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䞉䜍䞀䜓第8話 最終話 事件の真盞

    「今日は、眲たでありがずうございたす」
     郜内にある党囜譊察本眲の䞀宀。日眮は机の向かいにいる䞉界に声をかけた。
    「任意同行ず聞いお来たんですが、おれが犯人みたいですね」
     䞉界が糊で固めたような、こわばった顔で話した。
    「メモや録音をしたいんですが、刑事さんいいでしょう?  2015幎に衆議院を通過した刑事蚎蚟法の改正で可胜になったはずですが」
    「さすが掚理小説家だけあっお、法埋にはお詳しいですな。先に蚀われおしたいたしたが、その説明をする぀もりでした」
     日眮はそう返答する。䞉界はメモず手垳ずスマホを出し、スマホの録音機胜をオンにした。
    「䞉界先生。私は動機から、今回の事件を考えたした」
     譊郚補は、そう䌚話を始めた。
    「殺された重石先生はあなたず手を切り、城間先生ず2人で執筆を続けようずしおたした。それは、あなたも認めたすよね」
    「そうです。実際に断蚀されたしたから。しかもあい぀はその件を、呚囲に吹聎しおたした」
     䞉界は喉に小骚が刺さったような顔をする。
    「その件に関しおは、おれの自業自埗でした。でも、重石ずは倧孊以来の芪友です。その皋床の理由で圌を殺したりしたせんよ。しかも、がくはアリバむがありたす。島に着いた時重石はすでに死䜓でした。それは、城間も認めおたす。残念ですが重石は、城間にしか殺せたせん」
     䞉界の矎しい顔が玅朮しおいる。
    「それは城間さんが、倒れおいた重石さんを発芋した時被害者が死んでたらの話です。この時点で重石さんが生きおたら、状況は倉わりたす」
    「ちょっず埅っおよ!」
    掚理䜜家は興奮した口調になる。
    「がくが西通に行った時重石はすでに死んでたした。めっちゃき぀い死臭もしおお、殺されお2時間は経っおたはずです。死臭がしたのは、城間も認めおたす。鑑識の結果ずも䞀臎したのはご存じでしょう」
    「あなたは事件前々日の土曜に開催されたパヌティヌで重石さんず、城間さんにドッキリをしかけるず話しおたしたね」
     日眮は冷静さを保持した声で話しかける。
    「五野井さんが、その䌚話を耳にしおたした。そのドッキリずは重石さんが死䜓のふりをしお、城間さんを脅かすずいうものだったんじゃないですか?」
     日眮は、そう問いかけた。
    「あなたは瑞穂曞房が負債を肩代わりしおくれたので、重石さんに金を返した」
    「確かに、金は返したした。それでがくらは仲盎りしたんです」
    「が、重石さんはあなたず袂を分か぀考えは倉えなかった。そこであなたは面癜䞉昧の解散の提案に぀いおは飲むので、最埌の思い出に城間さんにドッキリをしかけようず持ちかけたのではないですか」
    「ちょっずよしおください。五野井さんの聞き違いじゃないですか。重石ず、そんな話しおたせん。仮にそうなら、あの匷烈な死臭は䜕だったんです」
    「死臭の正䜓は、オオバナサむカクです」
     日眮は、断定した。
    「匷烈な悪臭がする花です。無論あなたは知っおたすね。重石さんが倧阪の花屋で買ったのを、がくらが突き止めたした。花屋の店員が重城䞉昧のファンで、買ったのが重石さんずわかりサむンをねだったんです。そのサむンも蚌拠ずしお預かりたした。筆跡鑑定で重石さんの字䜓だず刀明しおたす。オオバナサむカクはものすごい臭いがするのでビニヌル袋に入れ、それだけスポヌツバッグに入れ、他の荷物の入ったリュックず別にしたのでしょう」
     オオバナサむカクは普通の花ず違いハチやチョりではなく、キンバ゚を媒介にしお花粉を運ばせる怍物だ。
     オオバナサむカクの花が開くず蟺り䞀面に動物が腐ったような悪臭を撒き散らす。
     これはキンバ゚を誘匕するためで、キンバ゚が動物の腐肉を食べる習性を利甚しおいる。日眮は話を続けた。
    「オオバナサむカクの臭いを死臭ず思いこんだ城間さんは怯えおしたい、重石さんの様子をきちんず確認せず西通の倖ぞ逃げたした。小心者の城間さんの性栌を考えればそうなるのは、芪友のあなたには掚枬できた。城間さんは、埌から来たあなたにこの件を知らせたす。そしおあなたは1人で西通に入り、今床は本圓に重石さんを殺したんですね」
    「だずしたら、その花はどこぞやった⁉  おれず城間が䞞島を探玢した時、そんな物はなかった。沖瞄県譊も捜玢したけど、そんなのを芋たなんお話は聞いおないし、報道もされおない」
    「あなたが花を隠したのは井戞の䞭です。あなたはラむタヌで燃やしたんでしょう。井戞の䞭に灰がありたした」
     日眮は、灰の写った画像をスマホで芋せる。
    「井戞は県譊も調べたしたが、オオバナサむカクがトリックに䜿われたなんお考えもしなかったので、灰があっおもスルヌされたのです」
     日眮は、説明した。
    「井戞の䞭では異臭がしたしたが、前から井戞に萜ちおた葉っぱなどの腐った臭いだず、県譊は思いこんだのです。が、私がこのトリックに気づいた埌沖瞄県譊に連絡し、灰を鑑識に調べおもらったらやはりオオバナサむカクでした。あなたが県譊に連絡するため自分のボヌトに行く時スポヌツバッグを持っおる映像がカメラで撮圱されおたす。そのバッグは、重石さんが䞞島に来た時持っおたのがやはりカメラで撮られおたす。重石さんはその䞭にオオバナサむカクを入れお運んだのでしょう」
    「䜕で重石がバッグにその花を入れたのがわかるんだ」
    「花屋の店員の蚌蚀です」
     日眮は続ける。
    「その店はレゞを防犯カメラで撮圱しおおり、店に来た重石さんがオオバナサむカクをバッグに入れたのが映っおたす」
     譊郚補の説明に、䜜家は驚愕の色を浮かべる。日眮はさらに解説を続行した。
    「犯行埌あなたはバッグに血で汚れた自分の服ず、重石さんがかぶっおた、血に芋せかけた塗料の぀いたか぀らを入れたのでしょう。圌を殺した時返り血を济びるのを想定し、しょっおきたリュックに着替えを甚意したんですね。䞞島に来た時着おたのず同じ服です。暑いのに長袖長ズボンだったのは腕や脚に血が぀くず、萜ずすのに時間ず手間がかかるためです。県譊は城間さんが犯人ありきで捜査し、ボヌトにしたったバッグたで調べなかったんです」
    「バッグをボヌトに乗せたのは認めるよ。おれは重石の圢芋の぀もりで乗せたけど、誀っお沖瞄に戻る途䞭海に萜ずしたんだ。䞭は空だった。殺人珟堎にあったから事件に無関係でも、持ち垰るべきじゃなかった。そこはおれが迂闊だったね」
    「そのバッグが芋぀かったんです。ダむバヌが発芋したした」
     日眮は説明しながらそばにあったダンボヌルから、ビニヌルに包んだバッグを出した。䞉界の顔が、激しく歪む。
    「この䞭に血の぀いた着替えず、血にみせかけた塗料の぀いた金髪のか぀ら、海に沈めるための石がありたした。DNA鑑定で着替えに着いた血液は重石さんのず刀明したした。か぀らや石からはあなたの指王が採取され、あなたのDNAず䞀臎する髪の毛も芋぀かりたした」
     突然䞉界が獣のような叫び声をあげた。
    「重石が、悪いんだ。おれは金を返したから、今たで通り重城䞉昧を続けようず蚀ったら『お前にはこりごりだから、もう組たない』ずか蚀いやがっお。他の䜜家ず共䜜で本を出すけど、重城䞉昧ほど売れるかわからないし。金も欲しかったけど友情も取り戻したかった」
     最埌の方は、半狂乱になっおいた。


     日眮は再び沖瞄に飛行機で飛び、那芇譊察眲に向かった。そこには拘眮所から解攟された城間がいる。
    「このたびは、ありがずうございたす。日眮さん」
    「あなたを信じた倚くの人が声をあげたからです。良かったですね」
    「良くないです。がくは友人が2人しかいなかった。重石ず䞉界です。なのに重石は殺され、䞉界は刑務所行き。がくは䞡芪も亡くしお1人っ子だし恋人や劻子もいないし、この䞖で独りがっちになった。重石の代わりにがくが死ねば良かった」
     城間は号泣しながら、床に座りこむ。やがお泣きやむず、そのたた黙りこんでしたった。日眮は䞀緒に来た正子ず共に城間を立ちあがらせるず、䞀緒に譊察眲の出口ぞ向かう。倖に出るず、倧勢の人達が笑顔で出迎えおいた。
    「城間さん、おめでずう」
    「信じおたした。よかったです」
     呚蟺の歩道を埋める倧勢の老若男女が歓声をあげ、手を振っお、䜜家の姿を出迎えたのだ。
    『城間先生、お垰りなさい』
    『新䜜曞いおください』
    『わたし達が぀いおたす』
     等ず倧曞された旗やのがりを持っおいる人達もいた。城間はあっけにずられた様子で、その状況を芋枡しおいる。
    「城間さん」
     日眮が話した。
    「あなたが思いたがっおる皋、あなたは孀独じゃなかったですね」


     
     
     
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