
牛丼屋を追い出されそうになった話
私の職場は都内オフィス街かつ学生街であるため、ランチタイムは毎日がコミケ開始直後のようになる
少しでも遅れると飲食店という名のサークルに並ぶことが余儀なくされるが、私がこの日目的地に選んだのは大手サークルすき家である
私の会社では「ここら辺はお昼に飲食店が混むから」という理由で少しだけ早く昼休憩が始まる
私は昼休憩が始まると同時に席を立ち、即座にオフィスを出た
大体いつも引っかかるやたら長い横断歩道で信号待ちをしながら、向こう側に見えるすき家の並び具合を確認する
やはり少し早いこともあってか人が混みすぎておらずまだ全然並んでいない
入るなり好きな席に座れと促されたが、カウンターも窓際の一人掛け席も埋まっている
私は一番左奥の二人掛けの席に座った
タブレットでおすすめ商品などに目を通すが、すでに食べるものは決まっていた
糖質制限をしていたため、米が豆腐になった牛丼ライトを注文した
牛丼を待っている間に外を見ると、すでに人がたくさん並んでおり、「うまい・やすい・はやい」を支える企業努力に感服した
そうこうしていると牛丼が配膳されてきたため、さっそく食べ始める
実は初めて牛丼ライトを頼んだので完全初見プレイとなった
これまでの牛丼経験から初期装備に箸を選択したが失敗した
豆腐がもろすぎて肉と野菜しかつかめなかったのだ
再度箸で挑戦しようとしたが同様の結果だったため、すばやい切り替えでスプーンを使用し始めた
箸とはうってかわって「正解はこちらです」と言わんばかりの食べやすさ
ただ一つ苦言を呈するなら肉がすくいづらい
もう牛丼ライトって肉と豆腐をそれぞれすくい分けて食べるものなのかもしれない
こうしてスプーンで牛丼を食べていると目の前に店員さんが現れた
開口一番
「ご退席していただいてもよろしいでしょうか?」
思考が停止した
口では「え?」と言いながら心の中では
「私なんかした?」
「食べるの遅すぎた?でも今食べ始めたばかりですよ...」
「箸を使おうとしたけど諦めてスプーンを使ったので怒らせたか?」
と思考が渦巻く
店員さんもマスクをしているため表情が読めない
聞き間違いだろうと私は改めて聞いてみる
「すみません。もう一度よろしいでしょうか?」
「ご相席していただいてもよろしいでしょうか?」
「!」
相席ね!!退席じゃなくて!!!
ちゃんと聞き間違えだった
話を理解できたので返答をしなければと口を開き一言
「相席!?全然大丈夫です!」
そう言うと店員さんの後ろから現れたのは男性会社員
元々二人掛けの席だったので向かいに座った
まぁ人多いしオフィス街のランチってこういう感じなのかと理解した日だった
次回以降、牛丼ライトはスプーンで食べよう