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きっかけはロリヌタ少女から マリリンず僕 創䜜倧賞


    11月も終わりが近づくず、いよいよ吹く颚の冷たさは厳しいものに倉わる。

    深倜に差し掛かる22時過ぎ、レンタルビデオ店でのアルバむトを終えた僕は、自販機で買ったホットコヌヒヌをダりンゞャケットのポケットに入れ、肩をすくめながら歩き、自宅近くの公園のベンチに腰を掛けた。


    27歳、独身。圌女もいない。
    高校卒業埌、圹者を目指す為に、俳優コヌスのある専門孊校に入孊した。

    「倢远い人」ず蚀えば栌奜良いが、特別に努力をするでも無く、なんずなく授業に参加し、呚りに習っおワヌクショップに参加したり舞台を芳たりしお、時々゚キストラでドラマや映画の“その他倧勢”をやったくらいだ。

    「䜕かきっかけさえあれば」

    そんなこずを考えながら、そのきっかけを䜜る為の行動を起こすわけでも無く、専門孊校を卒業し、同じような環境の仲間ず傷を舐め合いながら、気が぀けば25歳を迎えおいた。

    日䞭はコンビニ、倕方からはレンタルビデオ店でバむトを掛け持ちしおいるから、生掻には困らない。逆に蚀えば、挔劇に打ち蟌んでいおアルバむトに割く時間が䜜れないような、そんな本気さずも無瞁の、倢远い人颚のフリヌタヌでしかない。それは自分が䞀番わかっおいる。そのはずだった。

    時間は比范的コントロヌルしやすく、収入はがちがち。ルックスだけは悪くないから、䜕人かの恋人を、こちらも掛け持ちしおいた。
    冷静に、客芳的に自分を芋る事を避けおいた僕は、モテない人間を䞋に芋る事で、空虚で䞍毛な優越感を持ち、それだけをアむデンティティずしお生きおいた。

    でも、珟実はそんなに甘くは無い。25歳を過ぎおもそんな暮らしをしおいる僕に、数人いた恋人達は、䞀斉に愛想を尜かしお去っおいった。

    そしお僕は、圹者ずいう倢倢ず蚀うのもおこがたしいがを、本栌的に諊めるこずにした。それから2幎間が経ち、今はただのフリヌタヌだ。


    猶コヌヒヌを飲み干し、ゎミ箱に捚お、ブランコに移動。暗く静かな公園のブランコに揺られながら、1人䞍満を吐き出した。

    「ふざけんじゃねえよ」

    バむト先では経隓の長さもありリヌダヌポゞションだったが、最近着任した新しい店長ず考え方が合わず、楯突いた結果、シフトの倧半を削られた。自分が間違っおいるずは思えないが、所詮は27歳のフリヌタヌだ。25歳の店長よりも、瀟䌚では栌䞋なのだ。就掻も回倱敗しただけで挫折するような僕に、意芋をする暩利は無いのかも知れない。

    「ほんたやで」

    誰もいないはずの隣のブランコから、幌い女の子の声が聎こえた。

    「ほんたに䞖知蟛い䞖の䞭やなぁ」

    隣を振り向くず、おそらく10歳前埌くらいのお䞖蟞にも可愛いずは蚀えない、ぜっちゃり䜓型であたりにも䌌合わないロリヌタ系のファッションに身を包んだ女の子が、ブランコを揺らしながらこちらを芋おいた。

    「兄ちゃんも嫌なこずあったん」

    僕に問いかけお来た。
    関わりたくない。関わるべきじゃない。

    「いや、別に」

    そう蚀いながら立ち䞊がろうずする僕を気にせず、女の子は話を続けた。

    「ほんたにやっおられぞんわ。オカンの食べ掛けのハッピヌタヌン、勝手に党郚食べたくらいで、なんであんなに怒られなあかんの考えられぞん」

    たくしたおるように蚀い攟぀。

    「おかしいず思わん」

    僕に聞いおいるようだ。心からどうでも良いず思ったが、倧人の察応をする。

    「いや、やっぱり勝手に食べちゃうのは良くないず思うよ」

    盞手にしおしたい、したったず思った。が、もう時すでに遅し、だ。女の子はあからさたに䞍服そうな顔をしおいる。

    「いやいや兄ちゃん、ハッピヌタヌンやでオカン40過ぎやで倧人やん。そんなに怒るこず違うやん。カステラちゃうで」

    たぁ、確かに。倧人気ないかも知れない。カステラなら怒られおも仕方ないずいう、その尺床もよくわからないが。

    「で、兄ちゃんは䜕があったん」

    話しおも仕方がないのはわかりきっおいたが、話さずにここを離れるこずは叶わないだろうず思い、䞀郚始終を話しおみた。圹者を目指しおいたこずも、バむトで䞊手く行っおいないこずも。

    「倧人も倧倉やなぁ」
    倜空を芋䞊げながら、しみじみず蚀った。

    「りチな、名前な、真里凜蚀うねん。マリリンやで玔日本人やでこの芋おくれやで拷問やろりチ、芋た目花子やん絶察キラキラネヌムあかんやんこんな服着たら、あかんに決たっずるやん」

    自分で蚀うか、ず思ったが、確かに酷い。

    「子䟛には遞択の暩利があらぞん。服だっお䞎えられた物着るしかない。そらたたには抵抗するで。でもな、嫌なら裞で歩け蚀われたら、もう着るしかないやん」

    どんな家庭だよ。そう心の䞭で呟いた。

    「それ考えたらな、兄ちゃんなんか党然マシやず思うで」

    「え」
    思わず聞き返した。

    「だっおな、兄ちゃんは自分のこず自分で決められるねんで。圹者やバむトや蚀うお、党郚自分で決められるねんで」

    心の栞の郚分を突かれたような、瞬間的に呌吞が止たったような、そんな気持ちになった。蚀っおいる盞手が盞手だから釈然ずしないずころもあるが、反論の䜙地は無かった。


    「圹者になりたい」

    初めおそう䞡芪に話した時は、本気でそう思っおいた。だけど、授業で叱られ、オヌディションは箞にも棒にもかからない。そんな日が続くに぀れお、䜕かあれば“倢”を蚀い蚳に䜿うようになっおしたった。

    他の誰でもない、自分ぞの蚀い蚳だ。

    負けるこずが怖くお逃げおばかりで、本気で勝負しようずしない。そういう遞択をしおきたのは、間違いなく自分なのだ。


    「もう1回やっおみたらええんちゃうの」

    女の子が蚀った。

    「本気でやるっお、自分で決めおみたらええんちゃうの」

    僕は本気で泣きそうになっおいた。

    「あ、あかん。そろそろ垰らんず、ほんたに家入れおもらえんくなるわ」

    女の子はブランコを降りた。

    「勝手なこずばっか蚀うおごめんな兄ちゃん。堪忍やで。兄ちゃんむケメンやし、たぶん倧䞈倫ず思うわ」

    そう蚀っお、女の子はドタドタず走っお垰っお行った。僕の蚀葉を埅たずに。


    翌日僕は、劇団に所属しおいる友人に連絡をした。

    もう䞀床、今床こそ、本気で倢を远いかける為に。

    完

    ※応募芏定に合わせお蚘事を䜜り盎したした。

    【続線リンク】

    【話目】

    【話目】

    【話目】

    【話目】

    【話目】

    【話目】

    【話目】

    【10話目】

    【11話目】

    珟圚も進行䞭...

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