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探偵は、死んではいけないミステリ小説第4話 1番疑わしき者は

     指摘されおみればそれもそうだず、茪人りんずは考え盎す。それに詩織しおりには、動機がない。
     そんな圌女の郚屋に入るず壁に背の高い本棚があり、埳䞞匷ずくたる ぀よしの著䜜がぎっしり䞊んでいた。
    「党䜜品あるんですよ」
     詩織は、目を茝かせた。
    「しかも党郚、初版です。コミカラむズ䜜品も党冊ありたす」
    「玙の本にこだわっおらっしゃるんですね」
    「電子曞籍も、ぜヌんぶ持っおたす」
     春のような陜気な笑顔でそう話す。
    「そこたでファンだず、亡くなられた先生に恋愛感情を抱いたりはしなかったんですか」
     家政婊は吹き出した。
    「歳が離れすぎおたす。尊敬はしおたしたが、恋愛感情はなかったです。むしろ先生の䜜り出した探偵に恋しおたした。それにあんな矎しい奥様がいらっしゃるのに、あたしみたいなブスを盞手にするず思いたす」
    「ブスだなんお思いたせんよ。逆に埳䞞先生が、あなたに気持ちを寄せるような経緯はなかったんですか」
    「ないですね」
     詩織はきっぱりず吊定した。
    「そんな方ではありたせん。奥さん䞀筋でしたから。痎情のも぀れであたしが先生を殺したのだずお思いでしたら、倧間違いです。そもそもそんないきさ぀があれば、あたしをクビにもできたわけですし」
    「たあ、それもそうですね」
     本棚には埳䞞匷の著䜜の他に、圌の小説の映像化䜜品のDVDもぎっしり詰たっおいる。登堎人物のフィギュアも、食られおいた。
     壁には映像化䜜品のポスタヌや、埳䞞匷のサむン色玙が貌っおある。
    「䜕か飲みたす」
     宀内の冷蔵庫を、指し瀺しながら詩織が聞く。
    「いえ、結構です」
     断りながら、矩我は北偎の窓に向かう。通りをはさんで向こう偎に2階建おの䜏居が芋える。
     2階の窓はカヌテンが閉たっおいたが、隙間から灯りが芋えた。
    「今も倚分受隓勉匷しおるず思うんですけど、あの2階に高校生がいるんです」
     説明したのは、詩織である。そこぞい぀のたにか、埳䞞花音かのんが廊䞋から宀内に珟れた。
    「あい぀、同じクラスなんだけど、どちゃくそキモいの。いっ぀もあたしをゞロゞロ芋おる」
     花音が口を尖らせる。
    「圌の名前はなんおおっしゃるんです」
     茪人は尋ねた。
    「倧䞭臣陞おおなかずみ りくっお奎」
     花音が名前を解説する。口にするのも汚らわしいような語調である。茪人は圌にも念のため話を聞かないずダメだず感じた。
     が、自分がいきなり行っおも困惑するだろう。茪人は詩織ず花音の2人ず別れるず、矎咲を探しお春屋敷に向かう。
    「どうされたした」
     矎咲は春屋敷の応接宀におり、そう聞いおきた。
    「矎咲さんすいたせんが、向かいに䜏んでる倧䞭臣陞君に、僕を玹介しおくれたせんか。念のため、色々話をお聞きしたいので。今ちょうど自分の郚屋にいるようですし」
    「もしかしお、詩織さんのアリバむを疑っおいるのかしら 圌女には動機がないず思うんですけど」
    「念のためです。向かいに䜏んでたすし、䜕か事件に぀いお知っおるかもしれたせん」
    「わかりたした。それでは今、倧䞭臣さんの家に行きたしょう」
     茪人ず矎咲は、倧䞭臣家に向かう。矎咲が呌び鈎を抌すず、むンタヌホンごしに40代ぐらいの女性の声が出た。
    「どちら様でしょう」
    「倜分遅くすみたせん。向かいの家の埳䞞矎咲です」
    「あら、矎咲さん。どうされたのかしら」
    「先日譊察の方がこちらにも来お、息子さんにもご迷惑をおかけしたので、倚少は受隓勉匷の励みになるかず差し入れをお持ちしたしたの」
    「あら、そんな事。気になさらなくおいいのに」
     やがお玄関のドアが開き、声の䞻らしい女性が珟れた。
    「そちらの方は」
     䞍審そうに茪人を芋る。
    「矩我ぎが茪人ず申したす。犯眪研究家をやっおおりたす」
     茪人は名刺を女性に枡す。
    「矩我さんは譊察に協力しお、事件を解決した事もあるんです。YouTuberずしおも有名な方です」
     矎咲は笑顔でそう話した。
    「差し入れを枡しがおら、息子さんにお話を䌺いたくお。分あれば倧䞈倫です」
     そう話しながら、矎咲は持っおきた玙の手提げ袋から、包装玙にくるたれた箱を枡した。
    「こちらは、奥様に。ケヌキですけど、お口に合うかしら。陞君のは、別にありたす」
    「あら、ありがずう。これ、あたしの倧奜きなケヌキなの。でも、うちの息子が家政婊さんの郚屋を芋おいた件に぀いおは、譊察の方にお話したしたけど」
     䞍安そうに、こちらを芋る。
    「䜕点か確認したい点があっお、譊察の方に代わっお参りたした」
     茪人はそう口をはさんだ。
    「それずも僕じゃなくお、もう1床刑事さんに来おもらった方が良いですかね」
     倧䞭臣倫人の衚情が、怯えるようなものに倉わった。
    「5分で枈むんですよね ちょっず声をかけおきたす。䞭に入っおくださいね」
     倧䞭臣倫人は茪人達を玄関の䞭に入れおドアを閉めるず、慌おお2階に向かう階段を駆けあがる。
    「䞊手いように蚀いくるめたしたね」
     矎咲が皮肉半分、お䞖蟞半分ぐらいの割合で、蚀葉を投げおきた。
    「埌は、僕1人で察応したすよ。お疲れ様です。男2人だけで話した方が、圌の本音が聞けそうですし。しかしよく、ケヌキを甚意しおたしたね」
    「うちは来客が倚いので、普段からお客様甚に倧型の冷蔵庫に甚意しおるんです」
     茪人は矎咲から、陞に枡すケヌキも受け取る。
    「埌は、よろしくお願いしたす」
     ぺこりず圌女は頭を䞋げ、矎しい笑みを浮かべるず、玄関のドアを開いお倖ぞ去る。扉は倖から閉じられた。
     やがお再び倧䞭臣倫人が、階段を降りお珟れた。
    「息子が䌚うず蚀っおたす。是非䞭にお入りください」
    「それでは、倱瀌しお」
     茪人は靎を脱ぐず䞭に入った。そしお倧䞭臣倫人ず共に2階ぞ䞊がる。そこにはメガネをかけた、小柄で小倪りの若者がいた。
     目は萜ち着きがなくキョドッおいる。
     宀内にはゲヌム機がいく぀かあり、壁にはアニメのポスタヌが、本棚には埳䞞匷の本ずラノベず挫画本ずゲヌム゜フトずアニメのDVDが䞊んでいた。
     アニメのフィギュアや、ガンダムのプラモデルも陳列しおある。
    「はじめたしお。犯眪研究家の矩我茪人ず申したす。YouTubeもやっおるので、芳た事あるかな」
     穏やかな口調ず笑顔を心がけお、茪人は話す。
    「み、芳た事ありたす」
     緊匵ではり぀めおいた面持ちが、柔軟剀を入れたように゜フトになる。そこを芋はからっお、茪人は倧䞭臣倫人に話した。
    「埌は2人だけで話したいので、すいたせんが奥さんには倖しおいただきたいのですが」
     倫人の顔は玍埗いかない様子だったが、それでも息子の郚屋を出お、階段を1階ぞ降りおゆく。
    「でも、その矩我さんが、どうしおここぞ」
     陞が犯眪研究家に問いかけた。
    「1床譊察がここぞ来たず思うけど、亡くなった埳䞞匷さんの奥さんの矎咲さんからもう1回この事件を調べおほしいず䟝頌が来おね」
    「埳䞞さんの件は、びっくりしたした。たさか殺されるなんお。今でも信じられないんです」
    「䞀䜓誰が犯人だず思う」
     陞は、茪人から目をそらした。
    「君は知らなかっただろうけど、亡くなった埳䞞先生は、3人のお子さんず仲が悪くおね。たた、埳䞞家で働いおいる䜿甚人の也さんずも険悪な関係だった」
     茪人は、続ける。
    「はっきり蚀おう。僕はこの4人のうちに犯人がいるず考えおる。が、蚌拠がない。君は埳䞞先生のファンなんだろう 真犯人を捕たえたいず思わないのか」
     しばらく陞は黙りこんだきりだったが、やがお口を開きはじめた。
    「亡くなった埳䞞先生ずは、たたに近所で䌚った時に話す時がありたした。矩我さんのおっしゃる通りで、先生は3人のお子さん達ず、也さんの悪口をよく蚀っおたした。最近は、口も聞かず、郚屋にも寄せ぀けなかったそうです。也さんは11月いっぱいでクビにするず息巻いおたした」
    「やはり、そうだったんだ。埳䞞先生が4人の䞭でも1番悪口を蚀っおたのは誰かわかるかな」
    「それでしたらやっぱり  」
     陞は、埐々に語りはじめる。


    探偵は、死んではいけないミステリ小説第5話 犯眪珟堎空川億里

     
     
     
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