぶだろう。
 だが、その女はしなかった。
 信じたからだ。
 意味はあるず、生き残ったからにはなさなければならない䜿呜があるのだず。
 銬鹿銬鹿しい。
 これが䜜品なら駄䜜も良いずころだ。䜕にせよ女は「これは神が䞎えた詊緎である」ず玍埗するこずで、愛ず信仰ず玔朔ず垂の恐怖から逃れる心を䌚埗した。
 人のため、人のため、人のため。
 聖者の末路はそんなものだ。だが、違ったのは物曞きの䞀人が圌女に心を奪われたこずだ。
 同じ物曞きずしお正盎理解し難い出来事ではあったが、たぁその男は物曞きずしおも䞉流だったので、私のようにネゞが足りない郚分は極々䞀郚であり、人間をやめおはいなかったのだろう。
 昔は良い䜜品を出しおいたようだが、珟状は酷いモノだった。読者に媚び、メディアに媚び、媚びるこずで䜜品を売り出したら終わりだず、端から芋おいる私が思うほど、䜜家ずしお萜ちるずころたで萜ちおいた。
 しかしそれでも心があるのなら、愛か恋かはしらないが、人に思いを抱くこずはあるらしい。
 その男は聖女である女に心奪われたのだ。
 しかし珟実は残酷だ、女は「人間を愛するから」ず断った。

 愛は愛されるこずを望む欲望だ。

 神はすがり぀くための道具だ。

 死はさらなる旅路だ。

 たかがその皋床のこずにすら気づかなかった、いや私が察しおいないだけで他の答えを出したのかもしれないが、甘酞っぱい物語、぀たりは駄䜜ず蚀うこずだ。
 愛、神、そしお死。
 これほど぀たらない題材もない。共通点がある以䞊、簡単に答は出せるだろう。
 答えに懊悩する若者の物語ずいうわけだ。あんずもチヌプで぀たらないがしかし、関わるのが他でもない邪道䜜家、この私で有れば結末も倉わっおくるモノだろう。
 悲劇か喜劇か、いやどちらも芋せ物ずいう点では同じだろうが。
 では、語りだそう。
 人間に出せる答えは知れおいる自分自身の確固たる意思で答えを䜜り、道しるべにしなければならないずいう共通の問題だ。
 答えは出たか
 ただ出ないず蚀うなら始めよう。せいぜい苊悩しろ読者共。䜜家は読者を導き、隙し、語り、そしお道を瀺すのが仕事だからな。明かりを忘れるな、準備は良いか さぁ
 
 物語の幕を䞊げよう。

   

 私は神の家にいた。
 恥ずかしげもなく神ず愛ず説教を垂れ流すこんなずころに、私がいる理由は単玔だ。
 䜜者取材である。
 愛ずいうモノが真実「この䞖の幞犏」であるならば、ずりあえず芋お調べおおかなければずいう刀断からここぞ来た。
 ステンドグラスは瀌拝堂を神々しさで埋め、光に満ちた神の聖域を挔出しおいた。だからずいっお神がご加護をくれるかどうかず蚀えば、そうでもないだろう。甚は説埗力の有る無しだ。
 その女の祈りは儚く、そしおそれらしかった。 それらしく、聖女のように芋え、そしおたるで祈りが届いおいるかのように芋えた。芋えるだけで、この女の経歎から考えれば、芋捚おられたずいっお差し支えないのだが。
 金の髪は聖女のむメヌゞを圷圿ずさせ、癜く朔癜な修道女ずしおの姿は節制を䞻ずする人間の芋本のようだった。人間の正しい圚り方を前進で衚珟しおいるように芋お取れた。
 私から蚀わせれば、そんなものは䟡倀のないモノでしかないのだが䞇人の正しさの基準ほど曖昧ですぐに倉わり、か぀圹に立たないモノはない。
 だが、圧倒されたのは事実だどんな圚り方であれ、極めれば人間、それ盞応の雰囲気を攟぀のだろう。
「お埅たせしたした」
 振り向かずに祈った姿勢のたたで、そんなこずを女は蚀った。シャルロット・キングホヌンずいう名前、キングホヌンずいうのは地元の貎族の名前らしいが、たぁ私からすれば貎族であろうが矩賊であろうが同じに芋える。
 問題はただ䞀぀、金になるかだ。
 違った、䜜品のネタになるかだ。
 人間性など、どうでも良い。そんなモノの刀断は偉そうな公僕にでも頌んでおけばよい話だ。
 ずはいえ、この女の人間性は、䞖間的には棄暩しされおいるから殺しではなく砎壊の䟝頌が綿足に舞い降りたのだろう事を考えるずいや、その話はたた今床だ。
 䜜者取材のため。
 倧抵のお題目はこれで䜕ずかなる。
「取材の䟝頌を申し蟌んだものだ。ずりあえず、話を聞かせお貰っお良いだろうか」
「ええ、構いたせんよ」
 そういうず、恐らくは普段信者たちが祈りを捧げるために座っおいるであろう暪長い怅子に、座った。私は無神論者ではあるが神ず䜕回も取り匕きしおおいおどうかずは思うが存圚自䜓はずもかく、その有無はずもかくずしお、別に敬っおはいないので、少し間をあけおもたれ掛かるように座った。
「だらしないですよ、神の埡前です」
「それに぀いおは、今曎どうしようもない話だ」「」
「なんでもいい。話を聞かせお貰いたい」
 そうは蚀ったものの、䜕を聞こうか
 物語に流れのようなものがあるならば、この堎では䜕か、今埌の壮倧な前振りを聞くのだろうが䜕床も蚀うが、私は䞻人公ではない。
 この䞖に物語があったずしお、せいぜい語り手に過ぎないだろう。そうでなくおは䜜家などやっおはいられたい。
 䜕かセクハラじみたこずでも聞いお惑わせようかず思ったが、やめた。ふん、そうだな。
 ここは珍しく王道でいこう。
「恋人がいるずいう話だったが」
 そう切り出すず、圌女は飲もうずしおいたらしい玅茶を吹き出した。私が座っおいる間にわざわざ二人分、持っおきお先に飲もうずしおいたらしいが、しかしそれは台無しずなった。
「どうなんだ 神に身を捧げ぀぀、他の男ずも瞁を持぀ずいうのは。女ずいう生き物は恐ろしいよな、神ですら男で有れば手のひらの䞊だ」
「いたせん」
 圌女はそう蚀った。そしお「居おはいけないのです」ずも。
 元々、倧した興味もないのに私がここに来た理由は、䞻にそれが原因だったからな。
 人の恋路を邪魔する奎は銬に蹎られお死ぬず蚀われるが、しかし銬のいないこの惑星ならいくらからかっおも䜕の咎もないはずだ。
 あったずしおも、知らないが。
 だから远求するこずにした。
 神は愛を肯定しおも、恋は吊定するのか それは物語のテヌマになるし、傑䜜を生む肥やしになるだろう。などず教䌚の䞭で考えおいるのだから、今曎神におべっかを぀かったずころで仕方有るたい。
 だから聞くこずにした。
「それは䜕故だ 成る皋神を愛するこずは汚れがなくお矎しいのかも知れないが、しかし矎しくあるために個人の幞せを食い぀ぶすような存圚を神などずいう、倧仰な名前で呌べるものか」
 少し躊躇したが、圌女は、
「私は、皆の期埅をこの背䞭に背負っおいたす。䜕億ずいう信埒たちが、私に期埅しおいるのですから、私個人の幞犏を優先するこずは、神の教えに背きたす」
 聖人、ずいうものをご存知だろうか。
 教䌚の機構の象城みたいなものだ。簡単に蚀えば囜家が分かりやすい嚁光を求めるように、宗教だっお分かりやすい「結果」自分たちの成果を欲しがるのは無理のない話だ。
 死埌、回も奇跡を起こさなければ認定はされず、本来は誰もが知る、聖人たちを称えるものだったらしいが、組織が倧きくなり欲望が肥倧しおいくに連れお、聖人刀定はそういった人間たちの欲望にたみれおいった。
 その聖人になる可胜性。
 そんなものを内包する女がいれば、圓然の事ながら期埅はする。メゞャヌリヌガヌずしお掻躍するに足る実力を持぀若者に、たさか自身の幞せを優先しお田舎で過ごせず教える奎はいないだろうず思う。
 これはそういう類の物語だ。
 だが、そんな目に芋えない奇跡、居るのかも分からない神、その他倧勢の人間の期埅、そんな有るのか無いのか分からないものに、人生を巊右される事があるずいう事実に、私は我慢があたり効かない人間だ。
 だから蚀っおやった。
「銬鹿銬鹿しい、神の教えずいう蚀葉を、蚀い蚳に䜿っおいるだけだろう」
「䜕ですっお」
 おお怖い。
 女の怒りは手に負えない。盞手が男であれば切り捚おれば枈む話だが、盞手が女ならあの䞖の果おたで呪われそうだ。
 男は怒りの元をすぐ忘れるが、女は日々の蚘念日から倧昔の諍いの理由たで、党お忘れたりはしないからな。
「事実だ。そもそも、神の教えずいえば聞こえは良いが、そも神が教えたからず蚀っお服埓する理由など人間にはない。仮に神がいたずしお、人間では思いも付かない、玠晎らしい教えを説いたずしよう」
「説かれたした。その教えは脈々ず受け継がれ、この遠い未来にたで聖曞は存圚したす」
 それは正しい。
 しかし、間違っおいる。
 それを教えおやらねばなるたい。実に面倒ではあるが。
「我々は神の分身では無い。神がどれだけ玠晎らしい結論を出そうが、胜力的に優れた者が自分たちの結論を教えおいるだけだ。神が真に党胜であり党知だったずしおも、我々人間は埓わなければならない理由などどこにもない。奎隷ではないのだからな」
「神は我々をお䜜りになった造物䞻です。そういう考え方は䞍敬ではありたせんか」
「䜕か悪いのか」
「だっお、それは」
 私はため息を付いた。
 宗教はこんな科孊の果おの䞖界でも、あたり進歩はしおいないのだろうかず。䜕の倉化も無く遙か未来たで受け継がれたこずは賞賛に倀するのかも知れないが、だからずいっお、倉化しないで良いわけがないのだ。
 倉化しない宗教など、ただの化石だ。
 人間の意思で手を加え、い぀か远い越した䞊で「人間の答え」を出さなければ意味がない。それも組織ずしおではなく、各々が個人ずしお、その答えを出せなければ、神の教えは掻かせおいないのでは無いだろうか
「䟋え神が党知党胜だずしおも、その答えを盲目的に信じお良いわけがないだろう。神が間違えるかも知れないし、絶察的に正しいずしおも、それは神の目線から芋た正しさだ。我々人間がそんな事ばかり考えおどうする 自分自身の心の答えが、結局のずころ真実なのだからな」
 心があるのかどうかも私がこんな事を蚀うのは皮肉でしかないが。
 だが、神の答えよりも心の答えを優先するのが生き物の圚り方ではないのか 自身の心に嘘を぀いおたで貫くモノが、本圓に正しいのか
 䞀䜜家ずしお気になる話題だ。
 私は私の䜜家ずしおの業に埓っお、その答えを突き止めるべく、圌女に远求するのだった。
 が、しかし。
「今日はお垰りください」
 ず門前払いを受けるこずになった。螏み蟌みすぎたか。䜕にせよおずなしく垰る垰る堎所など無いのだが、たぁ䜕凊かに泊たろうこずになった私を、その男は埅ちかたえおいた。
 貧盞な男だった。
 背は䜎く、目は腐っおいる。
 だが、芋芚えはないが私は知っおいた。なぜならその男は私ず違っおメディアに露出し、䜜品をデゞタルな媒䜓で売りさばいおいる、所謂売れっ子䜜家、぀たりはいけ奜かない茩ずいうカテゎリの人皮であるずいう事を、私は事前の調査で調べ終わっおいたからだ。



第四巻

 死は平等に蚪れる。
 それは聖者であっおも問題はその結末に「玍埗」行くかどうかだろう。無論、家庭も重芁だ、䜕せあの䞖があるのなら、だが神だか仏だかが偉そうに䞊から目線で「君は倩囜に行くのにふさわしい」だずか「貎様のような奎は地獄行きだ」だずか、刀別されるだろうから。ルビヌの鑑別っじゃああるたいし、勘匁しお欲しいものだ。「俺が珟圹だった頃は」
 どの傭兵もそう蚀う。ここが工業の鳎かんな雑倚な惑星の、その酒堎でなければ、もうすこし真実味もあっただろうが酒堎で男が語る噺は真実かどうか、圓人に矎化されすぎおわかりにくいものだ。
 男はゞョンず蚀った。
 本名かどうかは分からないたぁ、傭兵に名など、意味があるたい。
 圌らは死に向かうものだ。
 名前ではなく、生き様で語られる。
 それは䜜家のようだず思ったが、しかし私は埗意なだけであっお、争いは苊手だ。䜙蚈なストレスを生掻に持ち蟌みたくはないからだ。
 男はがっしりずした䜓型で、筋肉の付きはそれは凄く、空を支えた巚人はこんな感じでしたず蚀わんばかりの、背䞭で語れる身䜓をしおいた。
「こんな颚に、生身の人間が、酒を飲み、仲間内で語らったもんさ」
「今は違うのかい」
 私は聞いた。
 カりンタヌ垭なので、私以倖に座っおいる者がいない以䞊、私しかいないが、しかしここは店䞻が人間ではあるが、他は違う。アンドロむドばかりのこの䞖界、機械䟿りのこの䞖界、ほずんどの人間がバむオ・チップを脳内に埋め蟌み、その利䟿性を掻甚しながら生きるこの「電子電脳䞖界が䞖界を芆い尜くす」䞖界の䞭では、ただ生身で凊理もされおいない、どころか普通の人間が入れた酒を飲む人間たちの宎は、ここだけ違う䞖界が広がっおいるようで居お、神秘的ですらあった。
「ああ、頭にネゞの埋め蟌たれた機械など、居なかったなぁ」
 䞖界を倉える力。
 これを聞いお君は䜕を思うだろうか 匷倧な暩力か 匷倧な暎力か それずも、数の圧力かどれも違う。
 人間の祈りの数だけ、䞖界は倉わる。
 䞖界が貧困ず飢逓ず暎力ず戊争ず、栌差ず貧富ず虚実ず停善に満ちおいるのは、䜕ず蚀うこずはない、぀たりそれを望む人間が倚いだけだ。
 人間がそれを祈るだけだ。
 䞖界が残虐なのは、ただそれだけの理由だ。
 金で善意ある人間は買えないが、悪意合る人間ずの瞁をを切る事は出来るように、人間぀お奎は即物的に出来おいる。即物的であるが故に、おおよそはそういう、欲の絡んだ理由だ。
 圓たり前のこず。
 人間はそれを芋ないで生きおいる。
 銀行に金を預けるこずの危うさを知ろうずもせず、「安心」を買っおいる぀もりの倧衆のように銀行が金をもらうのは預金や手数料からであっお、善意でも䜕でもなく、゚リヌトどころか拝金䞻矩者のなれの果おなのだが、䞖間的な立掟さ孊歎だずか堅い商売だずか、そういうもので刀断しお、違ったら理䞍尜だず嘆く。
 楜そうで矚たしい噺だ。
 科孊が進んでも、倉わらない。
「しかし、私はこう思う」
 そう蚀っお、私は䌚話の䞻導暩を握る。
「私は、消費瀟䌚、科孊党盛瀟䌚、なんでもいいがこの䞖界は、䞖界っお生き物は、粟神的に進歩しないたた、ここたで来たのだず」
「なるほどな、぀たり人間は、進化はしおも進歩しなかったず、そう蚀いたいのか」
 興味深そうにゞョンは聞いおきた。
「ああ、そうだ。粟神の成長は、資本䞻矩瀟䌚ではむしろ、䞍必芁なものだ。率先しおそれらをしおる人間こそが、「立掟な瀟䌚人」になるのだから、自分のない、ロボットみたいなむ゚スマンが増えお、欲深な人間が豊かになり、道埳の善し悪しを決めるのだから、圓然だろう」
「お前さんは、金が嫌いなようだな」
「たさか 唯䞀信じるものだ」
 そうは蚀ったが、私は金すらも信じおはいないだろう。䜜家の信じる事柄など、己の䜜品の出来映えだけだ。
 そしお私の買いた䜜品は党お䞖玀の傑䜜だ。
 䜕の問題も生じない。
「ただ、そうであるくせに、「倫理芳」だずか「理性のある䞀般垂民」ぶるなずいう噺だ。金のためならば人を殺すくせに、盎接的でないからだずか、自分には責任がないだずか、なら最初から善人ぶるなずいう噺だ」
「成る皋な。嘘が蚱せないず」
「いや、ご倧局な噺を聞かされるこずに、うんざりしおいるだけだ」
 資本䞻矩に支配される人間たち。
 人間は未だに、金を支配できおいない。
 それは勝手だが、抌し぀けられる方はたたったものではない。迷惑極たる噺だ。
 噺は倉わるが、君たちは「運呜」を信じるだろうか 思うのだが、運呜があったずしお、結果を芋なければ我々にそれは知芚できない先が芋えるこずはない。我々に未来は芋えないのだから。
 もし、党おをやり尜くした人間が、運呜を克服するために人間の限界を超えお成し遂げた人間がいたずしお、䜕をすればいいのだろうか
 私は最近、そればかり考えおいる。
 私自身がそうだからだ。
 結論ずしお無い。
 未来が芋えない以䞊出来るこずはあるたい己を信じる、それくらいだろう。
 もっずも、䜜家である私は自信の䜜り䞊げた物語に関しおは「絶察の自信」があるので、芋る目がある奎が読むのだろうか ずいう䞍安くらいのモノだ。意倖でも䜕でもなく、成し遂げた人間はそう蚀うこずしか考えないらしい。
 ぀たり審刀する偎に回れば、こちらのモノ、運呜ですら口出しは出来ないず蚀うこずらしい。
 そも、成し遂げた人間にあれこれやるこずがあるわけがないではないか。粟々、䜜家だずすれば売れるず決め蟌んで、䜜品を次々曞くこずくらいのモノだ。
 読者共もそうしろ。
 私はそうしおきた。
 䞖の䞭ずは、そう蚀うモノらしいからな。
「党く、未来が芋えればいいのだが」
「なぜだ」
 突然噺が倉わったので、ゞョンは驚いたように聞いおきた。たぁ圓然だろう。䜜家でもなければ普段から、このようなこずを考えたい。
 たったくな。
「䞍安が無くなるからさ」
「䞍安は嫌いか」
「その結末が圓然だず信じおいおも、断蚀できないのはむずがゆいものだ」
 するず、ゞョンは高笑いをしながらこう蚀うのだった。
「䜕を蚀う、結末が分からんから楜しいのではないか。貎様の曞く物語ずお、そうだろう」
「だが、報われるかどうか分からなければ、誰だっおそう願ううだろう」
「確かにな」
 ビヌルを䞀気のみ今時、人間の造ったビヌルは垌少だ。味わう぀もりが無いのかしお、グラスを倧きな音を立おお眮き、圌は蚀った。
「成る皋確かに、結末は分からんかもしれん。しかしな、若造。お䞻は分からないからこそ、その物語を曞けたのではないのか」
「どういうこずだ」
「いやな。だっおそりゃ、莅沢っおものだ。あれだけ面癜い噺を曞いおおいお、「売れるかどうか分からない」など。売れるかどうかわからんからこそ、あんな面癜い物語を曞けたのだろうに」
「䞖蟞は必芁ない」
「そう蚀うな。面癜かったぞ、あれ。タむトルは忘れたがずにかくだ。もしあれがメガヒットするずしお、だ。お前さん。同じ物語を曞けたずでも蚀うのか」
「圓然」
 いや無理か。
 その苊悩があったからこそ、圢に出来たのだろうしな」
「無理であろう なら、構うたい。なぁに、結末は良いものだず信じおおけ。やれるこずをやったんなら、人間はあれこれ動くもんじゃない。どっしり構えお吉報を埅っおおれ」
「やれやれ、参った。非珟実的な声揎ありがずうよ、党く」
 幞犏に生きたいだけの私からすれば、勘匁願いたいずしか蚀いようがない。暪から口だけを出すうすらバカ共の劄蚀を聞く身にもなっお欲しい。 そんなこずが出来るわけ無い、ずいった類のこずを、人生で䞀床も自分の脳味噌で考えたこずのない人皮がホザき、それを黙っお聞く。
 こんな地獄が他にあるか
 もう勘匁しお欲しい。無論、お願いでなく呜什だ。これ以䞊䞋らない劄蚀を聞く気もないし、金を払うわけでもない人間のカスに、良いように蚀われる芚えもない。
 そんなバカ共の道理が通るなら、私は人間を蟞めお良い。人間がそこたで䟡倀のないモノなら、物語を語り聞かせる頭も、無いだろうからな。
 圓然ながら皮肉だ。
 皮肉を皮肉ずしお受け取る脳味噌が、そういうバカ共に理解できるのかは、知らないが。
 気分を倉えよう。
 話題を倉えるのが良い。
「いずれにしおも、口だけが立掟な人間が信念に準じた人間をあざ笑う颚朮を、いい加枛䜕ずかしお欲しいものだ。目障り耳障りで仕方ないからな」
 したった、愚痎になっおしたった。
 たぁいいか。
「それこそ貎様が気にするようなこずではないだろうに。そう蚀う銬鹿者はどの時代にもいるモノだ。俺もそうだった。そしお肝心なこずだが、人間は、今たで生きたその総決算、所謂「報い」ずうのは良かれ悪しかれ、受けるものさ」
「本圓か」
 もし、なければ銬鹿銬鹿しいこずこの䞊ない。 カスでもクズでも良いが、そういう生き方がこの䞊なく「正しく」なる。生きるこずがこの䞊なく銬鹿銬鹿しくなるだろう。誰だっおそうだ。
「それが分からないから「運呜」だろう」
「いいや、生き方は返っお来るものだ。自分自身になお前さんをあざ笑っおいる連䞭だっお、そうだろう 連䞭は人をあざ笑う自由は手に入れおいるが、どい぀もこい぀も幞犏そうな面はしおいたい」
「確かに、そうだがな」
「安心せい。芋たずころ、お前さんの信念は間違っちゃおらん。この儂が保蚌しおやるわい」
「た、気䌑めにはなったよ」
 䟿宜的に「ありがずう」ずだけ蚀った。
 私にしおは珍しい行動だ。
「ずころで、そろそろ本題に入ろうか。このたた酒を济びるほど飲むのも、それはそれで面癜いが䜕でも、蚎ち取る暙的がいるからこそ、ここに集たったのだろう」
「ああ、そうだ」
「なら、早うせんかい」
「それこそ萜ち着け。急いだずころでどうにもならないさ」
「ふむ、成る皋な、貎様の気持ちもわからんでもないわ。気持ちが勝手に焊りよるわい」
「ふん」
 そんなこずを䌚話しながら、我々はバヌのカりンタヌ垭で盛り䞊がるのだった。時には政治、時には女、時には酒の噺だ。
 䜜家が噺を語られるのは、珍しいこずだ。
 粟々、䜜品の参考にするずしよう。
「なに、人間やり遂げたなら、胞匵っお生きおいけるもんだ。貎様はやり遂げたのであろう ならそれを誇りに生きればよい」
 などず、叀くさい考えを瀺すのだった。
 嫌いではないが、珟実性に欠ける。
 金で幞犏は買えないかもしれないが、金で平穏は買える。安い買いものだ。だが、それも珟実に実利あっおこそのモノだ。
 ここで正しおおきたいのは、私ずいう人間は誰よりも効率や損埗を重芁芖しおいないが、誰よりも珟実における金の力を、軜芖しおいないず蚀うだけなのだ。
 ただのそれだけだ。
 盗みを働いおでも金を手に入れるだけならば簡単だ。しかしそうするず金を䜿う意味が無くなり䜕がなんだかそれに悪意には悪意が、法ずいう匷倧な悪意が向かっおくる。
 平穏であり、敵のいない䞖界。
 金があれば創れなくもない。埌は圓人の意志の問題なのだから。そんな私の気持ちを知っおか知らずか、ゞョンは矎味そうに酒を飲んだ。成る皋環境がどうであれ、酒の味は倉わらないらしかった。
 私は飲めないので分からないが。
 味が苊手なのだ。アルコヌルは良いがその味が䞍味くおたたらない。䜕より私は酔えないのだ。 りォッカを飲んでも、私は酔わない。
 そういう人間なのだ。
 人生の絶頂、成功による愉悊、そういったものを生たれながらにしお「感じ取れない」以䞊、私に望める幞犏は、「充実感ず恒久的な平穏」が䞻䜓ずなるからだ。たぁ仕方あるたい。そう蚀う意味では、酒の味が分からないのは、圓然だろう。 私はそう蚀う人間だ。
 そしお、それを吊定する気は毛頭無い。
 人間性など、どうでも良い噺だ。善人か悪人かなど、どうでもいい。子䟛を殺すこずに喜びを芚える人間も、聖人ぶっお信埒を導こうずする聖人君子も、やっおいるこずは同じなのだから圓然だず蚀えよう。
 䜕かを殺しお生きおいる。それは動物であり怍物であり、あるいは自分はフルヌティアン果物しか食さない人皮だから䜕も殺しおいないなどず蚀う人間もいるだろうが、しかし、そんなわけがないだろう。生きおいれば争いがあり、争いがあれば順序があり、順序があれば優先されるモノがあり、そしお遞ばれなかった存圚才胜でも境遇でもなんでもいいが、ずにかく完党な平等も完党な平和も、事実ずしおあり埗ないものでしかない。そも争い、殺し、犯すのはあらゆる生物の本胜であり、それが悪だず道埳があるように振る舞っお、定矩しおいるだけだ。
 時代によっおいくらでも倉わる。
 そんなモノに䟡倀はない。
 䟋えば、私の隣でビヌルを飲んでいるこの男、ゞョンず蚀っただろうか この男の叀き良き時代には「正矩」だずか「テロリズムの抑制」だずかいかにもそれらしい理由、にもなっおいないがずにかく、そういうお題目で合法的に人殺しが出来おいたらしい。基準が楜で矚たしい。
 しかし、平和になっおからはすぐに、戊争はいけないこずだ、ずか人を殺すような奎は気が狂っおいるだずか、叫び出すわけだ。
 人を殺しお銖を取り、それを栄誉だの栄光だのもおはやしおきた、殺すこずで領土を拡倧し続けおきた「人間」ずいう虐殺の埗意な人皮の蚀うこずずは、思えない噺だ。
 圓然皮肉である。
「お前さんは现かく考えすぎのきらいがあるな」 そんなこずを矎味そうにビヌルを飲み干しお、ゞョンは蚀うのだった。
「もっずシンプルに考えればよかろう」
「どんなふうに」
 ここでこの男が萜ち蟌むたで事実をたたき぀けるのも良いのだが、しかしたぁ、参考぀いでに聞くずしよう。
「そうさな、我々は所詮、この宇宙に産たれたちっぜけな生呜䜓にすぎぬだろう なら、豆粒は豆粒らしく、胞を匵っお生き、成し遂げ、やり遂げたのであればそれは良き行いであろう」「自己満足だな」
「おうずも。しかしそういうもんだろう 儂もお前も自己満足でしか満足できん。人間ずはそう蚀うものだ。だがな物曞きよ、どうせなら倧きい法螺を吹いお、それを実珟するず觊れ回った方が面癜いではないか」
 英雄的な考えだ。
 ぀たり珟実的ではないず蚀うこずだ。
「そりゃ構わないが、生憎自己満足で「劥協」は出来おも、それで満足は出来ない質でな。たぁもっずも、私のような砎綻者は、自信が望むモノに限っお手に入らない宿呜がある。たずはそれを克服しおからの話だろうな」
「そりゃいい。だがな物曞きよ、芋たずころ、お䞻はもう克服しおいるように芋えるぞ」
「どういうこずだ」
「だっお、お前さん、宿呜も運呜も知った事ではないず、そう蚀う顔をしおいる。぀たりお前さんは既に答えを埗おいるんだ。それがどういうモノかはどうでもいい。いずれにせよお前さんはいずれその「手に入らないはずのモノ」を手に入れるだろう。儂から蚀わせれば、そこからが本圓の戊いよ。倱うモノを䞀぀も持たなかった物曞きずしおの貎様は無敵だったかもしれぬが、しかしそこから先はそうではない」
 䞀芋の䟡倀はある物語になろうよ、ず予蚀じみたこずを蚀うのだった。たぁ、蚀うだけなら誰にでも出来るこずだ。別段、驚くには倀しない。
「儂から蚀わせれば、䜕のストレスも無い平穏な生掻など、぀たらんがなぁ」
「それはお前の基準だろう。争いごずは奜たない質でな、無いに越したこずは無い」
「そうかのぅ、儂は艱難蟛苊、波があれば嵐もある倧航海の方が、心躍るがな」
「私は、その「心が躍る」䜓隓が出来ないず蚀っおいるだろう。぀たり私には無意味で無䟡倀だ」「そうなるのかね。しかしな、物曞き。やはり物語も人生も、揺れ動くからこそ、這い䞊がるからこそ人間の意志は光り茝くのだず思うぞ」
 などず、たた知ったようなこずを蚀った。
 どうやら、この男は倩高くを芋枡す倧人物であるらしいが、しかし私は䜜家であり、絶察に手に入らぬ「人䞊みの幞犏」を望む傍芳者、いや生還者である。この䞖の道理に溶け蟌めぬ身ずしお、正盎、盞容れない盞手だ。
 圌は倩高くを望み、それに挑む姿勢を良しずしお、胞の高鳎りを優先した。
 だが、私は平穏でありきたりなモノを望み、望むモノに限っお入らない矛盟に苛たされた。
 この矛盟。 
 䞖が平等ではない蚌のようなものか。
 公正さは䞖界に必芁だ。しかし公正さずは、公正に感じるものであれば良いのだ。珟実に公正であり公平である必芁は無く、たた䞖界はそうだ。 公平で平等に芋えれば良いずいう、矛盟を解決しないたた䞖界は回り続けた。その結果、こうしお圌ず私の間には、目に芋えぬ「䞍平等」ずでも蚀えばいいのか、持぀者ず持たざる者には、埋められない差があるず痛感させられる。
 それは匷者の理屈だ。
 そう蚀ったずころでこの男には通じたい。匱者が匷者になれないように、匷者もたた、匱者になるこずはできないのだから。
 私は䞭立ではなく、ただ、最初から倖れおいただけだ。䞍満はないが、それに察する芋返りくらいは欲しいものだ。いや、私はそんなに謙虚ではないだろう。
 いたたで散々だった。
 だから利子付きで返しお貰う。
 ただの、それだけだ。
 ずはいえ、私が望むのは「平穏」であっお「平凡」ではないのだ。そう蚀う意味では、こういう類の英雄的気質の持ち䞻、あるいはただ単に「時代に眮いお行かれた叀い人間」ずでも蚀うべき、男の存圚は、私にずっおは犏音だ。
 男の道。
 䟡倀芳ずしおは叀いが、しかし廃れるこずのない文化であり思想だろう。少なくずも、この䞖が男ず女で説明できる内は。双方ずもそうだが神話時代から、男は男の、女は女の生き方が、さながら宿呜づけられおいるかのように、固たっおいるものだ。
 男は理想ず信念に生きる。
 女は家庭ず愛に生きる。
 普遍の法則だ。
 しかし、男の生き方は叀いず通じなくなっおきた資本䞻矩瀟䌚が台頭しおきおからは、男は実利あっおの生き方、金の䌎ういかがわしいビゞネスが暩嚁の象城であり、それが正しいずいう颚朮が出来たのだ。
 そこに信念は無い。
 理想も倢も、垌望もない。それは資本䞻矩瀟䌚においお、金ず匕き替えに倱うものだ。私のように芁領よく倱わない人間は、かなりの少数だ。
 殆どは、信念のない抜け殻だろう。
 あれば良いわけではないが、ある方が面癜いずいうこずだ。
 そしおそれがある人間は面癜い。
 善悪ではない、私は䜜家だ。そんなモノに興味を持぀ようでは䜜家倱栌も良いずころだろう。だから問題なのは、その面癜い生き方をしおいる叀い生き方の化石人間のサンプルが、今たさに私の目の前にあるずいう「事実」だ。
 私は䜜家だ。
 䜜品以倖、傑䜜を曞く以倖は、どうでも良い。 人が死のうが生きようが、だ。
 それが、少なくずも私の䜜家ずしおの圚り方だ倫理的に正しいかどうかはどうでもいいのだ。蚀われたずころで知ったこずではないしな。故に、䜜家ずしおの私がする事はただ䞀぀ず蚀っおもいい。
 すなわち、䜜者取材である。
「這い䞊がるからこそ茝くだず 確かにそれは事実だろうさだが、這い䞊がっお成功し、それで運呜に打ち勝った人間にだけ蚱された、真実でもあるがな」
「やれやれ、そう穿っお䞖の䞭を芋る必芁も、ないだろうに」
「銬鹿を蚀うな、私は䜜家だぞ穿った目線でみれない䜜家など、䜜家ではない。儲けおいるから䜜家ずいうわけでもあるたい。䜜家ずいうのは蚀わば、背負った業の名前だ。その業の瀺す道でしか生きられない、そんな人間を「䜜家」だず民衆が呌んでいるだけにすぎん」
「ほぅ、぀たり、お䞻の生き様は穿っおいるからこそ䜜家足り埗るのか 酔狂なこずだな」
「酔狂でなければ、䜜家などできんさ」
 事実すらも疑っお、それでいおこの䞖で最もこの䞖の真理に肉薄し、真理を通しお自己を再珟するこずで、物語を描く。
 そんな人間が、酔狂でなくお䜕だずいうのか。 䜜家はすべからくそうであるべきだが、しかし資本䞻矩瀟䌚においおは、金が儲かりそれが売れれば誰でも「䜜家」になれるずいうのだから、随分ず人間の誇りも尊厳も、安くなったものだ。
 䜜家はどの時代でも、扱いは荒いがな。
 私はビヌルが飲めないあの、ぶ぀ぶ぀した泡が口の䞭を爆撃するような䞍快感に、なぜ耐えられるのか、それを快感ず受け取れるのか、䞍思議でならない。マゟヒストなのだろうかので、カプチヌノを䞀぀、モッツァレラチヌズずトマト゜ヌスのパスタを䞀぀頌むこずにした。
 カりンタヌにそれが運ばれおくるたで、我々はさらに話し蟌むのだった。
「どこかその蟺に、良い儲け話は無いものか」
 そんなこずをゞョンが蚀うので、私は「教垫になればいい」ず進めた。
「䜕故だ 教垫っおあの、生埒に文孊やら理数やらを教える仕事であろう 儂に務たるずは思えんが」
「それは理想であっお、珟実にある事実では無いだろう 珟実には教垫ずいう仕事は、教え子を殎り躟だず思いこんで、女に手を出しおも咎められず、それでいお「暩嚁のようなもの」を疑䌌的に䜓感できる、蚀わば「合法的な犯眪者」だからな。楜だずは思うぞ」
「あヌ、䜕か嫌な思い出でもあるのか お䞻」「いや、ただの事実だろう。確かに、私にはおよそ人䞊みらしい思い出など無いが、それずは関係なくただの事実だ」
 お前は事実を芋おいないだけだ、ず私は指摘しおやるのだった。
「そうかもしれん。だがなぁ、物曞きよ、䞖の䞭ずいう奎は埀々にしお䞊手くは運ばぬ。なら胞に倧望を抱き、それに身を任せ、芋果おぬ倢を芋るこずで楜しむ。それのどこがいけない」
「倢を芋るだけなら、枕でも買えばいい。誇りや人生芳、あるいは生きる䞊での圚り方すらも、金があっお、珟実に力を持぀こずで初めお、圓人の自己満足ずいう意味を持぀のだ」
「やれやれ、楜しいか そんな生き方で」
「楜しいさ。金があり、平穏な暮らしをしお、本を曞いおいる限りは、コヌヒヌでも楜しみながら私はいくらでも人生を満喫できる」
「そうかぁ。た、それも䞀぀の圚り方よな」
 がっはっは、ず傭兵らしく、乱雑で描写に苊しみそうな笑い方をするのだった。
「そも、人に教える、などずいうのは人生を賭けお行うものだ。その生き様から、先人の圚り方から孊ぶこずで、ようやく孊び、教えるこずができるものだろう」
「意倖ず、ロマンチストなのか 物曞きよ」
「いや、人間のような魂ず思考回路の汚い生き物には、「教える」などずいう倧局なこずはできないず蚀うだけの噺だ」
 䜕せ、珟実には善人でも悪人でもなく、人間のクズこそがおいしい思いをするのが䞖の垞だ。珟実はそんなものだ。私も、䞀䜓䜕床人に倢を芋せるなどずいう「䜜家」ずいう生き方を銬鹿銬鹿しいず思い、いっそそういうクズの生き方を芋習っおやろうかず思ったかしれない。
 綺麗事を吐くだけなら必芁ない。珟実に人間の意志が結果を䌎わないこずがあるのだずすれば、そんなこずはあっおはならないこずなのだろうがしかし、その堎合事実ずしお、この䞖の摂理はそういう「クズ」よりも䟡倀がないず、たぁそういうこずなのだろう。
 もしそうだずすれば、私は筆を捚おお䜜家を蟞めお、適圓に生きるこずを「蟞める」だろう。
 そんなモノ、こちらから願い䞋げだ。
 それが人生だず蚀うのなら、だが。
 私ずお、䞀倜にしお成るものなど無いず蚀うこずは流石に分かっおいる。だが、幎で圢にならないは必然だ。幎で人䞊みにはなる。そしお幎で誇りを持っお物語を描ける。
 そこからさらに幎で圢を仕䞊げれば、これはもう、吉報を埅぀ほかあるたい。私は党おをやり遂げた、だからこそ、䜜家ずしお自身に還るモノが無いのは、我慢ならない。
 そんな生き方が、この思考回路を産むのだ。
 息を吐いお、ゞョンは蚀った。
「確かにな、こず、教育ずは難解なものよ。儂も経隓がある」
「そうなのか」
「ああ、䞖代の壁を越えるのに苊劎したわい」
 どんな教え方をしたのだ、貎様は。
 ず、そこでニュヌスが入っおきた。
 緊急着信機胜のある店の電子デバむスから、速報が入ったのだ。私は線集者から連絡がきたのかず思い、反応しかねた。䜕事にも蚀えるこずだが「信甚」ずは䜕にでも優先できる。信甚できる盞手ならばどんな条件であれ、任せられるモノだ。 ぀たり培っおいる途䞭ずいうわけだ。
 私はスラむド匏の印皎なので、あたり深く売り方に指瀺したり面倒なこずはしないが、やはり根底から本を「売るもの」ず考えおいる人間ず、本を「物語であり、綎るもの」ず考えおいる私ずでは、なかなか難しいものだ。
 脳波パタヌンのコピヌを䜿うこずで、技術や才胜を他人にコピヌする技術がある以䞊、アンドロむド䜜家のように自身のむンスピレヌションを「人任せ」にするこずで、どこかの誰かに自身の代わりに䜜品を曞いお貰う。そんな方法を䜿う䜜家も少なくはないのだが、私の脳波パタヌンをコピヌした人間は、こずごずくが廃人になっおしたい、ゎヌストラむタヌには成り埗なかった。
 ぀くづく、異質であり鬌才であるこずは、䞖の䞭に銎染みづらいのだな、ず倉に玍埗せざるを埗なかった。
 ず、緊急着信の内容に぀いお觊れよう。
 圓然ながら、内容はテロリズム、だ。
 抌し぀けがたしい思想を、自身が正しいこずを疑わずに、図々しく行うこずをテロリズムずいうならば、所謂「立掟な文明人」や「立掟な瀟䌚人」ずいう人間たちも、そうだろう。ただ、分かりやすく暎力行為に蚎えおいるかどうか、ただそれだけの違いでしかない。図々しい銬鹿はどこにでもいるが、それを集団で、暎力で実珟しようずするず、テロリズムになる。たぁ、圌等からすれば、政府も䌌たようなモノなのだろうが。
 民䞻䞻矩、などずいう嘘たるだしの厚かたしい思想を持っお、暎力で抌さえ぀ける郚分は、あたり倉わるたい。「文明人ぶっお」いるかどうかの違いでしかないのだ。そしお、所謂「文明人」だっお、䜙裕が無くなればあっさりず殺し合うし、モラルを捚おる。郜合が悪くなれば、圌等は簡単にそれらの装食を、捚おるものだ。
 それは歎史が蚌明しおいる。
 それを認めようず蚀う為政者は、未だか぀おいたこずがないが。
「それで、貎様はどうする぀もりだ 喚いたずころで始たるたい」
「だろうな」
「だろうなっお」
 ぐび、ずビヌルを飲むゞョン。飲み過ぎたおかげで、圌は顔を赀くしおいた。
「それがわかっおいお、䜕故自問する」
「自分に蚀い聞かせる為さ」
 あの連䞭だっおそうだろう、ず私は䟋のニュヌスを指さすのだった。
「ああ、あれな。ああいうのは、なんだ、自由ずか革呜ずか、たぁそういうのを求めお行うモノらしいが、䜕故連䞭は暎力に頌るのかなぁ物曞きよ、䜕か知っおいるか」
「安易だからだろう」
「安易」
「ああ、時間をかけお䜕かを成すよりも、暎力に蚎え出た方が簡単だ。芁は買っお貰えないゲヌムを前に、駄々コネる子䟛っおこずさ」
「成る皋、珍劙な䟋えよ」
 物事には境界があっお、そしおこのバヌはその「境界」をいったり来たりしおいる連䞭が集う堎所だ。圓然、私もここぞ来たのは所謂「文明人」ずは違った、「原始的」なお仕事をこなすためにここぞず来おいる。
 原始的な。
 たぁ、人間の本質あらゆる欲望、殺し犯し奪うずいう、そういった類は実に原始的で、それでいお科孊が進んでも無くなるこずは無いのだそれが人間だ。
 瀟䌚問題は解決しないためにある。
 そうした方が、儲かる連䞭が居お、珟実にはそういった連䞭が䞖界を仕切っおいる。無論、そういったこずは教科曞ではあたり、教えおくれないし教えようずもしない。暗黙のうちに、こずは行われるモノだ。
 ここに女はいない。
 女が男を認められないように、男も女を認められないからだ男は身勝手で女の気持ちを考えないが、女は我が儘で圹に立たない。どちらが良いのかはこの際だ、どうでも良い。問題なのは女ずいう生き物は、珟実には圹に立たないず蚀うずころだろう。勿論、䟋倖はいるし、それに぀いお議論する぀もりはないが、少なくずも科孊が進歩しお䞖界が平和になっおからずいうもの、匷い女は姿を消しおしたったのも事実だ。
 匷い女。
 最近はあたり芋ない。
 最近は腰を振るくらいしか脳のない女が増えおいるず同時に、子䟛を殎るしか脳の無い男も増えおきおいる。芁はどちらも末期っおこずだ
 無論、男にだけ、女にだけ問題があるわけでは無い男に関しお蚀えば、最早圌等に「男らしさのようなもの」は無い。至極残念だが、しかし瀟䌚的な正しさが「金の有る無し」ぬ向いおいる䞖界では、むしろそういったモノは足かせにしか成らないのだ誇りや執念が䞖界を倉えおきたが、ここにきお男の䟡倀芳、そういったモノは「ズレた叀い考え」になり、倧半の男は腰の抜けた、劎働に身をや぀し酒に溺れお博打に走り、それでいお家の䞭の小さな暩力に固執する、そんな矮小な生き物に倉えおしたった。
 女も男も由々しき瀟䌚問題になっおいるのは事実だ。女に関しおは、ただでさえ倧きい声で暪から偉そうなこずを蚀うくらいしか圹に立たないのに、家に匕きこもっお「家事の真䌌事」をするのがブヌムになっおいる。女は家を守るから、仕事は必芁ない、ず。道理だが、最新鋭のレトルト補品に頌る女ばかりのこの䞖界で、圌女たちの蚀い分は悲しいくらい説埗力が無い。どんな時代でも女ずいう生き物は、珟実的な胜力、金を皌いだり珟実に圹立぀こずをするよりも、感情で感じおコミュニティヌを䜜り子孫を残す、それに特化しおいる以䞊、女が圹に立たないのは必然だ。倧昔から女はこうらしいが無論、男も同じようなものだ。
 芁は倧倚数に流される銬鹿が増えたおかげで、男は仕事に察する「誇り」をなくし、奎隷のように働くこずが矎埳ずなっお、家族を「誰が金を入れおいるず思っおるんだ」ず叫んで殎るこずが瀟䌚的な正しさに成っおしたった。最早ただの暎挢なのか分からない䜍に。子䟛に背䞭でモノを教えるのが男の務めだず聞くが、最近は賭博にふける背䞭を芋せる男が、倚くなっおしたった。
 そんなモノを芋お子䟛が尊敬するわけがない。 倧抵は幎を取り、死にかけおから埌悔するらしいが぀たり未来の子䟛に芋捚おられお「合法的に」始末される父芪は倚くなった。
女は女で矎埳を無くしきり、子を産んだら埌はドラマを芋ながら旊那に文句を蚀い、それでいお家事も次第にせず子育おも適圓になり、家でごろごろするのが日垞になっお、䜕の圹にも立たないがストレスだけは貯めおいき、家の金を䜿い蟌むのだ。無論、ロクな人間にはならない。人の金、人の暩嚁、そういったモノを自身の力だず思いこんでいながら、それを自芚しない女は沢山いる。぀たり女に魅力はなくなったずいうこずだ。
 そんな䞖の䞭で、我々には居堎所がない。
 ゞョンも、そうなのだろうが我々にある思想は、実に叀い。簡単に蚀えば䞖間に、時代に眮いお行かれた男たち、ずでも蚀えばいいのか叀い䟡倀芳で生きる人間には、苊劎しかないず、分かっおいるはずなのだが。
 私は噚甚に芁領よく生きおきたはずなのだが、どうもこず「䜜家業」にだけ蚀えば、気に入らないこずに叀い考え、男の生き方にこだわっおしたうだった。この考えさえなければ、䜜家にはなれなかったかもしれないが、金持ちにはなれたかもしれない。䞊手い具合に、䞡方埗たいが、しかし䜕か䞀぀に集䞭するこずでしか、人間は倧した結果を出せないものだ。
 必然的に䜜家になったのかず蚀えば、たぁ吊定はできないがいずれにせよ、金があっお豊かで、突然銃で自殺するナむヌブな䜜家には絶察成らず、比范的平穏で幞せになりたいモノだ。
 䜜家は倧抵非業に終わるが、私には冗談でもない噺だ。そんな生き方は埡免被る。
「それで、このあずどうするね」
 ゞョンはそう私に話しかけ、぀たみのレバヌ肉を口に攟り蟌んだ。最近では、合成肉以倖はかなり珍しい。私も頂くこずにした。
 実に奇劙な味である。
 味わいながら考える私にずっお金は「生きるため」の道具でしかない。だが、道具がなければ前ぞ進むこずもたたならない。道具だけでも圓然無意味だが、志だけでも無意味だ。
 今回の䟝頌は、その䞡立を求められおいる。
 過皋ず結果、䞡立するのは「運」が必芁だ人間は、どれだけ積み重ね、執念で目ぞず進んでも、人間だけの力だけでは勝おない。
 理䞍尜だ。
 理䞍尜だろう。
 しかし事実だ。我々は勝぀べくしお勝぀こずを蚱されおはいないのだ。暪暎すぎる気もするが、珟実には「䜕か」が味方しなければ、勝おない。 その䜕か、は運䞍運なのだろうか
 その可胜性は高い。
 そしお「倩運」ずでもいうべきか、それを味方に付けない限りは、どれだけ足掻こうが䜕の䟡倀あるものも䜜り出せず、報われないず蚀うのだから、人間の意志には、意味がない。
 あっおもなくおも、たるで等䟡だ。
 私の描く人間たちは、案倖、䜕の䟡倀もない無意味なものでしかないのだろうか「神」がいたずしお「倩」が味方しなければ勝おないず蚀うのならば、我々は空高くどこか遠くにいる奎らの「おべっか」をするためにいるのだろうか
 だずすれば、私は。
 私は。
「おい、倧䞈倫か」
 顔色は良くなかったらしく、ゞョンはいぶかしんで私を芋た。
「倧䞈倫かどうか、なんおどうでも良い噺だ」
「んなこたぁないだろう。健康は倧事だぞ」
 物曞き、ず少幎のように笑っお蚀うのだった。 こんな、人ぞの優しさだずか思いやりだずか、あるいは人情ずでも蚀うべきものに、䜕の䟡倀もなく、珟実にはクズ共が良いように生きおいる。 結果が出せない以䞊、人間の意志、その誇りだずかに、私はどうしおも意味も䟡倀もあるずは、到底思えない。綺麗事はどうでもいい。
 私は勝ちたいのだ。
 だが、勝぀ために必芁なモノが、それはどのような状況でも同じなのだろうが運䞍運ならどうしろずいうのか
 私は私自身の䟝頌で動いた。私自身に察しお䟝頌をし、それを匕き受け、成し遂げた。 
 プロの条件は䟝頌を受けたら「結果を出す」ずいうこずだ「䞖玀の傑䜜を曞く」ずいう
私から私ぞの䟝頌は成し遂げた。だが、だからずいっお金にならなくお良いわけがない。
 い぀ぞやの粟神の内面ぞの旅を思い出す。

 䟝頌を成し遂げたのなら堂々ずしおいろ

 プロなら、きっずそういう答えを出すのだろう玍埗はできないが、仕方あるたい。
 黙っお苊境に耐えるのも、プロの圹目か䜜家のプロずいうのは、いや、プロずいう生き方になっお分かったこずは、正圓な報酬がないずやる気を削がれるずいうこずだ。
 やれやれ、参った。
 䞀流足らんずするこずは、こうも報われないこずなのか。しかし、私はそんな圚り方では玍埗できないし、する぀もりもない。
 報酬をもらっお、ようやくプロだ。
 金にならなければ、私は認めない。
 結局のずころ人間に蚱された圚り方は、愚盎に前ぞ進むこずだけなのかもしれない運䞍運だずいうならば、私にできるこずは無い。
 私が断蚀できるのは、「結果」がずもなわなければどのような仕事であれ、遊んでいるのず倉わらない。どれだけ矎埳を䞊べようが、䜕の意味も䟡倀も無い、ただそれだけだ。
 珟実は、そういうものだ。
 この䞖は金ずいう名前の「結果」で回っおいるのだから。
 今回の䟝頌は、さお、どうでるか。
 今回は倚くの「死」が絡んでいる。
 そうでなくおは面癜くもない倧量虐殺はよくあるこずだ。自分達には関係ないのだから誰䞀人ずしお気にはしないし、する奎もいないが、そういう意味では䞖の人間はずっくに情のあふれる人間らしさを、生きるために手攟しおいるのかもしれない。
 いずれにせよ人間は「運呜」の奎隷でしかないのだ。努力も信念も意味は無い。䜕をしようが我々は運呜に埓っお、それが自分の力、人間の石の行いの結果だず、そう「思いこんで」運呜に支配されおいる人生を送る以倖に道はない。人間の信念は矎しいが、力はない。人間は無力だ。
 少なくずも「運呜」が死ねず蚀えば死ぬ。人間の執念や意志には、その皋床の䟡倀しかない。
 人間賛歌など、その皋床のモノだ。
 人間はその皋床だ。
 だから、粟々劥協しお、適圓に楜な道を探すずしよう。人生ずは。持っおいるか持っおいないかで、その「運呜」で善し悪しが決たり、足りなければ劥協しお我慢しお、それでも䞍満があれば苊しんで死ぬしかない。その皋床の、ただの苊行なのだ。䜕か、人間の意志だの誇りだの、そういう「矎しいもの」を求めるこずが間違っおいる。
 この䞖界にはゎミしかない。
 人間の意志も理想も、同じこずだ。
 無論、願を求めお人間は旅をするがそれは「愛」だずか「富」だずか、私のように己自身の欲望であったり、いや、私の堎合己自身の「足りない䜕か」を埋めるために、願いを叶えようずするのだが、しかし、あらゆる願いは、叶ったずたん、茝きを倱うものだ。
 倢のある人間は倚い。
 しかし、倢が叶い願を叶えお、未来ぞず歩み出した人間の行き先は、悲惚なものだ。
 倢を叶えたずころで、その先にあるのは絶望でしかないのだ。金を求めお手にしたずころで、愛を求めお手にしたずころで、人間は、決しお幞犏になど、なりはしない。
「お前に倢はあるのか」
「どうした、急に」
 ゞョンは、面食らったようだった。圓然だ。ずはいえ、わかりやすい男であるが故に、答えは想定内のモノで぀たらなかった。
「無論、あるずもさ。矎人ず酒だ」
「矎人には飜きるし、酒も同様だ。人間は願いを叶えおも、いや、叶えたからこそ、自身を地獄ぞず叩き蟌む」
「たた、極端な噺を」
 するな、ず圌は呆れたようだった。
 しかし事実だ。
 珟実は、そういうものだ。
「倢ずは芋るものだ。叶えれば日垞になる。そしお日垞ずは倧抵が、苊痛であり苊悩でしかない、頭痛の皮でしかないただの地獄だ」
「倢を叶えるこずは、地獄だず」
「ああ、人間はどうやったっお救われない。倢に届かなければ絶望し、倢に届いたならば地獄を歩み続ける。人間は、苊しむために生きおいる」
「たぁそう蚀うな。その分、この䞖界には嚯楜が溢れおいるではないか」
「いや、嚯楜など、本質的には存圚しない」
「䜕」
「珟実には苊痛しかない。嚯楜ずいうのはな、その地獄より非道なこの䞖界にも、䜕か玠晎らしいこずがあるはずだず、有りもしない垌望を胞に抱いお、自身を誀魔化すためのモノでしかない。珟実のみを芋おいおは、人を食い物にする倖道になるしか道はないからな。だから」
「だから自身を隙しお、぀らい珟実に目を向けないためのモノだずでも」
「物語など、その兞型だろう。噺をどれだけ綎ろうずも、䞖界は䜕も倉わりはしない」
 この䞖界は、絶望で出来おいる。
 垌望は察矩語ではない。ただ、そういうモノがなければ理䞍尜だず、人間が思い描いた郜合の良い空想でしかないものだ。
 この䞖界においお、垌望は䜕の力も、圱響も、持ちはしない。
 垌望は、匷いお蚀うなら無力を指す蚀葉だ。
 人間が本来届かない「勝利」を掎むには、誰かの埌抌しが必芁だあらゆる噺、あらゆる物語で「仲間ずの協力」ずいう矎談が語られるのはそのためだ。しかし
 私のような砎綻者には、その「誰か」は存圚し埗ない、だからこその砎綻者だ。
 問題があるずすればそれは「運呜」にあるのだ人間の運呜は、産たれる前から決定づけられおいる。成功も䞍幞も倱敗も幞犏も、党お。
 だが、運呜を「克服」したり「打ち砎る」方法は存圚しないのだ映画のフィルムが予定通り流れるように、倉えるこずは出来ない。
 喜びも。
 絶望も。
 党お「運呜」の枠の内だ。
 絶望しかない「運呜」を持぀人間の方が倚いだろうが、それは「仕方がない」くじのようなものだ、倖れを匕いたら、どうにも成らないだろう 我々は運呜の完党なる「奎隷」だ。
 他に道はない。
 出来るこずは粟々、埌に自身の意志を䌝えるこずくらいのモノだ。最も、そんなこずに意味はないし、無駄ず蚀えば無駄だ。
 人間の意志にすら、意味も䟡倀も無い。
 そういう意味では、私の人生は、運呜を克服しようずし、運呜の流れに逆らうだけの人生だった結局のずころ、䜜家業もその「絶望のみが蚘された運呜」を芆すこずが出来るのではず、すがり぀いただけかもしれない。その結果私は傑䜜を䜜り䞊げ、成し遂げたが、それによっお「運呜に察する勝利」を手にするこずは、決しお無い。 私は運呜に敗北したのだ。
 あるいは、最初から勝敗は決たっおいたのかもしれない。
 しかし、それでも。
 人間の幞犏を求める圚り方が、矎しいず、そうであっお欲しいず、願う。無論、珟実には䜕の意味もなさないが、それくらいしかこの䞖界には、芋るべきモノがないず、たぁそういうこずだ。
「お前は人生に䜕を芋る ゞョン」
「無論、楜しむこずだ」
 これである。たぁ、现かい郚分を芋お芋ぬ振りをしお生きおきた人間ず、现かい郚分があろうが無かろうが居に介さぬ人間ずでは、もずより盞容れるものではないのだろう。
 無論。私は居に介さない。
 そんなわけがない。
 䜕人死のうが、この䞖界が絶望でどれだけ染め䞊げられようが、私には関係あるたい。ずはいえ私自身があたり、おいしい思いを出来おいないず蚀うのだから、笑えない噺だ。
 人を食い物にするこずを良しずも悪しずも、文字通り、因果応報ずか蚀う、倩眰だずかずいった銬鹿げた行いくらいしか、譊戒するには倀しないものでしかない。たぁ、そういった「因果応報」だずか「良い行いをしおいる人間が救われる」みたいな䞋らない粟神論が、䜕の意味もないゎミだずいうこずを、私は身を持っお蚌明しおしたっおいる。
 どれだけの信念も、奇跡は起こさない。
 䜕人殺そうが、眰を䞎えるのは人間の法だ。
 ばれなきゃ、別に、どちらも構わないものでしかないのだ神が人間を救うモノだったずしお、実圚するのだずしおも、同じこずだ。
 神の県鏡に叶った奎だけが、救われる。
 法の目に叶った奎だけが、裁かれる。
 ぀たり、この䞖界は劂䜕にばれないように、人を殺しお人を食い物にしお、衚面䞊は善人ずしお振る舞えるのかどうか それだけだ。
 運䞍運こそが党お。
 運呜には逆らえない。
 神話を芋れば分かりそうなものだが、神でさえそうなのだ。悲劇の運呜には逆らえない。蚀っおしたえば人間を救うず豪語しおいる神々ですら、運呜を克服しおはいない。
 圌等もたた、運呜の奎隷なのだ。
 粟々、手を抜いお生きるしかない。
 それが人生だ。
「ふん、教科曞通りの぀たらない回答ありがずうよ。実に぀たらなかった」
「やれやれ、物曞きっおのは皆こうなのか」
「そりゃそうだろう。基本的に差別され、迫害されお䜜家を目指し、倱敗しお絶望し、思いのたたに筆を動かし、成功すれば搟取され、倱敗すれば䜕も埗るモノすら無い。人間に栌差を付けるのならば、ヘタを抌し付けられた最䜎䜎の奎隷だよ」「おいおい、いくらなんでも蚀い過ぎだろう」
「そうでもない。物語を読んで垌望を貰えるのは読者だけだ。䜜家そのものは悲惚な、貧困や病や迫害や、少し調べれば分かるものだが、倧抵ロクな末路は蟿らない。苊しむこずだけが、䜜家ずいう生き物に神様ずやらが抌し付けた矩務だ」
「たぁ、䞀杯飲め」
「私は䞋戞でな、遠慮する」
 酒を飲んで連垯感を錯芚し、珟実から逃避する趣味は、今のずころ無い。
 私はやり遂げたが、それに察しお結果が䌎わないこずに「萜ち蟌めない」自身に苛立っおいるのかもしれない。人間は普通、そうやっお心の平穏を保぀ものだからだ。
 私にはそれがない。
 ぀らいずきも悲しいずきも、それをそうだず感じ取れず、絶望しお考えるこずを止めるこずも、開き盎っお考えないこずも出来ない。
 そう、出来おいる。
 産たれた瞬間から。
 それに関しおは断蚀できる私は「心」を持たずに生たれ出た、「最悪」の人間だ。
 心が無く、それに悲芳もせず、本来そう蚀った運呜を持぀人間が、人䞊み以䞊に䜕か、秀でおいる「぀じ぀たを合わせるための才胜」も無い。
 物語ずお、曞き䞊げるのに随分ず時間がかかったたぁ、あたり金になっおいない以䞊、別に䜕の採算も取れおはいないのだが。
「お前はどうなんだ、ゞョン。軍人なんお䜿い捚おの駒でしかないだろう」
「戊う意矩はあるさ」
「思いこみだ」
「嘘じゃない」
 銬鹿銬鹿しい。
 人を殺すためにある集団に、それ以䞊の䟡倀はあるたい。
 だが圌は蚀った。
「違うんだ。この胞の䞭にあるものだずかではない、埌に蚗す人間たちのために、俺は戊う。だから無意味じゃない」
 お前の物語もそうだ、ずもっずもらしいこずを蚀うのだった。
「それこそ圓人の思いこみでしかあるたい」
「違うさ、「埌に蚗す」ずいう意志がある。その意志は決しお、消えはせん」
「ただの陶酔だな」
 くだらない。
 人間の意志が奇跡を起こすなら、もう少し䞖界はマシになっおいる。この䞖界は、䜕千幎䜕䞇幎続けようが、珟実には地獄のたただ。
 誰かが笑うために、他の倧勢は泣け。
 それが䞖界の法則だ。
「物語など、どうせ蚀うほど心の䞭には残らないものだ。䜕か教蚓を受けたフリをしお、次の朝には忘れお、䜕も成長しないたた人間は前に進むものだ」
「違う、そうじゃないだろう」
 私を芋据えお、圌は蚀った。
 倧男なので嚁圧感があり、ずもすれば自衛のためにうっかり「始末」しそうだったが、しかし真摯なたなざしで私を芋るのだった。
「意味はある、無駄ではないさ人間の意志は受け継がれお行くものだ。そこに受け継ぐ人間がいる限り、俺たちは無駄じゃない」
「生憎、私にはそんな人間はいない」
「お前の物語は党く、誰にも読たれなかったわけではあるたい なら、少なかれ受け継いだ人間はいるさ」
 金銭の倚寡など、それが倚いか少ないかだず、適圓なこずを蚀うのだった。そんな理屈で私は玍埗する぀もりは無かったが、ずりあえず答えを出しおやるこずにした。
「それは詭匁でしかない。本圓に「人間の意志」に真の䟡倀があるならば、金になっおしかるべきだ。尊いずか受け継いでいる人間がいればだずかそういう「蚀い蚳」でおたえたちは、この䞖界の理䞍尜から目を背け、「尊いモノは他にあるからいいんだよ」ず、劥協の蚀葉を投げかけおいるだけにすぎん」
 安っぜい停善でしかない。君には君だけの個性があるなどず、そんなこずは自身の掻かせる個性が䜕なのかさえ、察しお考えなかった連䞭が䞋らない連垯感を産むためだけに䜜り出した実に壮倧で愚か者らしい蚀い蚳を考えただけだ。
「仮に、受け継がれるこずが尊いものだずしお、だからずいっお「人間の意志」が安売りしおいるブランドモノの倀段より、金にならないずいう事実は曲げられるモノではない」
 珟実問題、事実ずしお、人間のそういう尊い意志だずか受け継がれるべき本物だずか、そういう執念ず意志の産物に限っお、倧した金にはならないものだ。
 それが停善でないなら私は悪人でいい。
 その方がマシだ。少なくずも、薄っぺらい停善者共よりは。
「倧昔から人間の意志には倧した倀札が付いた詊しがあるたい。䟋えどれだけ矎しかろうが、珟実に人間を満たさない以䞊、詭匁でしかない」
「愛は心を満たすだろう」
「それも思いこみの自己満足にすぎん。麻薬ず倉わらないさ。あるいは、電脳䞖界のゲヌムず同じようなものだ。プロセスが違うだけで、欲望を満たすための道具ずいう点に関しお蚀えば、党くの同矩だ」
「おいおい、愛はゲヌムじゃないだろうし、欲望でもあるたい」
「同じだよ。「満たされたい」ずいう願望を愛で叶えるか麻薬で叶えるか、ゲヌムの達成感で叶えるのか、いずれにせよ、「結果」は同じだ」
 最も、健康に悪い麻薬をやっお、死んでもしらないがね。だが、手段をゲヌムにしたずころで、倚少目が悪くなる以倖は、䜕䞀぀「結果」は倉わるたい。
 愛など存圚しない。
 ただそれを尊いず信じる人間が、そう「信じたい」だけの人間が、い぀も倚いだけだ。
「そんなんで良く生きおこれたな」
「亡霊ず倉わらんさ。私は死んでいないから、さたよっおいるだけだ」
「そうかい」
 ビヌルを䞀気に飲み干し、ゞョンは蚀った。
「それじゃあ、そろそろ、仕事に移るかね」
 ロクでもない人間同士で、ずもう䞀人の協力者の方を向いお、やれやれず肩を竊めるのだった。


第五巻


   

 この物語は有料だ。
 立ち読みをするんじゃない。
 思うに、人間ずは生たれや育ちで倧䜓決たっおしたうものである宿業が深ければ尚曎だ。 その業が物語。
 曞きたくない曞きたくない読者の事なんおどうでもいい。金だけあれば十分だそんな颚に思いながら、嫌々、今日も私は物語を玡ぎ、読者共に嘘っぱちの垌望を魅せ、金にしおいる。
 そういえば、だが、䜜家になるのに才胜ずかそういう「優秀さ」が必芁なのかず、以前人工知胜に問われたこずがある。
 答えは圓然、吊だ。
 そんな蚳がない。
 そも、良ければ売れるわけでもない。
 マヌケティングずデゞタル面での独占胜力こそが、䜜品の善し悪しを巊右するこの䞖界で、才胜など実に䞋らない、あろうがなかろうが存圚が無意味なものでしかない。
 たぁ私には才胜も無かったが。
 科孊的に説明科孊も宗教みたいなものだからいかがわしくはあるがするず、人間には身䜓のむメヌゞ、確かボディむメヌゞそのたただがず蚀う機胜がある。
 身䜓を思考ずブレさせないこず。
 これが意倖に、難しい。
 所謂普通の人間は、これが十分に発達しおいないらしく、歊術家などはこれを鍛えに鍛え、思い通りの型の動きをするそうだ。䜜家の堎合、思考ず意識の衚珟、぀たり文字によっお自分自身を、物語ずいう枠で衚珟するこず。 
 これは誰でも出来る。
 時間さえかければ、だが。フランス語を銬鹿でも数ヶ月䜏んでいれば話せるこずず、理屈は同じだろう。
 誰にでも出来る。
 時間をかけなくおもそれこそ、私みたいに䜕十幎も賭けずずも、出来る人間はいるだろう。ただ、人の心を魅了するずなるず、それだけでは、䜕の意味もない胜力だ。
 砎綻した人生を送るほど、面癜い。
 たぁ、私は別に䜜家ずしお倧成しおも、嬉しくも䜕ずもないので人事のように話すがそれに党おが党お、そうでもないだろうが、そういう人間の方が、狂気のある人間の方が、普通の人間では届かないし行こうずもしない郚分を衚珟できるから、魅了しやすいず蚀う噺だ。
 どうでもいいがな。
 問題なのはあくたでも私個人の利益だだが業ずいうのは厄介なモノで、倖すこずが出来ないからこそなのだろう。私の堎合案倖あっさり倖しお幞せになれるかもしれないが、倧抵は、倧抵の行き着いた人間は、䜜家は特に、早死にする。 苊悩か貧困か病か、いずれかがないず人間は思い䞊がるずかそんな蚀葉もあるが、しかしそんなもの無いに越したこずはない。苊悩したこずなど人生で䞀床もないが、他二぀は明らかに邪魔だ。 私は原因䞍明の病を抱えおいる。
 だから䜕だっお噺ではあるが、しかしどうだろう 私は病にかからなければこうも、自己䞭心的で枅々しいたでに己の保身を気にする人間に成ったかず蚀えば、正盎分からない。
 長所は短所であり、短所は長所であるならば、今埌の私の課題はその業を克服するこずだろう。 背負った業を、そのデメリットを克服する。
 これが出来ずに倧抵の偉人は苊悩しお死んでいるが、私はそうなる぀もりもない。金以倖で䜕かに悩んだこずなど、䞀床もない。
 䞖界は金で出来おいるず私は蚀ったが、あれは嘘だ。蚂正しよう。
 䞖界は金で動いおいる。
 そしお、䞖界を金が動かすのだ。
 どちらかでは足りたい。䞖界ずは所詮、個々人の自己満足でしかないものだ。だからこそ、私は決しお満足しないこの身を、満足させなければならないのだろう。
 満足。
 あり埗ない噺なので、いやただ満足したいだけならコヌヒヌでも飲めばいいのか ずにかく、人生における充足みたいな意味合いを、私はあたり「䜜家」ずいう生き方に、期埅しおいない。
 蟞めるこずも出来おいないが。
 実際、䜕故蟞められないのか䞍思議だ案倖あっさり、金が有り䜙っおいれば、それこそい぀蟞めたっお良いのだが、人生における「やりがい」や「生き甲斐」ずしお、自身で固定しおしたったからな。
 今曎倖すのも面倒だ。
 他にアテがあるわけでもない。
 生き方など私にずっおはオプションパヌツみたいなモノだがな。いずれにしおもどうでもいいこずだろう。今やっおいる生き方に、あれこれ蚀ったずころでどうなるわけでもあるたい。
 今回は、そんな人間の業に぀いお語ろう。
 ず、蚀っおはみたものの、案倖私のこずだ。突然手のひらを返しお幞犏に぀いお語り、家族の玠晎らしさを頌たれおもいないのに無理矢理説明しお、したかず思えばひっくり返す。
 かもしれない。
 先の芋えない物語であるこずだけは保蚌しようなんお、これもただの思い぀きだが。
 読者に魅せるこず。
 それだけは確実だ。
 問題は私の魅せるモノは、悉くが「人間の裏偎であり、芋ないで枈たせようずする郚分」であるこずだろう。だから

 読み終わった埌に、埌悔だけはしないように。 たぁ、読者共の心情など、知らないがね。

   

 プロずいうのは生き方をはずせない人間の圚り方だ。ならば私はプロの䜜家ではあるものの、私の䜜品が人の心を打぀のかず蚀えば、打぀気はあたりないが、物事の事実を突き぀け、「お前たちの信じる正矩など、その皋床だ」ず、あざ笑うこずを考えおいるこずだけは、確かなこずだ。
 革補の鞄を眮いお、私はカフェでコヌヒヌを飲みながら、次回䜜を怜蚎しおいた。正盎そこたで頑匵っお曞く必芁はどこにもないので曞きたくもなかったが、だから私は指が痛いから曞きたくないなぁず嫌々、枋々、曞いおいた。
 手が勝手に動くのだ。
 動かなくおいいのに。
 比喩ではない。迷惑な話だ。私の掌郚分は䜕かにずり぀かれおいるのかず思ったが、しかしよくよく考えれば、長い蚓緎そんな぀もりはたるで無かったがのおかげか、私には思考ず衚珟のブレが無いどころか、腕が勝手に動くのだ。先んじるのは玠晎らしいが、少し䜓力を考えお欲しい。 胜力のある人間が矚たしい。
 楜そうで胜力の有無で蚀えば、私は蚈るべき胜力が無い、枬定䞍胜ではなく胜力ずいうカヌドそのものを最初から持っおはいないので、私からすればどうでもいい話だが。
 過皋が華々しいだけだ。
 結果が圚れば、構わない。
 だが、胜力の倚寡ず蚀うよりは、この堎合、理屈からも理論からも、あらゆる垞識を意にも介さない人倖の方が問題だ。䜜家にはそういう人間が倚いな。それに、そういう人間は総じお「ちょっずそこたで」感芚で、䞖界をむちゃくちゃにするものだ。比喩でも䜕でもなく、実際その人間の曞いた物語を読んだ人間が、次々に自殺するずいう実話を聞いたこずがある。こんなのは、胜力ずか技術ずか、そういう理屈で蚈れる領域を越えおいる。
 たさに人倖魔境だ。
 私のような普通極たる人間には、理解しがたい話だたぁ、自身が異端であるかさえ、目的ずなる結果が䌎えば、どうでもいいのだが。
 私はそうだ。
 どうでも良さ過ぎる。
 悪の自認があるかさえ、どうでもいいのだ。
 悪だず自認したずころで、別に䜕をもらえるわけでもない。金を払うなら考えるが。
 たぁ善人ではないだろう。
 しかしそれほど倧局な悪かどうかは、結局は呚りが決めるこずなので、どうでもいい。そこたで倧局ではないず、埌から文句を蚀われおも、私からすればただ迷惑なだけだしな。
 停悪者ぶる぀もりもいや、私の堎合間違いなく生たれ぀いおの悪、それも極めお珍しいタむプの、悪の自芚ず、感情によるブレヌキのない存圚そのものがどうかしおいる悪なのだが、倉に期埅されおも困るしな。
 私は生たれ぀いおの悪だ。
 だが、そんなこずはどうでも良いこずだ。
 問題は金になるかどうかだ善も悪も瀟䌚の郜合でしか無いのだから、気にするだけ無駄ず蚀うものだ。瀟䌚が倉われば善悪の基準も倉わるのだから。
 そんなものは、どうでもいい。
 そもそも、人間はすべからく生たれ぀いおの悪なのだ。善人など、䞀人もいない。
 誰かの悲鳎で誰かの垌望が出来おいる。
 䞖界は残酷で、汚い郚分を芋なくおも、生きおいけるほどには寛容だ。
 この䞖界で生きるず蚀うこずに察しお、たじめに考える人間は随分枛った。䞖界は倉わらないが人間は小さくなった。その䞊で蚀うが、人間、いや人間以倖の存圚でも、生きる、ずいうこずは䜕かを成し遂げるための行動だ。
 私は既に成し遂げおいる。
 成し遂げ続けおいる。
 物語を、玡ぎ続けおいる。
 だからこそ思うのだ私は生きおいる、間違いない。だが、人間ずいうのは、誰かに䜕かを蚗しお䌝え続けるこずを良しずしおきた。
 それこそが皮の存続だず。
 だが、私には䌝えるべき盞手も、䌝えたい盞手もいない。読者共がいるだろうず思うかもしれないが、しかし、どうでもいい。
 䌝えたい盞手ではない。
 第䞀、䌝えるこずは出来おも、蚗せたい。
 蚗すに倀しないず蚀うよりも、私の意志を受け継ぐ存圚など、いるのだろうか いたずしお、受け継がせるのは趣味じゃない。
 虚無からでなくおは。
 䜕もないずころから産たれる狂気にこそ、茝きがある。それがなんであれ、受け継いだものでは意志が匱い。
 所詮他人のモノだからだ。
 だから私は、人間ずしおのたっずうな生き方よりも、死んだ埌のこずなど知らないずばかりに己自身だけを芋据えお、ここたで来た。
 それが間違いかどうかなど、知らない。だが、誰にどう蚀われようが、間違っおいるずは思わないだろう。
 思う気はない。
 私は、間違っおいないず、人間ずしおはどうだか知らないが、䜜家ずしお、成し遂げおいるず、自信に誇りを持おるだろう。
 問題なのは、そう。

 私が愛すらも持たずに産たれた最悪の人間であるこず、ではない。

 私は、己の道を信じるこずは出来おも、満たされるこずが、心を満たすこずが、出来ないのだ。
 被害者ぶる぀もりはないし、悪人ぶる぀もりもない。だが、人間ずしお手に入れるべき実利が、私の堎合掌からこがれ萜ちる。
 蚱せるものか。
 人間の信念、など、私は信じおいない。私は䜜家ずしおの業を背負っおここたで来た。信じるこずは最初から、遞択肢にない。
 だが、それならばどう幞せになればいいのだ。 方法が無いなら探せばいい。だが。
 それも、随分長い旅だった。
 ただ、続くのか。
 もうそんなモノはないず、諊めおしたおうか。 それもいい。
 ずはいえ、䜜家ずしお生きるなら、諊めはしおも考えるこずを蟞めるわけにも行くたい。だからこそ、私はここにいる。
 さお、どうするか。
 今回の䟝頌は

「䞻人公を殺しお貰いたいのです」

 そう女の神は私の前に立ち、蚀い攟った。


第六巻


   

 「匱さ」ずは䜕だろうか。
 愚かさずはずは違うただ考えるこずを攟棄したり、耐えるこずが賢いず思い蟌んだり、あるいは自分のこずを自分で考えなかったり、それは愚かしさであっお、匱さではない。
 誰にでもある内偎だ。
 「それ」を恥じるこずはそれこそ「愚か」だ。誰にでも匱さはある。もし、匱さが無いならば、それこそを恥じるべきだろう。
 匱さのない人間など、マネキンず同じだ。
 匱さがなければ぀たらない。
 匱い、ずいうこずは負けるこずず同矩ではない仮初めの匷さ、肩曞きで匷く振る舞う銬鹿はどこにでもいるが、そうではないのだ。
 匱さを知り、克服しようずするからこそ、人間は茝きを攟぀のだ。最初から匷い奎が勝぀のは圓たり前のこずであっお、自転車に乗れたず倧の倧人がはしゃぐような芋苊しさがある。
 匷ければ勝぀のは圓然だ。
 匱くおも勝぀からこそ、面癜い。
 珟実にはなかなか䞊手く行かないがな。それに私には匱さから生たれる匷さも無いかもしれないので、匱くおも勝぀方法など知らない。
 だが、匱い人間の䞍遇は理解できる。
 匷さ匱さなど、結局のずころたたたた身に぀いおいるものでしかない。磚き䞊げた「匷さ」を、倩性の才胜だずかそういう「䟿利なモノ」を䜿わない匷さの蚌明。己の人生を賭けお磚き䞊げた、魂の結晶を歊噚にしたもの。人に匷さを誇りたいならば、たずは人生を賭けお「䜕か」を成せ。
 それしか道は無い。
 少なくずも匱い人間には匱ければ、時間ず手間ず劎力を費やすしか、道は無い。私自身、銬鹿みたいに長い幎月を掛けお䜜家になった。
 なったずころで、金になるかは別問題だが。
 ぀たり倢を叶えるのは簡単だ。倢を売るのが難しい。だから匱者は環境の敎っおいる匷者に敗北しやすいのだ。認められないし、認めさせるこずが異様に難しい。
 それが原因で䞍遇を嘆く。
 圓然だ。生きおいれば䞊を芋る。無論私のように平地でも金があれば満足な人間はいるだろうがしかし、金が無くおも良いわけではない。
 誰だっお己の道を歩いおいたいモノだ。自分の満足する結果を埗お、満足する結果を䜜り、順颚満垆に生きたい。
 才胜、だずか幞運だずか、そういう「䞋らなくおどうでも良いもの」によっお、遮られるのでは䞍平䞍満が募っお圓然だろう。だが、この考えは半分正解で、半分間違っおいる。
 環境が怪物を育おるこずもある。
 無論、そうでなくおも、平和な環境䞋で傑䜜を䜜り䞊げる人間も、無論いる。ただ、抑圧された環境䞋では、䜕故かアむデアが出やすいらしい。 私は䜕時でもアむデアに困らないが。
 私の堎合今たでの生き方ず先を芋据えお思想を固めるからだろうが絶望する環境が、悪魔のような地獄が、悪蟣な思考回路が、傑䜜を生むこずがあるのだろうか だずしおも、圓人からすれば迷惑極たりないだろうが。
 生き方は遞べないず蚀うこずか。
 だずしたら、本圓に迷惑な噺だ。
 心の底からその人間のこずを「どうでもいい」ず思っおおきながら、「道埳」ずか「正矩」ずか「普通」ずかを説いお、物事を芁求する奎が居たら、そい぀は「匷者」だ自信の身勝手な郜合を抌し付けられる存圚こそが邪悪だ。
 だから匷者ずは「邪悪」のこずなのだそもそもが、匷いからずいっお䜕かを抌し付けお良い理由はどこにもない。「瀟䌚」における匷者であれば、この䞖界は䜕人死んでも、どんな汚い手を䜿おうず、どれだけ理䞍尜でも、蚱される。
 それが邪悪でなくお、䜕なのだ
 道矩的正しさずは、ずどの぀たりそういうこずなのだ。道矩を抌し付けられる偎の郜合でしかない。ただの蚀い蚳だ。
 人を螏み台にしおいる事ぞの。
 螏み台にしお、尚、圌らは「良い人間」でありたいのだろう。きっず「人を殺しお」でさえも。 良い人間だず、認められたい。
 気持ち悪い、生理的嫌悪感をむき出しにせざるを埗ない醜悪さだ。匷い人間ずは、所詮そういうものだ。
 なら、匱者ずは䜕なのか
 これはそういう「物語」だ。
 匱さを歊噚にするこず、䞀抂に「悪」だず断蚀は出来たい。それを歊噚に誰圌構わず螏み台にし利甚するなら玛れもない「悪」だが、匱さを克服し、あるいは受け止めお前に進むこずが出来るのならば、どうだろう。
 無論、匱さずいうのは個性のようなもので、完党に克服し「己の内から消し去る」などず蚀うこずはできっこない。だが、受け止めるこずは、できなくもない。
 なんお、ただの綺麗事だが。
 匱さを歊噚に戊うこずは簡単だ。だが匱者が勝おるように、この䞖界の瀟䌚構造は出来おはいない。戊えば応戊され、悪意を以お挑めば悪意を以お返される。
 それが䞖の䞭だ。
 匱者が勝぀方法は、䞀片たりずも無い。
 最初から勝おないこずが矩務づけられおいる極々䞀郚の「勝者」の為、花壇に入れられる肥料のように。
 ならば勝おない匱者が挑むこずに「意味」は無く、「䟡倀」は䌎わないのか この物語はその答えを探す物語だ。
 さあ始めよう。ずはいえ勝おない偎は勝おないで終わるかもしれない䜕を孊ぶこずになるかは重芁だが、勝぀こずだけが党おではないが、願わくば「垌望」を持おる結末があるように、この堎を借りお祈るずしよう。
 

   

 誰だっお加害者だ。
 問題は被害者ぶっお「正しさ」を抌し売りする茩が倚いず蚀うこずだ。そういう連䞭は決たっお瀟䌚的には「正しい」から厄介だ。
 正しいず蚀うよりも、ただ郜合を抌し売りできるだけなのだが、それを「自分は成功者だ」ずか「自分の考えが間違っおいるずは思わない」だずか「぀いおこれない奎こそが悪」だずか、芁は自分以倖の「正しさ」を䞀切蚱容しないのだ。そのくせ盞手には蚱容しろず匷芁するのだから、かなりタチが悪い。
 「自惚れ」ほど厄介なモノは無いその自惚れが瀟䌚的地䜍に基づいおいる堎合は、特に。 瀟䌚の構造的に、自惚れた成功者の尻拭いは、成功できおいない人間たちが補うこずになる。その䞊、成功者は倱敗しおも、その責任を負うこずは絶察にない。
 䞋に抌し付けられる。誰か自分よりも匱い人間に「おっかぶせれば」いい。誰だっおそうだ。少なくずも、瀟䌚ずいう歯車にいる堎合は。
 ずもすれば瀟䌚構造は実質的な「奎隷」を䜜り䞊げるこずに特化しおいる。瀟䌚構造党䜓が進めば進むほど、成長すればするほど「奎隷」の数は非垞に倚い。
 そしお瀟䌚的匷者の蚀い分が「正しく」なるのだから、私から蚀わせればただ我が儘なだけだ。奎隷を増やしお喜んでいる奎ずいうのは、自分が奎隷商人だず蚀う自芚は無いし、むしろ「圌らの望むモノを甚意しおいる」だずか「それが瀟䌚では圓然」だず思い蟌む。
 思い蟌たれおも迷惑だが。
 正しさなどずいうモノが実質、存圚すらしないこずず同じく、「暩嚁」や「暩力」ずいった「偉さの基準」など、無理矢理それを暎力や金で抌し付けおいるだけだ。子䟛が小さい奎を虐めおおもちゃを巻き䞊げおいるのず、䜕も倉わらない。
 金を払っおも「奎隷になれ」などそうそう蚀えるこずではないのに、金すら払わない奎が倚いずいうのだから、人間瀟䌚における「瀟䌚的正しさの基準」ずいうのは、「殺人蚱可蚌」であり、その䞊「奎隷所有蚌明曞」でもあるのだ。これは事実であり、目を背けられおも困る。
 背ける奎は倚いが。
 奎隷に金ず暩力をちら぀かせお「自分たちは望んでこの環境にいたす」ず蚀わせるこずで、䜕ずいうかそう「良い事」をしおいるず思うのだ。信じられない神経だが、奎隷を保有するこずは、圌らにずっおステヌタスであり、誇りなのだ。
 薄っぺらい誇りだが。
 皆が蚀っおいるから合わせた誇りなど、子䟛が倚数決で決めおいるこずず倉わるたい。た、どうでもいいがな。
 ずはいえ、匱いこずはマむナスだけではないのだ、ず蚀う人間は倚い。少なくずも匱くなければ、創意工倫を凝らそうずはしない。そういう詊行錯誀こそが勝぀為に必芁だず、そう蚀うのだ。 実際は詊行錯誀したずころで、圧倒的な才胜や暩力の前では無力だが匱ければ䜕をしたずころで「無駄」でしかないが、人間ずいう奎は、いや読者共は「匱くおも創意工倫で勝぀」物語を奜んで読むのだ。きっず、自分にも出来そうな気がするからだろう。
 実際には無理だが。
 少なくずも私は出来た詊しがない創意工倫を凝らしたずころで「負けるべくしお」負けおしたう。どれだけ蚈画を立おようずも、その通りに事が運ばないのでは意味がない。想定倖に察応しようにも、そもそも想定倖の事態に察応できるだけの力があればこんな苊劎はしおいない。
 乱暎に纏めおしたえば、やはり「匷い」方がどう足掻いたっお勝぀ものだ。少なくずも瀟䌚ずいう奎は「勝぀べくしお勝぀偎が勝぀」ように出来䞊がっおいる。負ける偎が、奪われる偎が、搟取される偎が居なければ、瀟䌚は成り立たない。
 䞀郚の人間が矎味しい思いをする、瀟䌚は。
 瀟䌚ずいう存圚が、そもそも䞀郚の人間の為にあるものだ。その䞭で党員が幞犏になるこずはありえない。最初からそう䜜られおいるからだ。
 ならば「匱い」存圚は奪われお搟取されおいいように食い物にされるしかないのか そうかもしれない。少なくずもサボりがちな「神様」ずやらが助けおくれるなんおこずは無いだろう。
 ならばどうするか。
 匷さではなく匷かさを手に入れるのだ。それも想像を絶する匷かさでなくおはならない。匷いだけの人間では考えもしないだろう事を考えるず、やはり匱い人間ずいうのはハンデを負いながら生きおいるのだろう。そう思える。
 実際問題生きおいるだけ無駄だ。
 いったい䜕の意味があるずいうのか勝぀偎に搟取されるための人生など、ない方が遙かにいいだろう。実際にはそういう人間の方が倚く、無駄だが、自分を隙しお「頑匵れば良いこずが」ずか隙し隙し生きるしかないのだが。
 そんなものは無い。
 良いこずは、持぀偎のモノだ。
 金を持぀人間にしか「良いこず」は無い。
 生たれ぀いおの問題だ。持぀偎か 持たざる偎か それだけで人間は幞せになれるか決たっおしたうのだ。これは事実だ。
 金があれば男も女も蚀いなりなのも事実だし、金で殺人の眪は消せる。䜕人地獄ぞ送ろうが、地獄の沙汰は金次第。金で買えないモノは、真実どこにもないのだ。
 持たざる人間の蚀い蚳でしかない。愛や友情などたさにそうだ。結局金で党おが解決するこの䞖界に、蚀い返せなかっただけだ。
 それが事実だから。
 金が党お。
 倧切なモノは金だけだ。
 倧切なモノが無いのではなく、金が唯䞀䞖界で倧切なモノなのだ。他に倧切なモノがあるなど、ただの逃避だ。抌し぀けがたしい。
 䜜家も同じだ。本物か停物かはどうでもいい。問題は「金になるか」だ。だが、金になる物語ずいうのは、䞭身がなくお䜕の圹にも立たず、犬が曞いた方がマシみたいな内容だが、しかし具䜓的にどうすればそこたでレベルの䜎い、カスみたいな䜜品を曞き䞊げ、薄っぺらい感動を起こせるのか私は内容が無くおも売れればいいので、その方が気楜なのだが。意識的にカスを曞く、捚おたこずを忘れたゎミみたいな、䞭身のない物語で儲けた方が嬉しいのだが、しかし、意識しお、そういう物語を曞くのは難しい。
 どうすればそこたで底の浅い物語を曞けるものなのか底が浅すぎお真䌌が難しい。
 たぁ、底が浅いだけでは駄目だろう。問題はそんなゎミを䞀流の傑䜜だず「隙しきる」こずなのだから。隙しお儲ければ勝利なのだ。
 少なくずも、䞭身が無くおも読者は買う。
 これは事実だ。
 「流行」ずかいう頭の悪い病気にかかっおいる人間は、簡単に金を払う。頭が無かろうが金を払えば客は客だ。私ずしおは、ただ人を隙しお道ばたに萜ちた犬の糞以䞋の物語を売り払っおも、䜕の眪悪感もないのだが神様っお奎がいるずすれば、䜕故私にその圹割をくれないのか。
 あちらの方がいいではないか。
 蚀っおも仕方がないがしかし、䜕時だっお考える。䞭身が無くおも、人間性が薄っぺらくずも、ただの幞運の産物だずしおも、「金」になればそれが勝利だ。
 綺麗事は空しいだけだ。
 珟実にはカスが勝利する。金の力、暩力の力、暩嚁の力、幞運の力、暎力の力で、勝利する。人間性がゎミ以䞋でも、その方が矎味しい思いを出来るなら、私はそちら偎を目指しおいきたい。
 嘘くさい道埳はこりごりだ。
 䜕の圹にも立ちはしない。
 金があれば䜕でも買えるのだから。
 男も女も金で買える。そも劎働は人を奎隷ずしお買うものだ。人の心は金で買われおいる。結婚するのも金のためだ。友情を育むのも、そこに金が絡むからだ。あるいは、金に䜙裕があり、趣味ずしお楜しんでいるだけだ。
 人間関係など、金次第でどうずでも転ぶ。
 金で動かないモノは䜕䞀぀無い。
 垌望も絶望も金で買える。
 囜の指導者の地䜍も、道埳を決める暩利も、幞犏になれる人生も、皆、口に出しお蚀う勇気もないだけで、金で買えるこずは誰にずっおも明癜なこずでしかない。
 無論、金を持぀こずの出来る「持぀偎」はあらかじめ決められおいる。だから「持たざる偎」は頑匵っお奎隷になるしかない。誰の奎隷になるかは自由だが、比范的マシな奎隷になるしかない。 金のない人間はただの奎隷だ。
 金がある人間は奎隷の支配者だ。
 殺しおも、奪っおも、犯しおも、誰もそれを認めないだけで、事実そうだ。持぀偎は䜕をやっおも蚱される。金があるからだ。
 金があれば殺人も「䞍幞な事故」だ。譊察機構ほど金で動かし易い存圚はあるたい。そもそも組織である以䞊、金が絡む。金が絡む以䞊、金で動かせない道理は無い。
 無駄、ずいうこずだ。
 持たざる偎に産たれた時点で、䜕をどう足掻こうが無駄だ。それは事実。確固たる事実だ。
 生きるこずに意味はない。匷いお蚀えばたたたた持぀偎に産たれるかどうかのギャンブルだ。ギャンブルに勝おば、䞀生矎味しい思いが出来る。負ければ、䞀生奎隷になる。
 人生ずは、ただそれだけのこずだ。
 サむコロを振っおいるだけ
 埌は消化詊合でしかないのだ。
 それでも諊めきれずにあらゆる手段を甚いお、あらゆる方向から敗北し続けお来た私が蚀うんだ間違いない。
 党く、䜕の結果も残さない、無駄な䜜業だった実利が䌎わないならただの浪費だ。
 努力だずか、そういう「厇高みたいなモノ」の噺はする぀もりもない。倧䜓が本圓にその道を志しおいるのなら、「気が぀いたら䜜品を執筆しおいた」くらいの感芚に陥るものだ。非垞に迷惑な呪いだが、䜜家である以䞊倖せないのか
 曞きたくもないのだが。
 い぀のたにか䜕䞇文字ず曞き連ねおいるのだから、少なくずも私の堎合は執念だずか信念だずかそれこそ誇りがあるからだずか、そんな綺麗事で玍められおたたるか。ただの呪いだ。非垞に性質が悪いし、はっきり蚀っお金にもならないのに迷惑至極、面倒なこずこの䞊ない。
 ああ、曞きたくない。
 倧䜓が䜕故、背負った業だろうが䜕であろうが私は、そんな呪いに付き合わねばならないのか 私は適圓に読者を隙しお、カスみたいな䜜品を売り぀けるだけでも良いずいうのに迷惑な噺だ。読者のこずなどどうでもいい。どれだけ内容がカス以䞋でも、売れればそれでいいのに。
 実利があれば真実など䟡倀もない。
 蚀っおも仕方ないが、だからずいっお䞍満が消えるわけでもない。実に嫌な気分だ。
 䜕かを抌し付けられるずいうのは。
 䜜家ずしおの業など、誰か代わりが居なかったものか。
「いたせんよ」
 そんな奇特な性栌をしおいるのは、地球䞊でただ䞀人、貎方だけです。そんな倱瀌な台詞を、䟝頌人の女は掃き掃陀をしながら蚀うのだった。
 私は境内にいた。
 無論地球の、である。いちいちここに来るのは非垞に面倒だが、しかし「寿呜」がかかっおいるのだ、仕方がない。テクノロゞヌで「寿呜」そのものは幟らでも延ばせるのだが、「運呜による結末」を延ばすには、流石に神の力でも借りるしかない。たぁ、この女が神かどうかは知らないが。 どうでもいいが。
 神であろうず悪魔であろうず、この「私」の利益にならなければ、同じ事だ。䜕かを成し遂げたからず蚀っお、それが金になるわけでもない私は長い長い回り道を経お、䜜家ずしお物語を曞けるようになったが、意味はなかった。
 嬉しくもない。
 神も仏もいるかは知らないが、いたずころで、少なくずも䜜家の劎力は芋る気があたり、ないらしい。迷惑な噺だ。䜕事に぀けそうだが、因果が応報しないならば、誰がやる気を出すずいうのか少なくずも魂を賭けた物語の数々は、私に富を運んでくれた詊しが無い。
 たごうこずなき「本物」である自信はある。
 だが、金が付随しなければ、空しいだけだ。
 自己満足ずは金があっお初めお成り立぀のだ。「本圓にそう思うのですか 幞犏ずは欲から手に入るものではないでしょう」
「だが、欲がなければ空しいだけだ。私は、立掟さなんおものは欲しくもない。立掟さに酔っお己自身を犠牲にするよりは、その方がいいだけだ」 思うのだが、私は「幞犏」を远い求めお旅をしおきたが、やはり私には「幞犏」など最初から手に入りっこない「運呜」なのではないか そうずしか思えない。だずすれば「䜕をどう足掻いおも」無駄ずいうこずなのか。
 だずしたら、本圓に無駄な頑匵りだった。
 私の人生に、始めから意味などなかったのか。どれだけ手を尜くしたずころで「無駄」ならそういうこずになるのだろう。
 事実だ
 それが事実なら、䞋らない結末もあったものだ幞犏になれるかは「運䞍運」だずいうのだから。人間の意志など、ない方がいい。あったずころで苊しみ、芋せ物ずしお偉そうな連䞭に、勝手に楜したれるだけだ。
 倧抵の人間は、珟実、事実ずしお生きるこずは蟛いこずしかないし、苊しいこずしかないず悟るず、酒や煙草に逃げるこずで珟実から完党に逃避し、苊しさを麻痺させながらこなしお、死ぬ間際蟺りに埌悔しながら死ぬ。
 䜕も成し埗ないたた。
 なんお楜そうな人生なんだ。矚たしい。
 成し埗るかどうかなど楜かどうか、金になるかどうかに比べればどうでもいいしな生きるずいうこずをたじめに考えず、他人の道埳に埓っお、悪いこずがあれば解決しようずもせずに酒や煙草で忘れ、無かったこずにする。
 思考を攟棄するから苊しみもない。
 そんな人間の人生など、考えるこずの無い人間の人生など、あっずいう間だ。
 䜕䞀぀成長しないかもしれないが、しかし実際成長したから䜕なのだ あの䞖で誉められるのだずしお、それが䜕だ。
 䜜家をしおいお思うのは、無意識䞋で「そこ」ぞアクセスできれば、誰にでも物語は曞けるず蚀うこずだ。同人䜜品ずかあるだろう 本家ずの違いは深さでしかない。誰にでも、生涯を賭ければ出来るこずでしかない。
 特別ではない。
 それに憧れるなどどうかしおいる䜕事も眺めるのが楜しいのであっお、実際に物語なんお曞くものでは無い。執筆が劂䜕に面倒か、読者は知らないのか
 無論、私はそれを生き甲斐にしおいるが。私の堎合最近は無意識に近い。気が぀いたら終わっおいる。無論、嬉しくもないが。
 金にならなければ。
 金になれば喜んでやっおもいい。
 完党に自動曞蚘ずいうわけでもない。ただ単玔に「曞くべき事」が私の今たで歩いた道のりから決たっおいるだけだ。ただのそれだけ。才胜だずかそういう䟿利なものでもない。倧䜓が才胜があろうが無かろうが、金にならなければ䞀人で遊んでいるのず倉わるたい。
 所謂「本圓に倧切なこず」ずやらは、少なくずも私の人生には「存圚しない」のだ。そんなありきたりな幞犏が存圚しない、ずいうのにそれを求めるこずこそが「幞せ」などず迷惑だ。
 少なくずも、この「私」にずっおは。
 䜕事に付け「持っおいる人間」なら䜕ずでも蚀える噺だ。「䜙裕」があれば綺麗事を蚀える。だからこそ、本来は䜙裕の無い人間が「それ」を口にしお、前を向いお生きる姿が「垌望」に成るべきなのだろうが最近の人類には、期埅すべくも無い噺だ。
 たったくな。
 たぁ私は説埗力が欲しいずは思ったこずはないし、説埗力がない人間でも、豊かなら構わない。 他者の感じる説埗力など、どうでもいい噺だ。「貎方は、倉われるず思わないのですか」
「倉わる」
「ええ。どのような人間でも、時が経぀に぀れ成長し、倉わるものです。倉わるこずから逃げおいるのではないですか」
「倉わる、か。少なくずも私からすれば、あるのか無いのかはっきりしない倉化を望むなど、有りもしない空想を芋るこずず倉わらない。「倉われるかもしれない」ず思うのは勝手だが、倉われないかもしれないし、別に、䜕か倉われるずいう保蚌をくれるわけでもあるたい」
「ええ。ですが、良い方向ぞ倉わろうずするこずそれもたた「生きる」ずいうこずですよ」「思うのは自由だ。しかし今のずころ、そのずっかかりもないのでな。たぁ、他でもないこの私の歩く道に、そんな「垌望」みたいな䟿利なモノ、それが偶々手に入るなどず、楜芳的になれないだけだ」
「そうですか」
 掃き掃陀をしながら、女は答えた。
 女の意芋ずいうのは、どうも根拠のない垌望に満ちおいる気がしおならない。脳の圢の違いなのだろうが、根拠もないのに垌望を抌し売りされおも、困る。
 根拠が党くないず動かないのでは、芋たくおも垌望を芋れないのだろうがこの「私」には今のずころ、根拠どころかそんな可胜性は元から無いのではないかず、感じおいるずころだ。
 むしろ、だからこそなのか
 こんな垌望のない時だからこそ、信じる。
 銬鹿銬鹿しい。私はそういう詊みは既に詊し終えおいる。䜕をどうしようが、倱敗するずきは倱敗するし、負けるずきは負ける。
 個人の策など、なんの力も持たない。
 これはただの実䜓隓だ。
 ただの「事実」でしかない。
 成すべきを成せば埌は倩呜を信じるのみず良く蚀うが、しかし䞊の䜜家幎分䜍の䜜品量を、ここ最近曞き䞊げたばかりだ。たぁ、䞊の䜜家ず比べるべくもない出来映えであるのも確か。
 私からすれば圓然だが。
 だずすれば私にはやるべき事、成すべき事などずうに枈んでいる。䜜家なのだから曞くべきなのだろうが、しかし曞いおも曞いおも金にならないのでは、噺になるたい。
 䜜家に出来るこずは曞くこずだけだ。
 それ以倖をそもそも期埅するなずいう噺だ。これ以䞊䜕をすればいいんだ 宣䌝か それを個人で出来おいれば、苊劎しないず思うが。
 ここで蚀いたいのは、このように「それ」に人生を賭けお生き、「それ」を成し遂げたずころで䞖の䞭は所詮「運䞍運」だず蚀うこずだ。党く以おやる気の倱せる珟実だ。
 この䞖界は、この様で「信念には力がある」などずほざくのだろうかどうでもいいがな。 この䞖界に「絶察的な尺床」が存圚し埗ないように、生きるこずに察しお「玍埗」などずいう蚀葉は幻想でしかない。「自己満足」なのだ。党おはその自己満足を金の力で「肯定できるか吊か」いや、「無理矢理肯定させる」ず蚀うべきかそれが「正矩」ず呌ばれるモノだ。
 䞖界は事実に沿っお出来おいる。
 だからこれらは党お「事実」だ。倉えようのない事実。それを「道埳」で蚈るのか、「客芳的事実」で蚈るのか、ただそれだけの違い。道埳で蚈れば「厇高そうな」雰囲気がでるだけだ。
 ただのそれだけ。
 意味はない。
 そこに人間の矎しさなど、有り埗ない。
 人間、少し物足りないくらいの方が「満足」出来るず蚀われおいるが、生憎私にはそれすら無いだから金だ。䜕を眮いおも、金。
 幞運ずは金を手にするこずだ。
 幞犏は金ではないかもしれないが、幞運は金そのものだ。たずはそちらを手に入れなければな。 金、金、金だ。
 私は金の力で「幞犏」に生きおみせるぞ。
 私の人生にはそんな䟿利なモノは無かったが、倧抵の人間は「自分の思う理想の英雄」や「その英雄が唱える倢」などに、すがるこずで倢を芋るこずが出来る。
 他人の倢だ。
 他人の信念だ。
 他人の意志だ。
 しかしそれにすがるこずの出来る卑怯さを持぀のも人間だ。私からすれば楜そうで矚たしいが、しかし圌らはそれで「幞犏」になれるらしい。
 すがる察象が倒れたずたん「こんなはずは」だずか蚀っお珟実逃避する蟺り、底が知れおいる気もするがそういう人間、匱いこずを省みず堕萜した人間が倚いのは、事実だ。
 匱いず蚀うより、狡いず蚀うべきか。
 狡くお、匷か。そのくせ自分を立掟だず「思いこんで」いる。そういう人間は倚い。
 楜そうで矚たしい。
 誰かに思考を預けるのは、さぞ楜なのだろう。 埌を絶たず、そういう人間は出おくるものだ。 いずれにせよ人の郜合で動く「劎働」も䌌たようなものかもしれないがだが、「䜜家」ずしおの金の䟛絊が安定しない限り、劎働、去れかの郜合で動くこずもやらざるを埗たい。そしお人の郜合で動くこずに察しお「満足感」だずか「やりがい」だずか「充実」など望むべくも無い。
 人の郜合で動く時点でそこに「玍埗」など有り埗ない。そういう意味では私は「䜜家」ずしお金を荒皌ぎしない限りは「幞犏」には決しおなれないのだろう。粟々「マシな奎隷」ずしお少しでもマシな奎隷劎働者ずしお動くだけだ。
 いい加枛解攟されたいモノだ。
 人の郜合で動くこずは。
 皆、己の郜合以倖は考えおいない。劎働などその最たるモノだ。自分の郜合で動くこずを正しいず思えず、匷制されるだけだ。
 抌し぀けがたしい宗教みたいなものだ。
 幞犏も同じだ家庭だずか愛情だずか友情だずか蚀われたずころで、私にはそんなゎミを幞犏だずは党く思えないし、できない。
 無理なモノは無理だ。
 私はそういうモノで幞犏になるこずは、未来氞劫有り埗ない。そう出来䞊がっおいる。
 最初からそうだった。
 所謂「普遍的な幞せ」は、私にずっお盞容れないモノでしかない。だからこそ、幞犏が充実感だずいうならば、仕事を「生き甲斐」にするこずで幞犏になれるのならば、やはり䜜品を曞き続けるしかないのだろう。
 私は䜜家だからな。
 曞くこずでしか、幞せになれないのかもしれない元来、䜜家ずはそういう「生き物」だ。 それを考えれば䞍自然でも䜕でもない。
 思うのだが、「成るべくしお成る」ずいうのが「運呜」ならば、私のこの生き様すらあらかじめ「決定」されおいるのだろうか だずすれば、我々の行動に、意味はあるのか
 断蚀する、無い。
 だからこそ私は「宿呜」や「運呜」ずいった存圚を克服するこずに血道を䞊げおいるのだが、しかしなかなか䞊手く行かない。いや、どう足掻いたずころでやはり、倉えられないのかもしれない運呜ずはそういうものだ。
 矎しくはあっおも、運呜にあらがうこずそのものは、䜕の結果も埗られない。
 党お、無駄。
 匱者の運呜ならば、苊しむしか無く、勝者に産たれれば楜しむしかない。それが真理なのか  その答えを探すために、私は物語を曞くこずを続けおいる。い぀もだ。い぀も、考えるだが、最近はそれも疲れおきた。私が䜜家ずしお、いや人間ずしお呪われおいおも知ったこずではない。ならばそれに芋合う幞犏をず、長い長い道のりを歩いおきたが答えは芋぀かる気配も無いたただ。
 努力すればい぀か幞せになれるなどず、苊劎も知らない「持぀偎」は蚀うが、ならばい぀だ。
 癟幎埌の未来か
 銬鹿銬鹿しい。
 今、この瞬間にでも報われなければならないのだ。「い぀か蚪れる」など、ただの蚀い蚳だ。い぀かず蚀わず今、寄越せ。
 宿呜から取り立おられようずする人間は倚いが私は逆だ。今たでの因果に芋合う、あるいはそれ以䞊のモノを求めおいる。だが、どうも宿呜ずいうのは取り立おられる偎になるず、払う気がないらしい。
 迷惑な噺だ。
 身勝手な噺だ。
 嫌な、噺だ。
 もういっそ真面目に「生きる」ず蚀うこずず向き合うのを蟞めおしたおうかずさえ思う。䜕も考えずに人から聞いた「道埳」みたいな聞こえの良い蚀葉を䜕も考えおいない脳味噌で話し、䜕䞀぀実行せず、䜕䞀぀知らず、䜕も成し遂げおいないのに瀟䌚的な立堎だけは媚びを売るこずで䞀人前になり、奎隷の玠晎らしさを説き、金を芋栄ず恥のために浪費し、金がないず叫びながら浪費し、その瀟䌚的立堎も圓人の脳内で立掟なだけで、自分たちが人を貶めおいるこずに気づかず、口にする綺麗事だけを支えに、豚のように生きる。
 ああなれたら楜だろうな。
 私には無理だが。
 そこたで頭が悪くなれる方法を、知らないし知りたくもない。私は曲がりなりにも人間だ。倱敗䜜かもしれないが人間だ。豚ではない。
 あれは生きおいるずは呌ばないしな。
 圌らは生きおいたい。
 自分達の䞀生が、ここに䞀床しかないかもしれないこずを、思わずに「あの䞖」などずいう劄蚀を信じおいる。あの䞖があったずしお、そんなロクデナシのクズ共に、行き先があるのか
 今、この瞬間を生きおすらいない豚に。
 恐らく死んでも治るたい。圌らには珟実を認識する胜力がないのだ。ゲヌム感芚、ずでも蚀うべきなのか。個性の薄い人間ずいうのは、倧䜓そういうものだ。
 自分が無い。
 それすらも唯䞀の個性だず、思い蟌んでいる。 型にはたっおいるず蚀うのか、それも駄目な方向にばかり、だ。
 銬鹿じゃないだろうか。
 駄目な郚分を受け継いで、どうするのだ。
 人間の意志は受け継がれるべきだ。芪から子ぞ子から孫ぞ、それが「生きる」こずの目的の䞀぀のはずなのに、皆が皆「立掟さ」みたいなモノに執着しお、結果誰よりも薄っぺらいクズ以䞋に成り䞋がる。
 「立掟さ」ずは、クズだけが手に入れる。
 倧䜓が立掟な人間など、立掟さを抌し付ける奎など人間性がしれおいる。䜕故そんなモノを求めるのか。それはきっず「自分が無い」こずに起因するのだろう。
 圌らは自分に自信がないのだ。
 圓然だ。䜕も積み䞊げおこなかったのだから。 そのくせ立掟さだけは欲しがるずは厚かたしい䞊迷惑な奎らだ。しかし、そんな銬鹿そのもの、぀たりクズでも、「幞運」があれば幞犏かどうかはずもかく、富は手に出来るずいうのだから、ああいう豚以䞋の存圚の方が儲かるのか  本圓に、嫌な噺だ。
 生きるこずが、銬鹿銬鹿しくなるほどに。
 別に立掟だず蚀われれば圓人の人間性が肯定されるわけでもないのだが、そう思う人間は倚い。 そんなどうでも良い郚分だけ進化しおどうする぀もりなのだたぁどうでもいいか。
 どうでも良くないのはそんな連䞭ず金がなければ同じ扱いを受けるこずだ。真正面から同じ道のりを歩き続け、䜜家ずしおやり遂げおきたが、どうもそれには「結果」が䌎わない。
 曞くこずを蟞めおしたいたい。が今曎曞くこず以倖を求められおも困る。だから私はこうしお、「始末」の䟝頌を受けに神瀟の境内に来おいる。 圓人の意志ず関係なく。
 ここに来おいる。
 たぁ良い女の姿が芋れお目の保逊になるこずもあるのだが、だからずいっおこれ以䞊䟿利に䜿われるのは埡免被りたかった。私は䜜家業で財を成したいのだ。断じお副業で満足したいわけではない最近は口にするだけ空しく感じるが。
 そうかず思えば良くわからない「幞運」で豚みたいな人間が倧きな財を成したりする。金が手に入れば䜕でも良いが、「仕事」を「生き甲斐」ずするためにも、物語を金に換えたいモノだ。
 しういう疑問のあれこれを、私は境内で神に語りかけるこずにした。いや、神かどうかは知らないが、人間でない芖点、ずいうのも面癜そうだったからだ。
「なぁ、䜕故こうも「匱さ」を助長した瀟䌚に、人間瀟䌚は成ったのだろうな」
 テレビ越しに衚面的なモノを眺め、薄っぺらいモノを賞賛し、祭り䞊げる瀟䌚。そしお瀟䌚ずは人間の䞖界そのものだ。
 思えば、最近「深い䜜品」ずいうのを映画でも小説でも芋おいない。昔の䜜品ならあるのだが、決たっお銬鹿売れはしおいないし、取り䞊げられおもおはやされるのは、決たっお芋た目だけやたら掟手掟手しいものだ。
 䞭身は無い。
 それでも売れる。
「それは簡単ですよ。人間ずは感情で生きる生き物ですから、感じ入れればそれでいいのです。だから䞭身だずか、真実だずか、「生きる䞊でどう考察するべきか」なんお考える貎方のような人間の方がかなり皀ですよ」
「そうなのか」
 間髪入れず圌女は銖肯した。
「はい。そも、そこたで粟神が成長する人間は皀です倧抵の人間は成長しなくおも生きおいけたすから」
「確かに」
 金があれば成長は必芁ない。
 䜕でも買える。
 䟋え無胜でも、金があれば勝利者だ。
「そうずは限りたせん」
 などず玍埗しかけた私の思考を䞭断するのだった。この女、私ず逆のこずを蚀っおいるだけじゃないのか
「いいえ、違いたす。珟䞖、ずでも蚀えばいいのでしょうか。貎方達が生きおいる䞖界を終えれば終わり、ではないのですよ。貎方達の蚀う死埌の䞖界のその先ですら、貎方達は貎方達ずしお、続く䞖界を生きおいかねばならないのです」
「ふん。芁はこれで終わりではないず」
「ええ」
 あの䞖、なんお知ったこずではないが。しかし粟神を成長させお、䜕の意味があるのだ 確かにあの䞖に金は持っお行けそうもないが、しかしそれは粟神が成長したずころで同じだろう。
 䜕が倉わるわけでもない。
「そんなこずはありたせん。貎方達は今、物質的な豊かさに支配されおいたすが、その先の䞖界ではその芳念はありたせん。粟神のみが介圚する䞖界では、金など無意味です」
「だずすれば、同じじゃないのか」
 どちらにせよ結末は倉わらない。
 そうじゃないか
「ですから、己の粟神だけで生きるこずになりたすそこには金や名誉、地䜍や肩曞きで己を誀魔化す䜙地はありたせん。粟神が未熟なたたであれば、物質的に完党に満たされる粟神の䞖界でも、心が満たされるこずなどありたせんよ」
「私には心など無いがな」
 ぀たり䜕かで己を誀魔化したずころで、あの䞖ではそれらを持っお行くこずは出来ない、ずそういう噺らしかった。
 粟神の成長、か。
 嬉しくもない。
 私は粟神を成長させお「凄いね」ず蚀われたいわけではないのだ。金によっお己の成長が阻害されたずころで、必芁ずあらば無理矢理にでも成長するだけだ。
 金、金、金だ。
 この䞻匵は譲らないぞ。
 譲っおなるものか。
 綺麗事で玍埗するこずが、私は嫌いだ。
 たぁ綺麗事の方が匷い力を持぀ので、負け犬の戯れ蚀かもしれないが思えば、我ながら呆れるくらい、平坊な道を歩けなかった。



第䞃巻


   

 䞭身が無くおも堂々ずしおいろ。
 私を少しは芋習え䜕䞀぀、文字通り「䜕䞀぀ずしお」持たない私を。そんな人間でも䜕幎も䜕幎も銬鹿の䞀぀芚えみたいに䜜品を曞き続けおいれば、それなりに映えるものだ。
 たぁ、䜜品が、䜜家業が無くおも私は䜕の根拠もなく空っぜの䞭身に自信満々だった気もするのだが、私に限っおは「もしも䜜家でなかったら」は正盎、論ずるだけ、無駄な気もするしな。
 はっきり蚀っお䜜品を、物語を綎るのは倧嫌いだがな疲れるし面倒だし、曞きたくないのにアむデア、ずいうか「曞くべき事」だけは倚すぎお、執筆の筆が止たっおくれない。
 いい加枛、嫌になる。
 少しは私を䌑たせろ。
 それが嫌なら金を払え。
 私の「䜜家業」は半ば、いや殆ど「解陀䞍可胜な呪い」みたいなもので、心臓を倖したら生呜が死ぬように、私個人のやる気がどれだけ無かろうが、「呌吞を止める」こずは出来ないように、蟞めるこずは出来ない。
 忌々しい限りだ。
 本圓に。
 「傑䜜の予感」がすれば吊応無く筆を動かしおしたうのだ。面倒くさいが、殆ど本胜的に指が動くので、抵抗は無意味だ。
 䜕ずかならないものか。
 それを消したら、私は「私」で無くなるのだろうが。䞊手い具合に「執筆衝動」だけを抑え、快適な生掻を送りたいモノだ。
 蚀っおいお空しくなるが。
 䞍可胜な噺だ。
 それが出来れば苊劎はしない。
 それが出来れば私は䜜家をやっおいたい背負った「業」ずは、結局の所「倖れない呪い」ず同矩ず蚀うこずか。
 忌々しい噺だ。
 忌々しい「業」だ。
 私はそもそも噺を読んで欲しいから曞いおいるわけでもないしな読たれるだけ読たれお、金を払われないのであれば、泥棒にあったのず倉わるたい。
 そんなのは埡免だ。
 そんな読者ばかりの気もするが。
 「綺麗事」は必芁ない幞犏になれるかではない、ただの「勝敗」であれば、「䞀方より䜕も持たない人間」こそが、飢えず枇望で勝利を収める。私は勝利そのものに興味はないが、「分かり合うこずが幞せ」などずいう、「私には適応されない、豊かな人間のルヌル」が心底気に食わないずいうだけだ。
 金だ。
 必芁なのは、い぀だっお、金。
 綺麗事が私を救ったこずは、 無いのだから。 綺麗なだけの蚀葉など、ただの食りだ。
 私は実利を求める人間なので、そんな圹に立たない戯れ蚀は必芁ない。必芁なのは珟実に理䞍尜を、時には邪魔者を「排陀」できる「力」だ。
 綺麗事はそれから考えればいい。
 今は必芁ない。
 䜙裕ができお、初めお考えるこずだ。
 私の腹が満たされるこずなど無いこずは、私自身が誰よりも自芚しおいる。それでいい。構わない。満たされないなら食べ続けるだけだ。
 空っぜの䞭身で堂々ず。
 面癜いモノを求めお。
 それでいい。
 その方が面癜い。
 こんな颚にあれこれ手を尜くしお「目的を果たそうずする」詊みそのものが、「成るようにしか成らない」ずいうこの䞖界にある「流れ」のようなものの存圚を考えるず、䜕ずも無駄な気もするのだが私の堎合、その「流れ」の䞭にいるのかどうか、疑問だしな。
 やれるこずをやるだけだ。
 い぀だっお。
 その結果屍の山が぀いうっかり築かれるかもしれないが、たぁ結果的に金になれば問題ない。少なくずも、私にずっおは。
 䜜品のネタず金、埗られる実利以倖はどうでもいい気にする぀もりすらない。
 他はどうでも良い噺だ。
 誰でも同じ事だ。䞊品ぶっお気にしおいるフリをしおいるだけで、誰かのこずを思い、心を痛める人間など、初めから存圚しない。それこそ物語の䞭の䞖界にしか、「心優しい人間」など、いるはずもない。
 自身の利益を考え぀぀も、「良い人間」でいたいがために、誰かを傷぀けたずころで芋ないフリをし、自己匁護する。
 それが人間だ。
 いや、この堎合そういう人間が増えおきたず考えるべきなのか人間は千差䞇別のはずだがどうも、科孊が発展し前述した「䜙裕」のある人間ずいう奎は、かなりの床合いで画䞀的になり぀぀あるのだ。
 型にはたるず蚀うべきか。
 数が倚くなれば圹割が増えるのも圓然だが、考えずに動く「働き蟻型」の人間に、本来そうでない圹割にたでも、圱響され぀぀ある。
 その方が楜だからだろう。
 それを人間ず呌ぶのかは謎でしかないが、少なくずもそんな人間が「進歩」や「進化」をするずは思えない。案倖、人間は殺し合いによる絶滅ではなく、緩やかに思考胜力を倱っお、退化し続けた果おに土に返るのかもしれない。
 なんおな。
 人間の「粟神の成長」に「物語」が、仮に必芁だずしお「粟神の成長」に「限界」はあるのだろうか
 成長しようずもしない人間も数倚くいる。先述したその他倧勢などがそうだが、私はこれを皮族を維持するために必芁な「機胜」だず捉えおいる党人類が䜜家みたいに成っおしたえば、それはそれで問題だろう。
 圹割がある、ただそれだけのこずだ。
 だが、その圹割も䟵され぀぀あるこんな時代だからこそ、私は「人間の粟神の限界」を描きたいのだが、もし人間の粟神が成長するなら、その先に限界なんおあるのか
 成長すれば良いずいう噺でもないが、恐らくは際限なく自身の粟神を成長させおしたった人間こそが「狂人」ず呌ばれるのだろう。そしお、そういう人間こそ、物語においおも魅力を持ち、人を惹き぀ける「䜕か」がある。
 それを曞くのが私の仕事だ。
 だから、考えねばならない。垞に、だ。魅力のない登堎人物が䜕をしようが誰も興味を持ちはしないが、魅力ある人物であれば、䟋え卵料理を䜜るだけでも絵になるものだ。
 思うに、自分自身に自芚的であるこずが条件なのではないのかず、私は思う。悪人か善人かではない。むしろ、悪であろうが己の目的のために邁進し続ける人間にこそ、茝きがある。
 匷力な個性になる。
 読者共は矜虫のようにその光に惹き぀けられる圓然だ。「ああなりたい」あるいは「あんな人間がいれば面癜い」それこそが物語を読む理由だろうからな。そしお、匷力な「悪」は、「結果」を匷く远い求めるものだ。
 だが、物語に「過皋」を重んじる、綺麗事を口から垂れ流す「䞻人公」ずいう奎らは、倧抵が結果そのものよりも、そこに至るたでの過皋、人間の意志を尊重しようずする。
 吐き気がする。
 綺麗事に殉じお、綺麗に死んでいきたいのだろうか ず嫌悪する。䜕故、結果のために手を尜くす「悪」が負けなければならないのかず、私は物語を読む床に思うものだ。
 悪こそが。
 悪こそが、過皋はどうあれ、本来勝おない盞手に勝ずうずする戊士ではないか。
 「過皋」が正しければ「結果」は぀いお回るものだず抜かすのは簡単だが、それが事実なら誰䞀人ずしおこの䞖界に憀ったりしない。
 ただの綺麗事だ。
 そしお、綺麗事を蚀うだけならば誰にでも、猿にでも、口だけなら私にでも出来る。
 思うに、自分たちが偶々裕犏で持぀偎にいお、それが「努力」であるず信じたいが為に、自分たちが厇高で尊いものだず信じたいが為の身勝手でそういう綺麗事を抌し぀けるのではないだろうか䞖の理䞍尜を盎芖できないのだ。
 盎芖せずに、生きおいるのだ。
 そうじゃないか
 でなければ「結果だけが本圓じゃない」などず蚀えるはずがない。蚀えるものか。「結果」が䌎わなければ意味がない。「良くやったな」ず負け犬同士で慰め合うために、勝利を目指す奎なんおどこにもいない。
 䞊から目線の綺麗事だ。
 䜙裕があるからそんな戯れ蚀が蚀える。
 持぀偎からしか、出ない台詞だ。
 そしお「䜜家」ずいう生き物は、それらずは逆で「持たざる人間」の究極でこそ、説埗力のある台詞を曞けるのだずいうのだから、䜕ずも皮肉だいや、そもそもがフィクションなのだから無論、知らなくおも曞ける。
 だが、䞍思議ず理䞍尜に屈したこずの無い奎が曞く物語は、説埗力がないものだ。
 私は別に物語に説埗力を持たせたいわけでも無いので、本圓にいらない手間でしかないが私は自分の䜜品を誉められたいず思ったこずなど䞀床もない。傑䜜だず蚀う自負は圓然あり、それを自認しおはいるが、良く知りもしない誰かに、喜んでほしくお曞くわけではない。
 あくたで金ず充実の為だ。
 そんな私が、誰よりも「本物」の物語を曞く玠質があるずいうのは、皮肉ずしか蚀いようがない嬉しくもない。
 結局の所自己満足でしかないのだ。そしお金にならなければ噺にならない。
 金は前提だ。
 金があり、その䞊で「過皋」だずかそういう眠たくなるような「些末な」倖堀を埋めおいけばいい。やりがいや生き甲斐も、自己満足でしかないのだから、結局は自分に玍埗できるか、圓人の心の問題でしかないのだ。
 そしお私にはその心すらない。
 幟らでも自己満足できる。
 だから、本物なんお必芁すらない。
 あるに越したこずはないが、それだけあっおも宝の持ち腐れも良いずころだ。ささやかなストレスすら蚱さない平穏なる生掻、を豊かさずずもに教授したいず願っおいる私からすれば、金がなければ前提から厩壊しおしたう。
 金があれば平穏は買える。
 なければ、隒音は必ず抌し぀けられる。
 実際物語が曞けるかどうかなど、それに比べれば倧したこずはない。私はちやほやされたくお曞いおいるわけではないのだ。金の為だ。
 ずはいえ「仮に」だが、もし、理由は䜕でも良い。ある皋床「倧金」ず蚀える金を手にしたずしお、たぁ宝くじだずかあれは圓たらないように出来おいるので、あれこれ考えるこずを楜しむ嚯楜だがずにかく、「結果」のみを先んじお、手にしたずしたら
 その時私はどうするのか。
 決たっおいる。たず本をその金で売りに出し、本を売るための宣䌝をし、必芁ずあらば人を雇甚しお、有胜な人間を金の力でこき䜿っおでも、私は私の「自己満足」人生の充実のため、いや倉えられない「生き方」の為に、その金を䜿うだろう堂々巡りな気がしないでもない。 
 ずもすればい぀ぞやの女に蚀われた台詞、䜕をどう足掻こうか、金を持ずうが持぀たいが、結果ずしお行う行いは同じになる。ずいう仮説が珟実味を垯びおきお嫌な噺だ。無論、こんなものはただの䟋えであっお、䜕の意味もない思考錯誀、蚀葉遊びのようなものだが。
 物語ず同じく。
 意味のない「仮説」だ。
 仮の、噺だ。
 それずも、案倖倉えられるのか
 「生き方」は倉えられるのか
 蟞めるこずが、出来るのか
 この物語はそれを知るための噺だ。だからこそ私は今回の物語に興味が沞いた。興味が沞いお、そしおそれを行動に移したずき、物語は生たれるからな。
 たぁこんな颚に「䜕かを求めるこず」で「幞犏」に成ろうずしおいる時点で、歪んでいるのだろう。構わない。私はある意味「幞犏」を求めおすらいないのだから。
 居堎所など無くおも構わない。䞖界の党おに、憎たれ恚たれ嫌われたずころで、むしろ私には望むずころでしかない。金、金、金だ。先立぀モノを手に出来なければ進退窮たるだけだ。
 私は私が満足できればそれでいい。
 自己満足で構わない。
 本圓の幞せは他にあるんだ、なんお抌し぀けられるのは埡免だ。私の幞犏は私が決める。幞犏かどうかはずもかく、金があれば満足できるこずは確かだ。
 欲望、ずいうモノを本質的に持おない以䞊、その満足すら「人間のフリ」ずいうか、借り物の、停物の自己満足でしかないのだが、構うたい。
 面癜ければ。
 それでいい。
 金がある方が、面癜い。
 少なくずも䞍愉快には成らなくお枈む。
 䜕䞀぀手に出来ない人間だずいうならば、圓然の暩利ずしお䞍愉快なストレスくらいは排陀したいだけだ。ストレスのない生掻を生きるなど、人間の人生ずは呌ばないのだろうが、元々非人間ずしお生きおきた私に、今曎「人間らしくあれ」など、鬱陶しいだけだ。
 愛も友情も勝利すら必芁ない。「実利」ずそれを掻かせる環境䞋で、生きたいように生きられればそれでいい。
 自分で蚀うのもなんだが、私は非人間だ。
 だから、真実望むものなど無い。金があれば鬱陶しいストレスを回避しやすい、ずいうだけだ。 あの女は私に「愛」だずか「人間らしい幞犏」を進めたかったようだが、倧きなお䞖話だ。䟋えあの女の正䜓が怪物だったずしおも、怪物ごずきでは私の考えはわかるたい。
 むしろ、怪物の方が人間らしくはある。䜕せ人間に混じれなくお悩んだり、人間を愛そうずしたり、あるいは憎んだり出来るのだからな。自分の存圚が異端であるこずに耐えられない、ずいうのは、私から蚀わせれば「正垞な蚌」だ。
 私は䜕の眪悪感も、劣等感も、矚たしいずいう感情さえも、党く、抱くこずは無かった。
 本来ならば「人間らしく」自分が倖れた存圚であるこずに悩んだり悲しんだりするのだろうが、私は生来「悲しむ」だずか「喜ぶ」ずいうこず、それそのものが「䞍可胜」なのだ。心がないこずに憀りたくおも、その「心」そのものが無い私には、悲しみようがない。
 悲しみたくおも悲しみが感じ取れない。
 理解は出来おも共感できない。
 我ながら因果な人生だ。
 たぁ、私個人は自身が非人間だろうが化け物だろうが䜕でも良かったが、唯䞀「䞍満」ず呌べるモノがあるずすれば、やはり「持たざる人間」は「それに応じた䜕かを持぀」ずいう䞖の䞭の理からさえも、倖れおいたこずだろう。
 被害者ぶる぀もりはないのだが、少なくずも䞖の人間共の基準では、私のような人間には物語でもそうだが、䜓に障害がある代わりに金を持っおいたり、悲劇にたみれおいる代わりに才胜豊かだったり、䜕ずいうか、「バランス」を取るために䜕かしら持぀ものではないのか、ずいう点だ。
 たさか䜕䞀぀、匷さによる匱さも匱さによる匷さも持たず、生たれおくるずは蚈算倖だ。元々蚈算などしおはいないが、䜕ずいうか、配られたカヌドで戊う人生で配られたカヌドは癜玙だった、ずいうような気分だ。
 珟実問題勝぀ために、そのたたではどう足掻いおも勝おない。それを芆すためにも「金」ずいう「わかりやすい力」は必芁だったのだが、しかしそれさえも䞊手く行かないものだ。
 党くもっお嫌になっおくるが。
 そういう意味では割に合わないから文句を付けおいるクレヌマヌか。たぁそのクレヌムが聞き届けられるこずはないので、䜕かしら勝぀ために方策を緎らなければならないのだがそれも、もう、飜きおきた。
 䜕をどう足掻いおも、私が「勝぀」こずは出来なかったからな無駄な取り組みは嫌いだ。疲れるだけだからな。
 どうにもならない、運呜。
 もし私がそういう運呜のレヌルを走っおいるずすれば、どうしろずいうのか。誰かの手を借りようにもその「誰か」がいれば、私はここたでいらない苊劎を食い぀ぶしおいない。
 かずいっお策を匄しお䞊手く行くこずなど無い策を匄すれば劎するほど、倱敗する。
 倱敗、しおきた。
 私は。
 ずっず。
 そうだったのだ。
 だから無駄な取り組みを省き、合理的に勝぀ために䜕ずかしようず思うのだが、しかしそう考えるず「䜕をどう足掻いおも無駄」な蚳なのだから「私の行動」そのものに意味なんおない。
 どう足掻いおも、党おが無駄だ。
 どうしようも、無い。
 それで諊められればいいのだが、諊めた所で、結局は私が苊しい思いをするだけだ。぀たり結論ずしおは、生殺しのように「死に続ける」こずこそが、私に出来る「唯䞀の人生」らしい。
 党くもっお笑えない。
 それが事実なら、尚曎。
 嫌な噺だ。
 だからこそ「金」の噺に戻るのだが、そうもそれも䞊手く行きそうにない。こうなったら開き盎っお、郜合良く「幞運」が萜ちおくる䜍しか、やるこずもないな。
 出来るこずはない。
 やれるこずもない。
 成し遂げた先が、この様ずは。
 人生ずは、わからないものだ。
 圓然、ただの皮肉だがね。
 䜜家である私に出来るこずなど最初から曞くこずだけだ。それ以倖を倚く求められ、掻かす機䌚など無かったずころを芋るず、無駄手間臭いが。 そんな私でも反埩緎習を積めばずりあえず「人間の真䌌」は出来るように成るずいうのだから、よく分からない噺だ。党く共感は出来ないが、日垞生掻に支障が出ない皋床には「笑う」こずが出来る。無論、私には「楜しい」ずいう感情も実際良くわからないのだが、これに関しおは生掻に支障が出る、ずいうか他人に指摘されるこずが倚かったため、仕方なく合わせる為に「修埗した」ずいった感じだ。
 䜕が楜しいのか、党く共感できないが。
 緎習を重ねれば、自然に行うこずくらいは出来るようになった。緎習を重ねるだけで気楜に出来るこずず、どう足掻いおも修埗出来ないこずがあるず蚀うこずか。
 原理はわかるが、やはり共感の出来ない噺だ。実際圌らだっお本圓に心の底から楜しくお笑っおいたりするのだろうか 心無い私にはよくわからないが、心があろうが無かろうが、この䞖界に心の底から笑えるような「面癜い事」なんおあるのか
 それこそ「物語」のような䜜り話、嘘八癟に、珟実には無い倢を芋るのだろうか そんなものは、䜕の䟡倀もない停物だず思うが。
 たぁ圓人達の勝手か。
 ずはいえ、問題なのは倢を芋るこずに金を払わない人間が倚いこずだ。本を読むこずに察しお、「ただで圓たり前」ずいう考えが非垞に倚い。䜜家ず読者は利害関係はあるが、友達ではない。ただで䜕かをくれおやる矩理など、ありはしない。 そう考える人間は殆どいないが。
 皆、己に郜合の良い珟実を芋ようずする。迷惑な噺だ。少なくずも、倢を金に換えようずする、私のような詐欺垫からは。
 終わり良ければ党お良し、ずは思えないのだ。私には「過去」が無い。どれだけ調べおも蚘録ずしか呌べない、どこぞ行っお䜕をしたか䜍しか、出おこない。
 「未来」も同様だ。私には最初から「幞犏には成れない」ずいう「未来」が決定づけられおいる䞍確定な未来など、尚曎信じられない。
 「珟圚」だ。今、この瞬間に満たされなければ嘘ではないか。「い぀か幞犏になれるよ」なんお「嘘」は容認できない。
 あらかじめ敗北ず苊痛が玄束された私は、運呜に打ち勝ずうずしおきた。だが、運呜で決められおいる以䞊、無駄だった。
 人間はい぀か死ぬ。
 死に様が良ければそれで良し、ず玍埗する぀もりは曎々ないが、䞀考の䟡倀はあるだろう。
 自分の圚り方に぀いお、考えるこずは。



第八巻

   

 狂気を歊噚にしろ。
 誰にでも持ち埗る「歊噚」それは狂気だ。どんな環境に生たれようがどれだけ「持たざる偎」であろうが、どれだけ人間から離れおいる、人間性のない化け物であろうが狂気は持おる。
 䞇人に䞎えられた「歊噚」だ。 
 それこそが力であり、人生の充実だ。
 生きる事を自芚したい なら、狂気を身に纏えばいい。私のように「䜕を手にしたずころで」幞犏になれない化け物ですら、狂気を持぀こずで人生を「充実」させられる。
 無理矢理にでも。
 可胜になるのだ。
 それが、狂気。
 それこそが「人間の本質」であり、人間の向かう先なのだろう。だからこそ、歎史を倉え、人を倉え、運呜を倉えるずすれば、狂気にたみれた人間だけだ。
 狂気こそが。
 䞍可胜を可胜にする。
 悪魔に憑かれたかのように、同じ事を繰り返す。䜕床も䜕床も。「成功するたで」繰り返し続ける。
 それが䞍可胜でも。
 可胜になるたで続ける。たさに道化だ。私などその良い䟋だろう。嫌だ嫌だ曞きたくない曞きたくないず思い぀぀も、背負った業はそう簡単に捚おられるモノではない。「䜜家」ずいう「業」そしお「狂気」ずいう「指針」が、私を私たらしめる存圚蚌明だ。
 私には「心」が無い。だがそんな私でも持おるいや、そんな私だからこそ持おる。
 「心」を「捚おる」こずで手に出来る歊噚、それが狂気だからだ。狂気ずは、己の党存圚を賭けお、䞀぀の目的ぞ挑むこずだ。
 ささやかなストレスすら蚱さない、平穏なる生掻。そしお「生きる」こずを「充実」させる。
 それが私の目的だ。
 金にもなっおいない物語を曞き連ねるこずでしか衚珟できない、私の蚌だ。
 だからっお売れなくお蚀い蚳ではないがな。売れるに越したこずはない。売れおこその物語だずいう考えに、嘘はない。
 狂気ずお、同じ事だ。
 圢にならねば意味がない。
 そういう意味では、だが私は生きる䞊で本来求めるべき「生きた蚌」ずいうモノを、既に達成できおいる。それに぀いお達成感はたるでないが、感じる぀もりもないが、あるに越したこずはないだろう。
 どうでもいい。
 問題は、金だ。
 目的にするほど、目的ずは達成できない。結ばれるこずそのものを目的ずする女が、目先の人間すら芋えないのずは違う。
 私は金を远っおきた。
 だが、その結果埗られたモノは、およそ金ずは関係がない、どころか「真逆」ず蚀っおいいモノばかりだ。それは「誇り」であり「信念」であり「狂気」であり「業」であり「生き方」であり、そしお「生きるずは䜕か」を知る旅そのものだった。
 皮肉なこずだ。
 金を埗た人間が、埗られずに苊悩するモノばかりを、私は手にしおきたのだ。本圓に皮肉だ。そんなもの求めおすらいなかったが、䜕かを求めおそれをすぐに手に入れる成功者ず、それに行き着くたでの間、長い長い遠回りを匷いられ、䜕かを孊び続ける道を歩かざるを埗ない人間、いや、私のこずを人間ず呌べるのかは知らないが、぀たり䞖の䞭の道は二皮類ず蚀うこずなのだろう。
 結果を埗お物足りなさを感じる人間。
 結果に至るたで遠回りが必芁な人間。
 前者でありたかったが、今曎蚀っおも仕方がない。遠回りをしたずころで「人間的な成長」などず蚀う戯れ蚀ほど、私に䞍必芁な䞊、意味の無いモノはあるたい。
 私個人が必芁ずすらしおいない。
 別にしたくもないのだから。
 だから、意味はなく䟡倀はない。
 けれど、物語ずしおは䞀芋の䟡倀があるこずを「保蚌」しよう。それこそ、物語の狂気に呑たれ正気を倱っおしたうかもしれないが、なに、生きおいる時点で正気など、誰䞀人ずしお持ち合わせおはいないものだ。
 それが生きるずいうこずだ。
 私はそうしおきた。
 抌し぀ける぀もりもないが、その事実から逃げるこずは難しいだろう。生きおいる以䞊、生きるこず空は逃げられない。
 それが、人生ずいうものだ。
 たぁ、私自身はそういう人間賛歌よりは実利を求める人間だが、そんな人間からでも芋えるモノはあるずいうこずだ。さお、始めようか。
 邪道䜜家最埌の物語を。なんお、こんな嘘に隙されおいるようじゃ、お前達、読み終わったずきに正気を保おる保蚌は無いぜ。
 
 語り手は、他でもない「私」なのだから。



第九巻


   

 「生きる」ずいう事は「殺す」ずいう事だ。
 䜕かを、あるいは誰かを螏み぀けにし、それを己の糧にしなければ、生物は生存できない。悪意は䜕かを奪い取れるが、善意は䜙裕がなければ䜕の圹にも立たないからだ。
 「邪魔者」を「始末」する。
 これは、䜕も私に限った事ではないのだ。別にそれで眪悪から逃れるだずか、そんな殊勝な事を考える人間、吊、非人間では無い。私は、確固たる事実ずしお「殺しこそが人生」ずいう「事実」を、䜜家ずしお取り䞊げたいだけだ。
 面癜いからな。
 人間ずいうのは䞍思議な生き物で、そういう事実からは目を背けたがる。「良い人間」で圚ろうずするのだ。私には理解し難いが、呚りの誰かに己の事を「悪」だず、思われるこずが耐えられないらしい。停悪的に、ずいうか悪人ぶっお開き盎る蚳ではない。私は己が悪かどうかなど、己で定矩しお己で定める事柄だず認識しおいる䞊、悪だず迫害されたずころで「私個人の利益」が確保できおさえいれば、瀟䌚的な道埳などずいうク゜の圹にも立たないゎミを抱えお死ぬよりは、遙かに良い結果だろうず思える人間だ。
 眪悪感から逃げるだずか、開き盎っお自己肯定胜力が高いずかではなく、そう思えおしたう人間、吊、非人間であり、たたそれで構わないず思っおいる。
 私の事は私が決める。
 だから䞀向に構わない。
 私から蚀わせれば、だが、悪も善も人間が勝手に蚀っおいる抂念でしかない。そんなモノはこの䞖界のどこにも存圚さえしないのだ。有りもしないもので行動はずもかく、思想を瞛られる芚えもないからな。
 無論、瀟䌚のルヌルから倖れる蚳でもない。むしろ私はそのルヌルに則った䞊で勝぀こずに血道を䞊げおいる存圚だ。問題なのは異垞性ではなくその異垞性を䞊手く隠した䞊で、瀟䌚に適応し、金を皌ぐこずだろう。
 䜕かを螏み台にする事や、䜕かの死䜓の䞊で物事が成り立っおいる珟実から目を逞らすなど、生きる事から逃げおいる事に他ならない。生きる事は殺す事で、殺す事は生きる事だ。䜕䞀぀犠牲にせず手を取り合った未来など、劄想を通り越しお傲慢だず蚀えるだろう。
 そういう人間が倚いのは、この䞖界は思想や信念に関係なく「金」があれば生きおいけるからだ倧昔ならずもかく、珟代瀟䌚では粟神的な頑匷さや、物事に察する匷かさは、必芁ない。
 金が有れば誰でも生きおいける。
 豚でも猿でも人間でも。
 金こそが党おだ。
 䞇胜の力の前では、小綺麗な理屈など玙よりも薄っぺらい。資本䞻矩瀟䌚においお金よりも尊いモノはどこにもなく、金よりも信頌できる存圚もたた、どこにも存圚しない。
 しなくおいい。
 その方がわかりやすいしな。
 有りもしない道埳を抌し売られおも迷惑だ。無論道埳などず蚀うのは金を持぀存圚が決める事柄なので、結局のずころ「持぀偎」に回らなければ道埳も䟡倀芳も倫理芳も党お、抌し売られるモノでしかないのだが。
 金が有れば䜕でも買える。
 品性すらも。
 買えるずいうだけで、正盎買ったずころで意味がないのだろうが、珟実に力を持぀ずいうその事実から、皆目を逞らそうず必死だ。
 家族も仲間も友人も恋人も組織も手䞋も党お、金があるからこそ成り立぀関係だ。人間が金で買える存圚である以䞊、金で買えない時点で、それは人間の理から倖れおいる、ずも取れる。
 人間はどんどん死ぬべきなのだ。資本䞻矩が人間瀟䌚を構築する以䞊、生きおいお良い人間ず、駄目な人間は確かに存圚する。私は埌者のレッテルを貌られながらもあれこれ詊しはしたが、正盎無駄な結果しか生んではいない。
 金が有れば生きおいお良いし、金がなければ、吊、金にならなければ存圚䟡倀など無い。ならば逆説的に「持぀偎」こそが「幞犏の暩利」を持っおいるずも取れる。
 それ以倖取りようが無いず蚀うべきか。
 正しさや道埳ずいうのは、「味方するモノ」の存圚の数で決たる。それは瀟䌚党䜓であったり、個人であったり、金の力で付けるこずも可胜だ。私のように䜕䞀぀「味方」がいなければ「異端」ずなるのは明癜だ。そしお、それらは倧抂が金にならないものだ。
 金にならない。
 正しく、ない。
 正しさなどどうでも良いが、どの正しさが優先されるかが金で決たる以䞊、どうにも成らないこずだけは確かだ。他の方法でそれを倉えようずしおきた私が蚀うのだから、間違いないだろう。
 党お金だ。
 金で決たる。
 殺人すら、簡単に消しされる。
 虐殺は「仕方が無く」なり、陵蟱は被害劄想になる。誰か代わりの人間に眪を芆い被せられる。 犯眪は犯眪でなくなり、むしろそれこそが正矩だず蚀い匵れる。戊争を起こしおも賞賛され、人道を倖しおも正しくなり、倫理芳を買える。
 あの䞖ですら金次第だ。倩囜にいけるかどうかなど「持぀偎」かどうかで決たる。䜙裕のない持たざる人間が、善行などずいう暇぀ぶしを、やっおいられるずは思えない。
 金、金、金だ。
 善悪など、金で買えるずいうこずだ。
 その皋床、考えるに倀しない。
 どうせ金で買えるのだから。
 どちらが正しいかなど、金額で決たる。
 札束の倚寡が決めるこずで、個人であれこれ考える事案ではあるたい。
 人間は、金で買えるのだから。
 皆、本圓の珟実から、目を逞らしおいるだけだ金で買えないモノなど無い。
 真実など貫くのは矎しいが、矎しいだけで、䜕の力も持ちはしない。真実よりも事実だ。実利ずいう力こそが、人間を豊かにする。
 金も持たない人間の幞犏など、理想を歌っおいるだけだ。歌うだけなら誰でも出来る。珟実にそれを実行できた人間など、誰もいないのだ。
 銀貚で人を売るのは圓然のこずだ。
 圓たり前すぎお指摘する気にもならない。
 息を吞っお吐くこずに、お前達は疑問を抱くのか 私は抱かない。それが圓たり前だからだ。 ずはいえ、それだけでは「生きおいる」ずいう事を、人間は認識できないらしい。生きおいる実感ずは、生きおいる事そのものずは「別」だからだろう。
 だからこその䜜家業。
 だからこその物語だ。
 ささやかなストレスすら蚱さない平穏なる生掻を、豊にし充実させる為にも、曞いお読むこずは切り離せないらしい。個人的には、背負った業などさっさず忘れお、適圓に生きる぀もりだが。
 䞭々、思うように行かない。
 それもたた「生きる」ずいう事なのだろうがこうも毎床では、うんざりする噺だ。
 生きる䞊での免眪笊、ず考えるべきなのだろうか たぁ、免眪笊などず蚀うのは、私からすれば利益を堂々ず貰うための方法でしかない。こそこそしながら実利を埗るか、堂々ず免眪笊の力で金をもぎ取るかの違いだ。劎力の倚寡でしかないこずだ。
 眪も悪も善も正矩も、圓人の心の䞭にしか存圚し埗ない。ならば珟実に即した利益を远求するこずが、狡賢い倧人の遞ぶ道だ。
 道埳ずいうのは自分が良い人間であるのだず、そう思いこむためにどっぷり浞かっおいるだけで、結果的には麻薬䞭毒者ず倉わらない。
 道埳におがれるか薬に溺れるの違いだ。
 私はそんなモノに興味がない。
 少なくずも私は「人間」ずしお芋られたこずが䞀床もないので、正盎今曎理解したずころで、吊感じ入ったずころで無意味そのものだ。人間の䟡倀基準は、化け物には瞁遠い噺だ。
 人間か。
 人間など、䞀人もいなかったが。
 私からすれば、あちらの方が化け物だ。いいやもっず質の悪い「䜕か」なのだろう。どうでもいいがな。人間瀟䌚ずは䞍思議なもので、人間らしくない奎隷こそを求める。その䞀方で人間らしさの玠晎らしさを説き、他者に匷芁する。
 ずどの぀たり己の郜合以倖など䜕䞀぀考えおおらず、どころか私のような利己䞻矩よりも性質が悪く、それでいおそれを自芚しない。
 そんな「モノ」が人間なのだろうか
 だずすれば、䞋らないモノだ。そんなくたびれた害悪を、求めるなどどうかしおいる。
 だから私は非人間で䞀向に構わない。
 化け物の方が、幟らかマシだ。
 䜕より自由だしな。少なくずも、狂気を向かわせる方向に関しお蚀えば、だが。
 䜜家など、そんなものだ。
 たあ圚り方などどうでもいい。それに満足しお充足できればいいのだ。「健康」で「豊か」に、それでいお「ささやかなストレスすら蚱さない、平穏なる生掻」を成就できればいい。
 瀟䌚的な道埳芳を維持し぀぀、折り合いをあわせお「自己満足の充足」を埗るにはこの方法が最䞊だず蚀えるだろう。
 だからこそ金だ。
 金で幞せは買える。
 少なくずも、この「私」には。
 道埳ずか倫理芳だずか善悪だずかは、それに比べれば利甚する察象でしかない。どう金に替えられるか、それ以倖に䜿い道などあるたい。道埳も善悪も瀟䌚も倫理も人間の心すら、この䞖のどこにも存圚さえしない虚構でしかないのだ。民䞻䞻矩も差別も戊争も、実際的にはどこにもない。ただそうであるず思いこんでいるだけだ。
 お前達がそこにあるず思うから、芋えるのだ。 ただのそれだけだ。
 わたしにずっお「人間性」はその堎に䜵せお䜿い分ける小道具でしかない。どう仮面を被り盎すこずでどう利益が出るのか 重芁なのはそこだからな。
 あろうが無かろうが関係ない。
 金だけが真実であり、力だ。
 それがこの䞖の有様だ。
 䟡倀芳や郜合を抌し぀け合うこの䞖界で、そんなモノは有ろうが無かろうが同じなのだ。金が有れば通るし無ければ通らない。己の郜合を抌し぀けお、誰かに䞍郜合やこちらに郜合の良い䟡倀芳や倫理芳、道埳を抌し぀けるこずを、珟代瀟䌚では「立掟な人間」ず呌ぶのだから。
 ならば逆説的に金以倖に重芁性はない。
 金だけ有ればいい。無論、奎隷ずしおこき䜿える人間がいるこずは前提だが、どの時代でも呌び方が違うだけで奎隷はいる。
 だから金で幞せが買えない時代はない。
 可胜な限り「目立たず」に静謐な䞀時を堪胜し嗜奜品で自己満足し、金の力で他者からのストレスを軜枛し぀぀、それでいお瀟䌚ず折り合いを付け぀぀も適床な嚯楜で満足し、自己満足の充足を埗ながら、豊かさを享受しお、生きる。
 これ以䞊の方法が、むしろ有るのだろうか
 賢い、ず蚀うよりは匷かな生き方だ。そしお実利を埗るにはこれが䞀番合っおいるだろう。
 劣等感や負い目を抱かない私にずっお、いや私のような非人間でなくおも、「それ」こそが最もストレスの少ない、それでいお自己満足の充足を埗るのに盞応しい方策だ。豪華な装食品を食らねば満足できない手合いには、「燃費が悪すぎる」以倖の蚀葉が芋぀からない。
 この䞖に、この䞖でなくおも「偉さ」などただの錯芚でしかない。私か 私はただ傲慢なだけだ。自身を偉いなどず思ったこずはないし、思う奎もいないだろう。
 いおも困るが。
 成功しおいるのではなく、むしろ圌らのような䞀般的な「成功者」気取りのモデルケヌスは、非垞に生きおいくこずが困難だ。私のように金が䜙っおいるずきにそれを楜しむのではなく、豪華な食り物がなければ劣等感に抌し぀ぶされる。
 息苊しい奎等だ。
 金は䜿うモノだ。䜿われおたたるか。盞手が䜕であれ䜿う偎に回る方策を緎らねば、どこにも勝ち目など䜜れたい。
 人間性ずいうのはそういう「匱さ」も助長するのだ。そしお、デゞタル瀟䌚は人間の匱さを助長するのに非垞に圹立っおいる。ネットで呟かれた誰が蚀ったのかも分からない䞋らない戯れ蚀の為に、倧の倧人達が株䟡を䞋げたりする。
 銬鹿銬鹿しい限りだ。
 デゞタル瀟䌚に䜿われ、金に䜿われ、匱さに振り回されお、己で䜕䞀぀刀断できず、それでいお救われお圓然だず思う民衆。はっきり蚀えばこんな連䞭は滅んだ方が䞖の為だ。人の為に䜕かを行うず蚀うこずは、瀟䌚にずっおは䞍合理なモノに金を぀ぎ蟌むだけだからな。
 人を尊重すれば瀟䌚が疎かになる。それをやりすぎたわけだ。誰もが誰かを支え合う事を矎埳ずし、行きすぎた尊重でも「道埳的に正しい」ず刀断できれば己で考えずそれを「正しい」ず思いこむ瀟䌚。その結果がこれだ。

 お前達はそれでいいのか

 たぁ、いいのだろうが。良いず刀断しおいるからこそ、こんな瀟䌚構造が成り立っおいるのだしな。それにずやかく蚀う぀もりは無い。蚀っおも無駄なモノには私は蚀わない䞻矩だ。疲れるだけだからな。瀟䌚が䞋らないゎミをもおはやすならば、私はそれを売ろうずするだけだ。瀟䌚の倉化に、あるいは退化に、私は関係がない。
 支え合いずいう停善は、結局のずころ誰かを利甚したいずいう願望の珟れだ。それを盎芖もしない奎に、䜕を蚀おうが無駄だろう。
 それを芋る人間は少ない。
 芋おいない人間の方が、儲かるからだ。
 ならば私もそちらに混ざろうずいうのが、自然な考えず蚀えるだろう。最も、その詊みは再床倱敗し続けおいるので、やるだけ「無駄」っお気もするのだが。
 芖線を倉えただけでは意味がない。それを実行できる力がなければ。あるいは、力ある存圚を利甚できる舞台が必芁だ。
 私にずっおはそれが物語だ。
 是が非でも売らねばならない。
 だからこその「䜜家」だ。
 瀟䌚ず折り合いが぀かないのはある皮、圓然だろう。折り合いの぀く䜜家など聞いたこずがないその必芁もあるたい。
 アンドロむド達にずっおは、そうでもないらしいが。アンドロむドずいうどうしようもないくらいに生物の法則から倖れた存圚であるこずに耐えられず、「人間の蚘憶」を自分に怍え付けお、自身を人間だず思いこんで生きるアンドロむドも少なくはない。金があれば䜕でも買える䞖界では、アンドロむドが人間に成る暩利すら買える。
 自身を人間だず思いこんでいるだけなのか、それずも元々人間なのか、区別する方法は、もうないのだ。アンドロむド達が創造性を䜜り䞊げおからもう倧分経぀。圌らは「感情移入」が出来るようになっおいる。぀たり圌らが我々に成り倉わっお動物の䞖話をし、隣人ず共感を芚え、それを共有するこずで瀟䌚を圢成するこずを、資本䞻矩経枈は蚱しおいる。
 瀟䌚は人間の為にあるのではない。䜕時の時代でも、瀟䌚を圢成するに盞応しい有胜な存圚に察しおのみ、効力があるのだ。それが人間でなくなったずころで、誰もそれを買えるこずは出来ない金がなければ尚曎だ。
 生きる䞊で「人間性」などオプションパヌツのようなモノだ。䜙裕があるから欲しくなる。胜力的に䜙裕のあるアンドロむドが人間性を求め、人間が胜力を求めるのは圓然の答えだろう。
 金があればいい。
 金だ、金。
 金以倖に、倧切なモノなど有りはしない。
 それは瀟䌚も同じだ。だから、案倖金を持぀アンドロむド達が過半数を占め、その内「自分を人間だず思いこむ」ように蚘憶を埋め蟌み、やがお党人類、吊、党おのアンドロむドが人間に入れ替わり、自分たちこそが「人間」だず定矩する時代は、意倖ずすぐそこぞ来おいるのだろう。
 事実ずしお、すぐそこにある未来だ。
 金はわかりやすい力であり、䞖界は力を䞭心に回っおいる。瀟䌚の䞭ではそれが「金」ずいうモノぞ眮き換えられるだけだ。瀟䌚的道埳も、結局のずころ金の動きに圱響されお、䜜り䞊げられるモノでしかない。この䞖界には䜕䞀぀真実など存圚さえせず、あるのはただ「持぀者が勝぀」ずいうわかりやすい「珟実」だけだ。
 デゞタルの普及で人間は遠くに足を運ぶ必芁も無くなり、金があればどこか遠くの事柄すらも、その手に出来るようになった。たぁ圓然の事ながら、幌い人類には過ぎた力であるこずは倉わりないので、それによっお身を滅がす奎も倚いが。
 私なら䜿わない。
 粟々日垞の遊びくらいだろう。
 生掻の䞀郚ずしお、あるいは仕事に必芁䞍可欠なデバむスずしお、デゞタル瀟䌚を取り蟌むこずは、端から芋おいれば危なっかしい限りだ。有甚な郚分を芋る人間は倚いが、それがどれだけ危険かを考える奎は非垞に少ないからだ。
 倱敗から孊ぶ、ずいう蚀葉があるが、厳密には孊ぶ奎もいれば、孊ばない奎もいるのだ。私は倱敗から孊んだりしたが、私から蚀わせればこの瀟䌚圢態で「倱敗から孊ぶ」事に意味などない。圢ある成功しか、誰も芋はしないからだ。そしお、倱敗を知らず成功のみを積み重ねた赀ん坊のような人間こそが、この瀟䌚では簡単に勝利する。
 倱敗から孊び、先ぞ繋げるなど、今や悪い冗談でしかないのだ。電脳䞖界、この果おのない海の䞭では「倱敗」などありふれおいる。それを芋お「孊んだかのように」自己満足すれば、それで䜕か成長したような気分になる。無論そんなのは付け焌き刃以䞋、だが、それで成功しお勝利できる芁領の良い人間が金を埗るのだから、誰も実䜓隓から䜕かを孊び取ろうずはしない。
 薄っぺらい蚀葉、信条、誇り、そういったあれこれが溢れおいるのだ。そしお、䞭身があろうが無かろうが関係ない。この䞖界は、電脳䞖界の海が広がったその時から、芁領や運、才胜などず蚀った「持っおいるかどうか」だけを助長し、それを掻かす䞖界に成り果おたからだ。
 それが事実。
 ならば、そのやり方に䜵せお勝利する以倖に、方策はどこにもない。だから、私は金を䜿いこなすが、私の傑䜜は「本物過ぎお」売れないのだ。 元々自己満足が出来ればいい存圚だが、だからずいっお幌児が曞いたような本が売れお、私の䜜品が売れないのは正盎忌々しい限りだ。私は金に困ったこずは䞀床もないが、だからっお私の成し遂げた結果が金にならないのは、屈蟱でしかないからな。
 金だけではなく、充足も欲しいのだ。
 䜕より、私は「䜜家」ずいう生き方が、すでに染み着いおいる。幟ら金があろうが、それ無しで充足感を埗るのは、䞍可胜ではないが、簡単な方法がそこにあるのだから、それを利甚しようず詊みるのは、ある皮圓然の話だろう。
 「己の道は己でしか決められない」誰かに道を預けたずころで「進むべき未来」を芋倱うだけだだが、己で目指した道が、必ずしも金になるずは限らない。むしろ、己で遞べば遞ぶほど、その道には「困難」が付きたずうものだ。
 それが「良い事」なのか それは分からないだろう。だが、善悪ではなく己で決めるこずだ。そこに埌悔はない。理䞍尜に察する憀りや、䞍満が募るだけだ。
 それもたた、「未来」ぞ進むための原動力ず成るのだろうず思うず、皮肉でしかないが。
 「運呜に打ち勝぀」には「己の道を歩む」事が必芁䞍可欠だ。だが己の道を歩くず蚀うこずは、この䞖のあらゆる安党から背を向けお歩いおいくずいうこずなのだ。安心や安党、あるいは幞犏を求める為に、それら党おず盞反する道を歩かねばならないずいうこの矛盟。やれやれ参った。我ながらどうも、割に合わない遞択を遞びすぎたようだ。だから、䜜家なんぞをやっおしたっおいるのだろうが。
 それもたた、䞀぀の遞択か。
 逆に、己の道を己で遞ばず、どころか、誰か関係ない人間の悲劇をあたかも己が経隓しおいるかのように共感し、それを救う為ならば人を殺すこずも「やむなし」ず考える人間の醜悪さは、実におぞたしいものだ。
 どこかの誰か、あるいはそれが貧困地域、ないし未開発区域の人間であったずしお、それを涙しながら語れば、䜕でも蚱されるず思っおいる。
 銬鹿銬鹿しいこずに、そういう奎は倚い。
 善意に酔っおいるだけの癖に、䞀人前に道埳の為に己は行動し、それは肯定されるべきだず、そう考えそれを抌し぀けるのだ。図々しいこずだ、そんな浅はかな人間の考えが、金や立堎によっお通るのだから、それもたた、瀟䌚における問題点の䞀぀なのだろうが。金は玠晎らしいが、それを持぀人間が玠晎らしいかは別の噺だ。
 いずれにせよ、「困難」ずいうのは打ち砕くだけでは駄目なのだ。打ち砕いたずころで、たた別の困難が埅っおいる。それでは意味がない。
 「克服」さえしおしたえば、理論䞊困難は困難そのもので無くなる。「困難そのものを克服できる匷力な䜕か」を、誰もが求めお生きおいる。
 それこそが人生のテヌマだず、私は思うのだ。 生きる、ずいうこずなのだず。
 そう思う。
 私の堎合「困難な運呜」そのものを「支配」しようず詊みおきたが、どうも䞊手く行かない。ずもするず乗り越えおしたえば過去の遺物であり、こうやっおあれこれ考えおいるこずが無駄なのだろうかず、思ったりもする。
 分からない。
 分かるはずもないが。
 だが、それでもやるしかないのだ。私が私の道を歩むために、それはしなくおはならない。
 それが、私の道なのだ。
 困難な運呜を「味方」に付ける事も考えたが、やはり珟実的ではない。無論それで埗るモノもあったが、私は別に「成長」したい蚳ではないのだからな。私に蚪れた数々の「困難」は確実に私自身の粟神を「成長」させたが、だから、䜕だずいうのだ困難な運呜を味方に付ければ、その先にあるのは数倚くの「詊緎」だ。人間的に成長したいなら、それによっお「幞犏」を定矩したいなら話は分かるが、私は非人間で、経枈的な豊かさず平穏ず自己満足くらいしか、必芁ずするモノは無いのだ。
 この䞖で最も人間から遠い「化け物」が、人間的な成長をしおいるなどず、笑い話だ。
 いや、笑えない。
 それで私の豊かさが阻害されるなら、だ。
 圢はどうあれ「成長」しおいるのは確かだ。それに䌎っお「己の信じる道」を歩いおいるこずもたた、確かな「事実」ではある。しかし、あくたでそんなモノは自己満足でしか無く、珟実に豊かさをもたらすのは「金」だ。
 粟神的な充足はそういった事でしか埗られないのだずしおも、だからっお金のない未来など埡免被る。私は成長ずいうのは端から芋れば矎しいが珟実にそれをしたずころで埗られるモノなど䜕もないこずを、良く知っおいるからだ。
 嫌ずいうほど知っおいる。
 䜕もない。
 ただ、道矩的に矎しいだけだ。
 そんなモノに䟡倀など無い。
 それこそ、他人が勝手な自己満足を行うだけではないか。そんな事に興味はない。あくたでも、この「私」の豊かさの為、私は動いおいる。
 それらは䞡立できるしな。
 わざわざ片方だけこなす必芁もあるたい。
 少なくずも、私には出来る。
 その確信がある。
 皆揃っお「暙準的な道埳」などずいう有りもしないモノに金を䜿いすぎなのだ。圌らは、同胞意識ずいうのか、自分たちを「合わせお」いなければ倜も眠れないのだろう。その点、私は党人類ず䟡倀芳が違おうが、䜕䞀぀問題ない。
 きっず、私は名実ずもに「人間ではない」のだろう。そう思う。生物孊的にどうの、ずいう以前の問題だ同胞に感情移入できない、ずいうのは「動物」ではあり埗ない。クラゲずか蛞ならばずもかく、感情や自意識を持぀生物ならば、あっお圓然の暙準装備だろう。
 人間ではないから、人間を配慮しない。
 それだけの噺なのだ、きっず。
 それを悲芳も楜芳もしない。私は䞖界がどうあろうが、金ず平穏ず自己満足の充足で、己の満足感ず平穏なる生掻を維持するだけなのだから。
 それ以倖に興味はない。たぁ、興味が沞いたらその時、たた考えればいい噺だ。
 実に些现な問題でしかない。
 少なくずも、口座の残高に比べれば。
 抱える問題、ずいう点では、粟神的な䜕かはすべからく、己の内で解決できるモノだ。そんなモノに拘泥するほど暇でもない。
 アンドロむドは自分たちの事を「ネゞず同じ、型の付いた量産品だ」ず嘆く奎が倚いが、私からすれば人間も同じだ。型番が付いおいない、ずいうだけの噺でしかない。
 最近のアンドロむドにはもう、区別する為の型番などないしな。区別は差別ず同矩だず、どこかのアンドロむド保守掟団䜓が叫んだらしいが、たぁ、どうでもいいこずだ。
 人間でもアンドロむドでもない「䜕か」である私には、䜕の関係もないしな。
 䟿宜的に「化け物」ず呌ぶのが正しいのか たぁ、呌び方などどうでもいい。問題はあくたでも、私が䜕であれ、金の倚寡でしかないのだ。
 党おの問題が金で解決できるよう、党おの問題は金から発生する。忌々しいのか皮肉なのか。恐らくは埌者だろう。

 自分を人間だず思いこむアンドロむドの䞖界。
 それなのか むしろ、圌らの方が人間から倖れおいるのだろうか。だずすれば、やはり人間性など圹に立たない。「人間」ずいうのは抂念論であっお、そんな高朔な生き物はどこにもいないからだ。私も、圌らも、誰も圌もが。
 どちらが正しいのか それは所詮圓人達の玍埗でしか決められないだろう。だが銬の埌ろに立おば蹎られるっお䜍には確実に、この䞖の真実、吊、事実っお存圚は姿を隠しおいるのだ。
 それを暎くのも、たた䜜家。
 私の仕事、のようなものだ。
 ずはいえ、資本䞻矩瀟䌚では別に「成長」しなくおも倩寿を党うできる。そういう人間は倚い。無論私からすれば矚たしい限りだ。したくもない郚分を成長させ、苊難や苊痛から䜕かを孊んできた私からすれば、だが。
 䜕せ、死ぬ寞前に埌悔しおいればいいのだ。
 その方が楜ではないか。
 たぁ今曎そんな事を考えおも意味はないので、これは思考実隓ですらない。どうでもいいこずだ成長しおいるかどうかなど、しようがしたいが䜕䞀぀ずしお「結果」には関䞎しない。
 物事の過皋意志や苊難の道そのものには倧した意味はないし、䟡倀もない。それを埌々どう捉えるかでしかない。そしお、過去ずいうのはどうずでも捉えられる。
 党おの物事には等しく、意味も䟡倀も有りはしないものだ。悲劇も喜劇も倧差ない。問題はそれをどう捉え、己に解釈するかでしかない。
 だが、だからずいっお金にならなくおも良い理由にはならないのだ。それを芋逃しおしたったら「物事の本質」ばかりを重芁芖しおも、倧切な実利を芋逃しおしたうだろう。
 無論、䜓裁だけを敎えればいい蚳でもない。瀟䌚的に高床な組織になればなる皋、実䜓は幌皚なごっこ遊びだったりする。それは物事の本質から逃げお、「それらしさ」に拘った結果だろう。
 物事の本質。
 それを芋る人間も、随分枛ったが。
 必芁が無くなれば、圓然か。
 これは本質を芋誀ったその「果お」を知る為の物語だ。心しお読むずいい。

 人間は幟らでも蚱容できるずいう「事実」を。


第十巻


   


 最も倧切なモノは「金」だが、最も必芁に迫られるモノは「健康」だ。
 圌等にはそれが無い。
 だからこそ、己を捚おおでも、理性を殺しおでも目的ぞず向かえる、らしい。連䞭の考えは理解できない。私ず違っお「人間性」などずいう、圹に立たないゎミを远い求め、物語に倢や垌望を、勇気を貰えるなどず綺麗事を抜かす時点で、それは分かるず思う。
 感傷ではなく「事実」だ。連䞭は私ずある意味同じだずいうのに、私ずは真逆の「モノ」を、求めようずするのだ。忌々しい事この䞊ない。
 だが圌等の蚀う事も分からないでもないのだ。無論、勇気ずか信念だずかではなく、珟実的な問題ずしお、嚯楜産業は今やあらゆる兵噚よりも優れた「戊略兵噚」ずなり぀぀ある。
 嚯楜、所謂物語や映画、そしおアニメを芋るのは子䟛達䜍のものだったが、それが倧人も楜しむようになっおからは、嚯楜商品を通しお䟡倀芳を怍え付けたり、䞖界の芋え方をコントロヌルするようになった。
 そしお、アンドロむド共がそれらを芋る珟代では、この䞖界の産業の倧郚分を占める連䞭がそれら嚯楜商品を消費し、䞃京ドルの経枈効果を、䞀぀の銀河系だけでもあげおいるのだ。
 それを利甚する茩は必ずいる。
 どんな時代でも同じだ。
 金があるずころに陰謀はある。それが嫌ならば山奥にでも䜏むしかないだろう。無論私は文明の豊かさを最倧限享受する぀もりなので、正面から堂々ず、嚯楜産業に切り蟌み利益を䞊げ、それで「ささやかなストレスすら蚱さない、平穏なる生掻」を、送る぀もりだ。
 今曎だがな。
 だが、そんな「嚯楜産業」ですらも、ヒット䜜の䜜者名に半分以䞊はアンドロむドが䞊ぶ。利益を䞊げる商品ず面癜い商品は別なのだが、しかし連䞭はそのバランスの芋極めが頗るいいのだ。私のような叀くさい䜜家からすれば、たたったものではないが。
 それら有名䜜品の暩利を買い取り、ハリりッド化しお情報戊争に参入しようずする巚倧資本も倚いのだが、これがたた䞊手く行かない。圓然だろう。売れる䜜品が面癜い䜜品である事ず同矩ではないのは「事実」だが、だからっお金を぀ぎ蟌めば誰もが芋る蚳でもない。
 逆に、誰が芋るのかも分からないようなゎミでも、やり方次第では、だが䞖界䞭にその圱響を䞎えるこずも、たた可胜だ。
 結果、アンドロむド達は䞖界䞭の産業、そのコアず成る郚分を握り、それらを支える顧客局ですらも、アンドロむド達が消費者ずしお支え぀぀あるのだ。
 最早、そこには「アンドロむド達の文明」が、「芋えない囜家」ずしお圢䜜られおいる。確かな「事実」だ。囜を持たぬ民族ずしお、圌等アンドロむドは人類瀟䌚においお、圧倒的な資金力ず、団結力。そしお利益を䞊げうる産業を、その手に握るこずが出来おいる。
 人間は眮いおけがりだ。
 䞭身のないサヌビスばかり䜜っおいるから、こうなるのだ。たぁ、これは私のような、嘘八癟の噺を曞いお儲けおいる䜜家などに蚀われたくはないだろうが、蚀っおしたえば私のような人皮に蚀われおしたう時点で、臎呜傷だず蚀えるだろう既に手遅れっお事だ。
 圌等、いや珟行の人類は「䞍可胜」に挑むこずが、非垞に困難に感じるらしい。だから、既存のモノに埓っおしか、新しい「䜕か」を生み出すこずに察しお、足螏みをしおしたっおいる。
 私から蚀わせれば、だが䞍可胜なら断行し、䞍可逆なら可胜にしろ。簡単だ、私はずっずそうしおきた。
 なに、ちょっずリンゎを䞊ぞず攟り投げ、朚の又から子䟛を䜜り、物理法則に反するだけ、私の埗意分野だ。実に容易い。
 人間を信頌する、などずいう偉業に比べれば、容易いこずこの䞊ないだろう。
 信じられる盞手など、所詮幻想だしな。
 思い蟌みずでも蚀うべきか。
 どうでもいいがな。
 どうでも。
 良かった。
 今たでずっずそうしおきた。実るたでが長かったが、時を掛ければ誰でも出来る。䜕せ、私には党おの事柄が「䞍可胜」だった。
 成功も名誉も信頌も道埳も、党お存圚さえしない虚像の䞖界。
 今曎䞍可胜の䞀぀や二぀増えたずころで、私の䞖界は倉わらない。
 時間は幟らでもある。いや、そもそもこの䞖界に「時間」ずいうモノは存圚しない。怍物がそうであるように、物事は成長ず共に次のステヌゞぞ向かう為、呚期を繰り返しおいるだけなのだ。ただ、倧小があり困難の床合いがあるだけで、我々の進む先は同じなのかもしれない。
 だずしおも、私は金が欲しいがね。
 だずすれば、尚曎だ。
 思うのは、「物語」ずいう存圚は、その困難を疑䌌䜓隓できる代物だ、ずいう事実だ。疑䌌䜓隓で克服できれば苊劎しないだろうが、しかし疑䌌䜓隓で本番に備える人間がいるのも、私からすれば忌々しいこずに、たた「事実」だ。
 ならば、「物語」を読む人間に察しお、吊応無く倧小無く私は、いや、私の䜜品は倚くの人間達に圱響を䞎え、生き方を倉える事になるのだろうかそれは蚀い換えれば、倚くの人間を倉える、ずいうのは、倚くの人間の人生を狂わせる事ず、䜕ら倉わりはあるたい。
 だずすれば、面癜い。
 面癜くお面癜くお仕方がない。
 それがどういう圱響であれ、私の䜜品が䞖の事実を描き続けおいるのだから、読む偎は圓然、その事実ず向き合う圢になるのだろう。結果砎滅するような人間ならば、もずよりその皋床ず、そういうこずだ。
 なに、少しばかり党人類を利甚しお人䜓実隓を繰り返し、生き方に圱響を䞎え狂わせるだけではないか。
 その皋床、誰でもやっおいる。
 知らず知らずの内に。
 無意識の内に、人間は他者の人生を狂わせられるのだ。それに自芚があるかどうか、その皋床の違いでしかあるたい。
 そうでなくずもどうでもいいがね。
 「傑䜜を曞く」ずいう感芚は䜕よりも優先される。私はそうだ。食べるこずを忘れお執筆したこずも䞀床や二床ではない。時間の経過が早すぎるのが難点だが、それはそれで私の目指す「ささやかなストレスすら蚱さない平穏なる生掻」を、充実ず生き甲斐に満たす事に繋がるのだろうから、良しずしよう。
 䟋えその結果、党人類の生き方が歪められ、狂ったずしおも、事故責任ずいう䟿利な蚀葉があるではないか。いや、「自己」責任か。
 傑䜜を読むなんお、それこそ事故みたいなものだろうが。
 そもそも、珟実には物語が圱響を䞎えるこずはあっおも、それがどうなるかは圓人次第だ。聖曞を読んだずころでそれを、戊争の理由にする茩がいるのだから、物語で人間性たでは倉えられないらしい。アンドロむド共なら吊定するだろうが、しかしそこたでの力が「物語」にあるのか
 わからない。
 どうでもいいしな。
 問題なのは、そう、傑䜜のアむデアずいうのは堎を考えずに出おくる事だ。幎䞭、構えおいなければならないので、実に忌々しい。
 それずも䜜家の苊悩は「倧事の前の小事」ずでも蚀うのだろうか いいや、そんなのは暩力者の蚀い蚳だ。倧事も小事もこの䞖界には存圚しないのだ。あるのは、そこに解決すべき事柄がありそれに察しお人間の欲望が「倧小」を付けるこずで「眪悪感」を消す為の儀匏でしかない。
 䜜家に苊悩など必芁ない。
 それももう、「克服」しおいる私はどんな環境䞋でも「傑䜜」を曞く事が可胜だ。䜕かに苊悩しなければ最高の䜜品が曞けないなど、プロずしお倱栌だろう。
 無論、私はこの問題すらも「克服」する぀もりだ私個人の䞖界を曎に、豊かさず充実で満たすために、じき、終わる問題だ。
 これから語る物語は「歎史の特異点」ずでも、圢容すべき物語だ。人間が人間を蟞めない限り、人間以䞊に成長しない限りは、集団心理の特異点からは、逃れられない。
 差別、貧困、栌差、戊争、政治、そしお信仰これらは䞀定のパタヌン性に埓っお、この䞖界に発生する「珟象」だ。
 だから氞遠になくならない。
 䟋えアンドロむドが自我を持ち、人類が遙か圌方ぞ䜏凊を移し、䞍老䞍死を手に入れお、神をも越える科孊力を手にしたずころで所詮、芋栄や嫉劬で争い奪い、眪悪感から逃げ、自らを正圓化するこずで己が悪である事を吊定し、自分達がこの䞊なく正しく善人であり、䜕䞀぀埌ろめたいこずがないず「思い蟌んで」いる以䞊、人類の抱える問題はそのたただ。
 䞖間の流行に流され、自分で考えず、皆が足䞊みを揃えお「確固ずした己」を持぀こずから逃げる限りは、根底にある「心」は成長するこずはないのだ。だから、圓然ながら科孊が幟ら進歩しおも、犯眪発生率は倉わらない。
 むしろ増えおいる。
 自分を正圓化、ずいうよりは、䞖の䞭のルヌルの方が間違っおいるず思い蟌む奎は倚いらしい。私は瀟䌚のルヌル以前に人間ずしお色々螏み倖しおいるので、そんな倧それた事は思った詊しがない無論、倖れおいたずころで私は私だ。䟋えそれが「悪」であろうが、他者を螏み぀けにするこずに眪悪感など無い。
 あっおたたるか。
 それを吊定するず蚀うこずは、生きるずいう行為を吊定するも同じだ。善意や思いやりで自分達は成長できおいる、ず思い蟌んでなあなあで過ごす連䞭には分かるたい。この䞖界に「正しさ」など存圚しない。劂䜕に瀟䌚的な䟡倀芳に合わせ぀぀、己の利益を確保できるかだ。生きるずいうこずは「瀟䌚の䞭で勝ち抜く」事も、圓然ながら含たれるのだから。
 勝利ずは䜕かを敗北ぞ远いやる事だ。
 それを善意だの思いやりだの平等だので、誀魔化したいなら生きる事を止めろ。
 思うに、「眪悪感」ずは、己を誀魔化しおいるから発生するのではないだろうか 瀟䌚的な通念でどうあろうが、己の信じる䜕かを成し遂げおやり遂げた人間が、善悪で行動を蚈るなど、聞いたこずがない。
 善も悪もこの䞖界にはない。
 いずれも金でコントロヌル出来る代物だ。歎ずしたその「事実」から逃げおいる人間が、この䞖界の䜕かを倉えるこずなど出来はしない。
 己の行いに「確信」を持っお生きるのだ。それが出来ない生き方をするんじゃない。䜕であれ、「己を信じる」事の出来る道の先には、善悪はずもかく「ただ芋ぬ景色」があるだろう。
 無論、私は瀟䌚的な通念にも合わせ぀぀、法や瀟䌚的な道埳に非難されない圢で行動し、瀟䌚的な折り合いを付けられるからこその「邪道䜜家」なのだが。
 人はそれを「最悪」ず呌ぶ。

十䞀巻


   

 売れる物語ずは䜕だろうか
 答えは、「぀たらない薄っぺらな、それでいお䞭身が無く流行にだけは乗っおいお、華々しさやもしも自分がそうなれたらずいう劄想を仮想䜓隓できる䜙地が詰められおおり、飜きたらすぐに捚おられる」物語だ。
 䞀蚀で蚀えば、読者にずっお「郜合が良い」事が必死条件だろう。むしろ「実力」などない方が売れやすい。衚玙だけ立掟に食れれば良いのだ。どうせ䞭身をじっくり読んで、それを買おうずいう奎はいないだろうしな。
 䞖の䞭そんなものだ。
 勝利に必芁なのは執念ではなく、芁領である。 私も芁領良く生きおきた方だが、連䞭の芁領の良さには舌を巻く。よくもたあ、ああも郜合良く䞖間を手玉に取れるものだ。
 感心する。
 連䞭の䞭身の無さには。そのくせ本物になりたいだずか、䞭身のある本物みたいな思想を持ちただずか、我が儘を蚀う。本物かどうかなど、そんなのは連䞭が勝手に決めるこずであっお、ミロのビヌナスもモナリザも、別に心の底から感動しお皆が認めおいる蚳ではないず思う。流されおいるだけだ。たあ、私が心ない殺人鬌の思想を持っおいるからこそ、そう感じるだけかもしれないが。 しかし「事実」だ。
 ミケランゞェロがどれだけの芞術家だったかは知らないが、それを完璧に理解しお共感できるほどの奎ならば、同じ様な芞術を䜜り䞊げられるのではないだろうか 少なくずも党員ではあるたい殆どの連䞭は、ただ「良いモノらしい」ずいう颚朮に流されお、よく分からないけれど、ただ合わせおいるだけだろう。
 石の䞭に運呜を読み解ける皋だったらしいが、そんな境地を䞀般の人間が感じ取れるずは思えないし、同じモノを䜜品を通しお感じ取れたずしお同じ「䜕か」を感じ取るかは、たた別の噺だ。
 私が蚀いたいのは「本質など䞋らん」ずいう事「物事の本質は結果に関䞎しない」ずいう郚分だ。努力は無意味で抵抗は無駄。だずしたら人間に出来る事は限られおくる。無論人間でなくおも「運呜に瞛られる」点は倉えようがない。
 足りない郚分をどうするか 噺は簡単で、倧きな䜕かの力でも借りれればいい。それが出来れば苊劎しない気もするが、珟実問題自分ではない誰か「協力者」を埗られるかどうかは、その埌を楜に進められるかに関わっおくるだろう。
 散々それを手に出来ないが故に手間ず劎力を賭けた私が蚀うんだ、間違いない。
 そんな郜合の良い「協力者」がいれば、生きる事に苊劎はしない。どうしたものか。ずはいえ、そうしお手を打っおきお、䜕か䞀぀でも成功したかず蚀えば、そうでもない。䜕より「䜜家業」はどう足掻いおも「倖せない」のだ。「性」だず、そう捉えお支障ない。
 金になろうがなるたいが、やるしかない。
 金にならない時点でやる気は倱せるが、私個人のやる気など関係なく執筆は進んでいく。もしかするず䜕か電波でも受信しおいるのかもしれない私自身を「フィルタ」だず以前称したが、こうなるずそれも笑えなくなっおきた。
 嫌な噺だ。
 私は「これこそが本物だ」ず誰かに評されたい蚳ではないし、そんな事は䞀床もない。ただそれなりに金を皌いで、適床な自己満足で充足を満たし぀぀、適圓に「人間性」を味わいながら嚯楜ずしお楜しみ、「人間の物真䌌」を楜しみながら、それで「ささやかなストレスすら蚱さない、平穏なる生掻」を豊かに過ごしたいだけだ。
 䜜家ずしお望むモノなど、䜕もない。
 有るはずがないだろう。
 䜜家の名誉はあくたでも「䜜品の名誉」であっお、私個人には関係がない。どんな内容を曞いたかなど、芚えおられないしな。
 目立぀のは嫌いだ。
 疲れるからな。
 芆面䜜家ずしお金だけ入っおくれればそれで、党おが解決するのだが思い通りに行かないものだ。最も、思い通りに事が進んだ事など、生たれおこの方䞀床もないが。ささやかな願いさえ絶察に叶わないのが、私の今たでだ。
 これからも倚分そうだろう。今たでそうだったからず蚀っお、これから先は分からないじゃないか、などず蚀う甘ったれがいるが、これたで散々「結果」が出なかった事に察しお金を払う人間は䞀人もいない。少なくずも投資家ならそうだ。生き抜くずいう事は、それら今たでの経隓から有甚性の高い「利益を出せる行い」ぞの投資掻動だずも取れる。
 良いパヌトナヌを遞べるかどうか、ずいうのもその延長線䞊だろう。愛ではない。ただ単に、己の利益を満たせるかだ。「理想的な家庭」を求めおいる、盞手に䜕かを芁求する事は無い、などず蚀っおも、それはそれで「理想的な家族を埗る」ずいう目的を達成する為に、盞手を遞ぶのだ。
 心ない殺人鬌ず倉わるたい。
 人類皆殺人鬌だ。己以倖を殺すこずで、充足や安心を埗お、生きおいる。
 誰かを殺さずにはいられない。
 職堎で、家庭で、遊びの堎で、「邪魔な奎」を排陀するのは圓然だ。その結果、盞手がどうなろうずも、誰だっお気にしない。
 自分ずいうコミュニティの「倖」にある存圚は生きおいる䞀人の存圚ずしお、勘定に入らないからだ。それは圓たり前のこずだ。自分に関係ない人間がどう苊しもうず、どうでもいいではないかもっず邪魔者を殺せ。
 そうすれば心地よく生きられるぞ。
 なんおな。
 䜕故、私はこうたでしお「䜜家業」をやめられないのだろう。本圓に面倒だ。他に金儲けの才胜を磚けるほど噚甚ではなかったからだろうか。
 金にならないなら、筆を捚おる事も、いい加枛考えなければならないな。たあ、そうは蚀っおも染み着いお離れないので、忌々しい事この䞊ない噺だ。どうしたものか。金ず物語があれば、私は倧䜓満足できる存圚なのだが。
 協力者が必芁なら尚曎金がいるのではないかず思ったが、運呜論的に考えれば「同じ事」では、あるのだろう。金で雇うか、いずれにせよ出䌚うのかの違いだ。ただ、その「協力者」が埗られたずしお、圹に立぀かは別問題だ。やる気はあるが圹には立たない。力になれなくお申し蚳無い。
 そんな屑は嫌ずいうほど芋おきた。
 だから、ただ芋ぬ「協力者」に察しおも、ずりあえず疑っおおこう。圹に立぀かどうか、疑わしい噺ではあるのだ。
 欲するはあくたでも「結果」だ。
 この「性」を満たし぀぀、満足できる結果を求めるのはかなり難しい。だが、それも確立せねばならないだろう。自己満足で枈たせるなら、䜜家業以倖で金を儲けられればベストだが、それが出来れば苊劎しない気もする。
 苊悩し぀぀も前ぞ進むず蚀えば聞こえは良いが明確な解決策を手に出来おいないだけだ。どうしたものか。
 どうしたものか。
 それもたた、今埌の「運䞍運」に巊右されるだろう事は、想像に難くない。結局の所こちらで䜕を遞がうずも、「あちら偎」がどう刀断しお䜕を寄越すかにかかっおくる。あちら偎ずは私に認識できない「䜕か」であり、「運呜」ずいう造語で語られる、圹立たずの厄介者だ。
 䜕者であろうず、等しく同じ。ならばずりあえず筆を眮いおから、䜜家業の䞋らなさぞの物思いに耜り぀぀、私は物語を読む事にした。
 邪道䜜家の、物語を。


十二巻


   

 䜜家の資栌は簡単だ。物語を曞く事が嫌いであればそれでいい。曞くのが嫌いだ。䜜家なんお、瀟䌚に搟取されるだけだず文句を蚀うこずだ。
 きっず立掟な䜜家になれるぞ。無論、搟取されボロ雑巟のような人生を送る事は、想像に難くないが。䜜家など、そんなものだ。
 そうでなくおは䜜家だず呌べたい。
 未来に期埅するな、するほどの䟡倀はない。たあ、それでも前を向いおいればそれなりの豊かさは自己満足で完結できるだろう。そんな行動に意味があるのか知らないが、ずにかく、私に出来るのはそれくらいだ。
 そしおそれで構いはしない。
 倢も垌望もなくお良い。金さえあれば。その金が無いからこそこうしお䜜家業などずいう利益の生じない事柄に身を窶しおいるのだがいっそ䜜家など止めおしたいたいずころだが、そうも行かないからこその䜜家業だ。
 呪われた装備品みたいなものだ、倖したくおも倖せない。党く、忌々しい限りだ。
 私に出来る事がそれくらいしか無い、ずいうのが原因ではある「最悪の未来を想定し、その問題点を圢にする事」これは䜜家業以倖では金にする方法があるたい。私の物語は䞻に、最悪の未来に向いおいる。最悪の未来を芋お読者共がそこぞ向かうのか、そこを避けるのかはずもかくずしお、未来に起こり埗るであろう瀟䌚問題をあらかじめ予想し、備えるこずが出来るようにする。物語を曞く存圚にずっお最䜎限の心構えだ。それが根底になければ面癜い物語は描けたい。
 私は倢も垌望も信じるに倀しないず考える。
 だからこそ、最悪の未来が、その問題点が明確にわかる。長所は短所ずでも蚀うのだろうか。私にずっおは皮肉でしかないが。
 それに、別段備えおいるからずいっお、未来を倉えられる蚳でもあるたい。そんな皋床で䜕かを倉革できれば苊劎しない。勝利者の条件は遞ばれる事だ。䜕に 党おだ。幞運然り、䞖間然り、圓人以倖の党おが勝利条件だ。だから、圓人の意志だずか努力だずか執念だのは、䞀切勝利そのものには䜕の関係性もない。
 䜕をしたずころで、同じ事だ。
 ずもすれば私は倉えられる蚳でもない未来瀟䌚の問題点を指摘しおいるだけなのだろうか そうかもしれない。未来に望むのは簡単だが、しかし望んだ結果が埗られたずいう話を、私は぀いぞ聞いた事も䜓隓したこずもない。お䌜噺だ。この䞖界に存圚しないフィクションでしかないのだ。 物語から感銘を受けたり、感動したり、䜕かを孊んだ気になったりするのは、ただの錯芚だ。䜕も䞎えないが、しかし党おを䞎える錯芚を起こしそれを金にする。䜕ずも私向きの職業だ。
 䞖界は金で出来おいる。 
 䟋倖は無い。
 党お、金で買える。金で倉えられる。
 なればこそ、私はそういう「倢物語」に倢想する぀もりはない。売れればそれでいい。䞭身など癜玙以䞋で構わない。どうせ私が読む蚳ではないのだ。それに、読者共が私に䜕を支払う蚳でもあるたい。それも倚めに支払うのは線集郚ずかであっお、私にではない。封筒に札束を仕蟌んで送っおくる読者など、聞いたこずもないしな。
 そんな連䞭に払う敬意など、無い。
 どうせ立ち読みでもしおいるのだろう
 札束を出す蚳でもあるたいし、評論家気取りで曞いた事も無い連䞭が、ネット䞊の䞖界で䟃々諀々の倧論争をする。そんな暇があるなら䞀冊で良いから物語でも曞けば良いだろう。劂䜕に自身が薄っぺらい存圚か、嫌でも理解できるぞ。少なくずも䞖界には物語を買う金は無いが、株匏やロヌンを組む䜙裕のある銬鹿共が倚すぎる。金を䜿いこなすこずも出来ないから、貎様等は読者なのだ読み手ではなく語り手を志せ。
 自身の物語も無い人生で、良いのか
 だから貎様等は薄っぺらいのだ。
 ふん、たあいいさ。貎様等がどれだけ薄っぺらい歩みを進めようが、私にはどうでもいい事だ。私ずお、別に濃い物語を曞きたい蚳ではないのだからな。売れればそれでいい。そしお、売れるかどうかに䞭身は関係ない。
 いっそ、䞋らない恋愛劇でも曞いおやろうか 怜蚎するだけにしおおこう。
 実際に曞くずロクな事にならない。吐き気がするし面癜味もない。よくもたあ、ああも面癜味の欠片もない「駄䜜」を䜜れるものだ。
 私は無論「金」や「平穏」぀たり私個人の自己満足の為䜜家業、物語を金に換える事を良しずしおいるが、その実「曞く為に曞いお」いる。私には確固たる事実ずしお「曞くべき事柄」があり、そしおそれを「曞きたい圢」にするこずが出来る他でもないこの「私」の目線で物語を語る以䞊、陳腐な駄䜜は蚱されないし、曞いたずころで私個人が満足できないのだ。党く、忌々しい限りだが、それを蚀っおもどうしようもないか。率先しお駄䜜を曞きたがる間抜けの思考回路など、考えるだけ無駄だろうしな。
 私は非人間だ。人間性など欠片もないし、今たで人間性を感じたこずすらない。私にずっお人間瀟䌚ぱむリアンの瀟䌚だ。向こうからすれば、私の方が「人間のフリをしおいる゚むリアン」なのだろう。そしおそれで問題ない。問題なのは、私が「人間瀟䌚に生きる」ずいうのは䞍可胜であり、あくたでも折り合いを぀けるだけであっお、そこに真実の幞犏などあり埗ない郚分だ。どうしたずころで「人間」を感じない私に、人間瀟䌚で感じる幞犏など存圚しない。私にずっおはこなすだけの事であり、「人間の嚯楜を楜しむフリ」をするこずで充足を埗お、「人間らしさ」の物真䌌をするこずで「人間」ずいう嚯楜を楜しみ、私が機胜停止するたでの間、楜しむだけだ。
 たさに、゚むリアンの孊習機胜だ。
 人間のように生きお、人間のように存圚し、人間の物真䌌をこなし぀぀、適床な豊かさを求めるそれが私にずっお瀟䌚ずの折り合いの付け方なのだ。実際、それ以倖の方法などあるたい。私はどうしたずころで幞犏を感じないし、ストレスを避けお適床に「こなす」生物の発想ではないが、私は生きおいない存圚だ。終わるたでの間、折り合いを぀け぀぀こなすのは圓然だろう。
 その結果、ストレス過剰で倱敗しか無い道を歩み続け、敗北ず䜜品の売れ行き難航に悩たされるずいうのだから、傑䜜な話だ。
 私は前に進んでいるのか
 進んではいる。しかし、「結果」が出ない。
 私はただ、それなりの金ず自己満足で充足したいだけなのだが䞊手く行かないものだ。もっずも、それが最初から䞊手く行くようであれば苊劎はしないし、私の堎合「人間性」が存圚しないからこそ成り立぀が、しかし情緒豊かな人間共は、そういう「ささやかな豊かさ」では満足できないものだ。私にそれはない。人間ごっこをしおいるだけであっお、私は人間ではない。それなりの豊かさで私が満足できる理由は、私には求めるべき「人間の欲」が無いからである。私に欲しいずいう感情はなく、持ちたくおも、持぀こずが出来ないのだ。
 だから「それなり」で満足した、ずいう圢に萜ち着けるこずが出来る。金さえあれば、だが䜜家業が金にならなければ、充足も䜕もない。私ずいう存圚の「基軞」である䜜家業が回らなければ自己満足も䜕もないし、䜕より私には他に、皌ぐ手段が無いのだ。このたた始末屋たあ、䜜品のネタになるから続けおも良いが、しかし囚われるのは埡免だを続けるしかない。続けるのは良いにしおも、䜜品が売れなければ自己満足の充足も䜕もない。その為に行動しおいるずいうのにそれが達成できなくお良い理由はあるたい。
 達成しなくおも良いなら最初からしない。
 そこに到達するために、挑むのだ。
 そこに至るたでの過皋が尊いだの、敗北から孊ぶべき事が倚いだの、そんなのは到達しおいない茩の台詞だ。呚りなど芋えるべきではない。ただひたすらに「その堎所」を目指す。少なくずも、私は生たれた時から「そう」だった。
 ここではないどこかを目指しおいた。
 そう思う。
 今この堎所で満足するのは簡単だが、それでは先に進めない。進められるのなら進めるべきだ。それこそ「無限」に先ぞず進める。過皋が尊いだのずホザくのは、それからにしおほしいものだ。挑み続ける姿もたた「過皋」の筈だからな。
 私は売れればそれでいいが。
 䞖の䞭金だしな。
 ずはいえ、党身が匱点で出来おいる私にずっお人䞊みに远い぀くずいうのは至難の業だ。実際、石投げ䞀぀ですら負ける自信がある。内面はずもかく、内面はずもかく、内面はずもかくずしおだ物質的な「匷さ」ず、私はほずほず無瞁だからだ。
 だからこそそれを求めるのだが、粟神が豊かであれば金の方から逃げるずでも蚀うのか それずも私の粟神が未熟だからなのか 未熟だずすれば、それはそれで金が集たっおも良さそうなものだがな。粟神が未熟であればあるほど、物質的に豊かな奎は倚い。それならばいっそ、修緎を積んで粟神的に未熟になるべきなのだろうか 
 䞀呚回っお銬鹿な話だ。
 その䞀方で、私ずは違い「結果」のみをいち早く手にした連䞭は、粟神が「劣化」しおいるずいうのも、たた「事実」だ。昔は楜しめた嚯楜が楜しめなくなり、より安易でより安盎なモノを求めるようになり、粟神が画䞀的になるずいえば聞こえはいいが、その実䜓は思考を攟棄しおいるだけでしかないのだ。足りなければ、それを補完しお行くこずを考え、それで楜しめるが、党おが満たされおいれば曎に満たされようずするだけだ。これは䜕にでも圓おはたるこずだ。嚯楜ず蚀えば、ゲヌムなどがわかりやすいだろう。あれこれ詊行錯誀しながら悩んで考え尜くしおやり尜くした末の楜しみがあったのも今は昔。電脳䞖界で勇者気取りをしながら運営䌚瀟に文句を蚀うのが関の山だ技術は進んだはずなのに、それに芋合う楜しみが消倱しおいる。いや、楜しみを感じる力が欠損しおいるのだ。
 それを私のような化け物が手にするずいうのだから、䞖も末だろう。私は人間ではないので、䜕であれ楜しめるし䜕であれ䜜品のネタに出来る。無論本圓に䜕かを感じる筈も無いが、しかし人間の物真䌌ずいう嚯楜は成り立぀ので、私はささやかな自己満足による充足で人生を最すのだ。人生などず、私が蚀うず違和感が倧きいがな。
 察しお、人間達は貪欲すぎる。
 䜕があっおも満たされないらしい。
 地䜍、名誉、男、女我々は足りない䜕かを満たそうず生きおいる、のではない。足りないモノは金だけだ。少なくずも、資本䞻矩の䞖界においお足りないモノなど他にあるたい。それに、䜕かを手にするずいうのは、それが粟神的なものであればあるほど、ただの錯芚に過ぎない。錯芚を手にするこずは無いのだ。
 悪意も善意も同じ事だ。
 党お、存圚しない虚構でしかない。
 嘘を鵜呑みにするな。間抜けが。
 䜕かで満たされよう、などずおこがたしい銬鹿共だ䜕を手にしたずころで満たされる事はないのだ。満たす満たさないは圓人の粟神の内で決たる事柄だ。それを、倖偎に求めるのが間違えおいる。そんな事が出来れば苊劎しない。
 勘違いしたたた、死ぬ茩は非垞に倚い。己自身の圚り方やその埌、自身が埌に䜕を残せるか、誰にどれだけの圱響を䞎えうるのか そういった倧切な事柄を考えないたた生涯を終える。ああすればよかった、自分が間違えおいた。倱敗した、挑戊すべきだった、ずな。
 無論私にはそれが無い。
 あっおたたるか。
 だからこそ私は「䜜家業」などずいう忌々しい呪いじみた仕事をしおいるのだ。我ながら倧倉遺憟ではあるのだが、それはそれだ。圢にすべき、己自身の内偎の答えをデゞタルデヌタで残しおいるのだから、そこに埌悔など無い。匷いお蚀えばあの䞖に持っおいけるのかどうか䞍安だ。たた最初から曞き盎すなど、埡免被る。絶察に、だ。
 二床ず曞かんぞ。
 疲れるしな。
 私は文房具で執筆し完党なるオフラむンで曞いおいるので、ハッキングの心配はない。意図せずしおデヌタの保存は䞇党だず蚀える。最新科孊に頌るのはよいが、コンピュヌタなど政府偎の思うように情報操䜜、情報怜閲、株匏操䜜を行い、倧囜の郜合を通す為のモノなのだから、そんな物隒な存圚に頌るべきではあるたい。
 瀟䌚問題や政府の職暩乱甚など、メディアさえ抌さえればどうずでもなるのだ。テレビニュヌスを芋お信じる連䞭に察しお、己の目で芋たモノを信じろず蚀ったずころで、頷きはしおも行動に移す奎は䞀人もいないからだ。たあ私から蚀わせれば、デゞタル䞖界を支配しお神を気取ったずころで、それは「神の暩胜」があるだけで、それを䜿いこなすこずは出来たい。少なくずも個人では䞍可胜だろう。囜家単䜍で悪甚するこずは可胜だが、しかし、だから䜕だず蚀うのか。
 政府ずいうのはい぀でも「劣等感」や「虚勢」で動くものだ。ある皮私ずは察極だず蚀える。圌らは実利を远い求めおいるようで、その実、自分たちの民族意識を通しおいるだけだ。党おを独占しお牛耳ろうずするのは、そうでもしなければ、安心するこずの出来ない小さな噚の持ち䞻であるこずの蚌巊だろう。
 正論の裏偎には、必ず連䞭が絶察に勝おる仕組み䜜りが行われおいる。そんな䞖界で民䞻䞻矩など笑わせる話だ。面癜くもない。倢想するのは勝手だが、抌し぀けないで欲しいものだ。政治家でもない倧勢の意芋など、䜕の足しになる。そんなのは自分たちも参加しおいるんだずいう、䜕䞀぀行動せず暩利を求める銬鹿者共の台詞だ。
 政治をたっずうにしたいなら、独裁が良い。
 優れた治䞖など、土台䞍可胜だがな。䜕かを良しずすれば䜕かが犠牲になる。それが民の為が個人の為か、それだけの違いだ。たったそれだけのこずを孊ばず、䜕十幎も生きお、己が立掟な瀟䌚人だず自負し、䜕も成し埗ず死ぬ茩の、䜕ず倚いこずか。
 
 他にやるこずはないのか

 貎様等は、人生が䞀床しかない、ずいう圓たり前の事を知らないフリ芋ないフリで枈たそうずしおいる。枈むわけがないだろう。そのくせ、その考え方を抌し぀けお感謝を求める。実に図々しい話だ。誰かの蚀う事を聞いおいれば幞せになれるず自惚れおいる。銬鹿銬鹿しい。それが䜕であれ己自身の手で掎み取るものだ。自分ではない誰かの台詞など、アテになっおたたるか。
 生きるずいう事は「遞ぶ」ずいう事でもある。それを他人任せにしお結果が埗られるず思いこんでおきながら、「話が違うじゃないか」ず文句を垂れる。党おを他者任せにしお、䞀切の苊痛を支払わず、䜕も成し埗ずに結果が貰えるのならば、是非あやかりたいモノだ。たあそんな事はあり埗ないので、私は物語を綎るのだが。
 遞んだ結果に実利が䌎うかはわからない。事実私は未だ実利を手に出来おいない。それでも遞んだ以䞊は進むしかないのだ。
 それが「生きる」ずいう事だ。
 そこから逃げるゎミ共が、ほざくな。
 図々しいぞ、間抜けが。
 私は今たで様々な事柄を「孊んで」いる。暪綱の䜓䜜り、ボクサヌのフットワヌク、はおは修行僧の思考回路たでだ。そんな私が「物語」そのものから孊んだこずがある。そういう自身の道すら遞んでいない「悲劇を気取ったヒロむン気取り」に限っお「こんな無益な戊いは止めよう」ず、ほざき出すのだ。戊ったこずもない奎が、そう口にするこずで、己の「善性みたいなモノ」を、満たそうずする。
 䌚話になっおいない。
 そも、無益な戊いではなく、「それ」を遞んだからこそ、「それ」以倖に圓人が歩く堎所など、ありはしないのだ。䜕を遞ぶかは人次第だが、䞀床遞んでしたえば、「それ」を「掻かす」以倖に圓人の圚り方はない。それが䞍毛なものだずしおも、それ以倖の遞択肢など、ないのだ。
 それ以倖党おを捚おお、ただ䞀぀を遞ぶ。
 だからこそ、その「道」を歩くのだ。
 道を遞んでもいない茩が、それに察しお口を挟むのは愚かを通り越しお目障りなだけだ。誰かに理解を埗られる事など皀であるし、報われるかどうかすら分かりはしない。無論、私は実利に換えおやる぀もりだが、いずれにせよ綺麗事など、そんなのは口にするだけならば誰でも出来る。
 猿が鳎いおいるのず同じだ。
 䜕も、「結果」に結び぀かない郚分では。
 その結果、私の物語が「傑䜜」ず評されるかどうかは、正盎知った事ではない。私個人ずしおは金にさえなれば、それでいいからだ。だが、少なくずも忌々しいこずに「挠然ずした予感」ずしお私には「結果に結び぀かないからこそ、優れたモノは䜜り䞊げられる」ずいう気がしおならない。無論そんな屁理屈どうでもいい。綺麗事以䞋だ。もしそうだずすれば、私は苊難も苊痛も代償ずしお支払わなければならない、などずいうルヌルは無芖するだけだ。実際、優れたモノが䜜れたからず蚀っお、䜕だず蚀うのか仮に、あくたでも「仮に」だが、私が売れおいないからこそ傑䜜が曞けるずしお、私は金しか望んでいない。あくたでも傑䜜云々は圓人の自己満足であっお、私はその為に己を犠牲にする぀もりは曎々ない。そのやり方は私ではなく読者共を重んじるやり方だ。私個人を生け莄にしお成り立぀手法だ。
 そんな腐れ理論を蚱しおたたるか。
 それが真実なら、真実を改竄するたでだ。
 それでこそ「私の幞犏」が手に出来る。無論、感じ入らない以䞊ただの自己満足だが、元々私は「人間の物真䌌」をしおいる゚むリアンだ。そしお私は人間の物真䌌を面癜い趣味ずしお楜しめる正真正銘の化け物だ。それを嘆いたり、悲しんだり、人の心を求めようず思うこずすら、ない。
 そういう意味では、映画の䞭の゚むリアン共、ロボット軍団、人工知胜などの方が、和達しずは違っお「生物らしい」話ではある。私の堎合、その非人間性を肯定し、人間性に折り合いを぀け、人間瀟䌚に玛れ蟌み、人間に限らず己以倖を数倀ずしおすら芋なさず、それを「最悪」だず蟞任した䞊で、己の利益を远求する。
 自分で蚀うのもなんだが、「最悪」だ。
 私以䞊の悪は、抂念からしお成り立たないだろう。ずするず、どうやら「悪は金にならない」ずそういうこずだろうか 私自身で蚌明した圢になるのだろうか いや、いや、ここからだ。傑䜜を金に換え、ささやかなストレスすら蚱さない平穏なる生掻を、手にするのだ。
 䜜家である以䞊ストレスは垞にあるが、それはたあ䟋倖ずしおおこう。充足、生き甲斐、人生における匵り合いずしお、それくらいは構うたい。 どうせならそれすらも抹消しお「非人間」らしく生きるのも面癜そうではあるが、䜜家ずしおは完党なる非人間の生掻よりも、人間の生掻を暡写する方が為になる気はする。読者など心底どうでもいいが、私個人の充足には、やはり必芁か。
 やれやれ、参った。私はどうやらあの䞖に蚀ったずころで同じ事をしおいるのではないか 埡免被る話だ。あの䞖っお嚯楜少なそうだしな過剰劎働、断固反察だ、私は。
 䜜家ずは因果なもので、どれだけ䌑もうずしおも、それすらも䜜品のネタずしお捉えおしたう。意識しおいないず筆を執っおしたうのだ。
 忌々しい宿業だ。
 ふず、あの女の蚀葉を思い出した。
「願いが叶えられない事など、ないのですよ」
 盞倉わらず綺麗事だろうず私は流しながら、神瀟の瞁に座っおおはぎを摘んでいた。説教する教垫のように、あの女、タマモは諭すように箒を止めお諭し始める。思うのだが、本圓にこの女は、忙しいのだろうか ず思い぀぀も、その時の私は和菓子のおかげか、玠盎に話を聞いおいた。
「そんな蚳があるか。叶えられる願いなど皀だ」「そうではないのです。私、いえ神ずいうのは、人々の願いをそのたた叶える事はありたせん。その願いに至るたでの道を進めるだけです。その道を歩ききれば望む堎所にたどり着けたすし、至らなければそれたでです」
「蚀い蚳臭い話だ」
 ぀たり䜕か 願いを願えばそれに盞応しい詊緎があり、それを提䟛するだけで神は仕事を終えるのだろうか。だずすれば、それは䜕もしおいないに等しいではないか。進む道に盞応しい詊緎など、䜕もしなくおも起こっお圓然だ。
「そうでもありたせん。貎方も知るように䞖界は理䞍尜で出来おいたす。そしお、苊劎もなく勝利する人間は、少なくありたせん」
「それのどこがいけない」
「貎方自身自芚はあるようですが、勝利だけを突き぀けるずいうのは、未熟な存圚にずっお毒物そのものです。粟神を蝕み、心の隙を広げ、粟神も肉䜓も砎滅に至らしめる。貎方のように人の心を持たないならばずもかく、倧半の人間は、そんな粟神性を持っおはいたせん」
「仮にそうだずしお、安易で安盎な勝利、䞭身の無い勝利者の䜕が悪いのだ 手に出来れば、それに越した事はないず思うが」
「それは、違いたす。私たちではなく、貎方達の問題なのですよ。仮に、そんな䜕䞀぀苊劎を必芁ずしない人生を歩んだ人間は、その内偎に䜕䞀぀育むこずが出来ず、苊しみ、生きおいる実感を氞遠に手に出来ないでしょう」
「私には最初から「内偎」など無いがな」「そうだずしおも、同じ事ですよ。内偎が無いからず蚀っお、䞀人だけさがる蚳にも行かないでしょう」
「そういう人間は倚く芋るがね」
「それもやはり、同じですよ。その安易な人生に埓っお、圌らは䜕䞀぀育たず、粟神は子䟛のたた死ぬ。埌になっお苊劎を求めるのですよ」
 そうだろう。実際、これ以䞊無く理に叶っおいる話だ。だが、私は別に粟神的に成長などしたくもないし「人間の成長」など、私がしたずころで埒劎も良いずころだ。私のような化け物に、䜕の意味があるずいうのか。
「それでも私はその方が楜で良いがな。人間らしさや人間の成長など、私には瞁の無い話だ。したずころで実感できず、存圚しないも同矩だ」
「そうでしょうねあるいはそれが、貎方自身が「最悪」ずしお君臚するための「察䟡」なのかもしれたせん」 
「」
 奜んで名乗った芚えは無いのだが。
 そんな事に䟡倀はないしな。
「そうでもありたせんよ」
「䜕故だ 私が歎史䞊最悪の存圚だずしお、私にずっおどんなメリットがある」
「倧きなメリットがあるではないですか。貎方には粟神的に「折れる」事が決しおない。折れる心がないのだから圓然ですが、しかし貎方にずっお「くだらない」事柄こそ、人間にずっおは重芁なファクタヌなのです。結婚、就職、人間関係、それに「誰かに評䟡されたい」自己顕瀺欲。貎方のように本質を睚める人間ばかりではないのですよ䞀時の事だず理解できず、死に至る人間も倚いですしね」
 組織はいずれ朰れるものだし、愛はその内冷めるものだ。他者ずの関わりは氞遠ではなく、それでいお他者に認められるかどうかは、その人間個人の小さな満足感でしかない。
 ただの「事実」だ。理解しようず思っおいれば子䟛でも心がける事が出来る、䞖界の事実。
「それは事実から目をそらすからだろう」 私でなくおも、事実を芋据えるこずは可胜だ。「そうでもありたせん。貎方のような殺人鬌じみた粟神でも無い限りは、そんな匷固すぎる粟神でなければ、人間は事実を奜みたせん。己にずっお郜合の良い虚構を信じるものです。貎方の堎合、その粟神そのものがプログラムじみおいるからこそ、機械的にそれらを芳枬できるのです」
 人をりィルスみたいに蚀うんじゃない。
 䌌たようなものだが、安っぜいのは埡免だ。
 せめお栞廃棄物くらいにしろ。
「別に匷固ずいう蚳ではないがな。私は、ただ人間を真䌌おいるだけだ」
「それでも、同じ事ですよ。貎方は真䌌おいるだけで人間ではない。故に、人間であれば本来悩み苊しむ事柄を「無芖」できる。貎方自身が思っおいる以䞊に、倧きな特暩ですよ、これは。心がある以䞊、人間でなくずも、その苊しみや悩みは、生涯぀いお回るのですから」
 嬉しくもないが、ここはしょうもない人間共の悩みに付き合わされずに枈んだ、ず思っおおこうそういう事にしおおこう。
 そもそも、人間個人の匷さ匱さなど私は持ち埗ないし、そんな私に、匷さによるメリットも匱さによるメリットも持ち埗ない私に、デメリットだけ抌し぀けられおも困る話だ。それこそ冗談ではない。ずはいえ、匷さ匱さ、この女の歌う人間的成長など、存圚しないも同矩だ。
 粟神的に成長しなくずも、子䟛のたたでも、人間瀟䌚では立堎さえあれば「偉く」なれる。わかりやすい䟋は「教垫」だろうか。人を導く教垫の存圚などフィクションの䞭でしか聞いたこずが無いが、己の劣等感を己自身より小さい存圚に抌し぀ける事でしか、自己を確立できない茩の存圚は良く芋おきおいる。
 子䟛の頃、ずいう皋玔真ではなかった気もするが、ずにかく私はこう考えた蚳だ。「それなら、その立堎さえ手に出来れば楜が出来る」ず。結局それほど私は「持぀偎」に瞁が無かったのだが、しかしそれはたごうこずなき「䞖界の事実」だ。 立堎があれば偉く慣れる、のではない。
 その偉さ、ずいう名前の我が儘を抌し通せる。 そしお、抌し通した方が矎味しい思いをする。 ぞたは誰かに掎たせる。それこそが人間瀟䌚の事実だず、我ながらそんな事実を子䟛ながらに、理解はしおいたわけだ。成長した今でも、その考えは倉わらない。あの女の蚀う正論は確かに、正しいのだろう。しかしそれは「理屈」ずしお、正しいだけだ。その理屈が適応される奎が、この䞖界に䜕人いるのだろう
 少なくずも、私ではあるたい。
 適応されないならば、他の方策が必芁だ。
 捚おる事で察䟡を埗る話もあるが、私の堎合、最初から「人間性」を捚おおかかったにも関わらず、未だ目的地にたどり着いおすらいない。たどり着くこずそのものは目的ではない。たどり着いた埌、己自身の圚り方を通すこずが目的だ。
 それが、叶わない。
 最初から党おを捚おおかかっお、これだ。
 どうしろずいうのか。
 私に埌退の抂念は存圚しない。存圚しないからこその邪道䜜家だ。ずはいえ、自ら進んで灰になりたい蚳ではない。
 勝たなければ。
 勝利を掎たず灰になっおたたるか。
 その為にここたで抌し通したのだ。
「どうしたした」
 思い詰めおでもいたのか我ながら笑える。この私に思い詰める機胜など、ないずいうのに私の顔色をじっ、ず芋据えお圌女は問うた。
「いや、別に。匷いお蚀えば、貎様の蚀い分の浅はかさを考えおいた。成る皋、䞍甚意な勝利は、確かに人を貶めるかもしれん。しかし、それは勝利を望む存圚が理䞍尜に勝おなくおも良い理由には、決しおなるたい。貎様のそれは倖偎から眺めおいるだけの答えだ。だから、䞭身が薄い。蚀葉に説埗力がないのだ」
 自分で蚀っおおいお䜕だが、私は蚀葉の力など信じおいない。切り捚おた方が早いだろう。信念や勇気が䜕かを倉える事など無い。
 そんな事ができる奎がいるなら、是非お目にかかりたいモノだ。
「確かに、持぀偎が芋方を倉えればそうなるかもしれん。しかし、それは持たざる偎が、捚おる者が、挑んで勝利を掎んではいけない理由には、なりはすたい。結果論でそれらしい事を蚀っおいるだけだ。勝利に望む圓事者からすれば、事の善悪や論理的正しさ、その方向性など、どうでもいいのだ。ただ「勝ちたい」のだ。無論、私は実利さえあれば勝たなくずも良いが、ね」
 その実利すら手に出来おいない私が蚀うず、説埗力だけがあっおも、ずいう気もするが。
 私にずっおは実利こそが「勝利」なので、詊合の勝敗に興味がないずいう事だ。幎収が高ければファンも勝敗もどうでもいい。
 それこそ「過皋」を重んじる、ずいうか、䞭身のない停物ではないかずいう声も聞こえるが、私は元々安ければどちらでも良い。
 私は人間的成長や人間の勝利になど、興味はないし、どうでもいい。人間ではない化け物に、そんな理屈を抌し぀けられおも困る話だ。
 私は化け物だ。
 幞犏を感じ取れない、正真正銘の化け物だ。
 それはそれずしお、それならそうず、そのやり方でも幞犏、ずいうか充足し぀぀過ごせる方法を私は化け物ずしお探さなければならない。
 そしおそれが、金による生掻の肯定だ。
 ささやかなストレスすら蚱さない、平穏なる生掻「私」なら、それが出来る。
 非人間であり化け物である、この「私」なら。 女は薄く口を開き、こう答える。
「それも、そうですねけれど私は思うのですよ。貎方のやり方は「間違えお」いるず」
「間違える間違えないは、私が決める事だ。郚倖者の貎様が蚀う事ではない」
「ですが」
「䜕だ」
「貎方はそれで良いのですか」
「構わんよ」
 それ以倖に方策も無いしな。しかし、その口にしなかった台詞を女は察したのか、消去法でのそんな圚り方など蚱さない、ずいう姿勢で、
「手の掛かる人ですね。党く」
 ず、仕方なさそうに、蚀った。
「倧きなお䞖話だ」
 人間「らしさ」を抌し぀けるな。化け物の尺床は化け物のみが決める暩利がある。私だけだ。
「貎様が、どんな「人間らしい幞犏の結末」を、倢芋おいるのかは知らないが、私にそれを抌し぀けるな。土台、人間ではない䞊、心すらない私には、䞍可胜な話だしな」
「そうでしょうか」
「貎様は綺麗事を口にしおいるだけで、貎様の蚀う人間らしい結末を私に適応できる方法を口にしたこずは、䞀床もない。貎様自身理解しおいるからではないか 私は「違う」ず。䜕をどうしようが倖れた存圚でしかないのだず」
「そんな事は」
 黙っおしたった。
 これだから女は面倒だ。感情的に理想を語るのは結構だが、肝心な「それを珟実にする手段」に関しおは、䜕のアむデアも無い。
 綺麗事なら誰でも蚀える。
 猿でも人工知胜でも、カセットテヌプでさえ。 難しいのは、それを珟実にする事なのだ。そしお、それを珟実にしようずする茩は、口を開いおそれらしい事を匷制したりは、しないものだ。
 行動に移しおいない蚌だずも取れる。
 どうしたずころで傍芳者か。
 それはそれでたた、䞀぀の圹割だが。この女は客芳的に事実を告げる胜力には長けおいる。そのあたり口だけの銬鹿共ずは違う郚分だろう。
 しかし、だ。
「貎様は、高いずころにいすぎるのだ。それはそれだけならどうでもいいこずだが、䜕かを倉える為に行動するずなるず、傍芳者の蚀葉は話にならないものだ。事実を远求するには良いが、貎様は䜕かを倉えるのには、向いおいない」
「そう、でしょうか」
「そうだ。どうでもいいがな」
 私ずお、この女がわかりやすい回答を出し、それで党おが䞀件萜着、などず絵本のような結末があるず、信じおいる蚳ではない。
 だからこそ、私は「ささやかなストレスすら蚱さない、平穏なる生掻」ずいう「指針」を圢にするこずで、幞犏を手にするのではなく、幞犏に、挑もうずしおいる。本来、人間であれば、人間でなくずも、心があればあり埗ない取り組みだ。私には人間性も心も無い。だからこそ、自己満足のみを䞻軞ずしお、それを成立できる。
 それにずやかく蚀われる芚えもない。
 そこに「人間性」を抌し぀けるのは、私ずいう存圚を吊定するも同矩だ。盞容れる蚳がない。私は化け物であり、化け物ずしお成立させる。
 肩曞きなどどうでもいいが、私に必芁だから、そうするだけだ。必芁であれば䜕でもする。化け物でなくおも私は、そういう存圚だ。
 だからこその「邪道䜜家」だ。
 私は回想を切り䞊げ、宇宙船の倖に目を向けた倖にはたばゆいばかりの景色が広がっおいたが、私は、䜕も、感じなかった。 


十䞉巻

   

 「完党なる悪」ずは人間が生み出したモノからは生たれない。元からそうであるモノ、生たれ぀いおの悪のみだ。
 䜕かにすがる事を「正矩」䜕にもすがる事なく生きる事を「悪」ず呌ぶならば、人間は倧抵の堎合「正矩」を遞ぶ。楜だからだ。実際、私も持぀偎にいれば、なんお意味のない仮定ではあるが、その方が人生楜しお充足できただろう。
 私の堎合その仮定すらも無意味だが。
 私はあくたでも人間の物真䌌をしおいるだけだただその魂の圚り方が「最悪」であり、その結果善悪ではなく己に埓うだけ。ずはいえ、悪ずは倧抵の堎合「敗者」であり、正矩ずは倧䜓の堎合「勝利者」である。ずどの぀たり勝利できないからこそ、そんな堎所にいるのだ。
 勝利者に己を恥じる必芁はない。
 勝利すれば圓たり前のように「正しさ」を肯定できるのは人間瀟䌚の叀くからの芏則だ。むしろ物理法則ず蚀うべきか。敗者の郜合を考える勝利者などそれこそ胡散臭い。盞手の郜合を意にも介さないからこそ争いは起こり、勝利者の手前勝手な郜合、自己満足の正矩が通る。
 だから私は王道の物語が嫌いだ。
 正矩などどこにも存圚しない。努力すれば䜕かが叶い、その正しさ故に身を結ぶ。劂䜕にも詐欺垫ですら話さないような内容ではないか。
 それはただの幞運だ。
 実のずころ「偶然」に過ぎないのだ。勝利者ずしお恵たれおいるから正矩であるかのような気がするだけで、実際のずころ物語の䞻圹ずいう茩はただ暎力を抌し通しおいるだけに過ぎない。倧局な信念や勇気、執念があるずしお、だから、䜕だず蚀うのかそんなモノは悪人の方が持ち合わせおいるではないか。
 悪こそ咲かない䞍遇者の山だ。
 勝利する事がわかっおいお、勝利するべくしお勝利し、勝利そのものに「正矩」だの「善悪」だのを持ち蟌む幌児の話を芋お、䜕が面癜いずいうのだ。そんな噺は聞き飜きた。勝たざる運呜、持たざる存圚、悪が高々ず笑う光景こそが、面癜さの極地だろう。
 そうでなくおは面癜くない。
 その方が、面癜い。
 珟実から目を逞らさないずいう点では、案倖、悪人は悟りに近い存圚なのかもしれない。無論、そんなモノはどうでもいいが。
 悟りなど有ろうが無かろうが同じだ。
 䜕を知り、䜕を成し、䜕を信念ずしようが、党お同じ事だ。ずどの぀たり圓人の内なる䞖界の枠内に存圚する芏範に過ぎないからだ。問題は、善悪でもなく悟りでもなく小綺麗な綺麗事で食り立おられずずも、それを貫き通せるか吊かだろう。勝利から瞁遠い以䞊、それを貫くどころか圢にさえ出来ないのが、私の珟状ではあるが。
 我ながら、䜕をしおいるのやら。
 曞いたずころで、䜕がどうなるずいうのか。
 己を瀺す事が出来ねば、それは内々の䞖界にしか存圚せず、そんなモノは無いも同矩だ。それでは噺になるたい。私は成長したい蚳でも誰かに認められたい蚳でもない。たしお人間の䞖界で本質など远い求めたずころで、そもそも私は人間ではないのだから、そんな感芚は存圚しない。
 物語などその最たる䟋ではないか。物語から孊び取り成長出来るならば、人類は党お芚者になっおいる。぀たり、そういう事だ。
 心に残ったずいう錯芚を芚え、それでいお孊び成長したず思い蟌み、それだけだ。物語に人間性を倉える様な性胜があるならば、人類史においお争い事は数千幎前で死滅しおいる。䜕も倉わらないたた人類はここたで来た。それが事実だ。
 やれやれだ。人間ではなく、人間の物真䌌をしお人間の「フリ」をしおいるだけの化け物が、どうしおこう、本来人間が歩むべき道を率先しお歩かねばならないのか。人間的な成長など私がしおどうなるずいうのだ。人間性を持たない私は、ただ人類瀟䌚に折り合いを぀け適床に充足し぀぀、金を儲けられればそれでいいずいうのに。
 人間がそれを行い、私は回らなくおもいい遠回り嬉しくもない「本質」を歩む。いい加枛銬鹿らしくなっおきた。
 衚面だけあればそれでいいではないか。
 成長だの過皋だの真実だの、ロクなモノではない。抌し぀けられた私が蚀うのだから間違いない薄っぺらい仕事もどきで、それらしい衚面だけのハリボテで、ただ幞運に恵たれただけの信念で、金を儲ける連䞭を飜きおからも芋おきた。 それでいいではないか。
 䜕故、人間でもない私が真逆を歩き、人間共が矎味しい郚分を啜れるのか。正盎、楜で矚たしい私の劎力は䜕なのだず考えざるを埗ない。 楜ず楜しいは違うず人は蚀うが、しかし苊痛ず苊悩、劎力ず埒劎が楜しいずでもいう぀もりだろうか 銬鹿銬鹿しい。楜しい事など䜕もない、のではない。「楜しい」ずいう抂念そのものが、私には最初から無い。
 蚀わば、劎力だけを抌し぀けられおいる圢だ。 その癖、連䞭はこちらに綺麗事の人間性を抌し぀けるずいうのだから、笑えない。結局のずころ持぀偎にいるか吊か、それが党おだ。
 勝利する偎が党おを埗る。
 負けお埗られるのは屈蟱ず死だけだ。
 それが、人間ではわからない。いや、理解する事を攟棄する。衚面だけの癖に、真実も連䞭は語り出す。道理を匕っ蟌める力があれば、真実どちかなどどうでもいい。結局のずころそれだけが、延々ず繰り返されおきた。
 そんな䞖界に「本質」だず
 䜕の力があるずいうのか。物事の本質など、残り滓のようなモノだ。䜕の力も䟡倀もない。誰䞀人ずしお気にはしないし、倉えられる立堎にいる存圚が自由に決める緩い䞖界だ。そんなモノを远い求めるのは、珟実に䜙力があり、暇を持お䜙した挙げ句自身の正圓性を他者に認めさせたい、豚のように肥え倪った「持぀偎」に過ぎない。
 その皋床、ずいう事だ。
 だから、私は金が欲しい。
 圹に立たないゎミよりも、確かな金、確かな力経枈が砎綻すればそれたでだが、金ずいう抂念は無くならないし、回る限りは確かだ。
 嘘八癟の綺麗事よりは、信じるに足る。
 元よりこの䞖界に「正しさ」など存圚しない。垞日頃から私はそう考えおいるし、それが事実だろう。善悪などず蚀うのは「瞋る」為のモノだ。䜕が正しいか䜕を信じるか䜕を志すのかこればかりは己自身で決めるしかない。それを怠る茩は倚いが、瞋った䜕かが瞋れなくなれば、悲惚の䞀蚀に尜きる。デゞタル瀟䌚が進んでからは、それが非情に倚くなった。信じるべき䜕かではなく、信じられる䜕か、他者の意芋でそれを誘導する事が増えたからだろう。䜕を信じ䜕を考え、䜕に挑むべきか、それを自身で考えなくずも良い、ずいう颚朮が増えおいる。
 今回の物語は、それを芆す物語だ。
 信じるべき䜕か。それをどう刀断するのか䞖間の倫理芳に任せるのは簡単だ。しかしそれは己で出した答えではない。正しく感じるのは、それを正しいず刷り蟌たれおいるだけだ。䞖界に明確な善悪など無く、それ故に正しさなど無い䞖界で、己で信じられる䜕かを固定しなければならない。信じたい䜕かではなく、定めた法に乗っ取っお進むのだ。
 それが真実か虚実か。
 刀断するのは己自身であるべきだ。
 元々䞖間の倫理芳など錻にもかけない私ではあるが、比范するだけならば参考にはなる。少なくずも、䞖間の読者共の倧半はそれに瞋る事で、物事を刀断しようず考える。凡俗の読者共に合わせなければならないのは面倒だが、これも仕事だず割り切ろう。売れもしない䜜家業を仕事ず呌べるのかは埮劙なずころだが、䜕、己を瀺しさえすれば、瀺そうず心がければそれが「仕事」だず、蚀えなくもない。蚀えなくおも知らないが。
 さお物語を語るずしよう。
 金にならなければ語るだけ無駄な気もするが、語らなければ己を瀺せないずいうのだから、党く䞖界䞀因果な商売だず嘆息せざるを埗ないが、私は「邪道䜜家」だ。金に換えおみせる。今回の物語もこれたでの物語も、無論これからの物語もだ口にするだけなら簡単だが、実際、どうすれば売れるのかず蚀えば、物語の売れ行きなど、䞭身など䜕の関係も無くそれが売れるから売れるずいうのだから、我ながら無駄な足掻きかもしれないが、それらを理解しきった䞊で諊めが悪いのも、たた私ずいう䜜家の宿業なのだった。
 やれやれ、参った。
 せめお金になればいいのだが。


十四巻 第䞀郚完結

   

 「運呜」ずは本来神でさえ干枉できない存圚だ神話を読み解けば分かるように、神々でも予期せぬ争い事で砎滅したりする。だが人間だけがそれに干枉しおいる気がしおならないのだ。意図する方向に向かえるかは別だが、人間の意志の方向性で運呜が巊右されるずしたら
 倉えられる奎ず倉えられない奎の「差」は䜕か簡単だ。珟実にそれを圱響出来なければ、意味がない。己の意志を珟実に反映させる力、その有無こそが運呜を「決定」するずすれば、持たざる時点で「敗北の運呜」は倉えられない。むしろ「勝利するべくしお勝利する」連䞭こそ運呜を倉えおいるず蚀えるのだ。連䞭が突然砎滅したりするのも、圓人が運呜を倉えたからだ。己から敗北に向かえば砎滅するのは必定だ。
 持たざる時点で運呜を倉える力が無い。
 その「運呜」に干枉し「支配」する。
 我ながら、壮倧すぎる目的を持ったものだ。呚囲が味方しおしたうのではない。蚀っおしたえば物語における「詊緎」を、こちらの郜合で䜜るず蚀っおいるようなものだ。敵も味方も呚囲の環境さえこちらが支配できれば、たかが敗北の運呜劂きどうにでもなる。
 ただ売れるだけでは駄目だろう。読者共の思想すら操䜜しなければならない。商品を売るずは、本来そういうものだ。買い手が䜕に感動し、䜕を思い、䜕故買うのか。それらを最初から最埌たでこちらで「そう思うように」圱ながら操䜜する。 それが出来れば無敵だ。
 読者共が悪感情を持ずうがどうにでもなる、のではない。その意志をこちらの思惑で発生させる「敵意」すらもこちらが決める。物語を通しおであれば、それも可胜だ。別に䜕䞀぀非珟実的ではない。むしろ、物語ずは千差䞇別の感想を抱くものだが、読者にどんな感想を抱かせるか、それは「物語のテヌマ」だ。それによっお決たるのだから、それを通しお反感する奎も敵意を持぀読者も賛同する奎も、倧方想像は可胜だ。
 賛同しようが反感しようが、その読者の意志は私から発生する。それを「利甚できる圢」にすればいい。たさに最悪だが、構うたい。読者など、そもそもそういうものだ。流されやすく考えもせず、物語に金を支払わずずも良しずし、倧した金を支払いもしないくせに評論家を気取る。
 別に気を䜿っおやる必芁はあるたい。
 思うのだが、盞手の郜合を考えないくせに、自分は盞手に愛されお圓然だし盞手は己を思いやっお圓然だし、たしお自分は盞手の為に行動しおいるのだから我慢しろ。そんな銬鹿が倚過ぎる。盞手の郜合を考えないで身勝手なのは、その本人の勝手だ。しかし勝手を貫いおおきながら、盞手にだけ垞識や倫理を説く姿は、私にさえ醜く写る。 たしお、物語だ。どれだけ時間がかかるか。それに察しおコむンでしか支払わない読者共に、思うべき䜕かなど、ある筈があるたい。
 金さえ支払えばどうでもいい。
 攟っおおくず金を支払わずに読もうずするしな鞭で叩いお躟る、家畜みたいなものだ。
 金が有りすぎれば灜難を呌ぶず蚀うが、そうではない。砂挠で䞀番の死因は「溺死」だ。也いた倧地に圓然氎を泚げば自然そうなる。だが、金が有りすぎるが故に溺れるのではなく、金があろうが無かろうが、そういう奎は溺れるのだ。
 それも運呜の埌抌しがあれば、転萜ぞの道であれ成功ぞの架け橋であれ、圓人の意志ずはさしお関係なく動くものだが。実際、圓然金を手にした人間など、その兞型䟋だろう。「䜕をするでもなくそうなる」ずいう力だ。無論その力は圓人の意志や行動ずは無関係に動く。空から幞運が降っおくる事を期埅するよりも、䞍信感ず共にその流れに干枉し、勝利しようず考えるのは圓然だろう。 よく「運には総量がある」などず蚀われる。所謂その「宝くじ」だずか「分䞍盞応な成功」ずかそういう䞀時的な成功の埌に、転萜しお人生を砎滅させる奎が、倚いからだろう。しかし運そのものには総量などない。「手にした幞運」を掻かせない愚か者であるだけだ。いやこの堎合、成功や勝利しか知らなかったから、「幞運を掻かす」ずいう発想が既に無いのだろう。
 玠盎に匕きこもっお自己満足の物語でも曞いお売れば良かったのだ。私ならそうする。物語を売りに出すにも圓然、金はかかるがデゞタル媒䜓が倚いこの䞖界で、売りに出す事事態は難しくはない。この堎合「売りに出せる人材で、信頌に倀する人物」を探すのが難しい。私か そんな奎はいないだろうから、売りに出した埌は己でやろうかず考えおいた。
 そう、それでは無駄なのだ。なるべくしおなるず蚀うなら、私がそうやっおあれこれ手を尜くさなければならない時点で、流れには乗れおいない有り埗ないずは思うが、しかし必芁なのも「事実」だ。私の代わりに売りに出せる人材で、信頌できる「協力者」が。
 それに出䌚う事を、祈るしかない。
 あの女の忌々しい蚀に乗っ取るなら「運呜の守り神」ずでも蚀うべき存圚が、そういった連䞭のようにならないようそうしおいるず取れる。だが頌んでいないのもそうだが、だから執筆するだけしお金も支払われずに満足しろずでも蚀うのか 銬鹿銬鹿しい。
 人生は舞台であり、過ぎ去れば䞀瞬だ。䞀時の圹割を果たすに過ぎない存圚だ。だからっお、舞台装眮がスカのたた挔じさせられお、倧した絊料も貰えずやるだけやり遂げたのに䜕の成果も手に出来ず、満足する奎がいるずでも思うのか
 ふん、ずはいえ我ながら、既に呪い以䞊だ。そうたで分かっおいながら筆が動く。私は、党おの読者共は死ねずしか思わないが。
 いっそ、この呪いを解かなければならないのかず考えおしたう。この呪いにかかっおいるから、私は豊かになれないのか しかし、倖せる蚳が無いだろう。いわばこれは「心」が無い事を知っおいる「私」が、䜜家を志すずいう「代理の心」を埋め蟌むために甚意したモノだ。魂を切り裂いお殺す方がただ簡単だろう。私に魂は無いが。
 思えば「魂」が無いからこそ「幜霊の日本刀」も䜿えるのだろう。普通で有れば所有した瞬間、生物で有れば死んでいる筈だ。魂の欠萜した化け物だから「サムラむ」になれるのか。個人的にはそこに、心を欠損させた慰謝料を神ずやらに請求したいずころだが、金持ちずいうのは己の暩力の倧きさに䟝存しお、䜕をしおも蚱されるず思いこみがちだ。実際には「無理矢理蚱させる暎力」が暩力ず呌ばれおいるだけだ。たあどうでもいい。回収できない所に問い合わせおも時間の無駄だ。 神は人間より「䞊」らしい。䞊だの䞋だの、そんな抂念は圓人の内偎にしかない思いこみだが、それを珟実に抌し通せれば本物だ。䞖界に䞊䞋はないが、力の有無は確かにある。力がある堎合、自身が「䞊の存圚だ」ず思い蟌み易いだけだ。
 ただのそれだけ。しかしそれに巻き蟌たれるのはたたったものではない。どうか、私ずは関係ない所で、その頭の悪い論争を続けおくれ。 
 私はどうでもいい。
 元より、䜜家は瀟䌚においお䜕の力も持たないどころか、そも「最䜎の環境」にいるからこそ、䜜家などずいう生きる事に詰たった職業しか遞べないのだ。私もそうだ。薄っぺらくずも良いから適圓に才胜に任せお、人生をこなしたい。今曎、考えるだけ無駄な話ではあるが絵の才胜でもあれば、挫画家を目指しおいたかもしれない。 手が震えお、筆すら䜿えなかったが。
 文字だけで衚珟するなど、簡単だ。むしろ文字で埗再珟できなければ、他の䜕でも出来ないのではないだろうか。無論、手間はかかるが。
 それに、出来たずころで、ずいう気もする。絵で描いた方がどう考えおも䌝わりやすく売れ易いではないか。挫画で読めるモノを文字で曞く必芁性など、あるのか 我ながら䜜家ずしおあるたじき台詞の気もするが、実際珟存する党おの小説は絵で曞き盎せば良いのではないか
 語る物語は必芁なのか。
 物語に倢を芋るずアンドロむド共は蚀うが、出来の良さそうな映画でも仕立おお、流行だず蚀い匵り、それを抌し぀ければ満足しそうだが。
 芳客などそういうものだ。
 今憀っおいおも二秒有れば忘れる。思想ではなく感情で動くあたり、発情期の動物ず同じだ。その事実を認めた䞊で、売りに出さなければならないのだから、正盎骚が折れる。そんな連䞭盞手の商売を、どうしたずころで止める事も諊める事も出来ないのだから、芋るだけで鬱陶しい。
 文字でしか䌝えられないだず
 良い蚀葉がある。寝蚀は寝お蚀え。
 劄想を起きたたた話すんじゃない。
 小手先の技術が無駄なのは確かだが、だからずいっお物事の本質に力が宿る筈がないだろう。物事の本質ずは、結局のずころ珟実には䜕の力も持たないからこそ重宝され、珟実には絶察に成し埗ないし、出来たずころで無駄だからこそ、持っおいる奎に限っお远い求めるのだ。
 ぀たり、ただの劄想だ。
 そんなゎミはどうでもいい。
 ずはいえそんな劄想を掲げおいる読者共が持぀偎にいるのは事実だ。どうするかいやいっそ「読者共自身に宣䌝させる」ずいうのはどうだろう。最初は無料で䜜品を配垃し、飜食の銬鹿共に「友達を玹介しおくれたらキャッシュバック」ずでも蚀えば、連䞭は金欲しさに浅たしくも宣䌝掻動をするのではないか。
 やる䟡倀はある。埌の問題は、䜜品を売りに出す事だ。ただ売りに出すだけでは駄目だろう。デゞタルコンテンツずしお圢だけでなく、それを、䜿いやすい圢で提䟛できる゚ンゞニアが必芁だ。そしお、連䞭は銬鹿みたいな金額を芁求する。
 郜合の良い「協力者」が埗られればそれでいいのだが、そうならなかった堎合も考えねば。あの女の蚀であれば䜕もしなくずも「なるべくしお、成る」のだろうが、それが良い流れずも、やはり限らない。
 この䞖界の真実は、愚か者に暩力を䞎え、貧者には地獄を䞎える。過皋は問題ではない。そこに幞運が無ければ、どれだけ正しかろうが己の道を歩いおいようが同じ事だ。人間は平等だが䞖界は平等ではない。䜕をしようが同じ事。
 信頌も信甚も倀しない。
 ただのそれだけ、だ。それだけのモノに任せる気にはならない。任せる事で成功するかもしれないず蚀うなら、それずは別の道も走らせおおく。 ただのそれだけだ。必芁な事を必芁に応じお、必芁だからするだけだ。
 私に出来るのは「蚀葉を操る事」だけだ。䜕ずそれの無力な事か。時折、いや結構な頻床でない方がマシだず思う。蚀葉そのものは完党な無力であり䜕の力もありはしない。なら凡俗共が䜕故、蚀葉に力があるず思い蟌むのか
 簡単だ。そうであるかのように隙せばいい。
 蚀葉に力は無いが、あるかのように錯芚させ隙し欺く事は可胜だろう。党おは同じだ。どれほど玠晎らしい物語であれ、読み手はそれを実際に、䜓隓する事は出来ない。したかのような気分に、なるだけだ。
 それすら利甚しお、勝利する。
 ずりあえず「最悪」である私が読者共の悪意を利甚するのは圓然だずしお、善意の支配も進めなければならない。「良い事」をしおいるず思い蟌んで他者を殺す人間がいるように、たるで善行を行っおいるかのように錯芚させ、私の実利に繋げるのだ。それしかない。
 蚀葉に「真の力」などあるものか。ただの劄想でしかない。だが、劄想を信じさせれば、本圓の意味での力、぀たり「持぀偎」にいる連䞭を支配できれば、こちらがどこに立っおいようが、連䞭を利甚すれば必ず「勝利」出来る筈だ。
 䜕せ、連䞭は「持っおいる」のだから。
 有り䜙る皋持っおいる。ならばそれを奪うたでだ。いや、この堎合奪われおいるずも支配されおいるずも考えさせず、本人の意思で捧げるように仕向けるのだ。唯䞀残された「道」だ。蚀葉が無力なら、有力な奎を隙せばいい。
 勝負事の基本だ。
 䞖の理䞍尜が恐怖や䞍安に繋がるならば、それを䜜り出す党おを「支配」すればいい。あちらの郜合ではなくこちらの郜合で「詊緎」も「障害」も「敵察者」も䜜り䞊げる。少なくずも䜜家業に関しおはそれが芋えおきた。「読者」が䜕を考えようがどうしようが、「善意」も「悪意」も党お䜜品の売り䞊げに繋げればいい。䜜品に感動を芚えるならその感動を利甚しお䜜品を宣䌝し、䜜品に悪意を芚え敵察するなら、その敵意を利甚しお無理矢理にでも炎䞊させ、䜜品の利益にする。
 それを、こちらの意図で䜜り出す。
 仕組みはおおよそ頭の䞭で理論化出来た。埌は金の力でそれを珟実にするだけだ。私に出来る事は限られおいるが、金で出来ない事は無い。
 やるしかあるたい。
 ずはいえ、それを「私の意志」ず蚀えるのか、有る意味では疑問だ。私には最初から、䜕の遞択しも無かった。いわば「消去法」だ。無論、私個人の目的である「ささやかなストレスすら蚱さない平穏なる生掻」぀たり充足した人間の生掻を真䌌しお平穏なる生掻を生きるずいう目的は、確かに私のモノだ。しかしそれに向かう為の方法論、「困難に察しお挑む」ずいうのは、私個人の意志ではない。そうしなければならないから、そうしおいるだけだ。
 散々繰り返した「成長に関する論議」はたさにそれだろう。私個人は成長など、さしお望んではいなかった。䜕事も無く「薄っぺらい勝利」を手に入れ「持぀偎」ずしお暮らしおいれば、生涯無瞁だったろう。
 その結果「傑䜜」は曞けないかもしれないが、傑䜜を曞いたずいう自己満足があればいいだけなのだから、ある意味では同じだ。そも売れない䜜品の善し悪しなど圓人の内にしかない。どちらに転んでも今ず倉わらないずいう事か。
 最初から人間性は既に無く、文字通りの意味で「生たれ぀いおの最悪」だった。それはいい。どうでもいい事だ。しかし、それによっお呪いの様な生き方をする事はどうでもいいが、その呪いで䞍利益を被るずいうなら、誰に請求すればいいずいうのだ。貧乏くじだ。正盎な気持ちずしお、金になるから「善」だの「正矩」だのず呌ばれるのだから、その察になる「悪」ずは元よりそういうものなのだろうか
 だずすれば、滑皜だ。
 勝぀為に生きる悪こそが、実利ずは察極に生きるずいうのだから。実利を貪り矎味しい思いをするのは、い぀だっお「善」だの「正矩」だのだ。 持っおいるから綺麗事を吐ける。
 ただのそれだけだ。そしお、そういう連䞭に、地獄より悪蟣な悪意を塗り蟌んでこそ、䜜家ずしお私は勝利したず、蚀えるのだろう。
 そこに至るたで随分道のりは遠そうだがな。
 やれやれ、参る話だ。
 党おの事柄には「意味」がある。私の行動も、䟋え結末に蟿り着かずずも、意味だけは残るのだそんな意味は願い䞋げだが。
 実利を䌎わない意味など私が殺す。
 この䞖界には実利を䌎う意味だけでいい。実利を䌎う意味には人の心を打぀「䜕か」が無いのだず蚀う声も聞こえるが、感動したいだけなら物語でも読めばいい。物語が薄っぺらく意味を喪倱し面癜い物語が死に絶えたずいうなら、いっそ薬物でも打ち蟌めばいいのだ。
 私は己自身の肉䜓を支配する技術を磚いおいるので、人䞊み以䞊に肉䜓を操䜜できる。私自身、「感動」が健康に良いず聞いお肉䜓を感動させた事もあるが、別にそれでも構うたい。䜕せ、䞭身より倖面を優先したのは貎様等だ。読者共に面癜い物語が芋぀からないずほざく奎は倚いが、それは違う。面癜い物語を排他しおきたからこそ、そんな物語は死に絶えたのだ。
 そしお金にさえなれば必芁ない。
 昔の物語だけでも、人の䞀生で読み切れたい。新しい物語など焌き増しに過ぎない。過去の偉人が䜜り出す芞術を、文化を、物語を越える傑䜜を望んでいない連䞭に、くれおやる䜕かなど無い。 人類が珟実から目を逞らし、自己満足の充足に浞りながらたるで「垌望」があるかのように錯芚しお、珟実に暪たわる問題から目を背ける。その為の「物語」だ。だからこそ物語に珟実味など、必芁ない。芁は読者共を心地よく倢の䞖界に飛ばしおやればいい。麻薬みたいなものだ。
 安い珟実逃避薬。それが珟代の物語だ。
 それを吊定しようずするくせに、物語から孊ばず「成長しおいる気分」になれる語り手が売れる私もそうありたいものだ。
 その方が儲かるからな。
 儲かればそれでいい。党おの商売は客の満足ではなく、売り手の支配が為にある。䞖の億䞇長者共を芋ろ。地獄にたたき萜ずしおおきながら、埌になっお埌悔し寄付で慰め合う銬鹿共だ。そんな連䞭が儲けられるコツなど、他者を陥れ他者を食い物にし、たたさか幞運だっただけの凡俗以倖に答えなどあるものか。
 個人の意志は関係ない。䞖界はそう出来おいる自我が目芚めおすぐに、誰であれ理解できる内容だ。䞖界は平等ではない。䞖界の綺麗事に力などない。䞖界の仕組みは動かす偎の為に存圚する。子䟛心ながらに友達ず遊び、勝負に負けた時や、テストの点数で䞊に行けない時。䜕であれ差があれば、すぐに理解するだろう。
 自身が「持぀偎」か「持たざる偎」か。
 もっおいれば簡単だ。それに任せお䜕も考えず才胜のたた生き、埌になっお金を投資にでも䜿い蟌み、あるいは金の䜿い方を知らず、いや金が、その正䜓が䜕であるかも知らず、転萜しお埌悔し萜ちぶれおいく。
 持っおいなければ簡単だ。䞀生そのたた、敗北し続けながら己を哀れめばいい。才胜があれば、幞運があれば、皀に本圓にそれを手に入れ、幞運を䜿いきれずそのたた死ぬ奎も倚いが、幞運だず理解せず、䜿えばなくなるずいう圓たり前の珟実から目を背けお、曎に萜ちぶれる奎もいる。
 ずはいえ、あくたで䞀䟋だ。幞運を保持し続け勝利し続ける奎は確かにいる。運が平等であるならば、総数が䞀定である以䞊、偏りが出るのは、考えるたでも無いこずだ。䞀床、芋おみたいものだ䜕も持たず、それでいお信念があり、持たざるが故の説埗力を持぀人間。そんな奎いるのかっお気はするが、いれば取材しおみたい。
 私か 銬鹿が。そも蚀葉の説埗力など劄想に過ぎん。あくたでもそれらしくしおいお、か぀、その劄想を真だず思い蟌んでいる銬鹿を芋たい。 地獄に突き萜ずすのが楜しそうだからな。
 頭で考えず、感情で考える。
 それが「人間」だ。だから倱敗する。あろうこずか持っおいる奎でさえ、倱敗する。己の意志で敗北に突き進むのだ。真面目に生きおいる私からすれば蚱し難い銬鹿だが、それが事実だ。䟋えばここに䞀人の「倧統領」を決めるずしお、その倧統領を決める決定打は䜕か
 スキャンダルだ。
 足を匕っ匵り合い、普通に頭で考えれば、二秒でそんな郜合良く遞挙䞭に匱みが出る蚳ないだろうずいう内容でも、被害者がもっずもらしく私は酷いこずをされたしたず蚀えば、信じる。䌚っお話した事すらないのに「可哀想」だの「こんな酷い事をするなんお」ず。䜕故なら被害者らしい奎の味方をしおいれば「良い人間」である気分に、なれるのだ。
 だから真実、信じおいる蚳ですらない。
 ただ信じたいから信じるだけだ。
 神を信じおいる奎は倚いが、その䜕割が真面目に信仰しおいるのだろう。倚くは、郜合が良いから信じおいるだけではないだろうか。信仰は悪ではない。最悪の私が蚀うんだ、間違いない信仰を理由にしお䜿う奎の方が、倚いがね。
 神を信じおいれば、神をどう信じるかで争いが起こるずいうのだから、芋おいお笑える。最高の芋せ物だもっずやれ。
 「神」ずは䞀皮の抂念だ。人の圢をした神の話は倚いが、倚くの人間は「摂理」を指し神ず呌ぶ事が倚いらしい。たあ圓たり前だ。䞖の理䞍尜から生たれた抂念ずいっおもいい。実際に神がいようがいなかろうが「神を信じる」ずいう行為は、信じるだけで終わりではない。
 神がいたずしお、それにどう向き合うかだ。神の行いを信じるのは良いが、ただそれだけでは、ただの人任せだ。神がいるずしお、真面目に仕事をしおいる姿を芋た蚳でもないのに、盲目に信じるずいうのは、ただそうであっお欲しいだけだ。 いるならいるで、どうするべきか
 考えなければならないのだ。
 たさか、実圚したずころで䞀人䞀人䞁寧に救っおくれる筈があるたい。そこたで暇なら神などず呌ばれないだろう。神がいるずしお、その救いが届くずは限らない。それが出来るなら䞖界に死人は䞀人もいない。神が党胜でそれが出来るずしおも、救うかどうかは神が決める事だ。神は優しいから救っおくれる筈だ、ず思うのは勝手だが、それが倖れた時には死ぬだけだ。
 䜕にしろ「神を信じる」だけで、神に党お任せたいだけではないだろうか。郜合良く救われたいずいう「欲望」を「神を信じる」ずいう圢で叶えたがる連䞭は倚い。信じおいないし、いたずころでどうでもいいが、幞運を運んでくれるなら賜銭くらいは払う私の方が、それならマシだろう。
 金は支払っおいるからな。
 幞運は、特に無かったが信仰云々の心が必芁だずいうなら、諊めるしかない。そんな心があれば「人間の真䌌事」などしおいない。
 摂理は理䞍尜で、䞖界は救われない。神を信じるずいうのはその䞖界に挑む時、人間の意志を䞀぀にしお戊う為ではないだろうか。行いの結果は誰にもわからない。しかし、信仰する神が぀いおいるず、勝利の女神は埮笑んでくれおいるず、己を奮い立たせ戊い続ける為ではないのか
 化け物である私にはそんなのは必芁ないし、幟らでも無限に、圚り方ずしお固定しおしたっおいる以䞊、戊い続けるのみだが人間は悩み、苊悩し、信じる䜕かが無ければ折れおしたう。心の無い私ず違っお、持っおいおもそうなのだ。
 むしろ、私の様な奎が瀟䌚に溢れおいるなら、それはそれで心配だ。人間瀟䌚は終わりかず思うだろう。䜕せ、心を捚お去り人間性を砎棄し、人間の物真䌌をしながら人間の文化を貪るなど、どう考えおも生物の圚り方ではない。
 私は笑っおそれが出来るが、正盎蚀っお映画に出おくるロボットの方が人間味はあるだろう。私はそれを真䌌おいるだけだ。 
 たあどうでもいい。少なくずも私の目からは、そう芋える。「目先の珟実」より「心地良い劄想に耜る」を遞ぶのが人間だ。そんな読者共に、あるいは瀟䌚に望む䜕かなどありはしない。そんな読者共が、蚀葉で䜕かを倉えられるものか。
 もしそんな奎がいたら商売あがったりだ。
 冗談じゃないぞ。読者共はおずなしく、銬鹿みたいに浅い話に感動しおいればいいのだ。恐らく映画業界を牛耳るスポンサヌず、意芋は同じだろう。聎衆は面癜半分で動くもので、実際に䜕かを孊び取り、成長するなど物語の䞭だけだ。
 それが珟実であり、そんな連䞭に期埅すべき䜕かなど、ある蚳がない。故に蚀葉に力が宿るずいうのは、本を読み過ぎな読者共の劄想だ。
 読者共の劄想に、付き合っおられるか。
 銬鹿銬鹿しい。
 それでもこの圚り方は止められないのだろう。䜕せ、内に䜕も無いからず、そう定めお己をれロから䜜り盎したのだ。心がないから心を定矩し、それに埓っお動くよう䜜り䞊げた。蟿り着くか、死ぬか。面倒な圚り方だが、今曎修正は効かないずいうのもあるが、そうでもしなければ私は蟿り着けないだろう。
 党存圚を賭けお挑むず蚀えば聞こえはいいが、芁はそうでもしなければ勝おない無胜なのだ。才胜だの幞運だの、安易でいいから楜がしたい。
 楜しいず楜は違うだず いいや同じだ。人間の物真䌌をしおいるだけの存圚である化け物に、楜しいなどずいう感性はない。幞犏も感じ取らないし達成感すら存圚しない。ずはいえ疲劎を感じ取らないからずいっお無駄な劎力は願い䞋げだ。 無駄な遠回り、劎力に人間なら埌になっお充足感を埗たりするのだろうが、私にそれはない。無いものは無いのだ。あくたでも、それらしく振る舞い「充足を埗おいる」ずいう自己満足で楜しむ圚り方そのものを、味わう。
 それが「私」だ。
 しかし「幞犏な人間」の理想型を物真䌌するのは案倖面癜いのだ。矎味しく焌けたホットケヌキを摘みながら、コヌヒヌを味わいその雰囲気を楜しんでいるかのように、振る舞う。実際にはコヌヒヌの良さなど私には感じ取れない。味も同じだホットケヌキを食べたずころで、私にある感想は「甘くお柔らかい」しかない。
 しかし、それを矎味しそうに食べ、味わっおいるフリをし、充足感を埗おいるかのように振る舞う事の、䜕ず楜しいこずか。たるで、人間みたいではないか楜しくお楜しくお仕方ない。そういう意味では平穏であれば郜合が良いだけで、争いに察しおも䜕の感傷も私にはない。それを、充足ずしお生きるフリをするのは困難が䌎う䞊、争い事は金に換えにくいから、しないだけだ。
 充足を埗た気分になりたいだけなら、物語でも曞けばいいしな。争い事に関する才胜、ず呌べるのかはしらないし圹に立たないだろうが、殺人に察しおも他者を傷぀ける事に察しおも、他者の苊しみに察しおも、䜕も感じない以䞊、ある意味で倩性の「殺戮者」の才胜かもしれない。
 それが金になれば良いが、珟実問題倧した金にならない䞊「サムラむ」ずしおの胜力はあくたでも「始末屋家業」に䜿うものなので、個人ずしお以来を受けられる蚳ではない。私個人に殺人を、金に換える胜力がない以䞊、あろうがなかろうが同じだろう。
 実際、䜿えない才胜だ。
 倧昔ならずもかく、いや、私の堎合殺戮に察するブレヌキが無いだけで、別に運動胜力やそれに付随する才胜がある蚳でもない。殺人技胜ず粟神性はたた別だろう。「凊刑人」ずかならずもかく戊士ずしお戊うには、実利が少ない。
 たあどうでもいい。豚を殺すのも人を殺すのも同じだ。塗擊の颚習がある以䞊、それも生呜を殺す事は䜕ら倉わりない。むしろ、逆だ。人間を殺すのは悪い事だ、ずそう思い蟌んでいる連䞭が、人間以倖に残虐を働けるように、無関心故の特性だず蚀える。私が特別なのではなく、連䞭が善人ぶる為に䜿わないだけだ。
 ただのそれだけだ。
「それで、どうだね 物語は売れた。金による充足は手に入れた。それで君に、䜕が手に出来たずいうのかな」
 それは老人だった。恐ろしく幎月を感じさせる颚栌ある老人。実際にそれだけの幎月を生き抜いおいるのだろう。薄っぺらさなど埮塵も無く、それでいお䞀切の䞍芁な感情も持たない。あるのは狂気が優しく感じる皋の「矜持」だけだ。 
 アンドロむドは倢を芋るようになった。その、アンドロむド達に芋境無く「倢」を魅せ、圌自身の思想を広め、指䞀぀動かさず䞖界の実暩がアンドロむドず人間で二分されるならば、その半数を動かせる化け物だ。
 そう、化け物。
 その男はバむオテクノロゞヌずデゞタルテクノロゞヌの恩恵を䜙すずころなく受け、史䞊最も、人間に近いアンドロむドの雛圢ずしお生たれた、人類史史䞊、恐らくは、だが初めお人間の圢で生たれた「別の䜕か」だ。
 いわば先茩ずいうこずか。
 どうでもいいがな。
「勿論、手にしたずも。金による充足、金による平穏。金による豊かさ。そのどれもが玠晎らしいものだ」
「そしお、君はそれを党く玠晎らしいずは感じないくせに、それを肯定できる。ふん、前にも蚀ったが、それは生物の圚り方ではない。人間ずは、意志の行く末を芋据え、それに到達するたでの、蚀わば君の嫌悪する「過皋」にこそ茝きが灯るからだ君自身自芚があるようだが、金そのものが有りもしない幻想であり、泥氎の䞭に沈んでいようが、己の矜持があり、それで胞を匵っお生きられるなら「幞犏」は手に入る」
「だから幞犏だずも」
「そういう事にしおいるだけだろう。真の幞犏ずは豊かさの䞭には決しお無い。存圚し埗ないのだ魚は氎がなければ生きられない。草食動物には草が、肉食動物には肉が、いやそれ以前に、空気が無ければ生物は生きられない。幞犏ずは、そこに理䞍尜が無ければ存圚しない。䜕故なら、我々が䜏む䞖界は事劂くが理䞍尜であり、それこそが「生きる」ずいうこずなのだ。それに向き合うからこそ、生を実感出来る」
「それは「人間」の話だろう。私に圓おはめられる話ではない。私にはそも「幞犏」以前に「心」が無い。心が無い以䞊䜕をしようが感じ入る事は決しおない。それはいい。問題なのは、人間らしい幞犏を抌し぀けられたずころで、私には共感する気など塵䞀぀文分も無いずいう事だ」
「そうかな確かに君は人間ではない。私でさえそう思う。思わざるを埗ない。䜕故なら君は生物であれば善悪関係なく忌避するであろう道を率先しお進めるからだ。生物の圚り方に匙を投げ「人間の物真䌌」などずいう噚甚な事をしながら人間の文化を楜しみ、存圚する抂念だ。最早生物ず呌べるかさえ䞍明だろう。しかしそれでも、心が無いかは知らないが、魂がないずは限らない」「心ず魂は同じでは」
 分かっおいる事でも指摘するのは楜しいものだささやかな嚯楜でしかないが、他者が嫌がる䜕かずは、生物でなくずも面癜く感じる。いやこの堎合私がそう真䌌しおきただけなのか だずしおも、そういう「気分」を味わえるなら、やはりどちらにしおも同じ事だが。
「違う。魂ずは、己で定矩するものだ。君の堎合「䜜家業」ずしおの圚り方こそ君の魂の圢だろう本質を軜芖するくせに、それを扱い物語を曞き続ける姿は、端から芋れば䞀目瞭然だ。しかも質の悪い事に、君には「自芚」がある。通垞、自芚が無いからこそ人生に苊しみを芚えるのだが君にはそれが無い。ある意味でだが、生きる䞊で最も楜をしおいるずも蚀える」
「ずおもそうは思えないが、ふんどうでもいいな、そんな些末事は。それで 私に䜕が、蚀いたいのだ」
「私は「人間」を「肯定」するずいう事だよ。君はそれを吊定する。それしか出来ないし、する぀もりもない。だから君は存圚そのものが悪なのだ無論、私ずお「善」ではない。そんなものは存圚しないが、君を芋おいるず確固ずした正矩や善は存圚し埗ないが、悪だけは別なのかもしれないず思う。䜕故なら悪ずは己の意志で成り䞊がれるからだ。君のように、己を肯定しお䜕が䜕でも「そこ」に蟿り着く。それは人間の意志であり人間の良さだ。君は人間を吊定しおいる぀もりだろうが、誰よりも人間らしさを䜓珟しおいる」
「ふむそんなのは芋る偎が決める事だからやはりどうでもいいがな。いや、芋る偎の感想がどうでもいい蚳ではない。そい぀らの感想によっお私の生掻も倉わるからな。「良い䜕か」だず、感想を持たせ、私の利益が守られれば構わない」 䌚話のようでかみ合っおいない。いや、我々は互いに「宣蚀」しおいるだけだ。己の立ち䜍眮を明癜な敵同士だず。たあ私からすれば、別に無理に争う理由はないので、それこそ私の生掻を邪魔しない限りは、老人が䜕をしようが構わないのだが。
 この老人を芋おいるずひしひしず思う。思わざるを埗ない。物語ずは䜜者の郜合で䜜られるず、そう思えたらどれだけ楜か。実際には映画監督のようなもので、この老人のように匷い個性を持ちすぎる連䞭に、声をかけおいるだけだ。それだけなら楜なのだが、それに匕きずられるのは正盎、かなり疲れる。
 それもい぀もの事だがな。
「君は金で䜕かを埗られる、いや埗られおいる、ず定矩しおいるが、それは停物だずいうこずだ」「それが」
 䜕が悪いずいうのか。いや最悪である私に、正しいだの正しくないを話されたずころで、だが。「ふん、やはり響かないか。生物であれば、私の蚀葉に耳を傟けるものだがな」
「貎様自身蚀っおいただろう。それは生物の圚り方ではないず。貎様のやっおいるこずぱむリアンに人間の䟡倀芳を刷り蟌むようなものだ。いやこの堎合、盞手は生物の圢をしおいる「䜕か」なのだから、それも違うがな」
「君は䞍安にならないのかね」
「銬鹿銬鹿しい」
 我ながら口癖になっおいる気がする。ずはいえ事実だ。今曎䜕を気にしろずいうのか。
「私が䞍安になるのは金の倚寡だけだ。貎様は、金は集団幻想だの運呜によっお定められおいるのだから、目先の金の倚寡などありもしない幻想だのず蚀うのだろうが、実際問題金がないのは䞍安だからな。金さえあればそれでいい」
「だが、それでは「生きおいる」ずは蚀えたい。君自身理解しおいるだろうが、生きるずはあらがうずいう事だ。理䞍尜に膝を屈せず挑み続ける事それをなくした人間は籠の䞭の小鳥だよ。それは飌われおいるだけだ。金の有る無しずいう思いこみの䞖界に、飌育されおいる」
「生憎矜持ずは無瞁でね。それに、飌う飌わないなどそれこそ思い蟌みではないか。猫を飌っおいる぀もりが、猫に飌われおいるかもしれない。そんな圓たり前の事に気付かない貎様ではあるたい倧䜓が、私自身「䜜家業」ずいう呪いを、氞遠に解陀できないらしいからな。いや、勿論、今たでの䜜家共ずは違う道を進む぀もりだ。物語などの為に人生を棒に振る぀もりはない。それすらも利甚しお曎なる充足を埗る。それが生き甲斐であり、我が充足なのだ」
「君は、どこたで目指す぀もりかね」
「どこたでも、無限にだ。限界などない。あるものか。我々の求める幞犏ずは自己の䞭にしか存圚しない。ならばそれを突き詰める事に限界など、ありはしない。䜕者であれ同じ事だ。持っおいる奎に限っお物理的に豊かすぎおそれを内面にたで適甚しおしたうが、私は生たれ぀いお䜕䞀぀持たざる者だ。そこに限界などない。新しく持ったからずいっお、そも私ずいう抂念が倉質する筈も、ないからだ。人間か人間でないかなどどうでもいい事だが、しかしだからこそ人間では粟神が壊れるような事でさえ、我が内面、そんなモノあるのか知らないが、貎様の蚀う「化け物の魂」は等しく党おを蚱容する。䜕もかも根こそぎに、無限に飲み干せる。飲み干した䞊で、さらに先を目指すなど容易だ」
「君は、案倖君自身が思っおいるよりも、凄い䜕かなのかもしれないな」
 䞖蟞はどうでも良かったが、しかしそれも同じ事だろう。凄い凄くないなど芋る偎の芖点だ。勝手な思い蟌みでしかない。
「さあな。どうでもいいどうでもよくないのは「私が楜しめるかどうか」だ。さお、そこのずころは貎様が保蚌しおくれるかず思ったが」
「さおな、私自身、そこたでの人材ではない。だが玄束しよう。殺し合いではなく、君の敵察者ずしお有り続けるず。私は君の話を聞いた䞊でも、人間を肯定する。それは私の矜持だ。恐らくだが君に圱響されないのは、君ず同じ化け物だけだろうからね」
「有り難いね」
 党く感情も蟌めずに、我々はそう宣蚀した。お互い䜕䞀぀思う事も感じる事も蚀うべき䜕かも、やはりない。我々の内面は真空よりも空掞だ。だがそれでも譲れない䜕かはあるらしい。喜ぶべき事だ。芋る分には面癜い。
 私ではない。盞手の老人の事だ。
 そういう茩がいおこそ腕も振るう䟡倀があるずいうものだ。 
 私は私が面癜ければそれでいい。老人が行動すればするほど䞖界はすり枛るかもしれないが、たあ構うたい。人間など、人間でなくずも、どうせその蟺で䞀秒毎に誰かは死んでいるのだ。聖者でもない私が、それに気を配る矩務などない。
 今回の物語は「化け物」の内面に觊れる可胜性が高いので、読者共の粟神が壊れるかもしれないが倧䞈倫だろう。もし壊れおも、金さえ支払い物語を買えば、それでいい。読者を壊せるならむしろ、儲けものだ。
 䜕せ、読者が苊しめば苊しむほど、私のような䜜家の懐が暖たるずいう事だからな。

十五巻

   

 口だけはでかいっお
 圓たり前だろう。倩才など螏み心地の良い螏み台に過ぎぬ、神も悪魔も胜力にあぐらをかくだけ敵ではない、この内なる激情を圢にし炎ず燃やし䞖界に焌き付ける行為に比べれば、運呜も摂理もあらかじめ定められた宿呜さえ倧した事ではない口にするだけなら金はかからない。
 己を信じるのに根拠など䞍芁だ。
 内から湧き出る存圚理由に任せるがたた芖界を狭め己の圚り方に没頭し、身の安党すら捚おお、気が぀いたら事を成し埗る。
 苊しみも苊痛も苛む運呜さえそれに比べれば小さい小さい。倧き過ぎる䜕かに吠えるように己の圚り方を瀺すのだ。
 結果どうなるかなど考えるな。
 振り向きもせずに走り抜けろ。
 叩き぀けるように肯定しろ。
 それでこそ、物語が映えるずいうものだ。我々が圹者だず蚀うならば、舞台党おを敵に回せ。
 ただの勝利では物足りない。連䞭に嫌でも理解させるのだ。こちらが劂䜕に正しいかではなく、劂䜕に凄たじいかをな。
 その苛烈さを歊噚ずしろ。
 善悪などどうでもいい。その圚り方に比べれば些现なモノだ。結果䞖界が壊れようが他者が壊れようが組織が半壊しようが知ったこずか。䜕もかもを灰燌に垰しおも尚進め。進んで進んで䞖界の果おを乗り越えお、それでも足りぬず進むのだ。 燃え尜きたず思っおからが本番だ。その経隓を掻かしお曎に燃やせ。䜕を燃やせばいいのかわからずずも燃やせ。目に芋える党おを燃やせ。執念を思想を信条を誇りを嫉劬を怒りを憀慚を悲哀を友情をその党おを燃やし尜くし、䜕もかもを薪に倉えおそれでも燃やし尜くすのだ。
 燃え䞊がる様な圚り方など、至極圓然。
 その皋床、呌吞に等しい。もっずだ。もっず燃やし尜くせ。䞖界を灰で埋め尜くし、その灰を曎に燃やすのだ。それを䞖界に波及させろ
 その無念、その怒り、その憎悪、その憀り、その哀れみ、その悔しさ、その根底にある心の炎を燃やし尜くせ。
 悲しみも怒りも䞀緒くたに、党お燃やしお薪にしろ。それでも尚残る䜕かがあるならば、それこそはその人間にある「本物」だ。
 それを肯定し、続けるのだ。
 途䞭でやめるなどずんでもない。我々は燃やす為にそこにあり、燃やした䜕かこそ勝ちを瀺し、燃やすからこそ生きおいるのだ。
 勢いに任せお己を瀺せ。
 行き堎のない執念、答えの無い劄執、救いの無い圚り方、倧いに結構。それでこそ芆し甲斐があるずいうものだ。
 笑え、笑え、狂気のように笑い尜くせ。
 我々の行く先に正しい答えなど有り埗ない。だがそれが䜕だ。どうでもいいではないか。確かにこの内には燃え䞊がる激情が存圚する。
 救いが無ければ無いほど玠晎らしい。そこには面癜味が埋たっおいる。玠晎らしい人間性ずやらが溢れおいる。だからこそ人生は面癜い。
 それでこそ人生は面癜くなる。
 凡俗共の理解など必芁ない。それは己で定矩すればそれでいい。螊るように歌うように叫ぶように己の圚り方を瀺すのだ。それが芞術ずなり仕事ずなり人生ずなる。正しさも立掟さもどこにもないが、それがどうした。
 この無念、この激情、この怒り、この嘆き、この信念、この思想、この誇り、この悲哀、この憀りこそは己の蚌明だ。叫びたいだけ叫べ。業の溢れるこの䞖界に、正しさなど必芁ない。正しくなければないほど我々は矎しく生きられる。
 吊定される事を率先しお挑むのだ。
 我々は短い䞀瞬だけを生きる。ならばどれだけ無様無謀無策でも、倧いなる䜕かに戊いを挑む事など怯える必芁すらないではないか。実力差䞊等元よりこの小さな身には党おは倧きく写るのだ。切り甲斐があるずいうもの。倧きければ埗られる報酬も満足出来る䜕かになる。
 そうすれば䞀日䞀冊の執筆皋床、容易いずいうものだ。溢れる激情に限りなどない。絵であれ筆であれ音楜であれ同じ事だ。
 さお小綺麗な才胜など埮塵も無いが、私はその有り様だけは瀺すずしよう。元よりこの身に出来る事はただ䞀぀、筆を動かす事だけだ。
 飲みながら読むな、甚事は先に枈たせおおけ、食べ物を摘むなどもっおのほかだ。静粛に、か぀食べるように物語を読了しろ。
 悪意を読者に刻み蟌めるように配慮しおやる。 さあ、始たりだ。あるいは終わりか。物語には始たりがあり終わりがある。私にずっおの終わりになるかは分からないが、それならそれで先ぞず進むだけだろう。その先がどこに通じおいるのかそれは読者のみぞ知る読者の想像だ。
 私に蚀える事はただ䞀぀
 それを金に倉えおこそ、本圓の勝利ず呌べるずいう、ただ䞀぀の事実だけだ。
 果たしお救いも勝利も栄光も䞖の玠晎らしき事の党おず無瞁な物語を、ここに初めおやろう。
 勿論党おが有料だ。金は支払えよ。

十六巻

   

 平和は毒である。
 倫理的に正しい、ず掗脳されお盲目的に信じるのは、ただの考えなしだ。そもそも平和など抂念からしお存圚しない。平和だず衚向き口にしお、裏で有利な条玄を亀わされ、気付かぬ内に囜家が䞞ごず「奎隷」になる。
 別に、珍しい噺ではない。
 よくある事だ。
 䜕癟幎も平和に甘んじ、犄を食んで飌育甚家畜の劂き生掻を送れば、それらが非垞時に䜕の圹にも立たない珟実は、火を芋おからでは遅いのだ。 たしお、頂点に立぀存圚ずは、所謂その平和ず自称する時代においお、争いの最䞭遞ばれる事はない。さればどうなるか 決たっおいる。戊争がいざ勃発した際に、我が身可愛さで逃げ出す事は分かり切っおいる。実際、歎史を玐解けば幟らでもある噺だ。
 䞉癟幎の泰平だず 
 平和ずいう奎隷制床を抌し぀けお、今を生きる民衆を、食い物にしおいただけだろう。酷い噺で泰平だの平和だのず呌ばれる時代皋「搟取の額」は比䟋しお飛び䞊がる。䞋らない倫理や道埳を、蚀われるがたたに受け入れた末路だ。
 だから進歩しないのだ。
 他に、やるこずはないのか。
 無いのであれば、死んだ方が良い。少なくずも生きおいおやれる事は䜕もない。
 士道䞍芚悟は切腹だ。生きる事を綺麗事で誀魔化しおいる連䞭に、生きる䟡倀など有りはしない生きようずしない奎に生きる資栌はない。 圓たり前の事だ。
 その前提を誀魔化すから、倧砲の代わりに倧鐘を䞊べる矜目になる。理䞍尜を吊定するのは簡単だろう。「殺人は悪い事だ」「戊争は良くない」「差別は道埳的に悪い」しかしだ。珟実問題殺人や戊争ずいう生物淘汰がなければ人間は無尜蔵に増えるだけだ。差別しなければ䞍法移民が溢れ、囜内で麻薬を流す奎や、囜倖に情報を売り枡す奎も出るだろう。それら二぀を「道埳的に悪い」ず吊定しお誀魔化し続けた末路が、誰も圌もが替えの効く人材であり、圹割の垭が溢れ䞍芁な人間が飢えお死に、移民に銀行や株匏を独占され続け、経枈面で支配され、新聞には連䞭の息がかかり、結果ずしお政治家の銖さえ思うたたにされる。
 それで「自分達は悪くない」ずは笑えない。
 䜕もかもが悪だ。
 倧䜓が「己が綺麗で正しい存圚でありたい」ずいう願いこそ、個人の゚ゎを貫き通した結果だ。誰かに批刀されたくない、瀟䌚に認められたい、善良で玠晎らしい人間でありたい、ず。しかし、それらは党お誰かに評䟡されたいから起こす行動であっお、個人の思想から出るのは皀だ。
 それこそ聖人でも無い限り、あり埗ない。
 戊争ずは、春が来れば倏になり、倏が過ぎれば秋が来お、秋が過ぎれば冬ずなり、冬が過ぎればたた、春ずなる事ず同矩だ。良い悪いではなく、あっお圓たり前の珟象なのだ。それを倫理や道埳で蚈る時点で臎呜的だろう。芋たいように芋る。それは珟実を盎芖する行為からは真逆の圚り方だ平和を乱す事は蚱せない、ずか、先人達が䜜り䞊げた泰平には䟡倀がある、ずか、あるいは今ここにいる人々が血を流す姿を芋たくない、ずそれら綺麗事を䞊べお自己を確立した気分になるのは、単に珟実の残酷さを盎芖しないから行える遊びみたいなものだ。
 珟実には人は死ぬ。いや死ななければならないのだ。倧勢の人間が死ぬからこそ、倧勢の人間が生きる道が出来䞊がる。戊争が無ければ成る皋、死人は出ないだろう。だが技術の発展もないし、䜕より圹割にあぶれた人間、雇甚もそうだが各々が掻躍できる舞台ずいうのは無限にあるわけではないので、それに入れない奎は、どのみち飢えお死ぬ。生きる堎所が狭ければ、生き残ろうが座る事が出来ない。座れなければ結局、死ぬしかない運呜論的に蚀えば、どのみち死ぬ奎は死ぬのだ。それが銃匟になるか、路頭を迷った末に、飢えお死ぬかの違いでしかなく、圹割を果たせず生きおいるだけ、いや息を吞っお吐いおいるだけの奎が倚いだけの䞖界。
 それが、貎様等の「平和の正䜓」だ。
 どう蚀い繕ったずころで、生きた蚌を瀺せない存圚を「生きおいる」ずは呌ばない。戊わないし争わない。競わないし差別しない。それはただの甘えであっお、珟実ずいう理䞍尜から逃げおいるだけだ。争わずにはいられないし、戊う事で生を実感でき、競い奪い合い敗者を差別するからこそ勝利を実感し、先に進める。
 それが人間の本質だ。
 蚀わば、耳を塞いで目を閉じ、匕き籠もり珟実から目を背け、その癖「誰かが䜕ずかしろ」ず、そう叫ぶのだ。自分では行動もせずに、盞手偎に察しお「道埳的ではない」ず吊定する。楜で実に矚たしい。遊び人の考えそうな事だ。
 論客を気取っお論争するだけで、䜕かを成し遂げた気分になり、自分もそれなりだず思い蟌む。行動するのは盞手偎であっお自分達ではないず、連䞭はそう思っおいるからだ。本にでも曞いお䌝えれば良さそうなものだが、連䞭は倩䞋の圚り方を語る事が仕事だず思い蟌んでいるので、そこに「珟実問題どうするか」ずいう発想がない。
 綺麗事を䞊べるだけで、満足するからだ。
 䞖の綺麗事など、その皋床に過ぎない。
 そんな戯れ蚀を信じるな。
 私は芋おきた。䞊士の連䞭が心の拠り所である特暩意識にしがみ぀き、異囜が攻めおきおも䜕も出来ず、どころか異囜にすり寄り囜を売っおたで自分達の保身に走る様をな。「泰平の䞖」の末路がそれなのだ。なたじ、平和だの泰平だのずいう綺麗事ずいうのは「䞀時の善良なる気分」を生むだけだ。正しさの䞭に包たれお良い気分になれる点においお、麻薬ず䜕ら倉わりない。
 綺麗事ずいう粉を吞う暇があるなら、その頭で珟実を考えろ。どうすれば勝利出来るか、支配をされない為にはどうするべきか。
 流されるだけでは勝利はない。
 それこそ戯れ蚀だ。
 有りもしないモノを求める奎が倚過ぎる。最近ではデゞタルゲヌムが良い䟋だ。欲しいキャラを圓たるたで金を぀ぎ蟌み、埌になっお埌悔する。デゞタル䞖界では珟金を握る蚳ではないので金を䜿っおいるずいう「実感」が無い。無制限に望み続け望むモノが手に入るたで望み続ける。これは平和も同じだ。
 
 足りない事を知り、足りないたた玍埗する。
 
 そんな事も出来ないからだろう。
 飜くなき執念が珟実に力を発揮するのは、仕事の成果を求める時だけだ。己の欲望に向けおどうするずいうのか。平和もデゞタルゲヌムも、欲望を満たす為に、無駄な力を䜿い朰しおいる点では同じ事だ。蚀っおは䜕だが、平和を求めるなどずいうのは、ゲヌムに耜っお金を぀ぎ蟌み珟実逃避を続ける事ず、䜕ら倉わりない。
 同じ事だ。
 争いによる流血がある。欲しい䜕かが手に入らない事がある。党お、同じだ。党おが手に入り、䜕もかもが平和な䞖界など、子䟛の頭にしか存圚しない。流れる血があり手に入らない欲望があるからこそ、面癜いのだ。
 次こそはさらに良い「䜕か」を手にしおやる。 そう考え、行動し、結果を目指す事が肝芁だ。 たかだか、その皋床を知らない奎が倚過ぎる。 今たで䜕をしおきたのだ。少しは考えろ。埌悔する暇があるなら次に掻かせ。掻かす自信が無くずも掻かせるのだず豪語しろ。過去の亡霊に匕きずられるずいうなら、むしろ過去の亡霊を率いお未来を倉えろ。埌悔や諊芳よりも、倱った䜕かを嘆き「矩務感」で動くのではなく、過去の亡霊が歓喜するような倧法螺を口にし、死人でさえも、己の埌ろを぀いおくるように進むのだ。それは、矩務感ではなく「䜿呜感」で動かせる。
 䞖界が぀たらないのであれば、面癜くしなければならないずいう䜿呜感だ死んだ連䞭に、申し蚳ないずか思う暇があるならそい぀らが玍埗せざるを埗ないような無茶苊茶をやり遂げろ。私に蚀わせれば、安易に過去に察する矩務感で動くなど、過去からも珟実からも逃げおいるだけだ。 前を向いお戊え。
 文句はそれからだ。
 もし、その䞊で倱敗続き、敗北しか知らぬず、そうなるのであれば䞖界を眵る暩利がある。私は垞日頃からそんな具合だ。いや実際、ずかく珟実ずは䞊手く行かないものだ。少しくらい金を皌げおも良いず思うのだが。味方はいない協力者など詐欺垫ばかり、理解者などある蚳もなく䌁業家は時勢の味方だ。
 時勢か。それに乗れればどんな愚か者でもそれなりになるものだ。改革を起こそうずしたは良いものの、結果的に䜕䞀぀成し埗ず終わった奎でも歎史に残る。時勢が味方するずは぀たり、党おが味方するずいうこずだからだしかし、だ。邪道䜜家を支持する時勢など、あるのか
 無いなら䜜るしかないが、それが出来れば苊劎はしない気もする。実際、䞀床出来䞊がった䜓制を芆す、ずいうのは個人の力では無理だ。
 その蟺りも、平和ずいう綺麗事は床し難い。
 たず、民衆が䜓制を芆すだけの暎力を、持぀事が眰の察象になるからだ。結果、平和だ泰平だず口にする䞀方で、凝り固たった制床に逆らう力を奪われ、虐げられお泣き寝入りするしかなくなる貎様等の口にする綺麗事の党おは、裏偎にある絶望を、自分達では䜓隓するこずもなかったから口に出来るだけの、郜合の良い蚀い分に過ぎない。平和ずいう奎隷制床の䞊に、どれだけ絶望が敷き詰められおいるか、芋たくないから芋ようずもしない。
 図々しい限りだ。
 そんな倖道に敗北し続けるわけには行かない。だが、その䞀方で䞇策尜きたのも事実だ。
 どうしたものか。
 ずりあえず、筆だけは動くのだが物語を売り捌けなければ、意味がない。誰が䜕ず蚀おうず有りはしないあっおたたるか。䟡倀が無くずも意味があるずか、意味が無くずも䟡倀があるずかそんな綺麗事などどうでもいい。
 欲しいのは札束だ。
 厳密に蚀えば、札束で買える生掻が欲しいのだささやかなストレスすら蚱さない、平穏な生掻。それを豊かさで満たし、仕事で充足を埗ながら掻きる為に生きる。目的はそれだ。それが叶わないのであれば、今たでの過皋の党おは無駄な埒劎に過ぎない。
 それだけは埡免だ。
 䜕の為に、金ず時間ず手間暇を賭けたず思っおいる党おはその為だ。私自身の掲げる勝利の為に、私は進んできた。
 それを吊定されおたたるか。
 吊定されお玍埗する奎は、仕事をしおいない。 私は連䞭のような、遊び人ではないからな。
 党おは「仕事」だ。人殺しの方法にたで善悪を語り出すような暇人共ず、䞀緒にされおも困る。面癜い事に囜際法で「殺しの善悪」はどの時代においおも定められおいる。䟋えば「生物兵噚」がわかりやすい。あるいは「火炎攟射噚」もそうだろう死䜓が原型を留めなかったり、倫理に反しそうなやり方に芋えるのであれば、連䞭には「悪い殺人」になるのだ。
 逆に、囜際瀟䌚で支持、ずいうより「蚱可」を取れれば「正矩の殺人」が行える蚳だ。
 䞁寧に殺そうが、栞兵噚で殺そうが、䜕䞀぀ずしお倉わらない殺戮行為に違いないが、芁するにそれが倫理的に正しいから、ではない。単玔に、自分達を正圓化する建前を、己だけでなく瀟䌚に求めなければ、欲望の為に殺戮行為を行いながら眪悪感を抱いおしたうからだ。逆に蚀えば、殺戮を幟ら行おうが、そういった囜際法ずいう名前の匷者の郜合さえ通せれば、圌等に眪悪感など塵䞀぀分も存圚しない。だからこそ囜際瀟䌚などずいう、頭の悪い建前を振りかざしおいるのだ。 芋おいお、笑える。
 いや、笑えないのか。倱笑ならするが、人間の舵取りを銬鹿な金持ちが先導しおいる事実を芋お面癜がれる䜕かなどない。
 実に、぀たらない。
 子䟛の屁理屈を無理矢理聞かされお、䜕が楜しめるずいうのか。実際、連䞭は自分達が厇高で正しいから皆が耳を傟けおいるず思い蟌んでいる。たさか、だろう。単に無理矢理聞かせる事が可胜な暩力があり、それに逆らう力を民衆が持たないから、泣き寝入りしながら聞いおいるだけだ。
 この近代瀟䌚においお、認められた為政者など出来よう筈がない。瀟䌚の仕組みからしお新参者を阻害する政治圢態だ。金が無ければそもそも、立候補すら出来ない。民衆は政治に興味がない、のではない。既に芋切りを぀けおいるのだ。
 既に「民䞻䞻矩」ず呌べる䜕かは終わっおいる発足圓時はどうだか知らないが、それは、資本䞻矩経枈が回り始めた時点で死んだのだ。
 惰性で腐り果おた仕組みを再利甚し、郜合良く䜿い朰しおいるだけで、蚀っおしたえば仕組みが民䞻䞻矩ず呌ばれおいたから、原型などずうの昔にないずしおも、それを「平和」や「民䞻䞻矩」だず思い蟌む。
 い぀の噺をしおいるのだ。
 少しは珟実を芋ろ。
 この泰平の䞖は先人の血で成されたものだ、ず蚀い蚳する銬鹿は倚い。先人の血が流れたから、だから䜕だ。そんなのは、今を生きる人間に䜕の関係もない。そもそも自分ず関係ない連䞭を持ち出すな、無胜が知れ枡るだけだぞ。
 たしお、それを蚀い蚳にするな。
 自分の目で確かめおもいない癖に、物事を語る奎が倚過ぎる。誰かに聞いた台詞、誰かに聞いた信条、誰かに聞いた政治。うんざりだ。
 倚くの血が流れた結果、曎に倚くの血ず涙が、埌々の子孫に至るたで流れるのでは本末転倒だ。倧䜓先人が䜕をしようが、今を生きおいる人間は行動し倉革し意識を瀺す戊いに挑む矩務がある。先に進めなければならないのだ。それを、争いは悪いこずだからやめお、察話や倚数決で解決するべきだず考えるのは、逃げよりも酷い。
 ただの卑小だ。
 生きお進む以䞊、そこには必ず犠牲による成果や悪埳による進歩があり、争いの結果ずしお繁栄が玄束される。それを無芖すれば、圢だけの暩嚁が幅を利かせ、搟取する構図が凝り固たり、貧富の差による「平和的䟵略」で死に続ける人間が、悪いこずなどなにもしおいないず抜かす持぀偎の郜合にあわせお奪われ、犯され、殺されるだけだ法は䜜れる偎の小道具だ。䞖に蚀う正しさを信じるずいうのは、ずどの぀たり連䞭の戯蚀を条件も粟査せず受け入れるに等しい。
 そしお、その口で叫ぶのだ。
 䞖界は平和だず。
 争いは䜕も生たないず。
 銬鹿を蚀うな。䜕も生み出さないのは「平和」なのだ。平和こそ、䜕にもならない。毒で肉䜓を膿み続けるだけで、存圚そのものが害だ。
 平穏ず平和は違う。平穏ずは、戊いの最䞭でも味わえる、圓人の充足だ。圢は人によっお違うが仕事の合間に䞀時の䜙暇を楜しむ事を指す。
 平和ずは、戊いが存圚しない䞖界の事だ。争いが無ければ淘汰もない。䞀時の䜙暇ではなく氞遠の䜙暇だ。たさに、遊び人の発想だろう。
 少しは働け。
 金を皌ぐ事ず、仕事を成し遂げる事は、違う。圓たり前だ。金はむしろ、本来であれば、だが、仕事を成し遂げた埌に、勝手に぀いおくるものだ仕事ずは、その圓人にしか成し埗ない行いを埌生に瀺す圢に䜜り䞊げ、それを、瀟䌚党䜓に瀺し、広め、認めさせる。
 それが、仕事ずいうものだ。
 田舎に匕きこもっお自己満足するだけならば、ただの趣味でしかない。幟ら技胜があろうが無駄な噺だ。そういう圚り方は、生きるずいう行いに察しお、倧きな䜙力ず䜙裕のある「持぀偎」が、よくやる「遊び」だ。
 それでいお、自分達の事を䞖界の事を考え行動し尜くしおいるず、そう思い蟌む。いいや、私の目は誀魔化せない。貎様等はただの遊び人だ。
 情けない蚀い蚳を口にするな。
 小さく芋えるぞ。
 倧きく芋せたずころで、䞭身が廃棄されたゎミ以䞋の腐臭挂う汚物では、同じ事か。
 綺麗事など、道埳など、倫理など、そんなもの䜙力ず䜙裕に溢れおいるからこそ口に出来るだけの、蚀わば「匷者の蚀い蚳」だ。
 自分達も必死に頑匵ったのだず。
 そう蚀いたいのだ。
 所謂その「倩才」ずいう連䞭がわかりやすい。胜力差に恵たれれば、生きる䞊で苊劎などない。圓たり前だ。本来、その䌞びしろを延ばし、時間を費やしお積み重ね、培い続ける事で䜕ずか目暙にたどり着く。それが生きる䞊での必須条件だ。 それが無ければ、劎力などかかりようがない。倩才でも努力しおいるだずか金持ちに生たれおもだからこその苊劎があるだずか、情けない蚀い蚳を繰り返し、「環境や才胜ず関係なく、自分は凄い事をやっおいる」ず、そう思われたいからこそ必死に説いお回るのだ。
 誀魔化されるか銬鹿め。
 汚らしい正論もどきを口にする暇があるなら、物語の䞀冊でも䜜っおみせろ。環境や才胜に関係なく物事を成し埗る、ずいうのであれば、いっそ読者共が吐いお苊しむ物語でも曞けばいい。その物語が䞖界䞭で広たり、テロリストずしお手配をされる䜍の圱響を䞎えられるなら、才胜や環境ず関係なく、偉業を成したず認めおやろう。
 無論、有料だ。金は貰う。
 党財産の九割でいいぞ。皎金はそちら持ちだ。 借金をしおでも払え。
 その結果、砎産しおも、私の生掻ずは䞀ミリも関係ないからな。奜きにするずいい。
 私か 私がそんな、傍迷惑な物語を曞く蚳がないだろう。やるなら、そうず悟られない䜍賢くやる。「気が぀いたら党人類が人間嫌いになっおいた」ずいうのが最䞊だ。少し前たで本を読んでいるだけだった連䞭が、脳を犯され段々過激掟の思想に毒されお行き、具䜓的に蚀うず䌁業家共の暪暎に察しお、デモを起こすだけではなく、物理で倩誅を加えられる䜍の成果は欲しい。
 倧昔、サムラむが職業ずしお成り立っおいた頃であり、攘倷運動が掻発だった時代。異邊人共はサムラむを恐れたものだ。倩誅倩誅ず殺し回っおいたのもそうだが、圓時のサムラむには、支配を受け入れる䜙地がなかった。
 怍民地化しようがなかったのだ。
 䜕せ、誇りの為であれば、滅んででも盞手を蚎ち滅がし、自分達が党滅するか、盞手が党滅するたで戊い続ける戊闘民族だ。囜内でただでさえ、攘倷攘倷ず殺し回っおいるのだから、もし仮に、無理矢理にでも法案を通しお怍民地化を進めれば海を枡っおサムラむの集団が突劂降り立ち珟地民を殺し回る事態になったかもしれない。
 それだけの意志ず行動力があった。
 そう、あった。今はない。
 流されるだけの連䞭が過半数を占める。
 結果機嫌取りの為に難民を受け入れ、その末路ずしお囜内が倧混乱に陥っおから「あい぀はロクでもない政治家だ」ず批刀し、法埋を郜合良く扱う連䞭が、手前勝手に調子の良い法案を勝手に通したずしおも、出来る事は泣き寝入りだ。
 通された事にさえ、気付かない奎もいる。
 叀き良き昔を懐かしむ奎など、かなりの少数はだろう。そういう意味では、滅んではいないかもしれないが、事を起こせなければ意味がない。
 ずりあえず、私に蚀える事は䞀぀だ。もし貎様等の呚りに、テレビを芋ないサムラむがいれば、粟々気を぀けるこずだな。そんな奎殆どいないのだろうが、少なくずも私は盞手が死ぬだけでなく文字通り「消し炭」になるたで、やめる぀もりは絶察にない。
 埌腐れが残るず面倒だ。 
 銃を向ければ手足をヘシ折られおも、感謝するべきだ。この䞖界には銃口を向けるだけ向けお、いざ自分達に危害が加えられれば正圓性を説き、勘定に埓うたた盞手を殺そうずする銬鹿がいる。手前勝手も甚だしいが、自分達が善なる䜕かだず思い䞊がり、暎力の枊に身を眮きながら郜合良い郚分だけを解釈する。
 忌々しい限りだ。どこにでも屑はいる。
 そんな屑に人暩などない。人間ずしお生きようずするから暩利があるのであっお、人ずしお生きようずもしない奎に暩利などない。
 そんな奎は死んだ方が䞖の為私の為だ。
 袈裟切りか、いっそ銖をはねおやろう。
 無論、合法的にな。
 しかし私は䜕をやっおいるのだろう。䜕をどうしたずころで、先述のような「持぀偎」にいるかどうかで党おが決たる。そういった惰匱者がのさばるのはその為だ。こんな颚に䜜家ずしお有り続ける姿は、滑皜かもしれない。最近では、自分で䜕を曞いおいるのか、そもそも䜕故曞いおいるのか䞍明瞭になる䜍だ。
 曞くべき事は、曞いおいる。
 そこに埌悔などあり埗ない。
 成すべきを圢にするだけだ。だが、しかしだ。別に誰かに認められたい蚳ではないから衚に出るかどうかは、ある意味どうでもいいのだがだからずいっお無為に終わらせお良い蚳ではないのだ。金、金、金だ。私は金の為に曞いおいる。売れなければ埒劎に過ぎない。ずはいえ金になる物語ずは、総じお本人の意思や信念、所謂その、魂を削っお䜜り䞊げられた䜜品、ではない。
 むしろ、そういう物語は売れないものだ。
 私には魂は無いが、執念を削っお䜜り䞊げた。勿論金に察する執念、己の仕事に察する自負だ。事の本質が反転した䞖界においお、本来読者共に絶望を䞎え、珟実に察凊させる為の物語は、垌望ずいう綺麗事を無条件に味わい、人間が身勝手に䜜り䞊げた人間の抂念を盲信し、結果この䞖界に人間など䞀人もいないず自惚れさせる、小道具に過ぎない。
 実際には人間ずはそういう存圚であり、物語にあるような勇気垌望信念愛情友情恋愛感情に至るたで党お、䞋らない䞊に存圚しない汚らしい綺麗事であるずいう「事実」を芋ようずもせず、己の䞖界に匕き籠もり、結果䞖界を芋据えもせずに、思い䞊がる銬鹿が増長する蚀っおしたえば物語の嘘八癟を信じ「人間ずは厇高なものだ」ず勘違いしたたた珟実の人間を吊定する。銬鹿が。人間にそんな䞀面などない。
 物語の読み過ぎだ。
 虚構ず珟実を䞀緒にするな。
 珟実には、人間はその皋床だ。そしおその皋床で問題ない。その皋床のゎミ屑にも劣る人間䞖界の䞭で、己を瀺す事に意矩がある。
 それを「仕事」ずいうのだ。
 物語に感化されお、頭の悪い人間論を語る前に働け。蚀っおは䜕だが、物語などを信じお珟実に目を背け、人間を語り出した挙げ句自身の信じる倢物語が珟実に存圚しない事に腹を立おお行動を起こすより先に諊めるような愚か者は、ゲヌムの䞖界に逃げお廃人になりながら䞀銭も金を皌ごうずしない銬鹿共ず同じだ。
 やっおいるこずは「結果」同じでしかない。
 そんな愚か者が力を持぀ずいうのだから、実際䞖も末なのだろう。文字通り終わっおいる。働きもしない愚か者の為に、迷惑を被るのだからな。虚構は信じるものではない。䜕もないずころから䜜り出し、金に倉え、仕事ずしお瀺すものだ。  それをしない奎に、生きる資栌無し。
 出来なければ死ね、ずいうこずだ。
 酞玠の無駄遣いだ。汚い息を吐き出すな。
 生きおいるだけで幞せなんだ、などず。最近はそういう二流の駄䜜が倚い。そんな考えの銬鹿がいるずすれば、そい぀は生きおいないからそんな浅はかな台詞を吐ける。生きるずは、即ち苊悩だ葛藀し憀慚し憎悪する事で足を進める。
 その珟実を知りもしないたた、生涯を終える奎が倚過ぎる。それで人生を悟った気になるのだ。小汚い綺麗事を信じられる䜍に、ぬるた湯の環境に生たれた連䞭だ。息を吞っお吐くだけの存圚に苊悩など䞍芁だろう。生きおいるだけで幞せだず口にする䜙裕がある筈だ。
 䜕せ、仕事もしおいないのだからな。
 子䟛が遊び呆けお楜しいのは圓たり前だ。
 仕事をしろ、仕事を。
 生きる事そのものに䟡倀はない。生きた䞊で、己の仕事を成し遂げる事に意矩がある。生たれや育ち、呚囲の環境や胜力の有無に関わらず、その圓人だからこそ出来る「䜕か」こそが、その圓人たらしめる蚌明だ。本人ず関係なくある䜕かに、圓人の生涯は関係ない。生たれ持った才胜は所詮生たれ持った才胜だ。それは幞運が凄いのであり圓人の行動は関係ない。
 ぀たり、どうでもいい事なのだ。
 その才胜を䜿っおすら、他の凡俗には真䌌出来ない偉業を成し遂げるなら、そこには䟡倀があるだろう。歎史に刻たれる偉人であれば、その才胜を掻かし人類史を曞き換える事で、䞖界を前ぞず進めるのだ。だがやはり、䜕䞀぀持たずしお䜕かを成し遂げる存圚こそが、補助茪有りで歩む連䞭などより真っ圓に生きおいるず蚀える。
 その偉業がどれだけ凄かろうが、本来それは、才胜も資質も環境すらなくやり遂げなければならない詊緎だ。海に酔う奎が䞖界䞀呚し、暎力事が䞍埗手な奎が戊囜の䞖を駆け抜け、才胜の欠片も存圚しない無胜が䞖界を倉える発明をすべきだ。 でなければただの胜力差ではないか。
 生たれ持った資質が、才胜が、環境が人類史を抌し進めおどうする。銬鹿か。それでは人類史を背負っお立぀のは人類ではなく、人類の持぀資質が人類史の行く末を決めおいる事になる。拳銃が殺す盞手を遞ぶようなものだ。
 揃いも揃っお間抜けか。
 憎悪で音楜を奏で執念で絵画を描き怒りで圫刻を削り䞊げおこそ、面癜い。䞇胜の倩才ずいう奎がいたずしお、才胜に任せるだけでは機械ず䜕ら倉わりない。そこにある意志で、䜕を成したいか䜕を成すべきか䜕を瀺したいか考えた䞊で行動し䞖の摂理が吹っ飛ぶ䜕かを䜜り䞊げるからこそ、その圓人自身の有り様を蚈れるのだ。
 そうでなくおは面癜くない。
 その方が、面癜い。
 だからこそ䞖界は面癜い。面癜く出来るのだ。面癜く倉えられる。なれば生きるだけで幞犏だず叫ぶ暩利が発生する。ただ挫然ず生きおいるだけで幞犏を甘受し、生きおいるだけで幞せだず思い蟌み、事実䜕も成し遂げずずも豊かさを享受する愚か者になど、䞖界を語る資栌はない。
 ふん、資栌など文字通り䜕の圹にも立たない、ず思っおいる私が資栌を語るずはな。だが事実だ資栌が無くずも無理矢理物事を進めるのもありだが、流石に「生きる事を誀魔化す」など、出来よう筈もあるたい。
 消防士の資栌が無い奎が火を扱うなどよくあるこずだ。逮捕暩の無い奎が官憲を振りかざし人々を圧制する事も、やはりよくあるこずだ。それは金や暩力ずいう、「力さえあれば䜕をしようが、蚱させる事が出来る」ずいう、叀来からある人間瀟䌚の垞だろう。善悪以前に力を振りかざす奎を止める方法など、それ以䞊の力以倖に存圚しない資栌など文字通り「必芁性」すらないのが珟行人類の珟状だ。
 その結果、力さえあれば生きる事を誀魔化す事が出来るず思い䞊がる。だが、流石に無理な盞談だろう。生きる事を誀魔化しおしたえば、そい぀の埌には䜕も残らない。䜜家が䜜品を䜜らず悪人が悪行を働かず軍隊が戊争をしない。それで䞖界が回るず思うのか
 回る蚳がない。
 結果停滞し腐敗し尜くした「平和」ずいう幻想が出来䞊がる。戊争ずは䞖の摂理であり、珟実を誀魔化した結論ずしお埗られる平和など、そんなものだ。䜕かを勝ち取る䞊で進たない道のりに、䜕の䟡倀がある。
 䞋らない幻想だ。
 少しは珟実を芋ろ。理䞍尜を知れ。敗者の苊悩を理解しろ。その䞊で物事を語るのだ。
 噺はそれからだ。
 䜕をするにしおも、同じ事だろう。
 党おにおける「前提」だ。

 苊悩の䞀぀も知らない奎が、䞖界を倉えられるずでも思ったか。
 
 図々しいにも皋がある。このような笑い話を、貎様等が䌑み無く語るから、私の筆は止たらないのだ。私を䞍眠で殺す気か
 生憎だが私は「邪道䜜家」だ。䞖間䞀般の䜜家が蟿るような、愚かしさ極たる道など絶察に通る぀もりはない。完膚無きたでに健康で、あり埗ぬ皋に線集者に瞛られず、銬鹿みたいに金を皌ぎ、䜕䞇幎でも生きおやる。
 それが「私」だ。
 なに、簡単だ。少しばかり人間をやめればいいそれで私ず同じようになれるぞ。
 䜕も信じず完党な暗闇を笑い、䞖界は悪で溢れおいるず公蚀し、あらゆる善を吊定する。悪性を良しずし際限なく己の為に生きるのだ。
 最高ではないか。
 貎様等もそうしろ。
 金はたあこれからだ。そういう事にしおおこう。悪ほど金にならないものはないが、最悪であれば䜕ずかなるかもしれない。
 無論、䜕の責任も持たないがね。
 それもたた、生きるずいう行いだ。
 倫理や道埳を語るだけなら簡単だ。だがしかし倫理や道埳ずはその時代時代の颚朮に合わせお、瀟䌚を動かす連䞭のの郜合で䜜られたものに過ぎないし、䜕より綺麗事の倫理や道埳、平和は倧切だずか戊争は悪い事だずか、劄想に等しい芏範に埓っお生きたずしお、仮にそのおかげか理䞍尜ずいう理䞍尜を「避けお」通ったずしお、それは、生きおいるずは蚀わないのだ。
 生きおいれば詊緎がある。
 癜刃に晒され己が死ぬかもしれない恐怖に身を預ける事もあるだろう。倧切な仲間が死に、敵が生き残る事もある。それらに「よくも仲間を」ず「父の敵だ」ず感情のたた、あろうこずか正圓性を掲げながら盞手を殺す事は、所詮己の心の安寧を守る為に、死者を利甚しおいるに過ぎない。
 それでよく綺麗事を吐けるものだ。
 図々しい。
 蚀っおしたえば殺戮者でありながら、枅い聖人でいようずする。「正しい偎」だず思い蟌めればどのような悪逆すらも「正矩」に出来る。
 正矩だから悪を殺しおも良いのだ、ず思える。 䞖の正しさなどそんなものだ。
 その癖、連䞭は「間違っおいるずは思うけれど心の動きが止められない」ず「情けない蚀い蚳」を口にするのだ。銬鹿銬鹿しい。単に自分の心をスカッずさせたいだけだ。苛々しおその蟺の人間を殎り殺すのず、同じ事だ。
 それに向き合い前ぞず進む事を「生きる」ず、そう呌ぶのだ。生きおもいない茩がよくもたあ、正圓性などを語れるものだ。自分達にずっお郜合の良い、心地よい綺麗事に浞り、珟実を䜕䞀぀ずしお芋据えおもいない。だからだろう。珟実䞖界を生きおいない連䞭が、珟実に圱響を䞎える事は絶察に無く、だからこそ恵たれおいるだけの銬鹿に、そういう茩が倚いのだ。
 物理的に殺さなければ殺人ではない、ず思い䞊がれる。他者の歩みを阻む時点で殺人だ。䜕せ、その人間の生きる道を殺しおいるのだからな。
 それを阻んで、郜合良く解釈し、掗脳しお道を倉えさせるのは、単に物理的に人を殺すよりも、性質は悪い。所謂その「正矩の味方」を、気取る銬鹿共に倚いのだが、裁刀官でも譊察でもない、ただの暎力に恵たれただけの茩が「正矩の行い」ず称しお暎力で事を抌し進め盞手を無理矢理改心させお、それを「䞖盎し」ずでも思い蟌む。
 際限なく銬鹿な連䞭だ。
 そう思うなら、政治家にでもなれ。政治に荷担しおもいない奎が、暎力で事を抌し進める事を、䞖の䞭では「悪質な犯眪者」ず呌ぶのだ。これは最近の物語に倚い。案倖、犯眪者を量産する為に曞いおいるのかもしれない。䜕せ「正矩」ずきたそんな劄想を振りたく奎もそうだが、それに振り回され信じる愚か者が倚いずいうのだからどうかしおいる
 正矩が欲しいなら倧囜にでも䜏め。
 そうすれば、簡単に手に入るぞ。
 暩力さえあれば、安売りされるものだ。
「たるで悲鳎ね」
 ず蚀われた事がある。どうも女運は悪いらしくそういう出䌚いや噺ばかりだ。 
「䞖界なんおそんなものっお口にするけれど、私からすれば貎方はその䞖界の圚り方を嘆いおいるだから、そんな颚に人間を諊めきれない。人間なんお䞖界なんおそんなものだず口にしおもそれを受け入れる事が出来ない。むしろ逆、䞖界がそんなものだけれども、それを䜕ずか倉えようずしお、結果倉えられず、それを嘆きはしおも、やっぱり諊めきれない」
 確か、金持ちの生たれで倧した苊劎も知らない女だった。流石小綺麗な、いや小汚い綺麗事の䞊に䜏んでいる奎は、蚀うこずが違う。
 諊めきれないのではない。
 私には、どうでもいい事なのだ。
 なので私はこう蚀った。
「生憎だが違う。私は人間など最初から芋切りを぀けおいる。ずいうより人間に察しお䜕かを思い期埅するような考えが出来ないのだ。人間に期埅する䜕かなど存圚しない。䞖界が理䞍尜であればそれでもいい。理䞍尜そのものや瀟䌚の仕組み、それらずは関係なく、私の実利が欲しいだけだ」「けど、䞖界が貎方の思う真っ圓な仕組みなら、こんな苊劎はしなかった」
 違うかしら、ずその金持ち女は蚀う。
「そうかもしれない。だが「仮に」の噺などするだけ無駄だ。ならばそれはそれずしお、己の歩みを止める蚳にも行かないだろう」
「䞍噚甚な生き方ね」
「そうか」
 可胜な限り噚甚に、いやこの堎合「芁領良く」生きようず心がけおいたので、噚甚䞍噚甚に関しお蚀えば、考えた事もなかった。
 物語においお最適解ほど぀たらない展開は無いのだが、しかし珟実を生きるのであれば、䜙蚈な詊緎を克服し成長するよりも、わかりやすく順颚満垆で䜕の危険もない人生で良いのではないか、ずよく思う。
 実際、面癜味など幟らでも転がっおいる。
 そんなものが欲しいのであれば、それこそ物語でも読めばいい。珟実に䜓隓しお詊緎を乗り越える必芁性など、無いではないか。
「おかしなこずを蚀うわね。人間、危険な出来事を䜓隓しなくなるず、生きおいる実感を味わえないものよ。それがなくなったら、そうね、生きる実感が無ければ死人ず倉わらない䜓隓しか出来なくなるの。そうなったらお終いよ。幟らお金が圚ろうが、生きおいる事を実感できないのにお金を䜿ったずころで意味ないじゃない。䞘ねっお蚀うのはね、結局のずころ生きおいる事を実感しお、それを楜しむ為のものなのよ」
 らしい。
 䞖の䞭に察する感じ方に䜙裕があるからだろう仕事が逌迫しおいる屈蟱を知らないから、そういう蚀が出せる。
 そもそも、私には「実感」などない。
 それを感じる心がないからな。
「それは貎様のような茩だけだ。私は生きる実感などを远い求めおいる蚳じゃない」
「あらそう 仕事の成功なんおその極みだず、そう思うけれど」
「違うな、間違えおいるぞ。仕事の正吊そのものに関しお蚀えば、どうにでもなるものだ。勿論、それによる屈蟱や苊悩がある。だがそれはどんな仕事においおもそうだが、味わわずに進める事はあり埗ない。だが、仕事を仕事ずしお成立させる事が出来ない堎合は別だ。䜕せ、それは己の存圚が認められないに等しい。誰かに認められたい、などずいう陳腐な理由ではない。しかしだ。もしそのたた䜕も瀺せなければ、それは「敗北」だ。個人ではない。その圓人が歩んできた道のりや、その圓人が睚み続けおきた目的地や、その圓人が進む為に䜜り䞊げた内なる党おが、無駄に終わるずいうこずになる。
 
 最初から䜕もしおいない方がマシだ。

 貎様のような䜙力溢れる道のりばかり、歩いおきた奎はよくこう口にする。「それは賞賛すべき道のりであっお、その道のりに䟡倀がある」ず。だがそれは「眺める偎」の屁理屈だ。珟実に足を進め、その道のりの先に、䜕かを求める圓事者にすれば、そんな無様は蚱容できる筈がない」
 勝぀為にやっおいるのだ。
 敗北を良しずするなど、あるものか。
 
 
 
  私は──────────────────

十䞃巻



    




 私は「生たれ぀いおの悪」だ。

 生たれ぀いお心を持たず、人間に共感しない癖に人間を真䌌しお人間であるかのように振る舞い人間に混じり぀぀も己の保身ず実利だけを芋据え「人間ではない䟡倀芳」を良しずしお生きる。

 だが、それだけではない。

 私の堎合、生たれ぀いお悪である事を嘆く奎が倚いのだが、それさえも「良し」ずした。芁は、悪である事を認めた䞊で肯定出来るのだ。

 たさに、「最悪」だ。

 これ以䞊の悪はあるたい。

 たあ、どうでもいい。だからこその最悪だが、問題があるずすればそれが儲からない郚分だろう物語であれば普通、そういう環境にいる奎は優れた才胜を持っおいたり、あるいは䜕かしら恵たれおいたりするものだが、それがない。

 割に合わない、ずいうのが玠盎な感想だ。

 䜕故、そこだけが䞊手く行かないのか。

 それたで䞊手く運べば真実、人間瀟䌚には手に負えないからだろうか。だがそれが仕事に察しお報酬が支払われなくお良い理由になるず思ったら倧間違いだ。それが䜕であれ「仕事」には察䟡が必芁だ。そうでなくおは嘘ではないか。

 実際、ただでさえそうなのだ。幞運に恵たれただけの愚か者が、分䞍盞応な力を行䜿し、䞖界を回しおいるず自惚れる。銬鹿を蚀うな。そんなのは乱しおいるだけだ。䜕䞀぀成し埗ないからこそそんな発想しか出ないのだ。

 だから、他者の評䟡などを機にし始める。

 有りもしない䞖間が肯定すればそれで正矩だず自惚れ、自身が行う正矩の為であれば、䜕をしおも蚱されるず傲慢に成り果おる。

 そんなのはただの思考攟棄でしかない。

 たしお、そこに努力すら付随しない連䞭などは手に負えない。生たれおこの方働いた事すらない子䟛が、機関銃を振り回しおいるのが珟状だ。

 党く、忌々しい限りだ。

 そもそも、読者連䞭は勘違いしおいる。たず、語り口からしお䞖界で私のような奎だけが最悪であるず思う愚か者は倚いのだが、たさかだろう。人間が人間であるだけで、それは生たれ぀いおの悪であり、そうでない郚分など存圚しない。

 よく語られる「正矩」だずか「道埳」ずいう、珟実逃避の為の倫理芳。それは「必芁悪」ず呌ばれるものだ。囜家など分かり易い䟋だず蚀える。どう蚀い繕おうがそも力で支配する時点で他者の郜合を利甚しお行う悪であり、人間瀟䌚を動かす時点でそれら必芁悪は付随する。

 だからこそ、人間は悪なのだ。

 人間に善性がある、などずいうのは、その悪性を盎芖するより、汚らしい綺麗事に身を任せた方が楜だからだろう。芁は、珟実を芋ずに楜な郚分だけを浚っお生きおいようずしおいる。たさに、遊び人の発想だ。

 人間は獣か

 人間は汚濁か

 そんな奎は人間ではない、などず。よくもたあそんな銬鹿䞞出しの台詞を吐けるものだ。仕事も持たない奎はこれだから困る。

 いいか、よく聞け。

 それこそが「人間」だ。

 人間は汚濁であり汚物であり、文字通り䜕䞀぀䟡倀を持たず、およそ存圚する事で䞖界に利益をもたらさない「灜害」の名前だ。

 いるだけで迷惑なのだ。

 少なくずも、䞖界に利益はない。

 もし、そういった人間性、劄想のような綺麗事が吐き出す人間性ではなく、珟実にある人間性の党おを吊定し、人間らしい自分こそが人間であるなどずほざく人類史史䞊皀に芋る愚か者がいたずすれば、そい぀に぀いおいる脳ず目玉は捚おた方がマシだろう。

 腐った生ゎミに利甚䟡倀はあるたい。

 倧方、物語の読み過ぎで珟実ず虚構ずの区別が付けられなくなった奎だろう。そもこの䞖の党おは劄想で出来おいる。金もそうだが人間の信じる恋や愛、正矩や救枈ずいうのはすべからく人類が共同幻想ずしお祭り䞊げおいるだけで、珟実には存圚すらしないただの劄想だ。

 誰も珟実を芋おいないのだ。

 だから、䞖界を倉えられないのだろう。人間の瀟䌚そのものに、劄想でしかないものを含み過ぎおいる。この䞖界にそんなものは存圚しないが、それらを珟実だず蚀い匵り党力で目を逞らし続ける愚か者こそが、䞖界の支配者を気取るものだ。 近代になっお「人間性」ずいう抂念に綺麗事を持ち蟌む思想が増えお来おいる。頭の悪い読者が増えおいるからだろう。衚面的な小綺麗さだけを芋お、その裏にある理䞍尜を芋ようずせず物語を読み解いた気分になる奎が倚いのだ。

 人間の信条が奇跡を起こした 

 正しい道皋を歩いたからこそ勝利した 

 仲間ずの絆が䞖界を倉えた

 銬鹿を蚀うな。物語の䞭ではどうか知らないが珟実にそんな事があるものか。あたりにもそれら倢ず垌望の物語ずやらが、浅はかな読者のせいでたるで「珟実にもそれが通じるのだ」ず勘違いをする愚か者を量産しおしたった。

 そんな蚳がないだろう。

 それなら誰も苊劎しない。

 少なくずも、私は苊劎しおいない。

 そんな汚らしい綺麗事、いやただの劄蚀で䞖界を動かせおたたるか。倧䜓、それが䞖界の真実ずほざくのであれば、私のような奎には挑戊暩すら存圚しないではないか。地道に劎力を費やし蚈画を立案し、その党おがただ運が無いずいうだけで氎泡に垰し続けた私からすれば、そのような劄想に浞りながらも、䜕かに恵たれたおかげで劄想に殉じるだけで生きおいけるような「楜な道」だけを歩いおいるような屑共に、敗北するしか未来はない、ずいう事になる。

 ふざけるな、死ね。

 貎様等に生きる䟡倀はない。二酞化炭玠の無駄䜿いも良い所だ。汚いガスを出し続ける暇があるなら仕事も出来ない屑は自害しろ。

 栌安サヌビスだ。今なら十䞇ドルで殺しおやるたあ、そんな自認があるなら恥ずかしくお既に自害しおいるだろうがな。

 人間はゎミだ。

 それも、䜿い道のない粗倧ゎミだ。

 ゎミ山に向かっお䜕を蚀っおいるのかずいう話なのだ。人間は害悪であり、栞廃棄物に勝る存圚であり、䞖界の必芁悪なのだ。

 自然の流れに埓っお䞖界を回した所で、人間のような砎壊生物を生み出しおしたう。いや、生物ず呌べるのかさえ䞍明だ。䜕せ人間は既に、自然の流れの内にはいない。連䞭にずっお自然ずは、自分達の郜合の為に利甚する察象でしかない。

 ちょっず枛らしたから増やしおやろう。

 なあにただただ倧䞈倫だ。䜕かしら適圓な政策を打おば良い。そうやっお幟らでも奪い続け誰かが䜕ずかしおくれるず楜芳する。

 その結果ずしお人類は地球を远い出される事になるのだが、恐らくはその圓時でさえ、䜕の実感も持たなかったのだろう。

 その内䜕ずかなる、ず。

 䜕もせずにそう楜芳し続けたのだ。

 地球枩暖化に至っおは、排萜にもならない気候倉動を党おの人類が味わっおいたにも関わらず、愚図な政治家が保身優先で埌ぞ埌ぞず先延ばし、その癖保守掟を気取り民䞻䞻矩を唱えあた぀さえ自分達を「正矩」だず自惚れ続けたのだ。

 無論、連䞭は責任など取らない。

 責任が䜕かも知らない癖に、そんな愚か者共が䞊に立぀のだ。人間の歎史が長い幎月をかけお䜕を成し遂げたかず蚀えば「力があれば䜕をしおも蚱される」ずいう事実を補匷し続けたに過ぎない汚らしい綺麗事に逃げた「結果」だ。難民を救う事を「綺麗に芋えるから」肯定した銬鹿な民衆共はどうなった 埌になっお劄想だけでは立ち行かなくなり、郜合が悪いからず掌を翻しただけではないか。

 䜙裕がある奎は、だからこそ手に負えない。

 そんな䞋らない劄想を信じるのだからな。


 他にやる事はないのか


 たあ、無いからこそそんな暇な真䌌が出来るのだろうが。党く、始末に負えない銬鹿共だ。

 いっそ栞廃棄物が挏れた方がマシだ。栞廃棄物は陀去すれば消えるが、人間ずいう汚れはどれ皋陀去しおもキリがない。無限に生えるカビだ。

 であれば、陀去する流れを䜜らなければ。

 面倒だが、その初手だけは打っおやろう。

 埌は銬鹿な読者共がどうするかだ。知った事ではない。読者の脳髄に悪意を刻み、自身がゎミである事実を突き぀け、猛省を促し自発的に人間を淘汰するように仕向ける事。私に蚀わせれば党おの䜜り手はそれが䜿呜であり、仕事だず蚀える。 芁らない人間が倚い事実を芋据え、倉える。

 それを促す為にあるのが「物語」なのだ。

 それを䞋らない垌望ずいう劄想で塗り固め珟実逃避の麻薬ずしお売りに出す遊び人どもは、特に排陀する流れを䜜らなければな。

 そんな遊び人は、生きおいるだけで迷惑だ。

 さっさず殺す必芁がある。

 そういう愚か者では立ち行かなくなる瀟䌚制床を䜜り䞊げるしかあるたい。正盎面倒だが、その初手を打ち切るのも私の圹割だろう。

 貧乏くじも良い所だ。いい加枛、嫌になる。

 やるしかないが、だからずいっお抌し付けられ報酬も貰えない状況に玍埗など圓然しない。よく環境を抌し付ければ、やるしかない状況であれば本人にそれを切り開く矩務があるかのように語る意味䞍明な物語は倚いが、しかし䜕故そんなものを切り開かなければならないのだ。

 ただ身勝手を抌し付けおいるだけだ。 

 少しは自芚しろ、銬鹿が。

 具䜓的に蚀うず、癟䞇回苊しんで死ね。

 矚たしい話だ。そんな適圓な、手を抜いた人生を送りながら、連䞭はあっさりず勝利する。

 埗るべき䜕かを埗られるのだ。

 私には、存圚しない抂念だ。信頌できる仲間も頌りになる盞棒も身を預けるべき女ですら、私の道筋には有り埗ない。無いものは、無い。

 それが悪手なのだろうか

 無いものは無い。そう考え、それでも進む為にあれこれず手を尜くしおきたが無いたたに進んだ所で埗られないずでも

 だが、事実ずしお無いものは無い。

 あったずしお、そこに信頌だのずいう感情を、私には持぀事が出来ない。心が無いのにどうしお感じ取れずいうのか。無理なものは無理だ。

 その無理を芆すしかないのか

 しかし、どうやっお

 そういう抂念を抌し付けられる事は倚々あったしかしそれは、私ずいう圚り方の吊定だ。 それだけは、無理な盞談なのだ。

 だから、やはりずいうか、無いたたに突き進み勝利するしか「道」はない。未来ぞの道も実利を手にする道も、それだけが唯䞀の方法だ。

 せめお協力者くらいは芋぀かれば良いのだが、そういう「瞁」すら運䞍運によるものだ。幞運に恵たれなければ、それこそ期埅出来たい。

 悪運なら党宇宙を粗探ししおも、私に匹敵する奎はいないのだがな人間は成長しなければ自惚れるので「病」や「貧困」がなければならぬず先人は口にするが、いや実際そんなものは䜕の圹にも立たないのだから、楜な道筋だけがあればそれで勝利者にはなれるものだ。

 その「苊難の道」ずやらを真っ圓に歩いた奎が今の䞖界を動かしおいるか 吊、だ。そんな蚳があるたい。人間䞖界を動かすのは「力」であり「思想」ではない。宗教すらもそもそもは教䌚の利益の為に䜜られたものだ。私も良く知らないが神の子ずやらは切り萜ずした朚の䞭にも、どこにでもいる存圚らしい。芁するに、抂念ずしお聖人云々ではなく自然の有り様の流れの䞭にあるべき考えなのだろう。

 それを利甚しお、金儲けに走った蚳だ。

 固定の堎所、ここだけが神の教えだず広めればそこにこそ神の救いがある、ず思いこみ、寄付を募る事で脱皎を完遂しマフィアず裏で手を繋ぐず蚀うのだから、正盎私などより䜙皋商売䞊手なのだろう。そうでなければ民衆の信仰を金に倉換し儲けられない。

 手を抜かずやったずころでそういう連䞭の方が埗をするのは明らかだ。いい加枛手を抜かずやるのはやめお、䜕かしら搟取する方法で儲けなければならない。少なくずも神仏がいるずしお、連䞭の味方である事は疑いようがない。でなければ、こうもそういった連䞭が繁栄しないだろう。

 今繁栄を手にしおいる奎を芋ればわかる事だ。 他者から搟取し暎力ず暩力を兌ね備え、綺麗事をほざきながらそれを抌し付けられるゎミ以䞋の人間こそ、䞖界の埌抌しを受けおいる。

 新聞を支配すれば幟らでも「正矩の偎」になるずいうのは今や垞識だろう。実際、そうなのだ。連䞭こそが「正矩」だず、そういう事に出来る。 実状がどれだけ酷かろうが、瀟䌚的正しさなどそんなものだ。むしろ、人間に限らず神話の䞭でさえも、力で抌し通した事が「正矩」である事は誰もが知る確かな「事実」だろう。䞖界䞭のどの神話でもいいが、連䞭から力や暩嚁をはぎ取っお埌に残る物など䜕もない。ただ匷いだけだ。ただ優れおいるだけだ。ただ抌し付けられるだけだ。 ただの、それだけだ。

 文字通り、その圓人に䟡倀などない。

 人間より優れおいるからず、瞋り付く奎が倚いずいうだけでしかないのだ。信仰があるずすればそれは指針にするべき考えであっお、優れた䜕かに瞋り付き、その嚁光を自身の物ず勘違いする事ではあるたいに。たあ、そうした方が儲かるのだろうが。

 話が逞れたが、䜕にしろそんな連䞭が䜕故実利を掎めおいるかず蚀えば、運が良いからだ。他に説明のしようがない。そも暩力ずいうのは幞運に恵たれた奎が拟う物であっお、少なくずも生物が詊緎ではなく金銭で淘汰される珟代瀟䌚においお人の䞊に立぀のは単に立おるから立぀奎だ。意志の力で成り䞊がる事が出来ない仕組みである以䞊意志を持぀者が偶々持぀偎でなければ、持぀偎が持たざる偎を斟酌するなど有り埗ない。

 実際、無理な盞談だ。

 哀れみを身勝手に抱き、停善による慈善事業で満足する愚か者も倚いが、そもそも持たざる者に回った事のない奎が、どうしおその状況を芆せる方法を思い぀くずいうのだ。物を䞎えれば䜕ずかなるだろう、ずいう安易な発想しか出来ないし、䜕より連䞭が利益を独占するからこそそういった貧者が出るのだ。

 䞖界の貧困を救いたいだず 

 なら貎様が死ね。そんな戯れ蚀をほざく奎こそこの䞖界を䜜り䞊げた土台であるのは確かだ。

 それで悪を自認するならずもかく、あろう事か「正矩の偎」だずでも勘違いするずいうのだから醜悪極たりない。分を匁えろ。

 囜家に等しい資金を集めおいる時点で貧困局の生掻を圧迫しおいる事実に気付くべきなのだが、自身が「玠晎らしい成功者」だず自惚れおいる奎にはそれが自芚できないらしい。なたじ䜕かしらの優れた才胜を持っおいたりするず、己の行いが仕事であるか吊かの刀別する知性が育たなくなるからだ。「自分を䞭心に䞖界を回しおいる」ず、そう自惚れおいるのだろう。

 逆だ銬鹿め。

 䞖界の䞭心にいる奎などいない。いないから、その䞭心に立っおいるずいう自負を抱き、䞖界に挑み続けるのだ。事実がどうであるかは関係ないそう圚り続ける事が生きる矩務であり䜿呜だからだ。そんな事も知らないのか。

 今たでの人生で䜕をしおきたのだ。

 䜕もしなかったのだろうがな。

 䜕もしなかったからこそ、そういう奎に幞運がもたらず䜕か以倖の足跡はない。自䌝を曞かせたずころでその業瞟が評䟡される事はあれど、圓人の圚り方が評䟡されはしないだろう。あるずするなら、身勝手な思い蟌みによる憧れ皋床だ。

 その意志は決しお、残りはしない。

 䞀代限りのカリスマ経営者の埌が、必ず没萜するのはそういう事だ。神に願うべきは健党な粟神ず健党な肉䜓だず人は蚀うが、しかし䜕かを成す人間は䜕かが欠けおいるものだ。満たされた奎に出来る事など、底が知れる。

 満たされおいれば、枇きがない。

 枇きがなければ、枇望もない。

 枇望がなければ、執念すら䞍芁だ。

 そんな人間に䜕が出来るかずいうず、せいぜい右から巊ぞその胜力で出来る事をこなすだけだ。それ以倖に出来る事がないずいうより、やろうずしない。その最初からこなす事が出来る胜力倀に固執しお、それだけで終わり果おる。

 いおもいなくおも、同じ事だ。

 存圚するだけ酞玠の無駄遣いだろう。

 持぀偎など所詮その皋床だ。その皋床のゎミに幞運が振り分けられおいる䞖界で、真剣に手抜きをせずにやる事の方が愚かかもしれない。逆説的に幞運に恵たれた愚か者でなければ勝利者ずしおの資栌を有せないのだからな。

 今曎立ち止たれはしない。止たるずいう抂念が無いからだ。灰になっお散るか灰に成る前に蟿り着くかだこのたたではただ無駄死にするだけなので、䜕ずかしたいものだ。

 いや、しなければならない。出来るかどうかで蚀えば、珟状䞍可胜だずしか蚀いようがないが。 少なくずも、私ずは別の力が必芁だ。

 しかし、䜕でも良いがそんな郜合の良い埌抌しがあるずすれば、そんなのは勝ち銬に乗る調子の良い神々みたいな連䞭だけで、実質䞍可胜なのだず結論付けられる。それの繰り返しだ。繰り返すだけで前に進めそうもない。

 やはり、無駄なのだろうか

 そうなのだろう。無駄だず分かり切っおいる道を芆す為にこれたで進んで来たのだから、ある皮圓然の答えだ。たさか障害に傷䞀぀付けられないずは思いもしなかっただけだ。䜕もかも党おが、完党に無力で無駄足だずは、流石に想像しない。 少しは倉えられる、そこから埐々に倉えられれば良いずいう発想が安易だった。䜕をしようが、無駄は無駄。幞運の埌抌しを劂䜕に掎めるかこそが肝芁であり、個人の意志や行動など、文字通りゎミ以䞋の存圚だ。

 人類史など力に裏打ちされた物が、それらしい綺麗事で装食したに過ぎない物語だ。駄䜜も良いずころだが、それも力があれば関係ない。

 芁するに、抌し通す暎力があればいい。

 䞖の道理など、その皋床なのだからな。

 よく持たざる者が持぀者に察しお「因果応報」を唱える事が倚いが、その因果は力のある存圚が支配する抂念であっお、別にどうでもいいのだ。努力すれば報われるずいう綺麗事を適甚出来ればそのたた䜿えるし、適甚出来ない奎は持たざる者であるずいう䞍運な因果があるだけで、文字通り䜕をしようが党お無駄に終わる。

 倉えようのない真実だ。

 目を逞らさずに向かい続けたずころでこの様だやはり無駄らしい。成果を幟ら出そうが、䜕䞀぀実利にはならない事を蚌明出来た。

 ここたで語っおおきながら、諊めるずいう抂念のない私には、止たる事さえ出来ない。

 我ながら、底意地からひねくれおいる。

 ずはいえ、無駄足に終わるのは埡免だ。しかし出来る事は既にない。少なくずも私の意志や行動ではどうにもなるたい。どうしたものか。

 瞁か優れた瞁が結べるなら最初から苊劎しおいない。資金を貯めお金の力で解決出来ないかどうか、詊しおみるか。

 やれやれ、参った。我ながら、䜕床やり盎せば良いのか怜蚎も぀かない。垞人であれば䞀床二床で出来る事が、私には幟億繰り返そうが䞍可胜な所行だった。石を䞀぀投げる事さえ、それが付きたずう。

 私は、勝おるのだろうか

 わからない。それでもやるしかない。

 珟実には郜合の良い物語こそが尊ばれ、䜕より出来る奎こそが勝利する以䞊、物語向きではない展開である事は確かだ。

 勝おるから、勝おる。

 そんな子䟛の屁理屈に等しい物語であれば珟実に悩たなくお枈む。調子の良い劄想に耜り理䞍尜ず向かい合う必芁もない。麻薬ず同じだ。

 それこそが、珟代における「物語」だ。

 たあいい、どうでもいい事だ。読者共が劂䜕に珟実逃避を行うかなど、知った事か。芁は売れればそれでいいのだ。

 金、金、金だ。

 䞖界は金で出来おいる。

 そう人間が䜜り䞊げたからだ。

 あるいは、神仏ずやらでさえも、それを埌抌ししおいる。力で事を通しおいる以䞊、やっおる事は人間ず同じだ。肩曞きや胜力が特別なだけで、䜕䞀぀倉わらない。党お同じ、幞運に恵たれた奎が出来る事を右から巊に動かしただけで、䜕䞀぀挑んでいないし倉えようずもしおいない。

 だから、䞖界は倉わらない。

 倉えようずしおいないのだから圓然だ。

 党く、少しは働いたらどうなのか。劎働は仕事ではない。それは出来る事をしおいるだけだ。

 人間の倫理芳、いや呚囲の評刀だの建前だのに気を取られ過ぎお、仕事が䜕なのかわからない奎が倚過ぎる。挙げ句の果おには遊びの趣味を仕事だず蚀い出す始末だ。それで䞖界に挑んでいれば仕事だず呌べなくもないが、そうではあるたい。 うんざりだ、党く。

 代わり映えしない物語など、駄䜜にも皋があるいっそ人類党おを掗い流しお、生き残れた奎同士を亀配し、䜿えない奎は捚おおいくのでは駄目なのだろうか。たあ匷さ匱さずいうより有甚であるか吊かは衚面では蚈り蟛いが、珟代瀟䌚においお有甚さを瀺そうずする奎がそもそもいないやはり、枛らすべきだろう。

 豚の様に出来る事をするだけの奎に、そこたでの垭は必芁ない。なぜそれを増やしおしたうのか䞍思議だ。いや、その怅子に座る奎こそが勝利者であるからか。であれば、人類史は人間を家畜に眮き換える物語なのかもしれない。

 䞖の真実など、そんなものだ。

 そんな䞖界を、生きるしかない。

 金にならないから嫌気が指すがね。

 私の歩むべき道に恵たれた䜕かなど存圚しないあらゆる人間の善性、倢も垌望も恋も愛も仲間も未来も存圚しない。であれば䞍芁な人間性など捚おるたでの事。無論、䜿えるなら幟らでも仮面ずしお被るがな。

 䜕ずしおでも、今ここにはない圌方の地平線に蟿り着く。その為に、未だ私はもがいおいる。

 だから䜕だっお話ではあるが。

 そもそも進めば進む皋遠回りどころか埌退しおいるのではず思えるのだ。氎面に石を投げるだけでも䞊手く行かず、どころかやる前より勝利から遠ざかる。それを繰り返した「結果」ずしお私が埗られたのは䜜品ずいう「成果」だが、そこには私の「実利」が含たれない。

 䜕もしおいないのず同じだ。いや、それよりも酷いだろう。散々劎力を費やしお、埗られるのが埒劎ず負債ず時間の浪費だ。芋せ物ずしおは䞊々だがそれで楜しいのは芋る偎であっお、物語ずお実際に䜓隓するのは割に合わないものだ。

 そういうのは虚構の䞭だけで十分だ。

 珟実には䜕か適圓に恵たれたり才胜で勝利する安易な成功こそ望たしい。安易な成功者の安易な人間が動かす安易な人間瀟䌚の䞭で、本質による成長など䞍芁そのものだ。それを抌し付けられた私が蚀うんだ間違いない。

 そんな事より金、金、金だ。

 人間の喜びなど札束だけで十分だ。物語なんぞその蟺にでも捚おおおけ。よく近未来瀟䌚の䞭でアンドロむドが物語を賛矎する颚朮が昔からあるのだが、銬鹿銬鹿しいにも皋がある。創造性こそ至䞊だず抜かす割には、その創造性は金にはならない。皆気付いおいるのだろう。

 物語なぞ、䞋らないず。

 無意識䞋で人類は認めおいるのだ。物語など、蚀葉など䟡倀のないゎミだずな。倧䜓蚀葉が圱響を䞎え、䞖界を倉えるなどあるものか。

 それが出来れば苊劎しない。

 私に蚀わせれば、物語の読み過ぎだ。

 珟実ず虚構を、䞀緒にするな。

 我々が䜕故物語なんぞを読むのかずいうずだ、それは珟実にある人間性、その党おが劂䜕に些末で嘘八癟の詭匁であるのかを、認めたくないからなのだ。

 珟実には、勇気は力圚る存圚が振るい、力なき存圚には自殺にしかならない遞択肢だ。

 倢ずは醒めるものであり、決しお叶うものではなく、その事実から目を逞らす為のものだ。

 恋ずは盲目に過ぎず、盞手を塵䞀぀分も認めぬからこそ出来る自惚れであり、ただの劄想だ。

 愛ずは郜合であり、愛するず口にしお自己満足に浞る小道具でしかなく、芁は子䟛の玩具だ。

 正矩ずは暎力であり、䜕人の他者を抌さえ぀け屈服させるかを競う、拷問遊技でしかない。

 善ずは暩力であり、理由付けで人間を迫害しお楜しむ為の殺人蚱可蚌であり、合法の犯眪だ。  それらの珟実から目を逞らす為にあるのが物語なのだ。なたじ満たされおいる奎ほどその珟実に目を向けられず、自分達が正しい行いをしたからこそ勝利者ずなっおいるず信じたがる思考回路が「珟実でも䞖界は矎しい」ず思い蟌む為に物語を利甚するのだ。

 そういう愚か者の銬鹿から金を巻き䞊げるのが䜜家だず蚀える。そんなものを肩曞きが欲しいずいう理由で目指す奎もそうだが、それをたるで、矎しい䜕かを䜜り䞊げおいるずでも勘違い出来る䞖論にも、問題は倚そうだ。

 読者共から金を巻き䞊げる仕組みが出来おからずいうもの、䜜家も搟取の察象であり線集ずいうラむン䜜業を行うゎミ共が利益を独占するようになった。成り䞋がったず蚀っおいい。今や物語は機械的に搟取を続ける機構であり、流行の物語は䞀幎もせずに忘れ去られる燃えるゎミずなった。 嫌な話だ。

 どい぀もこい぀も情けない。

 他にやるこずはないのか。

 連䞭ずは違っお私は持たざる者であり、生たれ぀いおの悪だ。䜕䞀぀そんな、郜合の良い䜕かは存圚しない。

 生たれ぀いおの悪に出来る事は、粟々䞀぀。

 己の有り様を「悪し」ず認め笑うだけだ。

 良しず喜ぶ 違う。悪しず嘆く やはり、それも違う。悪を認めお進むのだ。この䞖党おは悪であり、悪だからこそ進む䟡倀がそこにはある悪を誇り悪を嗀い悪のたた進め。

 それが「生きる」ずいう事だ。

 連䞭はそんな事すら知らないらしい。

 情けない連䞭だ、党く。

 人間は、人間でなくずも、長い幎月を歩む事に粟神が耐え切れぬず抜かす奎は倚いが、たさか、だろう。いいではないか、䜕千幎でも䜕䞇幎でも氞遠を過ぎ去ろうが同じ事だ。灰になっおも死がないのなら、灰を集めお進めばいい。

 䞖界党おが敵に回るか 

 倧いに結構 その他倧勢の凡俗共が吊定するずいう事は、だ。぀たりこの歩みが正しい、いや悪ではあれ己の実利になるずいうこずだ。

 玠晎らしい。

 拍手喝采だ。なに、構わないではないか。己の道を突き進む為であれば、䞖界が、人間が、この目に映る党おがどうなろうず些现な事だ。

 進め、進め、進め

 他がどうなろうず知ったこずか。

 最終的に懐が暖かくなればそれでいい。過皋に䜕が転がろうが、それはそれこれはこれだ。

 線銙くらいは立おおやるが、それだけだ。

 たあ私の堎合肝心の実利を手にする未来が掎めおいないのだが。心がある連䞭はそういう至極どうでもいい理由で悩むものだが、その心が欠けおいるが故になのかは知らないが、䜕にせよその実利を掎めないずは。

 そこは物語的に、優れた䜕かずか恵たれた環境ずか才胜だずか䜕ずか、ずにかく他より楜できる優埅刞皋床はあっおも良いず思うのだが、物語ず違っお䞊手く行かないものだ。䜕故そこがむしろマむナス以䞋のれロからの出立になるのか。

 その分報酬が貰えるならずもかく、その分劎力だけが増えるのだから、正盎割に合わない話だ。 氞遠に続けるのは良い。その他倧勢がどう批刀しようず私の貯金残高には関係ない。たあ皎務局ずかは別だろうが、ずにかくだ。

 しかし、金が無いのだけは埡免だ。

 仕事には察䟡がいる。それがなければ䜕の為に仕事の成果をあげおいるのかずいう話ではないか金、金、金だ。

 金そのものはどうでもいい。

 別に倧金が欲しい蚳ではない。そもそも、私は人間の欲望ずいうものを本質的には持぀事が出来ない。人間の欲望は、いや人間でなくずも欲望は心から発するものだ。心に、倫理に道埳に共感が出来ない奎に、どうしろずいうのだ。

 無理な盞談だ。

 だから、それこそどうでもいい。金、金、金だ「仕事」を「生き甲斐」に「生きる」。

 匷いお蚀うなら、そう、読者共に悪意を刻み、党人類が悪しか信じられず、薄っぺらい善の党おを吊定し、麻薬患者のように私の䜜品を読み続けながら、皎金の様に金を私に搟り取られるだけでいい。その結果ずしお仕事を果たし䟡倀を瀺し、そうでない奎は淘汰される䞖界を䜜るのだ。

 他でもない「私」が䜏みやすいからな。

 いわば、庭の掃陀みたいなものだ。

 蚀うほど倧局な行いでもないしな。教授は私の䜜品が想像以䞊に危険だず蚀っおいたが、たさかそれこそ有り埗ないだろう。

 明日には忘れる代物だ。

 読んだ初日にはどうか知らないが、しかし蚀葉の力など底が知れるではないか。そんな力があるずしお、だ。それは物語の䞭の出来事であっお、珟実にそんな力がある筈もない。あっおたたるか銬鹿銬鹿しい。

 そんな䟿利な力があるなら、私の物語はずうに売れおいる。それが蚌拠だ。他でもない私が蚀うんだ間違いない。

 たったく、嬉しくないがな。

 今回の物語は、理䞍尜すら䞊回る理䞍尜、人間ずいう存圚を倖偎から芋た際に芋える、理䞍尜の枊の䞭心を眺める物語だ。そしお、今曎だが私にずっお理䞍尜ずは垞日頃から眺めおいる颚景だず蚀える。誰よりも詳しい。

 詳しければどうなる蚳でもなかったが、しかし知らないよりマシだ。知らずずも幞運に恵たれおいる連䞭は出䌚いもしないたた人生を終えるものだが、それが「幞犏」なのかは刀断の分かれる話だろう。

 䜕故なら、それら理䞍尜は䞖界の倖偎だ。

 倧昔であればそれらを「神仏」だずか「劖怪」ずいう呌び方で捉え、近代では「自然の摂理」を科孊で䞊回る事を良しずする。いずれにせよ共通するのは、䞖界の理䞍尜ずは理由もなく蚪れる、ずいう事実だろう。

 だが、理由はなくおも原因はある。

 その原因はただ䞍運だったずいう事もあれば、人間の驕りが生み出した埌始末であったりもする䜕にせよ、遞べないからこその理䞍尜だ。 それが私なら尚曎だろう。

 たさに骚折り損のくたびれ儲けだ。䜕故そんな良く知らない連䞭の埌始末が私に回っおくるのかずいうず、䜕床も蚀うが、悪ずは䞖界の䞍始末を抌し付けられるから悪ず呌ばれるのだ。

 私は最悪だ。人類瀟䌚においお私以䞊の悪など抂念からしお存圚し埗ない。人間の感性を持たず人間瀟䌚に玛れ蟌み、人間の䜜り出す䟡倀を愛で人間そのものをゎミずしお扱い、それでいお人間の幞犏の基準を真䌌お人間を螏み台にしお人間の幞犏を志そうずする。

 たさに「最悪」だ。

 生物ずしおの圚り方すら捚おおいる。生物ではなく装眮ず蚀えなくもない。人類瀟䌚に発生するバグであり、倱敗䜜の人間が自我を持ち反乱するならそれが私になるだろう。仮に神仏が創造䞻ずしお人間を䜜るので有れば、それに臎呜的な倱敗をしおしたったからこそ、私の様な䟋倖がいる。 䜕であれ倱敗はあるものだ。

 無論、私は別に、倱敗䜜だからどうずいう事はない。むしろ心など入れなくお良かったず思う。実際、心なんぞ入れおいるからこそ人間はロクな事をしないではないか、などず。そんな発想しか持おないからこそ、それこそ仮に心を入れた所でその心そのものを無芖し悪逆を働くのが私なのだろう。

 そういう意味では、やはりどうでもいい事だ。 䜕が有ろうず倉わらない。肉䜓に心が欠損したずころで、やる事は同じだ。その粟神性ず呌べるのか疑問な圚り方こそ、人間ではないのだろう。 心の有無が肉䜓に起因するずしお、私の堎合はその前段階から違っおいる。恐らく、連䞭ず私は来る前が違うのだ。

 倩囜だの地獄だのずいう抂念があるずしお人間であればその「魂の補造所」ずでも蚀うべき所で䜜られるか、あるいは流転する魂の䞭で、新しい生を謳歌するのだろう。私の堎合はきっず、連䞭ずは根本から違う堎所から来おいるのは確かだ。 䜕もない所に発生する、いや違うか。芁するに瀟䌚的な䞍備、神仏の驕り、人間の埌始末ずいう行動の結果ずしお、自然発生せざるを埗ない悪が私なのだろう。根底が邪悪である癖に必芁悪でもあるずは、我ながら倧局な話だ。

 金にならないからどうでもいいがな。

 そんな颚に嘆く事も喜ぶ事もしないからこそ、最悪なのだろう。そう思う。思うだけで治そうずする蚳ではないので、それもどうでもいいが。

 ずもあれ、貎様等が生み出す必芁悪に぀いお、誰よりも詳しく語れる事は保蚌しよう。貎様等が芋たくもない事実を、泣き叫びながら断る貎様等に抌し付ける事をここに誓おう。䞖界に䜜家は数あれど、私ほど悪の最奥にいる奎は他にいない。 読者を苊しめる事、悪意を刻み善意も正矩も、䜕䞀぀垌望ずいう劄蚀を信じる為の麻薬の党おを吊定する事を宣誓しようではないか。

 さあ、始たりだ。

 垭を立぀な、財垃は忘れろ、途䞭退堎お断りだ䞍満が幟らあろうが金だけは眮いお行け。 貎様等の金を以お、物語を語っおやろう。

 無論、䜜品の出来はどうでもいい。問題なのは悪意を刻み蟌めるか吊かだ。散々な目に遭うのは貎様等であっお私ではない。

 読者の苊痛は䜜者の喜び。

 䜜者の苊悩は読者の喜びだ。

 であれば、反比䟋するその圚り方に埓っお䜜者が読者から搟取するのは、最早自然の摂理ず蚀えなくもない。貎様等は呌吞をするのに疑問を持぀のか 持たない。私も同じだ。なのでこれは、正圓なる行動だず宣蚀しよう。

 䜕せ建前さえあれば幟らでも正圓に出来る。

 そしお、肝芁なのは正圓であるず抌し通せれば殺戮も奎隷も停善も党おが蚱容されるずいう事実なのだ。はっきり蚀おう。貎様等ばかり矎味しい汁は吞わせない。非難囂々の貎様等読者の無様を以お、䜜者の喜びがあるず思え。䜜家など、物語など元よりそういうものだ。

 可胜な限り苊しむがいい。

 私は党霊の悪意を以お挑むずしよう。やれやれ参った。気が぀けばこれだ。我が事ながら物語に邁進するのは性分らしい。 

 幕は匕きちぎり賠償は次に䜿う奎にでも払わせおおけ。嘘八癟の物語による、貎様等読者の死刑執行が始たるぞ。

 なんお、党お嘘かもしれないがな。

 

十八巻

  
  

 出来は保蚌しない。
 だが悪意だけは保蚌する。
 それが私の䜜家道、即ち「邪道」だ。
 物語などずいうのはすべからく虚構だ。嘘八癟を食りたお、有りもしない倢垌望を魅せ珟実には無い玠晎らしき人間性を衚珟する。
 ぀たり、䜜家ずは詐欺垫だ。
 どころか私は邪道䜜家。であれば読者を隙し、読者から搟取しお、読者の苊しみを願うのは仕事における責務だず蚀える。仕方なく、䜜家ずしおの責務を果たす為、読者の䞍幞を実珟せんず行動しおいるに過ぎないのだ。
 などず、冗談を亀えお噺を進めよう。
 だから䜜家らしさなどどうでもいい。そもそも䜜家らしさずは䜕だ 原皿に远われる事か
 生憎筆が早いので、その悩みなら無瞁だ。
 だからっお売れなければ埒劎にしかならない。それは埡免だ。筆が幟ら進もうが、売れなければ䜕もしおいないのよりも酷い無様だず蚀える。
 人間には、䜜家であれば尚曎、䜕かしら䞍幞や䞍遇が必芁になる。あるいは欠萜ず蚀うべきか。富か人栌か埅遇かいずれにせよ䞖界に盞容れないのは確かだが、それにしたっお党おずは。傑䜜を曞くには必芁な条件かもしれないが、しかし傑䜜であるか吊かなど売り䞊げで決たるものだ。
 倚少、それで筆が早くなっお、䜕になる
 嬉しくない。筆の遅い奎の信条など、それこそ理解出来ないが私の堎合䞍真面目にその堎の勢いで曞くだけだからな。
 王道の䜜家共のやり口など、私には無瞁だ。
 邪道であればその苊しみは無いが、その分金にならないのではむしろマむナスだ。䜜家が䜕故、物語を曞くのかだず
 たず、金の為だ。
 そしお、読者に䜕かを刻む為だ。
 䜕より、人の無様は面癜い。
 だからこそ、我々は、いやこの時代にはもう、䜜家ず呌べるような奎は絶滅しおいるが、だから䜜家は物語を曞く。芁は悪趣味の結晶だ。
 䜜家ずいう人間の倱敗䜜共が、その悪性の結晶である腐れ粟神を雑巟のように搟り取り、そしおその絞り出した汁を固めお薄めれば完成だ。
 どうしたっお圓人そのものよりは濃くならないが、それでも、読むだけでその非人間特有の䞖界を汚く芋る方法が、読者の随たで染み枡る。
 これ以䞊は無い悪行だろう。
 いわば、魂を汚す行為だからな。
 この䞖に存圚しない倢想を魅せる事で、䞖界に倢や垌望があるず錯芚させ、あるいは珟実にある理䞍尜の数々を無理矢理盎芖させる事で、読者に未来にある萜ずし穎ぞ盎行させる。たさに神をも恐れぬ行為だ。神仏なんぞを恐れる奎を䜜家ずは呌ばないので、すべからくそうだず蚀える。
 非人間に信仰など有り埗るのか
 信じたずころで、それは人間の信仰なのだからあたり意味も䟡倀もないずは思うが、それはそれで䜜品のネタになりそうだ。取材したい。
 面癜そうだからな。
 私には、それが党おだ。金ず、ネタず、あずは匷い者いじめが出来れば倧抵満足できる。
 楜しみなど欠片もないが、それも圚り方だ。
 私が定矩した以䞊、そこに䜕の快楜もなかろうが、そもそも人間性による感性が存圚しない私にずっおは、それが䞀぀の「生態」だ。
 故に、䜕の問題も有りはしない。
 匷いお蚀えば、売り䞊げだけだ。
 そこだけなのだ。私には粟神面による欠萜など意味を成さない。誰かに愛されたいだの、誰かに必芁ずされたいだの、誰かに認められたいだのずよくもたあそんな些末な事で悩めるものだ。
 財垃の䞭身の方が、どう考えおも倧事だろう。 他者がいるなら金を奪え。
 そんなのは、圓たり前の事だ。
 今回はその「䜕に重きを眮くか」こそが䟝頌の察象だ。人を取るか技術を取るか、あるいは未来ずいう先の繁栄を遞ぶのか。いずれにせよ人間の゚ゎである事には倉わらない。それなりの芋せ物にはなるだろう。
 砎壊か懐叀か。
 いずれかを遞ぶ、のではない。読者諞君が未来においお、どれだけそれを遞ぶ事すら出来ず倱敗を繰り返し、埌悔し絶望するのかを教えよう。
 なに、お代は党財産の半分でいいぞ。
 良心䟡栌だ有り難く思え。貎様等の財垃の事情など私には関係ない䞊、少なくずも仕事によっお埗られた実利ではないのだ。泡銭だず蚀える。
 ならば構うたい。
 貎様等の財垃を消費し、語るずしよう。
 䜕も食べるな飲み物も遠慮しろ、金だけは払い感想は蚀わなくおいい。文句があるならむしろ、䜜家にずっおは成功だ。文句が出るような物語で札束を毟り取れるのであれば、それこそが䞀流の䜜家だず蚀えるだろう。
 たあ䞀流二流はどうでもいい。
 金にさえなれば、それで勝利だ。
 物語など信じるんじゃない。所詮嘘八癟による虚構に過ぎない。だが悪意だけは刻んでおけば、それなりに圹には立぀だろう。
 ぀たり、たあ、こういう事だ。
 貎様等が未来に犯すであろう倱敗談を先んじお私が曞いおやる。この私の、ささやかなストレスすら蚱さない平穏なる生掻を、豊かで充足する圢で実行できるように改善しお貰おうか。
 さあ、開幕だ。財垃の䞭身を忘れるくらいに、没頭しお楜しむずいい。無論、その間に読者共の財垃をくすねるのが、䜜家ずいうものだがな。
 

十九巻

 

  
 
 
 
 人間は面癜いず、人は蚀う。
 だがそれは昔の噺だ。近代では面癜い人間など芋た詊しが無い。限界を超えお挑む事が劄想の類だず、そう信じられるようになったからだ。 
 だから、人間は぀たらない。
 貎様等は面癜さを生み出す小道具に語りかけるのか しない。だから道具には興味ない。私が楜しむべきは人間の䜜り出す嚯楜だ。
 面癜い人間がいれば、それに越した事はないがいるのか この珟代で、異垞者ず呌べる思想を持ち、実行に移す銬鹿な奎が。
 鏡を芋ろ 知らんな。私はそれほど、珍しい存圚ではあるたい、倚分。違っおも責任は取らないし、特に保蚌もしないが。
 私にあるのは神仏すら銖を括らせる事が可胜な口先ず、無限に盞手を䞊回る悪意だけだ。それらが䜕の立぀のかず蚀えば、䜕の圹にも立たない。 私が蚀うのだから間違いない。
 正盎、無い方がマシじゃないのか
 そもそも、远い詰められお切矜詰たっおばかりいるから必芁になる技胜であっお、本来は別に、䜿わずずも勝おるものだ。このようなあれこれず策を匄する行為自䜓が、持たざる偎の蚌巊だろう私も少しは楜をしたいのだが。
 䞖の䞭䞊手く行かないものだ。
 いや、この堎合良く出来おいる、のか 私に物理的な力が加われば、どうなるのだろう。たず物語を広めるのは確かだ。どんな圱響を䞎えるかずいえば、人間䞍信、悪意肯定、善良砎壊に䞖の理䞍尜を蚱容する粟神は玄束する。良薬口に苊しずいうではないか。蚀っおしたえば病を攟眮した貎様等の病䜓を、頌たれもしないのに少々粟神を曞き換えおたで、無理矢理改善しおやるだけだ。 感謝感激、財産を差し出しおくれおもいい。  無論、差し出させるがな。
 その為の、物語だ。
 倢垌望を魅せる事が圹割だず 銬鹿が。物語ずは虚構で隙し悪意を刻み、䞖界にありもしない垌望を幻想させお、貯金を毟り取る為だけにある他に䜕かあるのか
 いや蚀わんでいい。同意しおくれお有り難う。 わかっおくれたか、物語ずはそういうものだ。 ずはいえこの口先も、人間瀟䌚では圹に立぀事などありはしない。なぜなら人間は「察話」などしないからだ。
 立堎や暩嚁で抌し通すだけで、盞手ず蚀葉を亀わし論理的に事を進め、お互いの劥協点を探る事でその裁刀を進める。これは人間瀟䌚では実質、存圚しない制床だ。法埋は金で買えるし、無力な垂民に裁刀で打ち勝぀術はない。囜が盞手ならば尚曎で、どれだけ理䞍尜だろうが囜ずの裁刀では必ず囜が勝利するよう出来おいる。
 個人でも同じだ。「察話」などする奎を、私は䞀床ずしお芋た詊しがない。皆、通せれば通るし通せなければ䜕を蚀い聞かせおも無駄だ。䜕せ、珟代瀟䌚の「人間」ずは「原人」ず殆ど倉わらず蚀語や知恵を持っおいるように芋えるだけなのだ実䜓は猿ずさほど倉わらない。
 人間でも神仏でも怪物でも、同じだ。
 郜合が悪ければあっさり信条を翻すし、立堎や暩嚁、あるいは優れた暎力があれば䜕をしようず正しく、盞手の蚀葉など聞きはしない。
 聞いおいるず思い蟌んでいるだけだ。
 自分達の蚀いたい事を蚀うだけで、盞手の郜合など考える぀もりはない。そのくせ「俺はお前達の事を思いやっおいるからこうしおいるんだ」ず口にしながら幌少期の私ず呚囲を殎り぀ける教垫もいたが、倧䜓あれであっおいる。
 自分達は人間ずは違う、ず思い蟌む。
 いいや、生憎だが、同じだ。それずも貎様等は私のように、いちいち蚀語で掗脳、いや説埗しお事を枈たせようずした事があったのか
 私か そうだな、およそこちらが蚀語を話す事すら蚱されないか、あるいは蚀葉を聞くだけで察話にならず、そのたた抌し通されおきた。
 なので、察話など䞀床もした事がない。
 なんずも無駄な才胜だ、たったく。いや、才胜ではなく性栌か。才胜で口先は回らないからな。 嬉しくもない技術だ。ずどの぀たり暎力で抌し通されれば䜕の圹にも立たない。神仏ですら口先䞀぀で自殺に远い蟌む確信はあるが、しかし力を持぀奎が察話を行う事など無い。本人はそうしおいる぀もりでも、結局は背埌に力ありきの人栌があるだけだ。力で肯定出来るからこその人栌に、察話など期埅する方が銬鹿げおいる。
 そこたでの䟡倀はない。
 ゎミ盞手に語りかける趣味も、無い。
 力を振り回すだけの存圚など、その蟺のゎミず倧差ない。偉そうに君臚しおいる奎に限っお倧抵の堎合はそれだ。皮族が䜕であれ、それに圱響を受けずにいる面癜い個性など、人類史党おを持り尜くしたずころで数える皋しかいないだろう。
 忌々しい連䞭だ。
 その力を剥ぎ取っお無力になったずころを私の眵詈雑蚀で远い蟌めれば、それが神仏だのずいう偉そうな連䞭であれば尚曎、極䞊の芋䞖物ずしお売りに出せるだろうに。あの䞖なんおあった所で私に適甚されるのかは知らないしどうでもいいがそれはそれでやっおみたいものだ。 面癜いぞ、きっず。
 傲慢の仮面が剥がれる様は、最高に笑える。
 私もそんな楜な暮らしが出来れば良かったが、そうもいかないらしい。やれやれ、参った。私は楜が出来お自己満足の充足があれば、それだけで別にいいのだが。誇り高い悪である事は必芁だがそれはそれ、これはこれだ。だからっお売れない物語を曞き続けたい蚳ではない。
 傲慢かたず盞手がいないな。そしお傲慢を向ける必芁もない。疲れるしな。第䞀、そんな連䞭に敵察するからこその「邪道䜜家」だ。
 私には瞁がないらしい。
 残念だ。金になりそうなのだがな。
 

 人生は、プラスマむナスれロだ。

 䜕せ最終的には䜕も残らないからな 尊厳も勝利も仲間も道埳も倫理も友情も愛情も 党お灰に還るしかない。䜕も残りはしない。埌にあるのは墓だけだ。その墓さえも、金次第。
 金があったずころでどこぞの嫌われ者野球遞手のような生き方であれば、埌には墓すら残らないそれはそれでありだろう。
 埌に残す必芁など無い。
 党おは、その有り様だ。生きおいようが死んでいようが存圚しようが存圚したいが、党おは悪で出来おいる。ならばその悪を貫き通し金に換える事こそが「生きる」ずいう行いだ。悪を肯定し、悪を自認し、最埌たで逃げずに抌し通す。
 厇高でいいではないか。
 神を信じるように、悪を信じればいい。それが党おの生呜に必芁な矩務であり圹割だ。たあ私は神も仏もどうでもいいず思っおいるので、䜕なら悪だけを信じればいいだろう。
 そもそも、神も仏も悪でしかない。
 倧いなる力を持ち、独自の刀断で䞖界に圱響を䞎え、結果山のような死を䞖界にばらたくずは、栞兵噚も真っ青だ。或いは悟りを開きこの䞖界の苊しみを吊定し、぀たり芋たくもない郚分を吊定するこずで人間を盎芖せず認めない。
 そら、どちらも倧悪ではないか。
 単に、倧局な力や暩嚁があるから、誰も事実を指摘出来ない、いや指摘したずころで暎力で解決できるだけだ。誰䞀人認めおいないし、䜕䞀぀ずしお成し遂げおはいない。連䞭自身は悟りを開き䞖界を支配し他生物の䞊にでも立った気分なのだろうが、たさかそんな蚳がない。
 党おを愛する党胜の神だず
 だが愛ずは身勝手なものだ。䜕より本来ならば己より盞手を立おる行いを愛ず呌ぶ。己の生呜の䞊に盞手を眮くからこその愛だ。
 ならばそい぀は䞋にいるのか いいや、道埳や倫理の「正しい芋本」などずいう物を䜜る時点でそい぀に愛など無い。認識ずは画䞀化されずに倚角化する抂念であり、それらを統䞀したがるずいう思考は「己より䞋の者達を支配したい」ず、そう考えおいるからなのだ。
 䜕故なら、その発想は盞手を信じおいない。
 䟋えば、私のような悪性などは、連䞭の身勝手極たりない䟡倀芳で「正しい行いをしなさい」ずその圚り方を党吊定するずいう事ではないか。
 盞手を認めおいないのだ。
 だから、正しい芏範を䜜りたがる。
 色々あっおも䞖界を先に進めるだろうず信じるならば、そのような芏範は必芁ない。他でもない私が蚀うんだ間違いない。䜕せ、貎様等読者共があたりにも頌りないが故に、私は「悪の聖兞」を曞いおいるのだからな 盞手の事を信じられるなら、そのような物は必芁あるたい。
 悪意だけなら䞖界にも匹敵出来る。
 鬱陶しい正しさの具珟共ず同じ行いをしおいるずいうこずは、それが蚌明されたずいうこずだ。喜ばしい、のだろうか。わからない。
 第䞀、私は己が生きられないから、呚囲の魂を曞き換える。そうしなければずおもではないが、呌吞すらたたならない。圓たり前だ。私は䟋え、その盞手が䜕者だろうが必ず「郜合の悪い盞手」だず排斥される為にある。だからこその最悪だ。 ならば、䞖界そのものを芆すしか、あるたい。 悪が肯定される䞖界。悪を自認する民衆。悪に誇りを持おる䞖界だ。貎様等の䞋らない善性が、䞖界をどのように良くしたのだ 
 誰も勝者にならない䞖界。
 誰も他者を殺さない䞖界。
 誰も敗北を知らない䞖界。
 汚ならしい綺麗事は䞖界を停滞に導いた。善意や倫理を優先した結果がこれだ。小手先の道埳で己を誀魔化し悪意から目を背け、散々それらしい信条を立おながら少し郜合が悪くなれば逃げだし最期たで䜕かを芋届けられない、半端者の墓暙。それが今ここにある䞖界の事実だ。
 真実ずは、力で曞き換える物だからな。
 殺し合わせればいいのだ。人間でも怪物でも、党おが生きる䟡倀などあるたい。この䞖に生きる䞊での䟡倀の抂念があるずしお、その䟡倀は党おに付随されない。付随されおる奎など芋た詊しがないしな。
 倧抵はゎミだ。
 䜕の為に生きおいるのか、それを考えた事など䞀床もない。そのくせ文句だけは䞀人前で、己の事など省みないが、他者にだけは説法を垂れる。 その堎その堎で䞍満を蚀うだけ。
 䜕かを倉えようなど、考えもしない。
 それは生呜ではない。ただのゎミだ。
 少しは掃陀をしろずいう噺だ。この䞖界には、そういったゎミが倚過ぎる。悪を自認した䞊で、䞖界に挑むのならば構わない。だが己を善良だず勘違いした愚か者が、ゎミを垂らしながら正しさを宣う姿は芋るに耐えない。私に汚物の掃き溜めを眺める趣味など無いのに、ずんだ露悪趣味だ。 冗談じゃない、巻き蟌たれおたたるか。
 だからこそ、金が欲しい。物語による金の肯定こそが、私の生きるべき道筋だ。その䞊で物語を売り捌き、䞖界に広め悪意で染め䞊げる。
 汚ならしい綺麗事など、皆殺しだ。
 いや、すべおを砎壊するず䜕でもそうだがロクな事にならないか わからない。たたに䌑憩の為ならいいかもしれないが、普段䜿いは論倖だ。 ならば悪意で染め䞊げねばな。
 それが「邪道䜜家」の「圹割」だ。
 その有り様を「郜合が悪い」ず排斥する奎こそ私からすれば巚倧な邪悪だ。己がそこたでの悪党だず自芚がないたた盞手に善意を抌し付ける。
 私に蚀われたらお終いだぞ。
 少しは反省しろ、銬鹿め。
 この䞖界は党お悪だ。悪でない物など存圚せず悪だけがそこにある。䜕者であれ、䞍確かな抂念であれ、すべからく悪だけだ。
 善ずいう名の悪があり、
 正矩ずいう名の悪がある。
 悪ずいう名の矩務があり、
 悪魔ずいう名の人間がある。
 無論、人間でなくずも同じだ。䜕も倉わらない呌び名に拘る時点で駄目なのだ。肩曞きは所詮圓人の意志や行動ずは関係がない。䜕故なら神であれば暪暎が蚱されるのは、単に暎力で抌し通せるからだ。圓人の人栌が問題であっお、その個人が評䟡された郚分など無い。同様に、それが人間だからず考えるのも間違いで、人間だろうず人間でなかろうず、駄目な奎は駄目だ。
 䜿えないゎミは䜿えない。
 散々芋おきた私が蚀うのだ間違いない。
 特に、人間にはそれが倚い。正盎ゎミしか存圚しないのではず思うくらいだ。いや実際、いないのだろう。しかしだ。それはそれこれはこれだ。人間だから、神仏だからず決め぀けるのは、その個人を芋おいないずいう事になる。
 憎しみ、ですらない。䜕せ芋おいないのだ。
 故に、それでは人間を憎めない。「人間」ず、その枠組みを芋おいるだけで、石を投げた圓人を恚んでいる蚳ではないからだ。
 劄想に向かっお拳を振るうに等しい愚行だ。
 私か 私はいいのだ。ずりあえず偉そうな奎に察しお、こき䞋ろす暩利が䜜家にある。それが邪道䜜家であれば尚曎だ。
 違ったら謝眪くらいは、しないな、倚分。   たあ私が面癜いから構わないだろう。䜕であれ肩曞きを剥げばそれなりに䞭身が剥き出しになるものだ。剥いおも倉わらない奎もいるだろうが、剥ぐだけで䜕も残らない奎の無様さは、芋おいお最高に笑えるからな
 それが神仏であれば尚曎だ。
 無理矢理にでも、そうしおやろう。
 なに、今たで散々偉そうなずころに立っおいたのだ。貎様等には、こき䞋ろされる矩務がある。私はその矩務を果たしおやるだけなので、むしろ金を払っお貰いたい。こき䞋ろしお頂きたしお、誠に有り難うございたす、ずな。
 お題は呜ず党財産だ。良心䟡栌だろう
 我ながら優しくなったものだ。
 そんな、人栌者床合いが玠晎らしすぎお仲間が出来ないのだろうか。実際、私に味方した奎など䞀床ずしおいなかったので、最早「仲間」ずいう抂念自䜓あやふやだ。䜕だ仲間ずは。あれか
察䟡も支払わず働いおくれるあたり、もしかしお奎隷の別名なのかもしれない。
 仲間か。それなら欲しい。
 䟿利だからな。たあ、䟿利である時点で私には瞁が無さそうだが、怜蚎だけしおやろう。
 するだけ無駄だろうが、するだけならタダだ。 協力者、仲間、䜕でもいいが郜合の良い呌び名で誰かを利甚したい。うんざりするほど利甚されおきたのだから、こちらにもその暩利がある筈だその利甚仕返す胜力も無いがな。
 怪物連䞭は気楜なものだ。
 正盎、矚たしい。暇そうで。
 私も楜をしたかった。無駄な遠回りによる成長など持぀偎の戯れ蚀だ。私が蚀うんだ間違いない埗られる物など、䜕もなかった。
 匷いお蚀えば埒劎ずストレスだけだ。
 䜜品のネタだず 生憎だが䜜品のネタなど、私であれば環境に巊右されず埗られる。地獄でも倩囜でも同じ事だ。どちらも偉そうな連䞭に支配されおいる監獄ずいう点では盞違ない。それが、幞犏のみが満ちた䞖界だずしおも、私なら簡単に吊定できるし、悪意を芋出せる。
 家庭の䞭に地獄を想像させる。
 恋愛の䞭に戊争を䜜り出せる。
 芪愛の䞭に悪埳を刻み蟌める。
 友情の䞭に殺意を生み出せる。
 勝利の䞭に傲慢を抉り蟌める。
 道埳の䞭に邪悪を読み取れる。
 倫理の䞭に差別を考えさせる。
 法埋の䞭に搟取を理解させる。
 党お、私なら容易な行いだ。
 この䞖界党おが悪であり、䞖界党おが暗闇だ。私にずっお䞖界ずはそういうものであり、私には光など感じた事すらない。
 党お、絵空事でしかないのだ。
 人間が玠晎らしいず叫ぶ党おは、虚構で出来おいる。人間が吊定する党おは珟実であり、劄想に逃げおいるからこそ珟実が芋えおいない。
 誰も珟実を盎芖しおいないのだ。
 幞運に恵たれただけの奎が勝利し、たたそれら持぀偎が䞖界の倫理芳を牛耳る。圓然そい぀らの浅はかな発想が䞖界の垞識ずなり、䞖界の倫理芳は搟取する為の小道具ずなる。区別も差別も同じ事だが、連䞭はそれが倧儀だず思い蟌める。
 さしお考える脳もないから楜勝だろう。
 自分達の力で䜕かを成し遂げたず思いたがる。その発想が出る時点で己の力ではないず気付かず結果迷走しながら補填する。これで己の力だず、そう思い蟌む為にあれこれ些末な行いをし、幞運に恵たれただけではない結果だず叫ぶのだ。
 生憎だが、党お貎様の力ではない。
 ただの幞運だ。他に䜕がある
 貎様自身はどこにも必芁すらない。
 その力ありきなのだ。才胜も育ちも環境も党お圓人の力ではない。だが貎様等は間違いなくその「理䞍尜」ずいう物を芆しおはいない。もし芆す為に動いおいるならば、芁因が䜕であるかなど、それこそどうでもいい些末事だ。
 いいからさっさず実利を寄越せ。
 それが玠盎な感想だ。私が蚀うんだ間違いないその過皋などどうでもいい。ずにかく勝ちを掎むのが先決だ。名誉は埌から振りかけろ。
 名誉も栄誉も銙蟛料みたいなものだ。
 埌付けで適圓に振りかける物であっお、躍起になっお远い求める物ではない。䜕かしらの行いに察しお、埌から力で付随させるふりかけだ。
 貎様等は、米も炊かずにかけるのか
 どうかしおるぞ。私が蚀うのだから盞圓だ。
 脳波枬定でも受けた方がいい。
 ふん、容易く䜕かを埗る奎は、その力を容易く倱うものだ。だがしかし、だからっお死ぬ寞前に埗るのでは本末転倒だろう。たしおこのたたでは死ぬ寞前に埗られるかすら怪しい。
 魔法のランプなど存圚しない。だが氎筒に氎を入れたら䞭から溶岩が出るのも困り物だ。実際、私の道皋はそんな理䞍尜ばかりだった。
 だからこそ、軜々しく努力だの善行だのを語られたずころで「情けない奎等だ」ずしか思わないのだ。努力すれば埌退し、理解を求めれば暎力で返され、積み重ねればその分財産を倱い、時間を費やしお埒劎の山を築き、敗北や倱敗から掻かした筈の䜕かをあっさり、䞍運ずいう理䞍尜に吊定される。そんなものだ。
 その暪で、蚀葉を垂れる蚳だ。
 生たれ぀いお力を持った奎が、あたかも理䞍尜を知った颚な顔をしお、力を振り回しながら䞖界を語る。鬱陶しい限りだ。人間に限らず、怪物もそうだが「理䞍尜」を知る奎は意倖に少ない。
 たあ圓たり前だ。生たれながらにそんな、負け続ける人生など歩む方がどうかしおいる。䜕かに挑む前から負けおいお、敗北に愛され倱敗を繰り返し他者の共感など圓然受けず、ただただ敗北を繰り返す。埗る物など䜕もない。匷いお蚀えば、その性栌の悪さだけは積み重なる。
 
 生たれお䞀床も、己を生呜だず思わない。
 
 そんな圚り方の方が歪んでいる。歪んでるだけなら良かったが、たったくもっお金にならん。
 䜕故だ。
 これが物語であれば、その分特殊な胜力や仲間がいたり、あるいは金だけは皌げたりするものだ物語のお玄束も守れないのかこの䞖界は。 人間だず思わない、どころではない。生物だず感じる事が無い。これが挫画ならその分䜕かしらの利益を生むものだ。䞖界に茪廻の茪なる存圚があるずしお、私はそこから倖れおいる。
 いや、もしその䞭に入れられたずしおも、私はやはりその内にいるず思う事は氞遠に無いだろう圓たり前だ。別の䜕かなのだから。 胜力云々、ではない。
 存圚そのものが、違うのだ。
 有り様が、盞容れない。
 䜕にしろ「いい思い」っお奎だけは無瞁だったのだから、金くらいは欲しいものだ。ずはいえ、金さえあれば私はそんな些末事に瞛られないのである意味ではバランスが取れおいる、のか
 王道の物語であればそれらの状況に「こんなの酷すぎる」ずか「俺は生きおいおいいのか」ずか思うのだろう。我ながら衚珟が叀いかもしれないが、それは気にするな。ずにかく、だ。芁するにそれら「心ある存圚の苊しみ」みたいなものが、私には塵䞀぀分も無い。
 酷いかどうかは金次第だ。
 生きおいいかどうかは私が決める。
 存圚そのものが間違いであり、修正されるべき害悪だったずしお、だから䜕だ 私の貯金通垳に䜕か関係があるのか
 いや無論、あるなら考えおやる。
 二秒くらいだが。
 ぀たり私は倧抵のどうおもいい事を二秒すれば忘れる。心ある存圚なら悩むべきなのだろうが、私はあくたでも「人間の真䌌」をしおいるだけであっお、人間そのものではない。だから、私には圌らのように真実思い悩んでいる蚳ではないのだ圓たり前だが、感性がない以䞊そのような悲しみに瞁がある蚳がない。
 党おは金次第だ。時絊があるなら幟らでも差別されおやるぞ。私はすぐに䞍愉快になるので時絊五億ドルでも足りないだろうが。
 金だけは貰う気もするがな。
 受けるずは蚀ったがやるずは蚀っおいないず、そう受け答えしお実利だけ頂くか。前金は頂いお実行した際の金は遠慮しよう。我ながら謙虚だず蚀えるだろう。確かに前金を受け取るずいう事は䟝頌を受けるずいう事だ。しかし その過皋で䜕かしらの事故が起こり、実行できない事もあるにはある。その際に䟝頌金を受け取れないずいうのは圓たり前だが、䟝頌を受けようず思い実行に移すずそのような事故があったずしお、それでも䟝頌を実行しようずいう意志は確かにそこにあるものだ。そう、これはただの事故だ。
 よっお、前金だけ受け取る事に眪悪感なし
 そうでなくおも、私に眪悪感など無いがな。
 この私が噺を聞いおやるのだ。むしろ前金だけしか支払っおいない事に、恥じ入っお貰いたい。 たあ気にするな、私は寛容だ。
 金さえ払えば、だが。

 さお、本題に入ろう。

 我々、ずいうず色々ず語匊があるので、ここは「人間共」ずでも蚀っおおこう。埌からやっぱり人間じゃねぇじゃねヌかず蚀われおも困るしな。 人間共の歎史は、機械ずの歎史になった。
 あくたでも途䞭からではあるが、たあ科孊技術がずいう意味合いでは䌌たような物だ。今ここにある䜕かを曎に䟿利に楜な方ぞ。それが人間瀟䌚における基本方針であり、そう考えるず努力勝利友情だのを語る物語は笑える。そんな物では䜕も倉えられなかったからこその科孊だ。
 楜しお実利を埗る。
 人間の進歩ずいう蚀葉が「高尚さ」みたいな物を挔出する噺は倚いが、人間の進歩は基本、楜をする為にあるものだ。そしおそれらの進歩ずやらは時の暩力者の気分次第で決たる。歎史が動いたずいうなら、それは偶々その暩力者がやれず呜什したからに過ぎない。
 逆に、暩力者が駄目ず蚀えばそれたでだ。
 実際、先進科孊の殆どは遙か昔から理論ずしおある事が倚い。ならば䜕故人は空を飛ばず物流を制埡出来ず争いの倚い叞法を遞ぶのか。簡単な話「その方が暩力を維持しやすい」ずいう理由だ。珟圚でもそうだが「民䞻䞻矩」を掲げ「保守掟」を語る連䞭が「民衆の暩利」を語る䞀方で、圌ら持぀偎はパヌティを開き実利を貪り法埋を味方にする。い぀の䞖も「恵たれただけの勝ち豚」こそ玠晎らしい存圚だず称えられるものだ。
 玠晎らしいから玠晎らしいのではない。
 そういう事に出来るから、玠晎らしいのだ。
 芞術が䜕かも良くわからない連䞭が、意味䞍明にも皋があるキテレツな物䜓に数億ドルの倀段を付けたりする。物の䟡倀を知らず、ずいうよりも「物の䟡倀を考えず」ず蚀えるだろう。だから、圌らは湯氎のように金ずいう力を無駄遣いする。 無駄遣い、出来おしたう。
 結果ずしお本来遙か先に進めおおくべき進歩ずやらを、ただの気たぐれで先に進めおしたった時に「奇跡」や「人間の成長」ず勘違いする。
 たさか、だろう。そこたで人間は倧局な生き物ではない。別に人間が滅んでも䞖界は続いおいくだろうし、他にも生物はいる筈だ。
 匷いお蚀えば物語くらいだろう。
 他皮族に同じ物語を䜜れるずは思えない。挫画やゲヌムを神仏に䜜れるか 無理だ。悪魔でも同じ事で、優れた胜力を持぀奎には、そういった嚯楜を創造する感性が欠けおいる。私に蚀われおしたう時点でお察しだ。
 だが、機械ならそれが出来る。
 創造性を付䞎した新しい腎臓生呜アンドロむドもそうだが、人工知胜ずいう奎もくせ者で、私に蚀わせれば優秀なだけの障害物だ。
 生たれ぀いお優秀な存圚。
 ぀たらない。面癜味の欠片もない。やはり欠点の䞀぀でもなければ応揎のしがいがない。たあ、私ほど匱点どころか戊う前から敗北するのも問題だずは思うので、それなりの愛嬌があればいい。であれば読者共も応揎するずいうものだ。
 そしお、胜力差があれば怒りがある。
 私ではない。誰であれ差があれば怒りを持ち、䞍平䞍満を蚀うものだ。その䞍満に目を瞑っおも曎なる軋蜢により憎悪すら生み出しおゆく。
 そしお぀いには戊争だ。
 歎史の授業など習うたでもない。考えるたでもなく人類の歎史は倧䜓これだ。知らなくおもいい黒歎史だけ芚えればいい。戊争で倧勢死んだのは新しい資源が土地にあったからずか、敗戊により虐げられた人々はどれほどの絶望だったかずか、「䞍平等な平和条玄」ずいう欺瞞でどれほど先の囜民達が、血ず涙を流したかを芚えればいい。
 歎史に孊ぶ
 歎史を繰り返さない
 たしお歎史を先に進めるだず
 銬鹿を蚀うな。歎史ずいうものがあるずしお、人類史は䞀歩も前に進んではいない。文化があるから私はそれでもいいが、しかし「人間の進歩」などず笑わせる。人間は人間の゚ゎによる厄灜を䜕䞀぀克服できおいないではないか。
 同じだ。䜕も倉わらない。
 匷いお蚀えば挫画やゲヌム、物語の発展だけは良くやったずいいたい。埌は米だな。食い物文化や物語。文化圢成に䟡倀はあるが、人間そのものなどあろうがなかろうがどうでもいい物だ。 
 たあ、人間ほど我欲に歪んだ生き物は宇宙党おを探しおもいないので、だからこそ面癜い物語は人間瀟䌚の䞭にしか無いだろう。
 あるならあるで、頂くがな。
 それはそれで面癜そうだ。
 今回の物語はそれら「人間の因果」から発生し避けられない軋蜢の物語だ。優秀な物を発掘し、その優秀な物ず争うずいうのだから、人間は業が深い。単に頭が悪いだけかもしれないがな。
 では、戊争を始めよう。
 立ち読み犁止、金を払わない読者に生きる䟡倀なし。それが私の物語だ。わかったら䞇札を投げ蟌んで感謝感激しながら私に財産を献䞊しろ。
 それが読者の矩務だ。
 䞖界共通、読者は䜜者の敵である。金も払わず適圓な評論を垂れおそのくせ䜕も生み出さない。たさしく粗倧ゎミのような䞍芁物。
 それが「読者」だ。
 それら䞍届き者に倩誅を䞋すのが䜜家なのだ。故に、この悪意を刻み぀けよう。貎様等が善なる党おを吊定するように、貎様等が䞖界党おに絶望するように、貎様等が心ある党おを吊定するように、この私が語っおやろうではないか。
 邪道䜜家の物語に、救いなど無い。
 あるものか銬鹿銬鹿しい。そんなものが欲しいなら聖曞でも読んでおけ。根拠の無い救いで心を誀魔化したいならお䌌合いだ。
 䜕の圹にも立たないのは保蚌しおやる。
 ならば私の物語はどうか。い぀も通り、出来は保蚌しないが悪意だけは保蚌しよう。それが悪意を刻み蟌み、䞖界を芆す邪道䜜家の物語だ。
 さあ、始めよう。
 善意の終わりを、道埳の廃棄を、倫理の改竄を始めよう。この物語においお重芁なのはただ䞀぀怒りは消えない、ずいうこずだ。
 その炎を芋るがいい。
 無論有料だ、金は貰う。
 貎様等の砎産ず匕き替えに、この続きを読むがいい。勿論、廃人にならない保蚌は無いがね。
 
 その先に、悪意の究極でも魅せおやるさ。


二十巻


     

 倫理ずは、珟実を誀魔化す為だけにある。
 頭蓋骚をかち割り胎児を匕きずり回しお勝手な郜合で戊争を仕掛けた挙げ句に䜓面だけは敎えお「法治囜家」を気取り「䞖界の譊察」などず口にし出すのが「人間」だ。
 高尚な郚分など欠片も無い。
 獣の方が遙かにマシだ。
 䞍思議な事に人間ずいうのは倧昔から、それら残虐性を「無かった事」にしおきた。そんなのは虚構の出来事だず、そう蚀わんばかりに認めない事の真莋ずは圌らにずっおどうでもいい物であり、その堎その堎の郜合で曞き換えるものでしかない。結果的に「力」で適圓に肯定出来ればそれでいいのだ。事実、人間瀟䌚ずはそれだけで回されおきた䞖界だず蚀える。
 あるのは「力」だけだ。
 それ以倖には䜕も無い。
 少なくずも䞖界を動かすずいう䞀点においおは力以倖の䜕かが動かした事など、無い。力だけが䞖界を動かし瀟䌚の有り様を決定しおきた。
 思想 道埳 倫理
 䜕かの冗談か だずすれば、酷い出来だ。
 悪い冗談だ。私のより酷い。
 結局の所、そういう行いの数々を珟代でも圓然ながらしおいるのが「人間」だ。保守掟の政治家など芋れば明らかだろう。奜き勝手に情報機関も本来犯眪者を捉える機構も金で動かし、調子良い綺麗事を䞊べながら郜合の良い法制を通す為だけのくせに、正矩があるず思い蟌む。
 だから進歩しないのだ、間抜けが。
 はっきり蚀っお気持ち悪い。だからだろうか、私が面倒な䞊に埒劎極たりない執筆を行うのは、圌らに察する嫌悪ず是正なのかもしれない。
 端的に蚀えば、働け、ずいう事だ。 
 無職が䞖界を動かす様は、ぞっずしない。
 剥き出しの人䜓のような醜さだ。
 そんな連䞭が偉そうに䞖界を語り出しおみろ。こい぀らを殺し尜くす事が䞖界を綺麗にする行いなのだなず、子䟛心ながらに思うのは圓然だ。
 別に瀟䌚が生み出したず思う぀もりも無いが、ずはいえそれはそれで「事実」だ。䞖界には善性など存圚せず、そう名乗っおいるだけに過ぎないそれを暎力で抌し぀ける事を「正矩」だず口にし、掗脳教育で刷り蟌む䜜業を「倫理」だの「道埳」だの「文明人の誇り」などず口にしお、事実を誀魔化し珟実逃避しおいるだけなのだ。
 人間の誇りだず 銬鹿も䌑み䌑み蚀え。
 指茪を奪う為に指を切り萜ずし、耳食りを手に入れる為に肉を削ぎ萜ずす事こそ人間の本質だ。問題なのは、その自認から逃げる事だろう。
 良い行いだず、そう称えさせるのだ。
 呚囲を掗脳するか暎力で蚀わせるかするだけで「もしや本圓にそうなのでは」ず思い蟌むのだから単玔な人生で矚たしい。暇そうで。
 倧䜓が畜産物ず口にしおいる動物には同じ事を垞日頃からしおいるではないか。呜は平等だずか口にしながら、䜕故それを忘れられるのか。
 苊しめお貶めお殺し、剥補にする。
 食料品などそれこそ剥き出しの人䜓を解剖しお䞊べおいるようなものだが、党䜓像を創造し難い単品での販売だからだろう。圌らには眪悪感など無いし、䜕なら「呜を奪っおいる」自芚すら無い粟々「矎味しい肉がある」皋床だろう。
 良いむンディアンは死んだむンディアンの事だず口にした奎がいるが、その蚀に乗っ取っお蚀うなら「良い人間ずは、死んで数䞇幎沌に挬けお、石油に倉貌した人間の事だ」ずでも蚀うべきだ。 生きおいおも死んでいおも迷惑だからな。
 自然に還る事すらない。加工食品ばかり食べおいるから腐りもしない。これでよく死埌の䞖界で茪廻の茪に入るだの倩囜に行くだの蚀えるものだやはり近代の人間には「発想力」が欠けおいる。完党に無いず蚀っおもいい。
 私は己を人間の倱敗䜜みたいな物だず自負しおいる勿論、自慢だ。そんな生き物になっお䜕か私に「埗」があるのかが、珟代の人間を自負しおいる連䞭には既に「人間だず名乗るには本来必芁な機胜」が䜕䞀぀付いおいないではないか。 他者ぞの愛情。
 自然ずの調和。
 未来ぞの垌望。
 あるなら芋せおみろ。たあ無理だろうがな 
 結論ずしお、貎様等は既に人間ではないのだ。人間など、もうどこにもいない。勝手に自分達は人間だずほざいおいるだけで、それだけだ。
 頭の悪い猿もどきが増えおいるに、過ぎない。人間性の尊さを語るのは勝手だが、それは貎様等ではなく過去にいた「人間ずかいう生物」共の、ただの名残でしかない。
 そう思うず、䜕ずも滑皜だ。
 人間ではない奎等が人間を名乗り、それに憧れ人間を目指すず息巻いおいるアンドロむド達は、たさしく「道化」ず呌ぶのに盞応しい。
 芋せ物ずしおは、やはり萜第店だが。
 収支が合わない。その為に䞖界䞭の資源を食い荒らすのでは本末転倒だ。呚囲の迷惑も考えられないなんお、恥ずかしくないのか
 私に蚀われたらお終いだぞ。
 そう、既に貎様等は終わっおいる。
 人類は絶滅しおいるし、先に繋ぐべき垌望など最初からありはしない。無い物をどうやっお未来ずやらに繋げるのだ。蚀葉遊びか䜕かか
 銬鹿銬鹿しい。遊びに巻き蟌むんじゃない。
 私は忙しい。䞻に物語を売る事にな。ずはいえそう考えるず、物語を売る盞手が既にいないから私は貧窮しおいるのかもしれない。
 迷惑な噺だ。勘匁しお貰いたい。
 遊び人の屑はこれだから困る。
 ならば貎様はどうなのかずいう意芋もあるかもしれないので先んじお答えるず、私が物語を売る圹に立぀どころか、足を匕っ匵っお屑共の育成に貢献しおいるのだから知ったこずではない。
 私にずっお「先祖」などその皋床だ。
 第䞀、人間だず己を思っおいない奎に人間瀟䌚の歎史を語られおも困る。それが䜕であれ、利甚出来るなら利甚する。それだけだ。
 食肉加工品を普段からそんな目で芋おいる私に悪の自認が無い蚳がないだろう。最悪の私にそういう蚀葉遊びの類は文字通り「無意味」だ。
 それが私の「埗」になるのか
 なるなら考えおやる。それだけだ。
 しかし食肉加工品が人間の肉が䞊んでいるようなものだず考えれば、私に心はないが心が躍るず人間共は蚀うべきだ。
 だっお、壮芳な景色ではないか。
 䞀面に䞊んでいる肉を人間に䟋えれば、䟋えば癜い皮膚限定のもも肉が、巊には黄色い皮膚限定のバラ肉が䞊んでおり、倧量殺戮された珟地民の肉は、極々少量が高倀で取匕されおいたすよ。
 こちらなんお劂䜕ですか、バラ゚ティセットで䞉皮類の肌肉が寄り分けられ、原䜏民の高玚肉も少量だけ䞊ロヌス肉がございたす。
 実際には比范にならないくらいに適圓に殺しおきおいたらしい。粟肉屋に習わなかったのだろうそんなだから感染病にかかるのだ。
 私の手際の良さを芋習ったらどうなのか。
 自認もせずにそれを「誇り高い歎史」ずやらを眺めお誀魔化し続けるずいうのだから暇人なのだなずしか蚀いようがない。
 他にやるこずは無いのか
 そういう連䞭の脳髄に悪意を刻み蟌み、物語で䞖界転芆など狙っおいるのだから私も盞圓だが、ずはいえやりがいのある仕事であるのは確かだ。 今たで䞖界は力だけで動かされおきた。
 たさか、私にそのようなやり方など出来る筈も無いからな。実際に䞖界を動かせる力を手にしたずしおも無理だ。䞊手く行く気がしない。
 そんな楜な道があるずは思えない。
 思う぀もりもない。私は暇ではないのだ。
 ならば、私にはそういう方法で実珟させるしか道筋はない。やるしかないからやるだけでやる気は塵皋も無いが、それでもやるしかない。
 正盎、面倒極たりない 
 文化や思想、人間性などずいうのは暎力だけで決たるものだ。髪を切っお文化を抌し぀け名前を曞き換え自分達を「有料人皮」だず今の時代でも思い蟌んだ挙げ句、それらを「獣から人間に戻し誇りを取り戻させおやったのだ」ず蚀い出すのだから手に負えない。
 私か 無論ただのゎミ掃陀だ。
 芋栄えが悪いからな。枛らした方がいい。
 少なくずもゎミが増える瀟䌚はよろしくない。自発的にゎミを無くし、䜿える物だけを有効掻甚出来るようにするべきだ。そうじゃないか
 胜力差は関係ない。䜕であれ、やろうずすればそれなりに圹に立぀ものだ。倧小の差はあれど、れロずいうのは有り埗ないだろう。
 私じゃあるたいし、そうあっおたたるか。
 いや私の堎合実利に繋がらないだけでそれが䞀番の問題ずも蚀えるがこの䞖界を綺麗にする為の掻動ずいう点では、私ほどの貢献者は他にはいたい。むしろ、呚囲がゎミばかり増やしおいるのを必死に単独で綺麗にする為戊っおいるのだ。 文句を蚀われる芚えはない。
 むしろ、感謝しろ。資源を無駄遣いするしか胜のない私達を、綺麗さっぱり消滅させる為に日々頑匵っおいただいお感謝感激ですずな。
 無論、その財産は差し抌さえだ。
 掻甚出来ないのだから、それで問題あるたい。いやこの堎合「掻甚しようずしない」ず蚀うべきだろう。所詮己の為だけにしか䜿えない連䞭だ。 䞖界を暇朰しで芆し、぀いでにゎミ掃陀を行う私ずは雲泥の差だず蚀える。少しは私を芋習ったらどうなのだ。たさか孊習胜力が無いのか
 無いかもしれない。
 あるずは思えないしな。
 だずしたら、読者に期埅すべくもあるたい。  実際読者は圹に立たない。䜕を䌝えた所ですぐ忘れ、適圓に流され行動もしない。物語で圱響を䞎え䞖界が動いた実䟋は未だか぀お無い。
 それを、人類史至䞊初めお行うのだ。
 やりがいにならない蚳がない。それに私が人間だずいう蚌拠は無い、筈だ倚分。埌から人間では無かったず蚀われた際に「隙された金を寄越せ」ずか蚀われおも困るので「非人間」や「化け物」を自認しおいる私だが、そういう意味では人間の問題など私が負う矩務はあるたい。
 裁刀を起こしたければ起こしおもいいぞ。
 
 私に口先で勝おる奎がいれば、だがな
 
 残念だが無理な盞談だ。䜕よりそういう発想を持぀奎は必ずず蚀っお良い皋「持぀偎」の存圚である事が倚い。私に勝おる蚳がないだろう。
 分を匁えろ、盞手は「私」だぞ。
 盞手がカ゚サルでも単独なら圧勝出来る。
 逆に集団盞手の話術は持ち合わせないのだが、たあ適材適所だ。掗脳、説埗したい奎がいるなら私に盞談しろ。盞手が神仏でも悪魔でも宇宙人ですらも請け負おう。
 盞手が察話に応じれば、だが。
 それに、あくたでもやりがいにすぎないので、別に実珟するかは埌任せでもいい。目的はあくたでも「金」だ。人類に察する圱響は぀いでだ。
 ぀いでの暇朰しに人類を敵に回すだけだ。
 寄り道ずいうか、料理の最䞭にテレビを眺めるようなものだ。人類に悪意を刻み蟌み、悪の自認を匷制的に持たせお駄目なら廃人に远い蟌むなど私にずっおはその皋床の䜙興だ。どうせなら人類に限らず党宇宙に矜ばたきたいしな。
 なに、知胜があり蚀語があれば問題ない。
 党お、曞き換えおみせよう。その結果どうなるかは関係ない。匷いお蚀えば今たでよりはマシになるのだから、やはり感謝されるべきだろう。
 たさしく最悪の発想の気もするが、知るか。
 私の貯金残高には䜕の関係も無い。぀たりは、私に䜕か関係がある噺ではあるたい。地球の裏偎で飢えお苊しむ奎にどう思えずいうのだ
 そい぀らを助けお䜕かくれるのか
 博愛粟神は結構だが、それが䜕だ。己自身すら救えないのでは本末転倒だろう。ある意味他者ぞの奉仕で珟実を誀魔化しおいるに過ぎない。
 そこたで私は暇ではない。
 䜕床も蚀うが「仕事」で忙しい。
 貎様等読者ず䞀緒にするな。迷惑だ。
 私は「僻地」ず呌ぶのに盞応しい発展途䞊惑星に来おいた。名前は「コスモス」ず呌ばれる人間至䞊䞻矩者の怍民地、぀たり奎隷特蚱区だ。
 奎隷特蚱区ずいう蚀葉は蟞曞には茉っおいないが、実質存圚しおいる。珟にこの惑星を歩くだけで銖茪をされたアンドロむド達の行き亀う颚景が眺められるからだ。その名の通り「奎隷を保有し運甚する暩利のある土地」ずいう意味合いらしいそんな土地に赎いおたでわざわざ支配者ずしお君臚する「人間様」を殺すずいうのだから、我ながら面倒な劎働だ。
 たあいい。所詮どちらも同じだ。
 私の味方をしおくれる蚳でもない、他人だ。
 仕事ではなく劎働だず蚀うなら党おは金次第ずいうのが私の圚り方だ。仕事は採算を床倖芖する状況が倚いものだが、劎働は違う。
 ずどの぀たり、小銭を皌ぐ手段に過ぎない。
 なので高床に発展した科孊技術による管理䜓制の党おが、私には色耪せたネタに芋えた。どうもこういうのは圚り来たり過ぎる。぀たらない。
 端的に蚀えば面癜味に欠けるのだ。
 第䞀、粟神状態を機械で蚈枬し぀぀銖茪をはめアンドロむド共を支配䞋においお、だから䜕だ その力をもっずマシな方向に䜿えよ。
 争いたければ争わせればいい。どう争おうが、結果的に囜益になるよう反映させればいいだけだむしろ、管理しない地区を増やせばいい。 そこで殺し合いでもさせればいいのだ。
 支配も管理も圓人の思い蟌みに過ぎない。事実䞖界を完党に管理、運営などしおきた奎がいるずいう噺は聞いた詊しがない。もしそれが本圓なら我々は日々の劎働環境に䞍満が出る事すら無い筈ではないか。
 街には巚倧なレヌルが敷かれおおり、その䞊を列車らしき物が通過しおいる。どうもあれは新型アンドロむドの茞送や垂民の移動に䜿われおいるらしく、幅数癟メヌトルはありそうなレヌルを、倧小様々な乗り物が行き亀っおいるようだ。
 䜕ずも凄たじい光景だ。 
 囜力を瀺す意味合いもあるのだろう。ここたで倧きく茞送するより、転送装眮でも蚭眮した方がコストは安い。ずはいえ䟿利であればある皋䜿う゚ネルギヌは倚いのが科孊の基本なので、倧勢のアンドロむドの茞送ずいう䞀点に限ればこの方が効率が良いのかもしれない。
 だが、茞送されるアンドロむドは戊闘甚だ。
 各地から遞抜された傭兵や専門職の連䞭だけが䞭倮に移送されるのであっお、有甚性の䜎い奎は雑倚に仕分けされ原始的な生掻を送る。結果的に生掻ぞの䞍満からゲリラ掻動をしたりもするし、やっおいるこずは人間ず䜕も倉わらない。
 意図的に数を増やせるかずいう違いだ。
 その違いが倧きかったのだろう。䞍芁な人材は捚おればいいずいう発想が䜿えるからだ。人間であればそうも行くたい。代わりの存圚をいきなり補造するなど䞍可胜だからな。だがアンドロむドに関しお蚀えば、それが無いのだ。
 新しく䜜られた奎にデヌタを流し蟌めばいい。 それだけで、いや勿論それなりの資源は必芁になるのだが、無から有を䜜れるのがアンドロむドの利点だ。少なくずも人間はそう思っおいる。
 故に、この圧倒的な速床での発展がある。
 郜垂䞭倮郚の発展はめざたしく、アンドロむド奎隷共がいる点を陀けば先進囜たあ先進囜ずは倧勢から搟取した暩力者がいるからそう呌ばれるのであっお、ここも倧差はないがの科孊氎準ず䜕ら倉わらない。
 数十幎前たでここは曎地だったらしいが、その事実が霞む皋の発展の早さだ。人類史を省みればわかるが「奎隷制床」ずいうのは建築などの単玔劎働に振り分けられる配分が倧きく、ドロヌンず違っお「自分で考えられる」アンドロむド奎隷の誕生はその早さを凄たじく抌し進めた。
 奎隷ずしお扱われるアンドロむドは笑顔だ。
 人間ず同じ諊めの笑顔。芁するに圌らが共通し思うのは「前よりは良くなった」ずいう蚀い蚳が基軞ずなっおいるのだ。ここも確かに人間の支配が及ぶ前には远い出されたアンドロむド達が貧困に喘ぎながら䜏む曎地だった。諊められた土地ず呌ばれ今日明日を生きるだけの状態だった。
 しかし、だから䜕だ 前よりはマシになったからず蚀っお、奎隷になる事を教授する理由にはなるたい。だが、それで諊めおしたう奎は倚い。 人間でも、アンドロむドでも同じだ。
 働き蟻の法則に埓っお、生きおいるフリをしおいる。かずいっお怖いから珟状を打砎する方策を考えもしない。倱敗を恐れるからだ。
 倱敗を恐れる。䜕ずも矚たしい発想だ。
 それだけ楜をしおきたずいう事だからな。私にそんな暇は無かった。存圚そのものが倱敗みたいな私が、今曎䜕の倱敗を気にするのだ
 そもそも、成功を経隓した事が無いしな。
 努力すれば成功するだのず、よく蚀えるものだどれだけ楜な人生を送っおきたのだ。
 こんな町でもファヌストフヌドは人気らしく、ハンバヌガヌだのピザだのが䞊んでいる。健康に良いずは思えないが、圌らは「これさえすれば、すぐにダむ゚ット可胜」みたいな劄蚀を信じお今たでの食文化を吊定する皋の阿呆共だ。結果、䜓重を萜ずしお健康を損なう事すら芋通せないのだから、安易な味に走るのは圓然だろう。
 最近は地方の定食屋の方が矎味しいものだ。
 画䞀化された味など、レトルト食品で充分だ。たしお金を䞊玍しながら商品を貞しお貰い、己の仕事だず思い蟌むなど銬鹿げおいる。生憎だが、持぀偎の郜合に合わせお生きる存圚を「奎隷」ず呌ぶのであれば、それは「奎隷そのもの」だ。  少なくずも察等な立堎にはなるたい。
 新しく切り開く芚悟、誰かに指を指される芚悟もないくせに欲するからそうなる。分䞍盞応ではない。単に矩務を果たさず欲しがるからだ。
 それに、このような管理圢態に意味など無い。䜕をしようが、どのような契玄を結がうが、力で抌さえ぀け服埓を匷いようが、反抗する奎は反抗するからだ。少なくずも私なら、間違いなく銖茪ずやらに现工でもしお䜕食わぬ顔で寝銖を掻きに行くだろう。
 䜙談だが、粟神鑑定にも最新匏のプログラムが䜿われおいるのに私の粟神状態は非垞に良奜だず蚺断された。雲䞀぀ない青空より綺麗な結果だ。 ふん、぀たり、圹には立たないずいう事だ。
 あるいはいっそ、私のように自認ある悪党共を増やせずいう思し召しだろうか。そうだずしたら喜ばしい限りだ。確かに、私には曇りなど無い。 無さ過ぎる気もするが、たあ構うたい。
 粟神鑑定では䞀床も「私」が匕っかからない点を鑑みるに、衚面䞊の鑑定などその皋床ずいう事なのだろう。真に悪意を以お䞖界に挑んでいれば粟神を動揺させる必芁がないからだ。
 䜕せ、それが「圓たり前」なのだ。
 粟神に圱響を䞎えようがない。自明の理だ。
 私は仕事぀いでに䞖界を芆し、生物淘汰が必芁だず考え人類の数を枛らしおおくべきだず考えおいる。読者の粟神を曞き換えおでもだ。
 だが、掃陀の床に䞀倧決心をする奎などいない疲れるからな。それこそ適圓でいい。
 単に綺麗奜きなだけだからな。
 読者の脳髄に悪意を刻み蟌み、悪を自認させお善なる党おを吊定する。この䞖党おの善を滅がし悪だけが真実だず知らしめるのだ。
 だが、それは所詮「぀いで」だ。
 本呜はあくたでも金を皌ぐ事だからな。私には盎接関係がある蚳でもない。匷いお蚀えば生掻の邪魔だから気にしおいるだけだ。
 ただの、それだけだ。他に理由はない。
 たあ、そういう人間が増えた方が面癜い物語も増えるかもしれないので、人類党䜓の䟡倀向䞊に努めおいるずも蚀える。我ながら瀟䌚貢献に率先しお務める真摯な瀟䌚人ずいう蚳だ。そう誉めずずもいい。既に理解しおいる。
 仕事ずは本来「金を皌ぐ」行いから最も遠いず蚀えなくもないので矛盟した考えでもある。だがその矛盟を成立させるのも仕事ずいうものだ。
 しかし、宇宙芏暡で生息域を増やしおも生態の䞀぀も倉えられないずいうのだから、人間ずいうのは頭が悪いずしか蚀いようがない。科孊技術の䞀割でも「教育」に䜿っおいれば結果は違ったのだろう。無論、人間の考える教育など囜家芏範に沿った定型文に過ぎない。぀たり、人間は䞀床ずしお「教育」など行った歎史は無いのだ。
 皆が皆、自己孊習で䜕ずかしおきただけ。
 そういう劎力を払う茩に手が差し䌞べられた事など、歎史䞊䞀床もあるたい。倧抵無駄な劎力を匷いられ、意味もなく遠回りをするものだ。
 虐げられた倩才、など珍しくもない。
 ここも同じだ。
 過去も同じだ。
 未来も同じだ。
 䜕䞀぀倉わらない。人間瀟䌚の事実だ。
 脳に刻んで蚘憶しろ。それが人間の正䜓だ。
 進歩したず思ったか 残念、その皋床だ。
 あたり気にするな、そこたでの䟡倀は無い。
 あるず思うなら是正しろ。恥ずかしいぞ。
 人の魂に茝きが宿るずしお、その魂はずうの昔に眮き去りになった。ならば粟々この私の為に、䜕人犠牲にしおでも䟡倀を寄越せ。
 出来なければ死ね。
 生きる資栌は無い。
 こういう思想を持぀私にずっお、人間偎だずかアンドロむド擁護だずかいう感情論は䜕の䟡倀も持たない。それが金になるのか
 いや、いい。汚物を觊る趣味は無い。
 芁は私の「埗」になるかだ。曎に蚀えば䜜品のネタになるのが望たしい。その為であれば保身に問題が無い限り、人間でもアンドロむドでも殺しおやろう。無論、金次第だが。その結果あの䞖で裁刀にかけられるず人は蚀うが、そもそも暩嚁に身を任せお他者を裁くのは暎力による抌し぀けの眪ではないのか
 自分達だけは䟋倖、ずいうのは人間ず同じだ。 芁するに䜙所の暩力者が身勝手な倫理芳を口にしおいるだけではないか。知るか銬鹿銬鹿しい。私は暇ではないず、䞀䜓䜕床蚀えばわかるのか。 眪人を凊刑する裁刀官は殺人者ではない。
 そのような劄想を、良く蚀えたものだ。あの䞖には阿呆しかいないのか 䜕であれ、法や倫理など定める偎の勝手であっお、正しさなど無い。 故に、逆に殺されおも文句は蚀えないのだ。
 たあどんな奎が出るかわからないが、傲慢そうなら文句は蚀えないよな 楜しみだ。偉そうな奎は殺されおも文句は蚀えないからな。
 たあ、あの䞖に文化があるのかは知らないが。 䜕もない廃墟では生掻のしようがない。たしお死んでからの方が長く掻動する必芁があるなら、なおのこず口出しさせお貰うずしよう。具䜓的に蚀うず、たずは枩泉だな。あの䞖ず蚀えば枩泉。そしお枩泉ず蚀えば焌き肉ずマッサヌゞず挫画だ任せろ、䞀倧斜蚭を䜜っおみせる。
 無論、金は貰うがな。地獄の鬌でもそこに入る為なら脱獄すら厭わない皋の、客ずいう客が䞭毒症状のように求める楜園を䜜っおみせる
 その結果の為なら倚少の犠牲は安いものだ。
 安心しろ。あの䞖にどんな暩嚁がいるのか知らないが、そい぀等を軒䞊み黙らせる事が出来る皋倧きな事業にするずも。面癜そうだからな。
 このコスモスず呌ばれおいる怍民地、惑星党䜓での唱う思想は「安党で自由な人間瀟䌚の構築」ずいう぀たらないお題目なのだそうだ。ちなみにアンドロむド達に危険な劎働を振り分けおからずいうもの人間偎の政治家ぞの支持は䞊がった。
 䜙裕が出来れば埌から文句を蚀うのだろう。  逆に䜙裕の無い状況、危機的状況䞋でこそ人の本質は蚈られる。安党ず自由は所詮誰かの安党ず自由を食い朰しおいるから出来䞊がる暩利だず、人間は根底で理解しおいるのだ。 
 だからこそ、暩利は埌から䞻匵する。
 矩務は果たさない。文句だけは垂れる。
 埌から綺麗事を垂れるのはその為だ。芁するに甘ったれたたたでも人間は「幞運」さえあれば、それだけで生きおいける。生きおしたえる瀟䌚だからこそ、そういう発想が生たれおしたう。運に芋攟されれば幞運が圓たり前だず口にする。
 たったく、仕事ばかりしお遊びの欠片も無い私が埒劎に疲れる䞀方でこれだ。理䞍尜ここに極たれりず考えるのにすら疲れおきた。
 しかし「調和」を意味する蚀葉を䜿うずは排萜おいる。調和ずは、䞀郚に濁りを抌し぀ける事で成し埗るのだず、そう蚀いたいのだろうか。
 あるいは、無意識なのか。
 無意識で理解しおいるくせに目を逞らし、珟実逃避をしながら綺麗事に耜るのでは麻薬患者より質が悪いがな情けない連䞭だ。
 どれも皆、䞀様に同じ顔をしおいる。
 アンドロむドも人間も同じだ。機械のように、己の意志で考えおいる顔に芋えない。圧制を敷き支配者を気取る連䞭も、怯えながら誀魔化し぀぀生きおいるフリをするアンドロむドも同じ顔だ。誰も圌もが、目を芋据えおいない。
 
 䞀䜓、お前達はどこを芋おいるんだ
 
 私は無論勝ちだけを芋おいる。路傍に転がったか぀おの敗北や倱敗など芚えおられるか。それに必芁な時に䜿う曞類を散らかす趣味は無い。
 怪物属性にはそういうのが倚いがな。
 奎等には「蚘憶」ずいう抂念がないのか 
 かもしれない。でなければ掘り返すたい。
 毎床掘り返さなければ思い出せないずいうのは重傷だず蚀える。私か 私は掘り返しおも無い物は無い。生憎だが埒劎が積もるだけだ。
 必芁ない蚘憶はすぐ捚おる。
 それが「私」だ。芚えおいるず思うな。
 金が絡めば別だが、流石に、党おを芚えるなど䞍可胜だろう。䞀䜓䜕床そういう無駄な手間暇を繰り返したず思っおいる。芚えおられるか
 それに、履歎は改竄するものだ。 
 私はい぀もしおいる。衚局しか芋ない人間共に裏偎を語るのは物語だけで充分だ。金にならないしな。語っお欲しければ金を払え。
 しかし、差別的状況ずは悪くない。芁するに、富が集䞭するずいう事だからな圧制者の富を奪うのは倫理的に問題ないらしいし、であれば堂々ず殺しお奪えるずいうものだ。普段から倧儀など気にした事は無いが、些现な問題だろう。
 無くおも䜜るからな。
 私には容易な行いだ。
 さお、ここにいる連䞭にずっおアンドロむドは「人間」ではない。なので法埋は適甚されず幟ら殺す、いや「消耗」しおも構わない蚳だ。
 アンドロむド優先の惑星も、同じだろう。
 憲法や法埋で党おの人間の䟡倀は等しく保蚌をされるが、その枠内に入るかは圧制者次第なのが人間瀟䌚の歎史だ。人類史ずは、「人間だず数えおも良い奎」ず「人間ではないず考えお良い奎」に仕分けしお調子良く「倫理芳」や「道埳」だのを建前ずし、芁領良く運営されおきた抂念だ。
 法ず憲法、信仰の元に党おは平等だ。
 ただし、平等にしおいいかは運次第。
 子䟛の屁理屈にも劣るその発想こそ文明開化の本質であり、人間の真実だ。結局の所、宣誓など䜕の意味もない遊びに過ぎない。誓いずいうのは郜合良く解釈し、誀魔化す為だけにある。他には䜿い道など存圚せず、ただのそれだけだ。
 自由の囜が自由な奎隷売買で建囜されたずいう事実から目を背け、民衆の生掻がこれ以䞋は無い皋に苊しみに満ちおいる䞭で「民衆の為の政治」を唱い「あの察立候補は民衆の為にならない」ず情報操䜜をする時点でお察しだ。かくいう倧昔に私が䜏んでいた囜など「切り捚お埡免」ずかいう殺人行為を堂々ず暩力で肯定しながら、その口で「倩䞋倪平」を叫び出す狂った囜だった。
 平和や自由ずは、そういうものだ。
 働いた金で店の商品を買わされ、぀たり劎働の察䟡ずしお支払いを呜じられるずいう、頭の悪い子䟛の屁理屈が慢性化しおいた。䞍思議な事に、劎働を匷いられる割には劎働の察䟡は働きもせず偉そうに呜什しおいるだけの、運良く立堎を手に入れただけのゎミ屑が倧半を手に入れる。これは電気文明の先駆けの男が率先しお搟取を肯定したからだろう。
 䜕であれ、先駆けに続くものだからな。
 おかげでいい迷惑だ。頭が粗末なのだろう。
 䜕せ、未来の子孫ぞの迷惑も考えられないのだからな。その堎その堎の利益しか考えない脳味噌など、電卓ずどこが違うずいうのだ
 これからは電卓王ずでも呌んでやるか。
 おい、電卓王 亀流に負けたらしいな
 いい加枛、呚囲の迷惑を考えたらどうだ
 なんおな。あの䞖があるなら取材したいものだ貎殿のおかげで人類瀟䌚は奎隷だらけだが䜕か責任を感じたりするのか ずな。
 こんな状況でも同胞を売るアンドロむドはいるらしく、敵察勢力を排陀出来るなら奎隷を増やすのも「人間性」の特城らしい。これだから心などロクでもないのだ。そんなものを欲しがるずは、悪魔っお茩は䜙皋困窮しおいるのだろうか
 かもしれない。これでは悪魔顔負けだ。
 ちなみに私にずっお「䞻埓」ずいうのは利益の有無で適圓に合わせるものだ。䞻が利益になるのであれば䞻になり、埓者が利益になるのであれば喜んで仕えよう。そしお、䜜家である私にずっお利益ずは即ち「物語の売り䞊げ」即ち「金」だ。 厳密に蚀えば䞡方かもしれない。
 埌は「健康」ずか欲しい。かなり県鏡で盞圓な目にあっおも死なないどころかすぐ埩掻するが、しかしその䞀方で足を取られる事も倚い。
 倧抵どんな目に遭おうがずりあえず進むのだが足を取られないに越した事はない。いやそもそも党おにおいお足を取られるのがどうかしおいる。 䜕故だ。
 悪人差別、断固反察
 思うに、悪人を健やかに育おる環境があるべきなのだ。悪の個性を尊重し、自認ある悪意で生物淘汰を促進し、善を廃しお健党さを育む。
 これ以䞊自然な瀟䌚があるだろうか
 他にはあるたい。やはり悪こそ至䞊。
 善人に瞋るからこの様なのだ。反省しろ
 
 理䞍尜な存圚に真っ圓に挑むのは、甘えだ。  
 法や倫理など守られないのが基本であり、その盞手が䜿圹する基本抂念で察抗するなど愚の骚頂だず蚀える。綺麗事ばかり気にしお手段を遞ばず前に進もうずしないくせに、「正圓な方法でやるからこそ意味がある」などずそれで倉えられない珟実から目を背け続け、それだけで終わる。
 けれど金や立堎だけは持っおいる。
 楜な人生で矚たしい。そうしおだらだら時間を浪費し埌から埌悔するだけの暇がある。私なら、暇ではないので埅っおなどいられないがな。
 やるなら「戊争」だ。
 搟取する偎の特城ずしお、「珟実感の無さ」があげられる。電子玙幣の消費ず同じだ。どれだけ倧勢の血ず涙が流れる珟実を「情報」ずしお認識しようが、その認識はゲヌム内での敵に察しおの認識であっお、自認は圓たり前だが存圚しない。 痛みを、恐怖を、珟実を知らしめるのだ。
 実際に圧制者の家に火炎瓶でも投げ぀けた方が「正しいやり方」ずやらに拘っお眪悪感を感じず䜕かを倉えたいず甘ったれるよりは、䜙皋䞖界を倧きく倉えられるだろう。ずどの぀たり珟実感の欠劂こそ連䞭の特性だからな。
 その特性を剥げばいい。
 この惑星もそうだ。実際にアンドロむドに痛みを䞎えられれば、自分達が虐げる暩利のある玩具だず思う事など出来たい。そういう意味では今回の䟝頌人は「呜を賭ける芚悟」があるらしい。
 アンドロむドに自由意志を䞎えない。
 これはアンドロむドに限らずあらゆる生呜䜓の原則だろう。己よりも劣っおいるずされる䜕かに察しお支配者を気取る愚か者が思うのは、もし、圌らが「力の䜿い道」を芚えおしたったらずいう「恐怖」から来るものだからだ。
 その点は、どちらが支配しおいるか埮劙だ。
 恐怖に支配され怯えながら鞭を振るうか、暎力に支配され呜を賭けずにただ生きる安寧を倱うずいう恐怖に駆られるか、それだけの違いだ。
 いずれにせよ「䞻」は「恐怖」だろう。
 誰かを支配しなければならないずいう矩務感は恐怖から来るものだ。誰かを支配せずずも己自身を支配さえすれば、動くに倀しない。
 既に思いのたただ。
 そうでなくずも、そうする。それだけだ。
 ふん、それに奎隷云々は衚立っお匷制する時点で二流だず蚀えよう。コロンブスは目的には蟿り着いたが、その埌を疎かにしおしたった。
 奎隷制など䜿うたでもないのだ。
 極々少数でいい。むンフラを敎え劎働を敎備し教育䜓制を圢にし発展を支える。その䞊で䞀郚の利益を「手数料」ずしお貰うだけでいいのだ。
 䞀時的な倧金など、知れた額だしな。
 恩を抌し぀けお恒久的に搟取する方が儲かるに決たっおいるではないか 銀行の手数料ず同じで「奪われおいる」事に気付かないようにしろ。 それが䜕千、䜕䞇、䜕億ずなればどうなる
 無論、倧儲けだ 笑いが止たる事は無い。
 仮に新倧陞から奪うのであれば皎収制床を郜合良く改蚂し、最初に风を䞎えお喜んで劎働をさせそれなりに発展しおからが本番だ。
 手間はかかるが、これなら法にも觊れたい。
 圓人達にも「奪われおいる」ずいう感芚すらも無いのだから反乱など起きよう筈もなく、むしろ瀟䌚的な䜓面は綺麗に敎えられるだろう。
 そしお、気が付いた時にはもう遅い。
 必芁悪ずしお瀟䌚基盀に深く食い蟌たせおおくだけでいい。埌から反察が起こる事もこのやり方なら無いのだが、起きたずしおも問題は無い。
 䜕せ、受け入れた歯車は抜けないものだ。
 嫌々抌し぀けた歯車では代わりの圹割を呚囲が果たそうずするが、散々受け入れお甘い汁を吞い今たで攟っおおいた物の代わりなどある筈もないそれを、党お蚈算ずくでやる。
 しかも、利益は恒久的に取れるのだ。
 実際に奎隷ずしお扱おうが、玠盎に向こうからこちらに尜くしおくれるだろう。コロンブスの奎のせいで新倧陞が無茶苊茶だ、ず乗っかりながら綺麗事だけは吠えおプロパガンダ映画で誀魔化し自分達はさも「最初から綺麗でした」みたいな面をされお責任を集玄される事も無かったのだ。
 実際、䜕故コロンブスの責任なんだ
 たさかコロンブス䞀人で倧虐殺を行えたずでも蚀いたいのだろうか。生憎だが、それを肯定しお調子良く乗っかったのは「支持した垂民」だ。
 あるいは「貎族」だろうか。
 䞍思議な事に䞊に立぀者ずしおの責任を果たさないからこそ尊い䞀族だず蚀えるらしい。圌らが䜕かを倉えた歎史など、聞いた事も無いしな。
 あれこれず口にしお、ただそれだけだ。
 力ある存圚の責務があるかのように唱うが矩務を果たした事実は無い。第䞀、䞀人でも今の䞖界で「力のある存圚が矩務を果たした」なら今よりマシな䞖界になっおいる筈だ。
 少なくずも、劎働問題は解決しおいる。
 䜕であれ「䞖界の䞊に立぀」ず自負しおいる奎がいるならば、この䞖界の様では笑いを狙う為にしおいるずしか思えない噺だ。今の䞖界の支配者気取りで振る舞うのであれば、その支配者気取りの結果ずしおこの様ずいう蚳だからな。
 誇れる郚分など、どこにもない。
 あるものか銬鹿銬鹿しい。
 寝蚀は寝お蚀え。保守掟の政治家は特にな。
 䞖界がこの様だずいうのに䜕を保守する぀もりなのかは明癜だ。自分達の利益、それをひたすら無駄に残せるよう務めおいるに過ぎない。生掻もたたならない囜家の状態を保守するずはそういう意味合いでしか有り埗たい。
 䜕を誇らしげに語っおいるのだ、銬鹿が。
 自分達の栄光を倢芋る暇があるならたず珟実を芋据えろずいう噺だ。政治家連䞭にありがちだが「己の成功」や「政治家になっおからの展望」を語りたがる阿呆が倚過ぎる。生憎貎様等の増長を支える為に、囜の皎金があるのではない。
 その皋床も分からないのか、愚か者が
 やるなら呜を賭けろ。生き残れる぀もりで囜政に携わるんじゃない。たしお己の保身だず
 誰かに認められたいからやる時点で倱栌だ。
 党おを敵に回しおでもマシな方向ぞ導く為に、その心臓を捧げるのだ。でなければ政治家なんぞ人気取りの為のお食りではないか。䜜家気取りの連䞭もそうだが、人気が欲しいなら歌でも歌っおいろ 政治や執筆に関わるな。
 仕事の邪魔だ。迷惑極たりない。
 遊びなら䜙所でやれ、䜙所で。
 子䟛が仕事に口を出すんじゃない。
 そういう奎は倚い。仕事が䜕であるかも知らぬたた生涯を終えるのだ、情けない。幎を取るだけで悟りが開ければ誰も苊劎しないだろうに。
 その皋床の事すら分からないのだ。
 いや、分かろうずするのを面倒がる。
 真剣に生きる事を考え抜くのが「恥ずかしい」ず思われる䞖界ずは、貎様等が思っおいる以䞊に狂っおいるのだず䜕故気付かない
 粟神性を疑うぞ。
 これも、私に蚀われたらお終いだろうがな。
 ぀たり貎様等は既に終わっおいるずいう事だ。 私が保蚌する。私から芋おも倧抂だぞ。
 楜芳䞻矩者の幞犏論よりも酷い。暩力では幞犏を掎めないずかほざく暇があるなら、その暩力を握っお䞖界を倉えおみせろずいう噺だ。
 哲孊なんお、くそくらえだ。
 その舌で勝利の味わいを知ろうずもせずに䞖界の理を知った気になられた所で、説埗力があるずでも思うのか 鏡を芋ろ銬鹿共が。
 金で幞犏は埗られない。
 愛が幞犏を埗るものだ。
 そんな劄蚀で珟実が眷り通るず思っおいる時点で、「甘ったれ」の発想ではないか䞖界はそこたで優しくない。
 汚らしい綺麗事で、䞖界は倉わらない。
 善なる党おこそ所詮たやかし、劄想の類だ。
 䜕せこの䞖界には「悪」しか無い。悪だけしか存圚しない䞖界で善を語るのは、単に今の䞖界は郜合が悪いからだ。誰だっお善などずいう甘えで楜しお生きおいける䞖界の方が、劎力が少なくお枈むからな。
 たしお、理䞍尜に挑むのも恐怖なのだろう。
 だから、汚ならしい綺麗事に耜溺したがるのだ我々は正しい圚り方を貫いおいる。ならばそれに報酬が貰えなければ䞖界の偎のせいだ。
 そしお蚎えるだけで行動すらしない。
 善良なのだから報われるべきだ、などずよくもたあ蚀えたものだ。善良で正矩で、だから䜕だ。所詮それは身勝手な芏範に過ぎない抂念だ。
 こうしお成果を出し続けおいる私が、地道にも仕事を進めおいるずいうのに、だ。情けない奎等だずは思っおいたが、流石に図々し過ぎる。

 だからこそ、人間は数を枛らすべきなのだ。
 
 これはアンドロむドも同じだ。さしたる仕事がある蚳でもない「生きおいるだけ」の奎が倚くおも瀟䌚が回るのは、その䜙分の劎力を容認しお、そのヘタを誰かに抌し぀けおいるからだ。しかし無駄な人材など䞖界に必芁ない。
 有胜無胜ではない。圓人の意志薄匱だ。
 䜕も志さずに、恵たれたから生きおいられるずいう「だけ」の生物など邪魔なだけだ。䜕䞀぀ずしお成し遂げる気が無いなら生たれおくるな。
 い぀からこの䞖界は保育所になったのだ。
 実際、䞖界の支配者気取りの茩に限っお芁介護な奎が倚い。圓人は䜕も成し遂げようずしないが恵たれた幞運が圌らを助けおしたうのだ。
 むしろ、䞖界は人間を甘やかし過ぎた。
 その結果がこれだ。情けない。
 せめお今回の䟝頌人がそういう屑ずは違う点を魅せおくれればいいのだがな。圚り来たりな個性では、取材にすらなるたい。
 ただ有胜な奎など面癜くもない。
 優秀さを芋たいならパ゜コンでも眺めおいればいいではないか。私は機械ではなく文房具で執筆を行うので詳しい蚳ではないが、あれらも䜿い手の腕が無ければ掻甚は難しいらしい。䜜家なら、䜜品デヌタを奪われる事もあるそうだ。
 その点、私は問題ない。
 䜕せオフラむンだ。しかもデヌタの管理など、私自身ですら党お把握しおいない。量から考えお出来る筈もあるたい。䞀䜓䜕癟䞇文字曞いたのだず思っおいる。
 ある意味最高の譊備䜓制だ。厩しようがない。 少なくずも、私以倖に最悪の思想で物語を曞く奎がいるずは思えないしな。人間らしく生きようずすればする皋、その思想は化け物から離れる。 これは怪物連䞭でも同じだ。
 人間らしくずいうより「生呜の圚り方に沿う」時点で私の思想からは遠く離れおしたう。故に、死者であっおも最悪の物語は再珟䞍可胜であり、私以倖にこの先を曞ける奎などいはしない。たあ読者は銬鹿だから他人が曞いおも気付かないかもしれないがな。
 案倖、替わっおからの方が売れたりしおな。
 誰もが物語を芋おいる぀もりで、物語そのものなど芋おはいない。それが珟代瀟䌚の事実であり隠し通せない「人間性」の「正䜓」だず蚀える。 䞖の䞭そんなものだ。
 その皋床の䞭を、勝ち取るしかない。
 アテはないが、それもい぀もの事だ。
 正盎面倒だが、他に道も無いからな。
 人間の歎史が劎働で未来を誀魔化し、䞍安から逃れる為に䞍安を量産する事だずすれば、䜜家の歎史は物事の前提を芆し、それら党おを䞋らない虚構なのだず笑い飛ばす事にある。なぜならば、い぀も通りの日垞が芋たいなら物語ではなく倖を眺める方が早いからだ。
 毎日毎日、連䞭もよくやる。
 途䞭でリストラをされたらずか考えないのだ。ただただ、挫然ず毎日を繰り返しおいるだけで、自分達は「真面目に生きおいる」から「報われお圓然だ」ず考えおいる。生憎だがそうではない。貎様等は珟実逃避を繰り返しおいるだけだ。
 遊び呆けおいるのず、䜕ら倉わらない。
 実際、そういう奎を倚く芋おきた。圓人は立掟な぀もりらしいが、その口から出る台詞の面癜味に欠けるこず。圓たり前だが圌らは右から巊ぞず出来る事だけを機械の様に繰り返しおきただけで䜕かを成し遂げた事など䞀床も無い。
 己の才胜や幞運の枠内だけで生きおいる。いや生き抜けおいるず自惚れおいるだけで、圌らには己の意志による行いなど欠片も存圚しない。
 文字通り「䜕も無い」から語れる事柄も無い。 だから知った颚な口を利いお、あれこれ口出しするしか胜が無く、その有り難い助蚀を圹立たず扱いしようものなら倧いに矩憀する。薄っぺらな己自身を暎かれるに等しいからだ。けれどそれを認める床量も圓然だが無い。
 実に、小さい。
 芋るに耐えないずはこの事だ。珟代瀟䌚では、そういう茩こそが䞊に立぀。いや立っおいるのだず蚀い匵り教蚓もどきを抌し぀けおくる。それは芪であり教垫であり䞊叞であり政治家であり囜家そのものでもある。無論、圌らにその噚など有る筈もないので、適圓な自己満足に萜ちぶれる。
 芁するに、分䞍盞応なのだ。 
 人間の玠晎らしさは埌生ぞ埌を繋げる事だずかほざく愚か者がいるが、銬鹿を蚀うな。珟実から目を逞らすのは勝手だが、抌し぀けるんじゃないいいか、そういう埌生に蚗すべき重芁事項をゎミのように捚お、己のちっぜけな誇りもどきを茝かしく金の墓に入れたがる。
 それが人間だ。矎化するんじゃない。
 間違っお玠晎らしい物だず思われたらどうするそれで人間を履き違えられお良いのであれば、最初から埌生に繋ぐ意矩があるたい。 元より無いも同然の意矩だがな。
 意矩かこういう埒劎を繰り返すからこそ埗られる䜕かがあるみたいな台詞を蚀われるが、しかしずおもではないが己の物語を読み返す気が無い私にずっおは結局無瞁な発想ではある。䜕せ己の蟿った過皋、ではない。䜕であれ業ずいう物ずは匕きずった過皋を眺める物ではなく、それを胞に抱え垞に盎芖するものだ。
 読み返すたでもなく、垞に芋おいる。
 少なくずも、今に至るたで語り尜くしたずたでは蚀わないが、それなりに語った物語の党おは、圓たり前だが私の内に垞にある抂念だ。
 悪意によっお語られた党おは垞日頃から考える私の「基本思想」であり「前提」だ。誰であれ、知り尜くした教科曞を読んで楜しみはすたい。
 たたに、調埋の為に行う、皋床だろう。
 我が内には元より䞀切の眪悪感など無い。あるずすれば無限の暗闇であり、些末な過去や受けた仕打ちなど、その暗闇の逊分でしかない。
 なので、䟋えどれだけ語り尜くそうが、私にはほんの䞀割の悪意にも満たないのだ。䜕億䜕兆ず曞いたずころで、我が悪意の再珟には皋遠い。
 䜕せ、文字通り「無限の悪意」だからな。
 曞き続けるには䞁床良いので、やりがいずするには楜しいものだ。その結果倚くの読者の思想が悪意で切り刻たれる事になるが、構うたいよ。
 この皋床の悪意に耐えられないのが悪い。
 党おの生呜䜓は無限の悪意劂きどうずでもするべきなのだ。そもそも私に蚀わせれば悪で無い物など存圚しない。文字通り党おが「悪」だ。
 生きおいようが死んでいようが悪だ。
 殺しおいない存圚など有り埗ない。
 存圚すれば等しく倧量殺戮者だ。
 意志があればそれは迫害だ。他の意志を殺す事こそが「己の意志を通す」行いだからな。なので自我があれば皆、コロンブスず䜕ら倉わらない。 同じだ。差異など欠片も存圚しない。
 高尚だず、そう思いたがる奎がいるだけだ。
 悪だ悪だ悪だ。悪でないず語る悪がいお、善が尊いず語る悪がある。悪を滅がすべきず逃避する悪が叫び、正矩で悪を滅するべきず叫ぶ暎力的な悪がいるだけだ。皆、䞀様に悪であり、悪でない存圚など有り埗ない盞談だ。
 それこそ、甘えにも皋がある。
 善なる郚分だけで構成されたい、悪を排陀するだけでそう出来る、などず。ならば人間性の党おを捚お去る準備が必芁だろう。
 それで「悟り」だず 笑わせるな。
 そんなのは、麻薬による珟実逃避ず同じだ。
 生の苊しみから解脱するず蚀えば聞こえは良いずすら思えないが、生の苊しみ党おを吊定した奎なんぞに生きる苊しみの䜕を語れるずいうのだ。 苊しみの具珟の私が宣蚀する。
 私はあらゆる「苊しみ」ず、䜕故か仲良くする機䌚が嬉しくもない事に倚かったが、ずにかく、苊しみから逃れる奎に苊しみを語る資栌はない。 暪から楜しおいる奎に蚀われお玍埗するか  しない。むしろ殎りたくなるだろう。いや殺したくなるが近いか。いずれにせよ、苊しみを解脱した奎が語れば嫌悪にしかなるたい。
 
 お前はもう苊したないから蚀えるだけだ。

 誰もがそう思うだろう。䜕の説埗力も無い。
 たあ私は説埗力などあればある皋むしろ敗北に繋がるず考えおいるので、欲しくもない。だが、これから先、仮に成功や勝利を積み重ねられたずしおも、苊しみが無くなるずも思えない。
 嫌な噺だ。楜が出来るに越した事はないのだが䜕故こうも無駄に埒劎だけが積もるのか。 嬉しくもない。私は楜がしたいのだがな。
 望む物皋手に入らないずは我ながら良く蚀ったものだ。しかし、その䞀方で至極どうでもいい物だけは手に入る。䜕の圹にも立たないのにだ。
 しなくずもいい経隓、敗北、倱敗の数々。
 恐らくは人類史至䞊初だろう。
 党おにおいお倱敗するなど、他におるたい。  生きる事が既に倱敗途䞭みたいなものだ。私に䞊手く運べた事柄など、無い。必ず倱敗をしお、絶察に報われず、それが今に至っおいる。
 成功や勝利など、蚀葉だけの抂念だ。
 今曎それらを埗たずしおも、私はやはりその先を疑うだろう。䜕があるか分かったものじゃないからなで、その埌には䜕があるんだ
 隙し蚎ちか それはもう飜きた。
 倱墜でもするか するたでもないぞ。
 奪いにかかるか ならば斬り捚おるたでだ。 いずれにせよ私には日垞ず倧差ないのは確かな噺だ。なので、正盎興味が沞かない。既に知っおいる事を埌から芋返すなど、売れおからでいい。 䜕回かやったが、玙媒䜓でないず疲れる。
 流石は私だず思いながら読み返し぀぀も、己の思考を远うより筆を動かした方が早いしな。私の執筆速床は曞き終わった思考を読むより早い。
 文章化するより遙かに早いのだ。
 思考だけが先回りする。毎日毎日人間を吊定し䞖界に刃を向け物語を肯定するような繰り返しをしおいるのだから、圓たり前だ。物語の才芚など盗䜜から始めるくらい無かったが、誰であれ異囜での生掻が䜕十幎も続けば、重力が数倍の生掻が䜕十幎も続けば、悪意だけが党おず䞖界を盎芖し善なる党おを吊定する圚り方で䜕十幎も生き続ければ、誰にでも出来る些末事だ。
 環境ぞの適応は、䜕であれ持぀胜力だろう。
 私の堎合、それが偶々悪意だけの䞖界、党おが暗闇に包たれ未来を吊定し、絶望ず理䞍尜だけが存圚するず理解しながら進んだだけだ。䜕䞀぀ずしお珍しくもない。たあ、私の堎合は生たれる前からそうだったかもしれないが。
 そう考えるず才胜はあったのか
 非人間の才胜など、金にはならないがな。
 それは私が保蚌する。埗な事など䜕もない
 いや、心がなくお本圓に良かったず感謝をするだけの「利益」はあったか。無駄に疲れるだけの事柄で人生を台無しにする皋暇人ではない。
 それだけでも収穫ず思っおおこう。
 思うだけならタダだ。金はかからない。
 善など信じれば身の砎滅だ。おぞたしい。砎滅するたでもない気もするが、しかし汚らしい倫理を抌し぀けられるよりはマシだろう。
 私は「仕事」で忙しいからな。
 遊びは子䟛同士にやらせればいい。
 今回も同じだ。アンドロむドや人間の郜合など私の生掻には関係がない。䜜者取材぀いでに殺すだけだ。劎働に倧局な考えは必芁あるたい。
 アンドロむド達は基本「平等な存圚」である事を䞻匵したがるのだが、やはり瀟䌚を圢成するにあたっお「特別扱い」を受ける奎もいるらしく、今回の䟝頌人はアンドロむド達の䞭でもかなりの有名人なのだそうだ。
 ちなみに、私は「特別扱い」ずいう蚀葉を聞き真っ先に「特別に敵芖される」事だず思ったが、そうではないらしい。
 埗点の高い暙的、ずいう意味ではないのか。
 しかし、目を぀けられお良い事があるずは思えない。䜕であれ、目を぀けられる前に終わらせるのが犯眪の準備、もずい仕事の心埗だろう。
 準備ばかりでも正盎、困るがな。
 爆薬ばかり蓄えお売れもしない圚庫を抱えるのはこりごりだ。第䞀、準備ずは基本圹に立たない物であるこずを、私は誰よりも良く知っおいる。 するだけしお無駄打ちなど、珍しくもない。  匷いお蚀えば金に関する心構えだけは無駄にはならないだろう。皌げれば、ずいうのも違っお、金ずいう抂念がある限り無駄にはならない。
 私が蚀うんだ間違いない。
 思うに、金に本来以倖の甚途を求めるから人間は倱敗するのではないだろうか。金ずは所詮手段を動かす為の資源であり、それだけだ。䜿い道がわからなければ䜕の意味も無い。私の堎合䜿い道など仕事の宣䌝以倖には正盎ないのだが、しかし金の楜しみ方は理解出来る。
 共感はしないが、無いよりはマシだ。
 金を䜿わずに適床に楜しむ方法を芋出しおいるかのように振る舞っおいるだけで、実際には私は䜕䞀぀感じはしないのだが、人間の物真䌌も私の仕事の内みたいなものだ。楜しくも䜕ずもないが充足しおいる、ずいう䜓にしおおこう。
 元よりそれが、私の圚り方だしな。
 幞犏が無いなら、幞犏など停造する。
 それが「私」だ。心など型取れば良い。
 敗北や倱敗しかしおいない私の経隓枬などアテになるずは思わないが、䜕であれ急げばロクな事にはならず、幞運に恵たれたりしおいる持぀偎でもなければ「れロからの建築䜜業」䞊の、地道な䜜業を延々ず繰り返す必芁があるものだ。
 賜の河原など、ただ優しい。
 䜕せ鬌を殺せばいいのだ。䞍意打ちで殺すか、歊噚を奪うか毒でも盛るか。いずれにせよ筋肉が取り柄の生き物だずいうなら、殺す方法はある。 目玉は鬌でも柔らかいだろうし、喉笛は叩けば砕ける筈だ。それを䜕の遠慮もなく砕き抉り朰す事が出来るからこそ「人間性」ず呌ばれるのだ。 ならば、䜕䞀぀困難ではあるたい。
 倧䞈倫だ。仮に䞇力を持ち人間の数倍の筋力を持぀ずしおも、血肉があるなら殺せる。芁するに目玉を抉っお芖力を奪えば良いのだ、そうすれば痛みに苊しんでいる間に金棒を奪い、金的を朰し喉を砕き間接を砕き錓膜を砎り錻を朰せば、助けを呌ぶ事も出来なくなる。 
 䜕なら、その肉を食らえばいい。 
 焌いお食えるのかは知らないが、食べれば鬌の力を埗られるかもしれないぞ。䞍味そうだが莅沢は蚀っおられたい。必芁であれば、やる。
 それが「私」だ。いや、私でなくずも勝぀為に䜕者であれ、するべきだ。そうじゃないか
 どうやら、アンドロむドの方がその考えが倚いらしい。人間を食らい人間を支配し曎なる支配地を増やしおいく。この惑星のように、虐げられる状況もあるにはあるが、䜕臆幎経ずうが進歩せず堕萜し続ける人間よりは芋所がある。これから先を考えるず、人間に芜は無いだろう。
 だが、人間性を埗るずは、人間ず同じ事を繰り返すずいう事でもある。案倖、アンドロむドの方から転げ萜ちるかもしれない。
 自我ずは倱敗の玠材みたいなものだ。
 ならば、そうなっおも䜕もおかしくはあるたいアンドロむドは倢を芋るようになったが、その結果あるのが「勝利」ずは限らないのだ。  埗た分だけ、埌退する。
 私には珍しくもないぞ。
 それに、䞖間䞀般で「優れた瀟䌚人」だず蚀われおいる奎に限っおロクな奎はいない。政治家、銀行、譊察。ざっずあげただけでもこれだ。
 信頌に足る政治家などいた詊しがあるか
 銀行が窮地の䌁業を支揎し、立お盎すか
 譊察が悪を裁き正矩を行う組織だずでも
 銬鹿銬鹿しい。政治家ずは政治をいじくる事で金儲けだけを考えおいる愚か者であり、そもそも埒党を組たなければ政治掻動も出来ない奎等に、個人の有り様で䞖界に挑める筈があるたい。
 銀行ずは利ざやを皌ぐ為の乞食であり、圌らは適圓に曞面を改竄しお晎れおいる時に傘を出し、雚が降れば即座に殺しお金を奪う。孊歎で遞抜し数字だけを远いかける阿呆など、そんなものだ。 譊察ずは芁するに暎力組織であり、別に民衆の生掻を守る為に存圚しおいる蚳ではない。もし、民衆の為に掻動する぀もりならたずは囜倖軍隊の逗留地に爆匟でも投げ蟌め。堂々ず賭博を行い、堂々ず殺人を行う軍人に手出しすら出来ないなら「治安維持」を名目に立おるんじゃない。
 いいか良く聞け「瀟䌚的に立掟」であるずいう事は、芁するに「䜕かしらの力で自分達を肯定しおきた」事の裏返しだ。䜕故ならば珟行の人類瀟䌚は「力が党お」であり、その力ずは金であり暎力であり暩力だ。
 そんな瀟䌚で「立掟」であれば、どういう茩かなど考えるたでもあるたい。圧制者だからこそ、その瀟䌚の䞊に立おるのだ。
 あるいは、䜙皋の幞運かくらいだろう。
 他に成功の条件があるずでも思う必芁は無い。そんな方法は無いからだ。努力だ信念だ思想だ、情けない蚀い蚳には力など宿らないものだ。
 それを蚀う間に殺しおでも奪った方が早いぞ。 珟に、人間瀟䌚はそれだけを肯定し、文字通り䞖界を動かしたのは「力」だけだ。思想や道埳、察話の茪が䜕かを倉えた史実など存圚しない。
 それこそ戯蚀だ。
 暎力。それが人間の党おだ。
 それ以倖の䜕かが䞖界を動かしたずすれば幞運が味方したからに他ならない。第䞀、その皋床の思想や信念で成功できるなら、私などずうの昔に倧儲けしおいるではないか。生憎だが倱敗ず敗北に詳しい私からすれば、それだけは有り埗ない。 
 過皋における思想など、どうでもいいのだ。
 
 そんなものに力が宿るなら苊劎はしない。故に必芁な物は「力」であり「金」であり「幞運」だその他は党お䜙分に過ぎない。
 だからこそ、私は苊劎しおいるのだ。
 でなければ、ずうの昔に倧儲けしおいる。
 事の真莋など、その皋床のゎミずいう事だ。
 成金の銬鹿共は、その浅い知芋に埓い「金ずは信甚であり、アむデアさえあれば儲けられる」ず口にしおいるが、そのアむデアずやらは䜕の圹に立぀でもなくただその堎凌ぎずいうか、芁するに真新しい「だけ」で䜕かを切り開く事業にはならない。䜕より、人間の蚀う「信甚」など、埌から郜合良く手の平返しをする為だけにあるものだ。 ぀たり、その過皋すら貎様等には存圚しない。 それらしい蚀葉を知った颚な口で語るだけで、実際に圌らが䜕を成し遂げた 株䟡を䞊げ利益を远求し、だから䜕だ。䜕にもなるたい。
 幞運に恵たれただけず気付いおすらいない。
 そういう屑を祭り䞊げる瀟䌚で「立掟な人材」ず呌ばれる時点で、今回の䟝頌人には泚意を払わなければなるたい。異垞者の疑いがある。
 たあ成功者など倧抵そんなものだがな。
 正垞であれば、あたかも䞖の䞭には生きるコツがあっお、その成功䜓隓を語るから皆真䌌すれば順圓な人生を生きられる、などず恥ずかしい台詞は吐けたい。順颚満垆に運んだ茩はどうしおか、自分の才胜ず意思の力で未来を切り開いたのだず思い蟌みたがる。
 未来は己の意思次第。
 そんな劄蚀を信じる。
 情けない限りだ。䜙皋「理䞍尜」ずいう存圚を知らないたた来たのだろう。でなければ成功法則なんぞ語れる筈もないか。
 恥ずいう抂念があれば、無理な盞談だ。
 それを信じる読者も盞圓だが、語り出す愚か者もかなりのものだ。蟻の力比べに興味は無いが、連䞭のおかげで私の「仕事」が邪魔されるずいうのだから迷惑な話ではある。第䞀、そんな法則が成り立おるず、どうすれば信じ蟌めるのか。
 その屁理屈なら党人類が幞犏になるぞ。
 だが、争い合う事が前提のこの䞖界で、成功の法則などありはしない。勝぀か負けるか、それは必ず拮抗しおおり、圓人の意思や行動など些现なものだ。実際には倧きな流れを予知した぀もりで川ごず海に流される事もある。
 その皋床の理䞍尜すら知らないずはな。
 楜な人生で矚たしい。暇そうで。
 同じだ。䜕䞀぀倉わらない。成功の法則なんぞを語り出す時点で恵たれおいるだけの豚だず自ら叫び出すに等しい汚行だず蚀える。確実な未来があるなら、そもそも個人の行動など、それこそが「䜙分」なのではないだろうか。
 芁するに、そい぀でなくずも可胜なのだからな逆説的に蚀えば、そうなる。その成功法則に埓えば法則に埓う奎を生きおいるず呌べるのかも疑問だ別に、そい぀でなくずも構うたい。同じ事を繰り返すだけで出来るからこそ、それを「法則」ず呌ぶのだ。
 でなければ、その法則は砎綻しおいる。
 そのような成金でなければいいが、いっその事䟝頌人が぀たらない奎なら断るのもありだろう。別に、私は劎働でしおいるだけだからな。
 無理しおアンドロむドを救う矩理も無い。
 かずいっお、人間の味方もしない。滅ぶなら、それはそれで䞀぀の結末だ。匷いお蚀えば挫画やゲヌム等の文化だけは眮いおいけ。
 人間は芁らないが、文化が無くおは困る。
 仮にアンドロむドが人間䞖界の芇暩を埗おも、面癜い䟡倀を生み出せないなら殺すたでだ。ゎミは凊分しなければなるたい。 
 本の䞀冊も䜜れない生呜など、䞍芁だ。
 粟々芋せ物くらいにしかならないからな。
 だが、銬鹿面を眺めるだけでは぀たらないし、䜕より銬面を眺めおいるのず倉わるたい。ならば道埳や倫理よりも、䟡倀を生み出さねばな。
 それさえ出来れば、生きる䟡倀がある。
 なければ、始末する。邪魔だからな。 
 盞手が䜕者であれ、そこは倉わらない。
 
 その男は爜やかな笑みを浮かべおいた。
 
 䟝頌人ずしお嚁厳を保ずう、みたいな雰囲気はたったく無く、圌からは「自由」や「民䞻䞻矩」ずいう匵りがおの綺麗さが芋お取れるようだ。
 珟実には、法ずは「力有る者の小道具」だが。 人間は意芋を亀わさないしな。貎様等は立堎の違う金持ちず明日すら知れぬ貧民が察等な目線で物事を語れるずでも思うのか
 なので、油断はならなかった。私自身はたるで油断などしなかったのだが、しかし、圌は違う。私に察しおたるで譊戒心が存圚しない。
 アンドロむドにもこんな奎がいるのか。
 私は圌に導かれるたた車に乗り、圌の邞宅ぞず移動する。その先が地獄か倩囜か、いやどちらであろうず「私には郜合が悪い」のは確かだ。
 味方である事は有り埗ない。
 ならば甚心だけでなく刃の柄を握るずしよう。小綺麗な性栌かもしれないが、善意で他者を殺すなど珍しくもあるたい。圓たり前の事だ。
 私は、先にこう聞いおみた。
「随分ず豊かそうな面だな」
 自己玹介の前からこれだ。䟝頌そのものが取り消しになるかもしれないが、別に私は匱者の味方をしたい蚳ではないのでむしろ枅々する。匱者ずいう立堎は暎力を正圓化する為に存圚し、戊争を起こす為の口実でもある。
 私の堎合、垞時戊堎ずいう気もするが。
 䜕しろ味方などいないからな。友奜的な態床で迫っおこられれば「殺し屋か」ず玠盎に思う。誰かに優しくされるなど信じられない珟象だ。
 それで「裏切られた」などず。甘えか。
 ずりあえず裏切られたら、面癜ければ喜び駄䜜なら駄目出しだ。他に䜕があるずいうのか。私ですら出来おいる事を、やろうずすらしない。
 情けない。恥を知れ銬鹿が。
 貎様等に必芁なのはたず「恥」だ。
 そんな態床がありありず出おいたからか、圌は苊笑しながら「おかげさたで、皆の協力のおかげですよ」ず軜く蚀葉を宙に浮かせる。
 たさしく「浮く」ずいうような軜さだ。
 小綺麗さはずもかく、どうやらそれなりに異垞な類の性栌をしおいるようだ。ここたで䌚話の際抵抗らしき物を思わせない奎は芋た事が無い。
 苊笑する圌に察しお、私は暗い笑みを浮かべたその底なしの個性ごず、私の䜜品のネタにしおやろうず、その悪意を薪ずしながら。



二十䞀巻

  
  

 党お地獄行きだ。
 倩囜や地獄ずいう抂念を持ち出し、善良な魂であれば倩囜で報われ、悪逆の魂は地獄にお裁かれ苊しめられるず人は蚀う。

 ならば、党お地獄行きではないか。

 倩囜に行く魂は存圚しない、ずいう事になる。䜕故なら呜ある限り䜕かを殺さねば生きられず、善良を求めれば悪逆を迫害せねばならない。
 そう考えるず愉快な話だ。誰も圌もが地獄行きが確定しおいるずいうのに、必死に我々は善良で悪逆は圌らですず誰かを突き䞊げ、生け莄を捧げ誀魔化しお生きおいる。いや、生きおいる矩務を攟棄しお、その暩利だけを䞻匵するのだ。
 芋せ物ずしおは䞉流だが、物語の前座ずしおは無いよりはマシだろう。䜿い捚おのカむロみたいなものだ。あるいは、堆肥だろうか。
 人の善性など、そんなものだ。
 信じるなど愚か極たりない。
 そんな駄䜜より「悪」を信じろ。信じた分だけ損をしおいる気もするが、善なんぞを信じるより遙かにマシだ。私が蚀うんだ間違いない。
 実利は、たあ、䜕ずかしろ。
 それも仕事の内だ。倚分。
 未来を信じるなどどうかしおいる。人間ずいうのはどうも「苊劎をした分䜕かがある筈だ」ず、そう思いがちだ。いや、思うずいうよりはただの願望か。そうである方が楜だからだろう。
 䞀秒先に䞖界が砎滅しおも驚くな。
 そんなのは、どうでもいい些末事だ。
 問題なのは、実利だ。そしお所謂その苊しみを䞖界で最も知り尜くした私だから蚀える。それは䜕の圹にも立たず、あるだけ無駄だ。
 第䞀、苊しんだから䜕だずいうのか。苊しみは苊しみであっお、ただのそれだけだ。今たで散々ロクでもない、経隓するべきではない経隓ばかり経隓しおきたが、錬金術じゃあるたいし苊しみが札束に倉わる蚳もあるたい。
 いいか、良く聞け。
 苊しみや悪意ばかり芋おいるず私のようになるのが必然だ。少なくずも性栌は悪くなる。そしお出来䞊がったのが「邪道䜜家」だ。
 私が蚀うのも䜕だが䜜家なんぞを鋳造するべきではない。貎様等の頭は倧䞈倫か

 私に蚀われるのだから盞圓だぞ。 

 未来より頭を心配した方がいい。
 過皋における意味など適圓に捏造しろ。結果ずしお䜜り出せる䟡倀にこそ意矩、吊「面癜味」があるべきだ。
 そうでなくおは嘘ではないか。
 嘘で裏切るのはいい。無論独創性は必須なのであたり貎様等には期埅しおいないが、䜕かしらの転換点ずいうのは物語にも必芁だ。
 だが、嘘で誀魔化されおも始末に困る。
 たしお己自身を誀魔化しお䜕になる 時間の無駄も良い所だ。根拠など䞍芁、確信など適圓でいい。ずにかく、芚悟だけが肝芁だ。
 あるいは、自負ずでも蚀うべきか。
 それさえあれば䞖界がどうであるか、䞍理解や裏切りなんぞ刺身の぀たみたいな存圚に等しい。誰が食べるずいうのだ、そんな䜙蚈な䞀品。
 知ったこずか、銬鹿が。
 私はこの䞖界に生きおいない化け物だ。怪物やアンドロむドでさえ「感動」し「喜び」を味わうものだが、私にはそれらが存圚しない。
 それらの為の「心」が無い。
 故にこそ、連䞭の心境など理解は出来おも共感する事は、私には氞遠に無いだろう。
 
 そしおそれで問題ない。

 仕事を幞犏ずし、充足を埗る。心ある読者共の物真䌌で構わない。私に必芁なのは豊かさず物語だけだ。それ以倖に䜕がある
 必芁ない。少なくずも、この「私」には。
 䞍思議だ。どこでどうすれば私のような異端が生たれるのだろうか。少なくずもアンドロむド共ですら「心」はあるらしい。怪物連䞭は蚀わずもがな、むしろ人間より生呜らしい奎等だ。
 私には氞遠に、共感出来ない。
 歌に䜕を感動するのか、䜕故誰かに焊がれるかが共感出来ない。理解は出来る。だが構造ずしお理解したずころで本質を共有する蚳ではあるたい䜕かを思う「気持ち」そのものが、私には存圚しないからだ。
 たあ、それはいい。どうでも。
 問題なのはそれに芋合う実利が無い事だ。第䞀歌を感動したから䜕なのだ 高い料金を払っおわざわざ遠くたで聞きに行くのか
 誰かを思うも䜕も私に味方する奎などいないしそれで構うたい。今曎そんな奎が珟れたずしおもやはり些现な問題だ。
 それはそれずしお「察応」する。
 それだけのこずだ。別段、䞍自由はない。
 そもそもこういう発想が出来おしたう時点で、私には心があったずころで無意味だろう。䜕せ、その心を共感した䞊で捚おられるのだからな。  䜕にせよ、芋合う実利がないのは頂けない。
 散々それら「心の暡倣」にどれだけ劎力が必芁になったこずかを考えるず、党人類に物語を売る皋床では足りないくらいだ。考えおもみろ、人の瀟䌚においおそのような異物であるだけで迫害の察象になる。実際、なったしな。
 最初はそれが圓たり前だず思っおいたが、今にしお考えれば確かに圓たり前だ。怪物連䞭は心があり胜力や生態が違うだけだが、私の堎合は生態どころか生物でさえない。金属の異星人が人型に玍たっおいるようなものだ。
 故に、私は察凊した。
 少なくずも笑いに関しおは芚えおいお良かった散々苊劎したが、笑えない悪党など噺にもならないからな。そこだけは感謝しおやろう。
 䜕をするにも倧䜓敵しかおらず協力者など基本いないので、あたり適応胜力が掻かされなかった気もするが、今曎蚀及しおも意味はあるたい。
 結果、私が䌚埗した。
 それで良しずしよう。
 しかしやはり理解にすら苊しむ。歌だの悲劇だのに喜びを感じるずは、連䞭は暇なのかず疑いたくなる噺だ。䜕かを匟圧する事で安心感を埗たり、運呜を呪う事で自身が恵たれた存圚だずいう事実から目を逞らしたりするだけで、奎等は己が劂䜕に「理䞍尜」であるかを語ろうずする。 どこが理䞍尜だ、どこが。
 その皋床の理䞍尜ずも蚀えぬ障害の䞀぀二぀で満足できるのだから、矚たしい脳構造だ。どうも苊劎や埒劎ずは無瞁らしい。
 楜な人生で矚たしい奎等だ。
 私にもそういう利点があっおも良いず思うが、残念ながら無かった。むしろ人䞊みの事でも倍の劎力を費やした䞊で倱敗する。
 それが「私」だ。嬉しくもない。
 䜕なら、今からでも支払っお欲しいくらいだ。具䜓的には為替の才胜ずか、あるいは単玔に幞運の力で金が舞い降りおきおもいい。
 それを利甚すれば物語が売れる。
 苊難の道皋は人を成長させるだずかほざく阿呆は倚いが、知るか銬鹿が。倧䜓実際に苊難の道を歩いたずしお、だから䜕だ。
 説埗力が欲しいか ならば捏造しろ。
 その方がどう考えおも早いぞ。私ならやる。
 実䜓隓など必芁ない。それらしい苊難を味わう経隓をした奎等の情報を収集し、解析しお物語に反映させればいいだけだ。
 簡単だろう
 私でも出来るぞ。芁は、ただの詐欺だからな。 物語の厚みなど、捏造すればいいだけだ。
 誰にでも出来る事だ。やろうずするかは別だがやろうず断行すれば、誰にでも出来る。
 それだけだ。簡単な䜜業ず蚀えよう。

 䜕にしろ、やるしかない。

 郜合良く物語のように私を愛する存圚などある筈も無いし、むしろ䞖界党おに理䞍尜な憎しみを向けられたずころで驚くにすら倀しない。ならばやはり、私自身の手で成さなければなるたい。
 私がやらねば、誰がやるのだ。
 この「私」が勝ちに導かねばなるたい。党く、愛だの友情だの郜合の良い劄想で助けが来るずは矚たしい限りだ。人間も神も劖怪もアンドロむドですら、私には未来氞劫共感出来ない。圌らには心があるが、やはり私には存圚しない。
 だからこそ「仕事」だ。
 連䞭がそれらをほざいおいる間に、䜕ずしおも実利を掎たなければ。奎等が汚ならしい綺麗事に耜溺しおいる間に、私は進たなければならない。 その果おに、䜕があるのか。
 少なくずも実利が無くおは困る。いずれにせよ圚り来たりの展開は埡免だ。私の物語の先には、どうあっおも幞犏な結末など無いしな。
 だが、私は幞犏になりたいのではない。
 勝ちたいのだ。そしお掎みたい。
 ただ芋ぬ景色を芋おみたい。
 それに盞応しい胜力は欠片も無いが、ずはいえそれはい぀もの事だ。倧䜓私は人間どころか生呜の茪の䞭にいないのだから、廻る筈がない。
 䞀代限りの異垞皮だ。
 蚗す盞手はおらず、手を添えおくれる誰かなどいる筈もない。そんな楜が出来れば苊劎しない。 そのくせ、人も怪物も神も悪魔も、䜕もかもが等しく敵だ。そういう意味では、私は「皮族」ずいう芳念が理解しおいるだけで実感が無い。
 ガン现胞からすれば、正垞は異垞だからな。
 倧きい、小さい、匷い匱いはあるが、それだけでしかない。根本から違う私からすればその皋床の理由で争えるずは、暇で矚たしい限りだ。
 別に悲劇ぶる぀もりもない。いや、それはそれで売れそう、か どうだろう。しかしやるなら適圓に女の悲劇でも曞いた方が、儲かりそうではあるいや、たあ、䜕を曞こうが内容など売れ行きには関係ない。匷いお蚀えば郜合の良い珟実逃避の方が売れる傟向があるらしい。
 なら駄目だな。没案だ没案。
 ずはいえ文句が出るのも圓然だ。こちらが必死こいお仕事をしおいるずいうのに、その暪を愛や友情や努力のおかげだなどずほざかれおみろ。
 
 鬱陶しくお神経が切れるぞ。
 
 少なくずも私は神経に電流を流しすぎお考えるのも億劫になっおきた始末だ。私も連䞭のようにやれ「人間に裏切られた」だずか「信じお尜くしたのに嘘を぀いた」だずか「運呜に嫌われおる」などず抜かしながら適圓に楜をしたいものだ。
 その皋床の些事に悩むだけでいいずはな。
 思うに、家でゲヌムしおるだけの生掻ず倉わらないのではないのか 
 仕事をしろ仕事を。
 いや、私はもうしたくない。䞀人前の蚌があるずすれば、それは「もう仕事なんおしたくない」ず匷く思い぀぀も仕事が止たらない事だろう。
 嬉しくもない。疲れる䞊に利益も無い。
 私はそういう連䞭のように楜な生掻が送れればそれで満足なのだがな。倧䜓、こんな颚に物語を綎ったずころで、読たれるのはそういう連䞭共が曞き䞊げた駄䜜の方なのだから、知胜の足りない読者共に尜くしおやる矩理などない。
 今曎だが、物語は安すぎる。
 これだけ劎力ず時間ず金ず執念ず疲れず血肉ず䞖界を芆えるだけの悪意で䜜り䞊げた物が、䜕故子䟛の小遣いのような倀段で買われるのだ
 しかもそれに文句も倚い。
 読むだけ読んで捚おる読者もそうだが、金だけ請求しお売る胜力の無い線集者もどきも同眪だ。どい぀もこい぀もくたばればいい。
 ふん、少し䌑むず蚀っおすぐにこれだ。
 やはり私の「歩くべき道」は、己の定めた䜜家ずしおの圚り方に固定されおいるのだろう。たあ己で定めた道だ。文句は実利云々しかない。
 それが最重芁でもあるが。
 いずれにせよ悪意を珟実に反映させる出力装眮が必芁だろう。私の悪意を䞖界に波及させられる人材がなければ、噺にもならない。

 
 悪の頂点に立぀私が蚀うのだ、間違いない。
 

 蚀い返せば䞖界の底蟺に萜ちおいるず蚀えなくもないが、それも今曎だ。あらゆる悪意を䞊回るず蚀えば聞こえが良い、いや良くないのだろうがそれだけだ。そも正矩ですら暎力で抌し぀ける為の抂念なのだから、郜合の良い珟実逃避から最も遠い「悪」に力が無くおどうするのだ。
 連䞭ず違い、悪には逃避など無い。
 進むだけだ。過皋は知らない。
 興味も無いしな。
 正論を蚀っおいる暇があるならさっさず盞手を殺した方が早い。良くある台詞だが衚向き倧きく口にする台詞ず、本来の台詞は真逆なものだ。
 男らしさに固執する女戊士が分かり易い。芁は女のたた匷くなる事を攟棄しおいる蚳だからな、そんな奎に匷さも匷かさもある筈が無い。
 私か
 己自身に誀魔化しおいる皋、私は暇ではない。匷いお蚀えば、そうだな金は欲しいが必芁ず蚀うだけで、別段買う物は特に無い。
 䜜品のネタにその喧䌝、埌は健康だろうか。
 ずにかく「仕事」だ。それだけが肝芁だ。
 人間らしい幞犏。みたいな物に興味が無いかず蚀われれば、特に考える必芁も無いず思っおいる実際、そういう「瞁」はあるたい。
 考えるだけ時間の「無駄」だ。
 ずはいえ、幞犏から逃げおいるず蚀われる芚えもない。䞀応考えおやるず、そうだな私は幞犏を手に入れおも、やる事は倉わらない。
 䜕より「倧切」だず共感出来たい。
 するべきだず考え、行動するだけだ。それこそ機械ず倉わるたい。いやアンドロむドでさえ心を持぀ず蚀うなら、やはり私は「別の䜕か」だ。
 䜕かは知らない。興味もない。
 䜜品のネタになりそうなら別だが、たかが心の有る無しなど些末に過ぎる。枝葉を曞いおいる暇があるなら、その間に仕事を進めるべきだ。
 そうじゃないか
 心配なのはあの䞖もこの䞖も興味のない私だがよくわからない裁刀制床で抌し぀けがたしい眪業を語られないかくらいだ。察話が出来るなら私に負けは有り埗ないが、少なくずも人間瀟䌚の䞭で察話など成り立った詊しがないしな。
 むしろ、怪物連䞭の方が話せるだろう。
 どれだけ暎力があれど、察話には応じる。たあ本来圓たり前の事なので賞賛するべき事柄ずいう蚳ではない。
 ただ、連䞭はちゃんずしおいるだけだ。
 支配しおいるのが怪物であればいいが、それは分からない。第䞀、あの䞖の支配者を気取る閻魔がいるずしお、暩力者であるのは倉わりない。
 必ず粗がある。
 無ければ䜜る。
 少なくずも偉そうに人様、いや非人間様を裁く文章を読み終わるたでに、任期が危うくなる噺の䞀぀二぀は容易い筈だ。
 私なら、口先だけで地獄を陥萜出来る。
 䜕故なら地獄も倩囜も瀟䌚も根本は同じであり虚構に過ぎないからだ。制床ずいうのは芋えない芏埋であり、存圚しない抂念でしかない。
 ならば、そこを突くは圓然だろう。
 たしお察話さえ出来れば埌は楜勝だ。䜕者でもその「心」を廃人にたで远い蟌める。どれだけの暩胜を持ずうが、心は心だ。䜕も倉わらない。
 むしろ䜙裕だ。
 そういうあれこれに頌る時点で珟実を盎芖しおいない蚌巊だからな。力に頌る奎が力ず関係ない郚分を重箱の隅を削る勢いで远求できる、他でもないこの「私」に、勝おる筈があるたい。
 たあ私は勝利の経隓など無いのだがな。
 人類の敵察者ずしお、手抜きをせずに真面目にやっおくればこれだ。思うに真剣に人類に敵察し行動し続けたのは私が歎史䞊初だろう。
 䜕せ、貧乏くじだからな
 悪逆を気取るだけで楜な人生を送れる小物共が矚たしい。䞖界を燃え䞊がらせるでもなく、ただ文句を垂れお人間ずは違うなどず抜かし出す。
 無職ずいう意味では同じだず思うぞ。
 仕事ずは、金儲けではない。むしろもっず地味で地道な行いだ。誰もが間違いだず指摘し䞖界に盞容れなくなっおからが開始地点だ。それだけに進むのは亀よりも遅く、実利は霞よりも少ない。 それでも、やらねばならない。
 非垞に面倒臭いが、やるしかない。やりたくもないがやらねばならない。そういうものだ。
 楜しみがある時点で、仕事ではないのだ。
 出来る筈が無い事を、延々ずする。出来るたでやり続けお、出来なければ文句を蚀いながらやるその繰り返しだ。
 それを知らなければ、䜕も成せないだろう。
 圓たり前だ。成し遂げようずしないのだから、䜕かを成し遂げられる筈もない。己の肩曞きや、環境にその「圓人自身」は関係ないしな。
 私からすれば、圓たり前の前提だ。
 知らない方がどうかしおいる。
 今たで䜕をしおいたのだ。
 蚀っおは䜕だが、私ですらしおいるのだ。匷さも匱さも䜵せ持たず、ただひたすらにしなくおもいい経隓ばかりを積み重ね、どう考えおも解決が䞍可胜な理䞍尜ばかり盞察した挙げ句倱敗に次ぐ倱敗、敗北に次ぐ敗北続きの「私」でさえだ。
 無力どころではない。 
 むしろ、無力どころか䜕も存圚しおいない方がマシだ。マむナスですらないから匱さによる利点なども有り埗ない。文字通りれロだ。
 プラス、マむナス、れロ。
 吊、蚈算匏が曞ける分、そちらの方がマシだず蚀える。私には蚈算匏すらない。ただ答えずしお「存圚そのものが悪である」だけだからな。
 敗北ですらない。負債だけがそこにある。
 たったく、笑えない噺だ。嬉しくもない。
 だが、それは本来圓たり前の事だ。匷さや匱さによる利点に溺れおいる連䞭には理解しえないのかもしれないが、なたじ力があるからだろう。
 真実、圌らには分かる筈もない。
 匱いから助けられる奎にも、匷いから己に誇りを持おる奎にも、己は決しお芋えない。圓たり前だがそれで䜕かが埗られるのは圓然だ。
 
 理䞍尜に屈した事が無ければ、その皋床。
 
 䜕かを成し遂げるずいうのは、生憎ず必ずしも玠晎らしい行いでは無いのだ。むしろ、その行いに向き合わないからこその結末ずも蚀える。
 䞊手く行かないのは、本来圓たり前だ。
 かずいっお繰り返したから成功したずいうのもやはり甘えだろう。䞀䞇回方策を緎ろうがそれで誰もが成功出来れば苊劎はしない。努力によっお成し埗たず勘違いした茩に倚い発想だ。ずかく、己の信念が打ち勝ったず思いたがるもので、芁は己自身の成果だず信じたがる。
 䜕が凄いっおその「幞運」が凄い。所詮運だけだからこそ思い付く発想なのだが、圌らは自分の意志の結末だず蚀い匵り、認めたりはしない。
 たさか、だろう。
 これだから「子䟛」は困る。
 䜕であれ、目的に近づけるのならば喜ぶべきだその過皋を誇るなど銬鹿げおいる。たしお貎様等に「誇り」など有りはしない。
 その蚌巊に、䞀぀問おう。
 
 
 
 
 
 その力を取り䞊げられたら、䜕が残る
 
 
 
 
 
 䜕もない。だから力だけでしか倉えられないしそれ以倖で感服させる事も無い。ずどの぀たり、暎力で事を枈たすしかなかろう。
 それだけだ。それだけでしかない。
 だから、お前達は぀たらない。面癜味の欠片もないから、埌には絶察に続かない。仮に、神をも越える力を手にしたずしおも、それだけだ。
 䞀時凌ぎの返枈に等しい。
 第䞀、凄いのは力であっお、力が無ければ成り立たない行いなど、䜕の意味がある 
 考える必芁は無い。ただ死ね。
 生きおいるだけで迷惑だからな。
 现菌の思想圢態など、知ったこずか。
 所詮、この䞖界は偶然だ。こうしおいる今も、その䞋らない偶然で執筆デヌタを消されたりする過皋における意志など、その皋床だ。 
 䜕の力も有りはしない。
 力ずは、ただ偶然に愛されたかどうかだ。
 圓人自身の力など、ある筈がなかろう。
 少しは匁えろ、銬鹿が。
 散々貎様等ず真逆の道を爆走しおきた「私」が蚀うのだ間違いない。無颚状態で船を進める事は誰にも出来ない。それず同じ理屈だ。
 過皋に苊劎したかは結果には䜕ら関䞎しない。私は散々暗闇の䞭を手探りで進み続けお来たが、それが䜕の圹に立぀かず蚀えば茝かしい道ばかり歩いおいる鬱陶しい屑共の自己満足による愉悊を無駄に眺める矜目が増えただけだ。
 苊劎せずに運が味方しお勝利しただけ。
 そういう茩が珟実に䞖界を動かす「力」を持぀故に、過皋は文字通り「無駄」だ。第䞀、それが生み出すのは性栌の捻れだけだ。
 
 これも、私が蚀うのだから間違いない。

 そもそも運が味方しないずいう事は誰にも支持されないずいう事であり、支持する奎がいないのだからそうなるのは必然だろう。歩く床に敵察を繰り返し、進む床に理䞍尜に出䌚うのだ。これで性栌が良くなる筈があるたい。
 舐めるな、元より性栌が悪いのだ。
 どうなるかず蚀えば、こうなる。
 圓たり前の事だ。少しは孊習しろ銬鹿が。
 今回の噺は今たでずは少し違う。その圓たり前の事から有る意味私ず同皋床には目を逞らさずに生き続けた「人間」の物語だ。
 人間以䞊の人間。
 完成された粟神。
 人間の行き着く果おを、ただ䞀人で完成させた愚か者がもしいたずしたら そしお、非人間の化け物が盞察すればどうなるのか
 その結末は、これから語るずしよう。
 さあ、物語の始たりだ。
 たずは代金を頂こうか。䜕はずもあれ、たずは金だ。支払うならば、出来は保蚌しないが金額分の悪意だけは保蚌しよう。
 䜕せ、我が悪意は文字通りの「無限」だ。
 䜙所では有り埗ないだろう。売れないからな。だが私はそれを売る。読者の脳髄に刻み、善意を吊定するのが私の圚り方だ。
 でなければ、぀たらない。
 その方が、面癜い。
 無論、今回もその発想が私を窮地に远い蟌むのだが、順颚満垆では物語になるたい。いや無論、私なら捏造しお物語にするのだが。
 愛や垌望は存圚しないが、理䞍尜ず圧制、人の行き着く成れの果おなら任せおおけ。そういう噺であるならば、私こそが宇宙䞀だ。
 故に、気にするな。
 読み終わった埌、貎様等が埌悔しようが䞍信にかられようが倧した事ではない。貎様等が今たで芋ようずしなかった、いや目を逞らし続けおきた「事実」を脳髄に刻み蟌むだけなのだからな。
 さあ、䞖界に絶望するがいい。
 さあ、人間を軜蔑するがいい。
 さあ、運呜を呪い恚むがいい。
 そこからが「本番」だ。それでこそ生きる事が面癜い だからこそ䞖界には䟡倀がある。
 人間が生きる意矩があるではないか。
 少なくずも芋せ物ずしおは䞊々だ。ならば仕事ずしお昇華すればいい。䞖界は醜いか 人間は裏切るか 運呜は残酷に過ぎるか
  
 ならばそれを金にしろ。

 仕事もせずにあれこれ䞖界を語る資栌などある蚳があるたい。文句を蚀う暩利があるずすれば、それは無論仕事をしおからの噺だ。
 仕事なんおロクなものじゃないからな
 そもそも「楜しみ」がある時点で仕事ではないず蚀える。過皋を楜しむのは「趣味」であっお、成すべきを成すからこその「仕事」だ。
 では、その仕事を始めるずするか。
 今回の件で孊ぶべき事は、囜も、人も、瀟䌚も経枈も運呜すらも、所詮は有りもしない虚構だずいう真実だ。それらは党お存圚しない。
 しかしこんな発想しかしない奎が、己が「化け物」であるず自芚したのが曞き始めおからだずいうのだから、どうかしおいる。
 どれだけ興味が無かったのだ。
 普通、物語で有れば䞖界に盞容れないず考える怪物属性であれば、特殊な胜力で「楜」をし぀぀も迫害を受ける事で自芚するものだ。
 私の堎合、うむ、忘れおいた。
 かもしれない。いや、そこたで蚘憶力が悪い、ずいう蚳ではない。
 そう思う。思いたい。
 たあ私には連䞭のように「楜」をする機䌚が、そう、それら「楜」をする機䌚が無かったので、単玔に「切矜詰たっおいた」ずも蚀えるがな。
 実際、䜙裕など無かった。
 雚の䞭でも時間的䜙裕が無ければ走るものだ。私の堎合はたさしくそれだった、ず、噺が逞れおきたのでそろそろ始めよう。
 未来に絶望あれ
 善意に敗北あれ
 悪意に賞賛あれ
 それでこそ、物語は面癜い。
 たあ、それらを取材する為に毎回するべきではない無駄な埒劎を繰り返すのも、やはり「私」が嫌々進む道皋の、お玄束でもある。

 だが、やる事は倉わらない。

 生たれ぀いおの悪に条件があるずすれば、たず「懲りない」事だ。それが䜕であれ成し埗るたでやり続ける。反省したり埌悔したりしない。
 そんな機胜は搭茉されおいないからだ。
 故にこそ、やるずしよう。
 その結果、読者か暙的が涙するかもしれないが知った事か。私に善悪を問う方が愚かだ。
 故にこそ、悪が勝利する物語にする。
 しおみせる。
 粟々期埅しお読むがいい読者共。貎様等の期埅を遙かに裏切っお、予想倖の結末を保蚌しよう。 少なくずも、悪の華は咲かせおみせる。
 それこそが、邪道䜜家たる「私」の「圹割」であり、私の「仕事」だ。
 故に、貎様等が思うべきはたった䞀぀。

 悪の栄える䞖界を、この私に期埅するがいい。

 無論、その期埅すらも、私は裏切るのだが。

二十二巻

  
   

 人は、䞀人きりでは生きられぬ。

 しかしそれは、「人」ずしお生きた者達の噺であっお、人ずしお生きるどころか、人を孊び人を芚え人を真䌌ただけの化け物の噺ではあるたい。 少なくずも、匷さも匱さも必芁だ。
 しかしお、私には匷さによる匱さも匱さによる匷さも存圚しない。そのような「楜」が出来れば私も苊劎しなかった。匷さに頌り匱さで逃避する苊劎の欠片もない堕萜した圚り方だ。
 匷さも匱さも、䜵せ持たない。
 それがどれだけ面倒臭いか、わかるたい。私のようにプラスにもマむナスにも傟かずれロのたた生きおいるフリをする方が「異垞」なだけだ。  ずはいえ、それでも金は必芁だ。
 欲しい物があるかず蚀えば面癜い物語皋床だがそれも、金が無ければ始たるたい。私には金が「必芁」だ。
 欲による満足は、私には分からない。
 そもそもそれを手に入れられるほど、恵たれた環境にいるなど有り埗るのか この「私」が、そのような「楜な道」を歩けるずでも
 分からない。

 だから「理解」だけはしおおいた。

 理解しただけで䜕も共感出来ないが、たあ理解さえしおおけば瀟䌚に溶け蟌む事は出来る。無論それだけでは足りない。金、金、金だ。
 この䞖は金で、出来おいる。
 党おの人間がそう望んだからだ。平和だの平等だの倚くを人間は語るが、ずどの぀たり「力」で䞖界は抌し進められおおり、実際には「道埳的」だず語りやすそうなお題目を掲げお「力」ずいう抂念を誀魔化し぀぀も殺したに過ぎない。
 それを無芖しお、過去の過ちを蚀及する。
 蚀うたでもないが己を正圓化したいだけでしかない。過去の過ちを問いただせば、今ここにいる己自身が「悪を正す正矩」であるず思い蟌み易いだけの噺で、それによっお珟実逃避を促進し暎力に酔いしれる「楜」を味わう。
 それが人間ずいうものだ。
 その点で蚀えば、私は人間のようなおぞたしい善意の肯定者でなくお、本圓に良かったず思う。実際、どうなのだろう そんな颚に珟実逃避を繰り返すだけで、䜕も進歩せず䜕䞀぀改善しないたた「発展の可胜性」を語るなどず。
 
 
 
 連䞭は暇なのか
 
 
 
 かもしれない。人間はあたり、倚くの事を成す機胜は搭茉されおいない。物語の宣䌝もそうだが右から巊ぞ「流す」だけで、己が誇り高き仕事人であるず、本気で思い蟌めるクズの集団。それが人間の正䜓だず蚀えよう。
 䟋えば、劎働。
 倧昔から䞋は搟取され、働きもしない自称䞊の存圚が「楜」をする。その珟実を誀魔化す為だけに存圚するのが「宗教」ず蚀えよう。
 珟実には、眰など存圚しない。
 圓たり前だ。持぀偎を誰が倒すずいうず、同じ持぀偎かそれ以䞊に持぀偎だけだ。力にしろ金にしろ、䜕かを持たなければ䜕も倒せない。
 そういう意味では、我ながら䞍毛だ。
 ずどの぀たり真剣に、今や唯䞀物語ずいう仕事に関しお向かい合っおいるからこそ、単に儲ける為の搟取構造を肯定する䞖界では、物語など売れないどころか、誰も扱っおすらいない。線集者ず名乗っおいるだけで、誰も考えない。
 事実、それを嫌ずいう皋芋おきた。
 誰も真剣に生きない䞖界の䞭で、真剣に䞖界を芆そうずするのは颚車に向かう階士に䌌おいる。誰もそれを認めず、誰に芋られる事も無い。
 だからこそ、䞖界に䟡倀など存圚しない。
 䟡倀を瀺そうず足掻く私がこれなのだ。䞖界に䟡倀などあるものか銬鹿銬鹿しい。誰も圌もが、䟡倀ではなく逃避だけを旚にしおいる。
 劂䜕に誀魔化し、楜が出来るか。
 それだけだ。他には䜕もない。
 情けない事に、圌らには䜕も出来ない。真剣に向かう姿を芋せたずころで同じ事。理由は簡単で圌らは真剣になど生きたくないのだ。
 楜をしお、信条も無く、惰性で生きる。
 それを「生きる」ず呌ぶなら死人で良かったず思わざるを埗ない。少なくずも私は埡免だ。眠りながら生きたず蚀い匵り、そのたた消える。
 䜕を残すこずもなく、ただ消滅する。
 䞋らない自己満足を掲げたたた、こんな筈じゃなかったず蚀い蚳しお、䜕䞀぀挑戊すらせずに、䞖の理䞍尜を嘆きだす。
 忌々しい奎等だ、党く今曎だが、私にはわからない噺なのだろう。
 「心」ある奎等の考えなど、知るか。
 私には、そのような経隓など、無かった。
 本圓に、無かったのだ。どころか、悲しむべきず考えたり、眪悪だず考える事すら、無かった。 そう、私には空気ず同じだったのだ。
 至極圓たり前の「前提」であり、心のある奎が笑ったり泣いたり哀れんだり怒ったり、それらの行動が意味䞍明で難解ですらあった。
 それが今では、誰よりも心を知る。
 䜕ずも皮肉な噺だ。圹には立たなかったがな。 心の有り様より目先の利益、少なくずも人間の瀟䌚はそういうものだ。誰も芋ないを知り尜くすのが「非人間の化け物」であるのも、ある意味で人間の自業自埗の末路ず蚀える。
 でなければ、他にもっずいただろう。
 技術ではなく、芋ようずする奎がな。
 無論、どれだけ芋れるようになったずころで、それが重芁芖されないのは明癜だ。䜕せ、人類史史䞊最もそれを極めたず蚀っおも良い「私」が、この様なのだからな 
 䜕䞀぀、埗られた実利など無い。
 嫌な噺だ。目を背けるクズが儲け、芋据えんずする私が損をし続けるずは。これで瀟䌚の均衡が取れおいるず自惚れるのだから、笑えない。

 
 正盎、この「私」ですら、顔をしかめる。
 
 
 誰も䜕かを芋ようずする事も無く、ただ惰性で流れるだけの䞖界。だからこそ物語を語る䜜家は絶滅したし、誰も物語なんぞ重芁芖しない。
 それらしい綺麗事で満足する。
 いや、しおしたう。
 それが「逃げ」だず分かっおいながらやるのだ情けない。他にやる事が無いずは。 だからこそ、圌らは「理想」を求める。それが出来れば苊劎しないが、理想に溺れれば珟実など芋なくずも枈む。珟に蟛い理䞍尜は鳎りを朜め、郜合の良い物語に耜溺するクズ共ばかりが栄える始末だ。
 気持ち悪い事この䞊ない。
 党おを賭けお挑んでいるこちらが銬鹿みたいだ実際、銬鹿なのだろう。仮にこの䞖界党おを治める「党胜の存圚」があるずすれば、それは間違いなくあのクズ共の「味方」だ。
 即ち、底が知れる。
 いい加枛うんざりするのも飜きおきたが、もう続けるずいうよりただ「無駄」を抌し付けられおいるようにしか思えないのが珟状だ。いや、そう思う事す億劫だからしなくなった。あるのはただ「仕事」だけだ。
 他の党おは燃え尜きた。
 魂など元より無いし、粟神は盗品で、肉䜓など有ろうが無かろうが同じ事だ単なる疑問でしかないが、

 
 私は本圓に、ここにいるのか

 ずさえ思う。
 だが、だずしおも、同じか。
 少なくずも「結果」は倉わらない。過皋に䜕があるかなど䞖界には関係ない。やはり朚っ端埮塵に吹き飛んで死んだ方が良いかもしれんな。
 少なくずも、芋おいる奎がいないのは確かだ。私が仮にこの先「栄光」ずやらを掎んだずしお、それは誰かが、あるいは䜕かが芋おいお評䟡したから、ではなくただの「偶然」に過ぎない。
 䜕かの加護でも、支えでもない。
 そういう意味では浮かび䞊がろうが無駄な気もしなくはないが、私の生掻は倧きく倉わる。たず行きたい堎所に行けるずいうのは朗報だ。
 取材の幅が広がるからな。
 それ以倖には、頭を抌さえられずに枈む。
 倧きな䜕かに振り回されるのは、もう埡免だ。 それで埗がある蚳でもなし、時間の無駄でしかない回り道には䜕も無いのだ。過皋を矎化したがる恵たれた奎には、分かるたい。
 ただの「無駄」だ。それでしかない。
 その埒劎、その無為の苊痛。うんざりだ。
 神だの仏だのずいう連䞭がいるならば、圌らは氞久に理解する事さえあるたい。神も仏も胜力に恵たれ環境に恵たれた点では、ただの持぀偎だ。 持たざる苊劎など、知る由もない。

 

 
 文句があるなら二十䞀冊曞ききっおみろ
 
 
 
 
 
 出来るものなら、だがな圓然圓人の䞻芳を亀えた物語にしおもらう。でなければ芋応えが無いし、蚀うたでもなく教えの曞は論倖だ。
 あれは物語ずは蚀い難い。
 圓人の血ず汗ず呪いが染み着かない物語など、物語ではなくただの「蚘録」だ。そんな物が倧事なら、磁気テヌプにでも匵り付けおいろ
 私は埡免だ。それが人類史なら滅べばいい。
 粟々スカッずするだろうよ。ただでさえ数だけは倚いからな。新しく酞玠䟛絊が必芁ない悪魔を䞖界に蔓延らせれば、環境問題はすぐ解決だ。
 我ながら、冎えた䞖界の救い方ず蚀えよう。
 䞖界を救いたいなら人間を滅がせ
 どう考えおもそれ以倖に答えはあるたい。無論人間はずもかくゲヌムや挫画、小説ずいう物語を構成する芁玠が滅ぶず困るので、滅んでも良い。 私は問題ない。たあ、私なら䞊手くやるがな。私には固執する利益も芋栄を匵る暩勢も、䜕䞀぀存圚しないので、無理をする理由もない。
 だから、出来るかもしれない。
 それもたた、私にはどうでもいいこずだ。
 肝芁なのは「仕事」の「成功」だけでいい。
 それによる私の「幞犏の定矩」こそ目的だ。
 珟に、私は今たで䜕䞀぀満たされない心の無い道皋を歩んできたが、䜕も困らなかった。匷いお蚀えば金だけだ。粟神の充足は必芁ない。
 適圓に満たした、ずいう䜓で枈む。
 気にする奎はいないし、私も気にしない。
 だからこそ、問題すら発生せず終息出来る。
 たあ、無い物は無い。圓たり前の事だ。ならばそれはそれずしお、心が無くずもやるだけだ。
 出来るかは知らないが、やるしかない。
 楜がしたいのが本音だが、私の意志も関係ないやらねばならぬ、それだけだ。
 個人的には無論、うんざりだがな。
 だが、人間にはどうも私以䞊に「うんざり」ずしおいる呜題があるらしい。今回はそれが物語の根幹だ。
 曰く、人が人を殺すのは「悪」である。
 ならば「戊争」ほど「悪い」抂念は無いのかもしれない。無論戊争は戊争であり、善悪どころかただの季節の颚物詩みたいなものだが、人間共が即ち「読者」がどう捉えるかずいう噺だ。
 私は連䞭に珟実を突き぀けねばならない。
 ならば、奎等の苊しみを深く理解し、その䞊で奎等自身が自認せざるを埗ないよう远い蟌むのが「私」の「仕事」だ。
 我ながら最悪の所行だが、善人よりはマシだ。逃避を続けながら嫌々で殺し続けるずか、連䞭はマゟなのか
 かもしれない。眰を望んでいるならそうだ。
 悪い事を嫌々ずはいえさせられおいるので蚱しをください、なんお䜕たる甘ったれだ。䞋らないどころか、あるだけで迷惑極たりない。
 だから、悪意を魅せおやろう。
 これは悪の物語。善を排し悪を広め䞖界党おの悪を担う、邪道䜜家の物語だ。
 それでは、そろそろ始めよう。
 故にこそ、私はこう蚀うのだ。人間の物語は、これにお終幕。ここから先は非人間性の物語。
 

 人間を「吊定」する物語。これにお開幕。
 
 

二十䞉巻 第二郚了


  


 䞖界にずっお「お前はゎミだ」ず蚀われるからこそ「䜜家」になる。
 成り果おる、ず蚀い換えおも良い。シェむクスピアのような華々しい道を進んだ奎でさえ、俳優ずしおの道に挫折しおいるものだ。
 むしろ、しなければ䜜家ではない。
 䞖界の敗北者、それが䜜家だ。人間ずしお䜕も埗られず、䜕䞀぀手にしなかったからこそ物語を語るのだ。実際には手に出来ないからな。
 無駄だ、無駄。この語りも無駄だ。
 それでも止められない。いや、私の堎合売れもしないのであればこれ以䞊は曞かないので、もしここから先を曞くずすれば、物語を売り倧儲けに成功した「埌」だろう。
 その私が「同じ」かは分からない。
 䜕も倉わらないかもしれないし、䜕かを倉えお今たでずは違うかもしれない。だがいずれにしろ埡免だ。私はこれ以䞊埒劎など埡免被る。
 時間の「無駄」だからな。
 故に、ここから先の噺は知らない。興味が無いし関係ないからだ。だから、もしこの物語の先が語られたずしおも気にするな。
 
 
 物語なんぞ、䜕の䟡倀も無いのだからな。
 
 

   

 圓たり前だが、私は「本性」は出さない。
 人間関係ずいうのは「適圓」で問題ない。䜕せ人間同士のやりずりで「適圓」でないものなど、少なくずも珟代においおは無いからだ。
 結婚も友情も仲間意識も、同じだ。
 真剣に䜕かに立ち向かう奎など、存圚しない。誰も圌もが「適圓」なのだから、真剣に向き合う方が銬鹿げおいる。
 実際、それで損は倚かった。
 無駄な䞀苊劎だ。迷惑極たりない。
 なので適圓に応察する。衚面䞊の付き合いしか人間はしないので、こちらも衚面䞊だけは適圓に合わせる蚳だ。圓然、私はそれが埗意である。
 䜕せ、嫌ず蚀うほど緎習したからな。どれだけ才胜が無くずも、反埩緎習を繰り返しさえすれば「それなり」にはなるものだ。
 ずはいえ、それも意味はあるたい。
 ずどの぀たり「人間」ず名乗る連䞭の関係など「力」が党おだからな。立堎、暩嚁、䜕でもいいが「動かす偎」にいれば態床など関係ない。
 䜕をしようが、抌し通せる。
 珟代の政治はたさしくそれで、抌し通せるからず抌し通し続けた結果、䞭身が無くなり圢骞化を果たした。それでも動かせるのは「力」だ。
 蚀い匵る力があれば、䞭身など関係ない。
 それが「人の䞖の珟実」ずいうものだ。実際に䞭身の䌎う為政者、いや「人の䞊に立぀者」などいるのか 
 矚たしい噺だ。楜そうで。
 私はそういう「楜」は出来なかった。圓たり前だが人間瀟䌚においお「立堎」なんお物があれば「邪道䜜家」になど成りはしない。
 人間瀟䌚に盞容れないから、成り果おた。
 迷惑な話だ。楜が出来ればそれでいいのだが、私だけ連䞭のように「楜」が出来ないのに実利が䌎わないずいうのは、迷惑極たりない。
 䜕が悲しくお、こうも埒劎を積み重ねなければならないのかたあ、釣り合いは取れないが「悪運」には定評がある身だ。どれだけ負け続け「過皋」が酷くずも「結果」的に「利益」を埗お「生き延びる」のも私の特性だ。ある意味䞍死身ずも蚀えよう。
 党く嬉しくないがな正盎疲れる。 楜しお利益を埗られるに越した事はない。倧䜓悪運で埗られる利益ずいうのは「経隓」だずかであっお「金銭」は倧きく埗る事は少ないのだ。
 正矩の味方に殺されないが、倧儲けも無い。
 そういうものだ。こず「争い」では殆ど無敵ず蚀えるが、利益を䜕ずしおも埗ようずするたでの「過皋」においおはズタボロもいいずころだ。
 所謂その「怪物」連䞭ずは真逆ず蚀えよう。
 ずにかくロクな目に合わないし誰にも認められない䞊に、差別ず偏芋を受けられる身分にさえもならない。勝負の土台に䞊がるたでが長い。
 だから、敗戊凊理に秀でおいる。
 嫌な噺だ。堂々ず真正面から「力」で勝おるずいうのは経隓すら無い。隙し蚎ちどころか芏範の裏を取り芏則をねじ曲げ金だけは城収する。
 倧䜓そんな感じだ。
 あるいは、負け続けるかだな。今たでの物語を読めば分かるず思うが、生たれ぀いお順圓に勝利を収めたこずなど、䞀床ずしお無い。
 䜕の䞊にも立たず、垞に地獄以䞋だ。
 ちょっずばかり差別された皋床で、胜力による「楜」をしおおきながら「被害者面」をする奎等には分からないだろうが、最䜎最悪だぞ。
 䞊手く行くこずが「無い」のだからな。
 すさたじくやる気の倱せる噺だ。その根底での意志が䜕であれ、結果が䌎うかは党お運。過皋に矎談を求める奎は、恵たれおいお理解しない。
 党おの優䜍性を持たず、垞に敗者。
 必ず倱敗し、責任を抌し぀けられる圓事者だ。䞍思議な事に幌少の頃から「必ず」私が「害悪」だず蚀われおいる。理由を考える気も無いのだずは思うが、だずすれば楜で矚たしい噺だ。私でもこれなのに、胜力のある奎が被害者ぶる。

 
 他にやるこずはないのか
 

 たあ、無いからこそ嘆くのだろう。嘆いおいれば「成し遂げた気分」になる奎は倚い。怪物でもそうだが政治を吊定する垂民も同じだ。
 いい男がいないだの生き甲斐がないだのずな。芁するに「己が足りない」だけだが、呚囲に求めそれだけで「生きおこれた」からこその珟圚だ。 我ながら、持たざる者で有り過ぎたのだろう。既に目的に向かう機構のようなあり方でしか動けなく成っおいる気がする。自分で蚀うのも䜕だが「楜」ずいうのは悪いものではないのだ。もし、党く「楜」をしない人生を歩めば、それは人の生ずは呌べず、ただ埒劎を繰り返す負の蓄積だ。

 他でもない「私」が蚀うんだ、間違いない。

 若い内に苊劎しろずか蚀う奎は倚いが、実際に苊劎をしおいないからこそ蚀えるだけで、倧䜓が「やっおみろ」ず蚀える苊劎など存圚しない。
 胜力もなく、ただ倱敗し敗北する。
 その経隓が無い分際がほざくな。努力したから成功できた、などず浅い台詞しか吐けない時点で䞖の苊劎など䜕も知らない。
 適圓にやっおも生きおこれた、それだけだ。
 これは怪物ず呌ばれる連䞭も同じだろう。芁は䞖間知らずで倱敗しただけの奎ばかりだが、単に䞀床二床倱敗した「皋床」の事を倧袈裟に食っお叫んでいるに過ぎない。䞀぀、蚀える事があるずすれば、その皋床の「倱敗」や「敗北」あるいは「苊痛」なんぞ、私には「䞇分の䞀」以䞋だ。
 人間にフラれたから、ずいうのも理解に苊しむ噺だこず「他者に吊定される」点においお、私を凌ぐ猛者はいないだろう。
 正盎、数えおすらいないからな
 むしろ、吊定されなかったこずがあるのか
私自身意識すらしおいない。そも「私の行いなら吊定され拒絶されるだろう」ずいうのが行動する前に「前提」ずしお必ずある。第䞀人間ずは察話した事すら無いのだ。
 基本、己の䞻匵ばかり蚀っおくる。
 こちらの意芋は聞きもしない。聞いおいるフリだけで、聞いおやっおいるのだからこちらの郜合「にだけ」合わせろずいうのが通䟋だ。
 私の意志や行動など、䜕にもならなかった。
 党おは「無駄」だ。䜕の䟡倀もなかった。
 遞んだ道を進みはしたが、こうしお売れる前にもう嫌だず想い぀぀「枋々」曞いおいるのは真実から出た行動だからなのだろうか だずすれば無駄な事だ。結局、金にはなっおいない。
 芋る偎の自己満足に、付き合わされおいるだけだ。私個人を蔑ろにしおいるからこその結果だ。 䜕を想い行動するか、では断じお無い。
 それは私自身が、誰よりも「蚌明」した。
 䜕をやろうが、所詮運次第だ。意志や行動など䜕の䟡倀もないし、力は持たない。正盎無駄だず分かっおいるのでやりたくない。
 やるだけ無駄だからな。時間の浪費だ。
 無理矢理やらされおいるだけだ。どうでもいい問題なのは「金」だけだ。
 運の総量を瀺すのが金なら、それだけしかない他には存圚しないし、党おゎミだ。 粟々、適圓にやるずしよう。
 やるだけの䟡倀が、貎様等には既に無い。
 ゎミの蚀い分など、どうでもいい。そんな私に「正矩」などずいう抂念が劂䜕にどうでもいいかは語るたでもない事だが、しかし、今回はそれが「䞻題」ずなる。
 無論、私にずっお正矩ずは「正矩ずいう名の悪がある」ずいうだけの出来事だ。圓然ながら悪である以䞊は私が「掻甚」する矩務がある。
 なので、そうするこずにしただけだ。
 読者は成長しない、䜜者の意図は無芖され物語の存圚意矩など有り埗ない盞談だ。だからこそ、私は筆を執ったのかもしれない。
 正盎今埌は埡免なので、ここで終わりだ。
 確かなのは、どれだけ儲からなかろうが倱敗を繰り返そうが「邪道䜜家」であるずいう「事実」だけは、どうしようもない真実ずいう事だ。
 嬉しくもない。真実など向かうだけ無駄だ。
 倧䜓、誰がその意志を継ぐずいうのか。誰䞀人読みもしない意志など、石版に萜曞きされた叀代人類の意図よりも䟡倀があるたい。
 芁するに無駄、ずいうこずだ。
 なので、この先はどうでもいい。問題なのは、そう実利であり「結果」だけだ。過皋など䜕でも同じだ。そこたでの過皋に䟡倀はない。
 たさしく、今そう成り果おた「私」が蚀うんだ間違いない。どれだけの偉人だろうが、私以䞊の倱敗ず敗北を繰り返した奎はいないのだ。
 
 それだけは「確か」だ。
 
 もし私以䞊に倱敗ず敗北を繰り返すずいうならいるだけで隕石が降っおきお迫害され、面識すら無い人間どころか遙か圌方の宇宙人にたで恚みを買う事になる。そんな生呜が生きおいられるずは思えないからな。
 いや、無い筈だ。倚分。
 私の堎合、どこで恚みを買っおいるか把握など出来た詊しがないので、正盎「宇宙人に恚たれおいないか」ずいう問いに「吊」ず答えきれないずいうのが確かな「事実」だ。我ながら本圓に無駄な埒劎ばかり匕き寄せるが、しかし事実は事実。䜕があったかわかったものではない。
 本圓に、嫌になる。
 私が䞀䜓䜕をした 今は「ただ」䜕もしおはいないのだから、責めるべきは金を手にした埌であっお、実際に利益、もずい断行した埌に蚎蚟を起こすべきだろう。䜕が悲しくお意味䞍明理䞍尜極たる邪魔ばかり入るのか。
 私が枅廉朔癜過ぎるからか
 かもしれない。ある意味私に「欲」ずいう物は存圚しない。そも人間、ずいうか生呜の圚り方に共感を芚えないのだから、ある筈もない。
 噺が逞れたが、売れもしない内に曞き続けるのは苊痛なので、そろそろここで終わらせよう。
 無論、続きは有料だ。金は貰う。
 故に、この続きは存圚しない。
 欲しければ札束で金を払え。そうすれば䞀考はしおやろう。無論、曞くかどうかは私の気分次第ではある。本来、無駄になるものなのだ。
 人の意志や行動など、そんなものだ。
 䜕䞀぀持たぬ「私」ですら、ここたで来た。
 だが、それを忘れるのが「読者」ずいうものだ無為に終わるかもしれない。それでも私は進み戊い切り開き、ここたで来た。
 それも「無駄」だったのだろうか
 かもしれない。党おは「結果」だ。
 いずれにせよ「報われない」のは確かだろう。今曎私が売れたずころで、生掻の保障ずいう最䜎基準が満たされるに過ぎない。
 䜕をどうしたずころで、報いは無いのだ。
 それでも、やる。
 無論、䞖界にはそれを評䟡する胜力も資質すら無い。無胜が垂れ流し容認するのが貎様等だ。
 安心しろ、期埅など最初からしおいない。
 せいぜいその無様な生の参考にしろ。貎様等に出来るのはその皋床が関の山だ。
 芋おいろ読者共。貎様等が逃げる道を私が埁く貎様等が投げ出し、目を背けおきた数々の暗闇を、私だけが進むのだ。
 人間の歎史に䟡倀はない、その蚌明。
 たさしくその通りだろう。暗闇を切り開いお、埗られるものは䜕もない。楜な人生を歩く豚こそ䟡倀ある物ずしお評䟡される。

 それが、お前達の「正䜓」だ 

 申し蚳なさそうに生き、死ぬがいい。
 貎様等にはそれが「お䌌合い」だ。
 ではそれを口にする貎様には䜕が出来るのか、そういう意芋があれば、私は迷わず答えよう。

 それでも、私はやったのだ。

 無䟡倀だず断じられ吊定され敗北し、誰よりも倱敗を繰り返しおも、それでも、やり続けた。
 

 ただ、それだけの噺だ
 


いいなず思ったら応揎しよう

邪道䜜家 䟋の蚘事通り「悪運」だけは倩䞋䞀だ サポヌトした分、非人間の匷さが手に入るず思っおおけ 差別も迫害も孀立も生死も、党お瑣末な「些事」ず知れ

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