
“ヌン活”続く!アフタヌーンティーがカフェの新定番メニューとして進化中【2026年「カフェ」「食」の注目トレンド】
この数年で一気に広がった 〝ヌン活〞ブーム。写真映えするティースタンドを囲みながら、少量多品種のスイーツやセイボリーをゆったり楽しむ時間は、いまや特別なイベントではなく、日常のご褒美として定着してきた。アフタヌーンティーは提供する側にとって手間のかかるメニューではあるものの、1回あたりの利用で単価がとれるメニューであり、満足感や写真映えの効果によって、SNS での情報拡散が期待できるメニューでもある。カフェにとっては新規客の呼び込みや〝店の世界観〞を表現する手段として、導入を検討する価値のあるカテゴリーと言える。
東京・表参道の『BEYOND SWEETS』は、小麦・白砂糖不使用のグルテンフリー専門のパティスリーで、併設のカフェでは2種類のアフタヌーンティーを展開。美容・ダイエットを意識したコースと、プラントベース・アレルギー対応のコースのいずれも、安心と満足感を両立させた内容に仕上げている。糖質量の管理やアレルゲン除去など、高度な配慮を求められる一方で、華やかさや味のバリエーションを妥協しない構成が評価を集めているという。
「健康系のスイーツは地味、というイメージを覆すきっかけになった」という声も多く、メニュー開発の難易度は高いものの、同店が培ってきた〝素材と技術へのこだわり〞を表現するのに最適なメニューとなっている。実際、提供日はパティシエが店舗オペレーションに加わり、食感や見た目の仕上がりを最後まで追い込む体制を整えている。品数が多く仕込みは複雑だが、代えがたい付加価値を生み出し、予約制で安定的な集客につながっている点は参考になる。

BEYOND SWEETS 表参道店
■住所/東京都港区南青山3-13-9 青山パティオ1F ■営業時間/10時~19時(L.O.18時30分) ■定休日/火曜(祝日を除く)
■ 規模/ 49.7坪・49席 ■客単価/2000円
一方、丸の内の『真不同HONGKONGTEAROOM1946』は、香港点心を中心とした中華の技術をベースに、英国の茶文化と融合させた独自のアフタヌーンティーを展開する。華やかな3段スタンドに並ぶスイーツや点心に加え、途中で蒸したての香港カステラを提供する〝演出型〞のサービスも特徴だ。仕込みは計画的に行い、営業時の負担を抑える中華業態ならではのオペレーションを取り入れることで、少量多品種ながらも高いクオリティを維持している。
3ヵ月ごとのメニューリニューアルによりリピート需要も高く、「香港×アフタヌーンティー」というテーマ性が強い世界観が、訪れる理由となっている点も見逃せない。
この2店に共通しているのは、「店ならではの強みをどう表現するか」を軸に据えていることだ。スイーツや料理の専門性がないカフェにとって、同じ構成を追うのは現実的ではないが、ポイントは〝世界観づくり〞と〝提供方法の工夫〞にある。たとえば仕込みやすいアイテムで組み立てたスイーツスタンドでも、季節感のあるテーマを設けたり、提供の演出を加えたりするだけで、特別感は十分に演出できる。予約制にすればオペレーション負荷も調整しやすく、繁忙時間帯を避けた導入も可能だ。
また先述の2店以外にも、ある小規模カフェでは〝お一人様専用〞のアフタヌーンティーを数量限定で提供。ニーズを捉えつつロスを最小限に抑える工夫をしている。抹茶を主軸とするカフェでは、重箱に和菓子や抹茶スイーツを盛り合わせ、世界観を和テイストで統一し、独自のスタイルを追求。
アフタヌーンティーは単なるスイーツセットではなく、〝その店で過ごす特別な時間〞を商品化したメニューである。自店ならではの得意分野や世界観を見つめ直すことで、規模や技術に関わらず導入できる余地は大いにあるだろう。価値体験型の消費が広がる今、アフタヌーンティーはカフェにとって新たなチャンスをもたらす存在となりそうだ。

真不同 HONG KONG TEA ROOM 1946
■住所/東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸ビルB1
■営業時間/平日 11時~22時(L.O.21時30分)
■土日祝11時~21時30分(L.O.21時)
■定休日/無休(商業施設に準ずる)
■規模/25坪・30席 ■客単価/昼1500円、夜5500円
※情報は「カフェレス2026年冬春号」に掲載されたものです。