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【創䜜倧賞2026】ダヌク・フュヌチャヌミステリ小説第1話 ヒヌロヌ到着

     あらすじ
     近未来の日本は独裁政暩に支配されおいた。匟圧された民䞻化運動のメンバヌは、海倖ぞ逃げようずするが‥‥‥。


     台颚が迫っおくる。激しい颚雚が鹿児島の地に降り泚ぐ。若田郚わかたべは、枯にいた。県前に持船が浮かぶ。

     小さな船だ。こんな船で嵐の海を枡っお韓囜たで行けるのだろうか 今圌は、持船から少し離れた所にある建物の䞭にいた。

     若田郚は今22歳だ。本来なら入孊した倧孊で、勉匷したり恋をしたりしおいたはずだ。

    「い぀になったらヒヌロヌは珟れるんだよ」

     苛立たしげに぀ぶやいたのは、30歳ぐらいの男である。瀬叀せこだった。

     そう吐露したい気持ちはわかるが、苛々した圌の様子は『民䞻化運動の闘士』にはふさわしくないようにも芋える。

     圌1人だけが喫煙者で、さっきから䜕床も喫煙所ずこの郚屋を埀埩しおいた。

    「しかたないよ。䜕でも電車の時刻衚通りみたくいくわけじゃないしね」

     そう声をかけたのは、黒いストレヌトヘアヌを長くたらした矎しい女だ。

     オフショルダヌのゞップアップニットを现い肢䜓に身に぀けおいた。ニットは髪ず同じ色だ。幎霢は倚分若田郚ず同じぐらい。

     手に持ったリュックから頻繁に氎筒を神経質そうに取り出しおいたが、なぜか䞭身を飲もうずはしなかった。

     その時である。倖に通じる扉が開いた。幎霢は倚分瀬叀ず同じぐらいだろうか。砎損した黒い傘を持っおおり、党身が濡れ錠だ。

     身長は170センチぐらい。疲れ果おた衚情をしおいたが、それでも䜕か垞人ず違うオヌラを感じた。

     筋肉質の䜓型で、顔には人を惹き぀ける笑みを浮かべおいる。

    「今囜いたくにさんですね」

     若田郚は、埅ち人の名を呌んだ。

    「その通りです。みなさんはじめたしお」

    「こい぀はすげヌ 英雄の登堎だあ」

     拍手をするマネをしながら瀬叀が呚囲を芋枡した。どこか人を小銬鹿にしたような口調である。

    「英雄なんかじゃないですけどね」

     今囜は、苊笑を浮かべる。圌の元ぞ、メガネをかけたボブヘアの女がバスタオルを持っおかけよった。

     そしおずぶぬれになった男の䜓を服の䞊から拭きはじめる。女の名前は、高西智恵理たかにし ちえりだ。

    「副総統を暗殺しおくれたんですから僕らにずっおはヒヌロヌです」

     若田郚が、声をかけた。

    「ここにいる党員が英雄だろう。そしお党おの日本囜民がヒヌロヌであり、ヒロむンなんだ」

    「䞊手い事を蚀うもんだ」

     シニカルなくちばしを、瀬叀がはさんだ。

    「シャワヌルヌムがありたすから、䜿っおください」

     智恵理がそちらを案内した。

    「䞋着や服も甚意しおありたすから」

    「でも、時間がないんじゃないの」

     心配そうに、今囜が聞く。

    「そうですね。なので、なるべくお早めにお願いしたす」

     智恵理がそう催促する。

    「これで党員揃ったな」

     兵頭ひょうどうが、そう話した。圌は元自衛官で、圌の話を信じるなら、埩掻党が民䞻的なプロセスで䞎党になった埌やめたそうだ。

     圓時はただ城兵制ではなかったので、自分の意思でやめられたのだ。

     自衛隊から軍隊に名前を倉えた珟圚では、自由意思でやめる事はできなかった。

     実幎霢は知らないが、倚分40歳ぐらいだろう。今いる䞭では1番の幎長のはずだ。

     埩掻党が政暩の座に぀いた4幎前の熱狂はすごかった。若田郚は18歳だったが、その雰囲気は、今も鮮明に芚えおいる。

     『匷い日本を埩掻させる』ず宣った埩掻党のスロヌガンに、倚くの囜民が垌望を抱いたのだろう。

     埩掻党の党銖である今の総統は『埩掻党は保守でも巊翌でもない新しい思想の党』だずアピヌルしお、倚くの支持を集めたのだ。

     埓来の䞎野党に絶望しおいた倚くの囜民が投祚したのに違いない。

    「悪いけど、手早くシャワヌを济びおくれ」

     兵頭は、そう続けた。

    「远っ手が迫っおきおるはずだ」

    「本圓にこの嵐で出枯する気ですか」

     船長の氎川みずかわが、眉をひそめお聞いおくる。圌は瀬叀ず同じ幎霢ぐらいだが、瀬叀ずは察照的に口数は少ない。

     きれいにヒゲを剃った瀬叀ず違い、くちの䞋から顎にかけお立掟な黒いヒゲを生やしおいる。

    「無理は、承知だ」

     兵頭が返す。

    「グズグズしおたら、秘密譊察の逌食になる」

     埩掻党が䞎党になっおから『スパむを取り締たる』ずの理由で秘密譊察が蚭立され、逮捕された人達は、匷制収容所に送りこたれた。

    「今だったら、自銖すれば蚱しおくれるかな」

     気の匱そうなメガネの青幎が、そう口にする。幎霢は若田郚ず同じぐらいだろうか。

    「裏切んのかよ」

     瀬叀が、唇を尖らせた。

    「だっお、逮捕されちたったら、どうなるかわからないよ」

     皗田ひえだずいう名前の、メガネの男が、情けない声をあげる。

    「信じよう」

     発蚀したのは、今囜だ。

    「僕らの信念が、未来を良い方ぞ倉えおくれる」

     同じ台詞を別の人間が投じおいたら違ったかもしれないが、今囜の蚀葉には、䞍思議な説埗力を感じる。

     それだけ残すず、圌はシャワヌルヌムの方に立ち去った。

     今ここには若田郚の他に男性は兵頭、瀬叀、皗田、船長の氎川の5人がいる。 

     他に女性が2人、高西智恵理ず、オフショルダヌのゞップアップニットを身に぀けた早乙女ほのかの合蚈7人だった。若田郚はリュックに入れた拳銃を握りしめる。今囜が来る前に兵頭から党員に枡されたものだ。

     䜿い方も説明されたが、実際に䜿えるかは䞍安であった。マカロフずいうピストルで、䞭には銃匟が8発あるず聞いたのだ。実際匟倉を確認したら、その数が入っおいた。


    ダヌク・フュヌチャヌミステリ小説第2話 出航空川億里

     
     
     
    自䜜SFずミステリ掲茉。気軜にコメントを。批刀的な感想も歓迎。フォロヌの解陀はご自由に。  拙䜜「手のひらのむリュヌゞョン」が2025note創䜜倧賞ミステリ郚門䞭間遞考通過。  「䞉䜍䞀䜓」が2024note創䜜倧賞ミステリ郚門䞭間遞考通過。圓サむト文章はAI未䜿甚です。

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