
動物園に行ったら夫婦の夢が3つも増えた。
平日、夫と多摩動物公園に行った。

平日だからガラガラかと思いきや、幼稚園児や小学生の団体がたくさんいてちょっと焦った。
カラフルな帽子をかぶって手を繋ぐ幼稚園児を見ていると、自分たちにもこんな時期があったんだねと思い出す。
あの頃は、何も考えて生きていなかったけれど、引率している先生とか、保護者とかたくさんいて守られていたんだなと実感する。
大人になってそんな大人たちを見ていると、子供たちを見ていなくてはいけないこと、会話とか気を遣わないといけないこと、わたしにはできる自信がとてもないと思った。
あれから20年以上経っても、動物園に行くと決まると先週から楽しみすぎて眠れなかった。行ったら絶対に“コアラのおやすみソフト”を食べると意気込んでいたわたしは、精神的にはあの頃と何も変わってないようさえ感じる。
だけど、園内に入って動物を眺めていると、動物園の楽しみ方はあの頃とまるで違っていたことに気がつく。

あの頃はキャッキャキャッキャして見たであろう小動物。今は、暑いのかな?眠いのかな?カメラにちゃんとうつるかな?なんて現実的な話をした。

アジアゾウを見ていた時、夫が「すごく肌すべすべで綺麗」だと言った。あれ、わたし肌が綺麗なんて言われたことないぞ。と思ったけれど、ほんとうに肌がつるんつるんだった。
「乗ってみたい」
「タイに行ったら乗れるかもね」

オラウータンがスカイウォークをしていた。
小さい子たちの、良く通る黄色い声が響いていた。わたしは声は出さなかったけれど、心の中では大歓声を上げた。運動神経悪いわたしにとってこの滑らかな動きは流石に憧れた。
「これ、落ちてきたら怖いね」
「オラウータンって意外と凶暴そうだよね」

レッサーパンダが動いていた!
以前他の動物園で見た時は、木の上で全く動いていなかったのでこの光景はかなり嬉しかった。
我々人間の喜んでいる姿を楽しんでいるかのように、なぜか出たり引っ込んだり。しかも出てくる時ちょっと焦らしてくる。

「レッサーパンダって野生で見れるかな?」
「中国とかでそういうツアーないかね?」
「あー、ありそう」

今回のお目当て、コアラも見た。
実は今まで見たことがなかったコアラ。意外と目が小さくて、下唇を噛んでいるような顔面。ちょっとブチャイクな感じが可愛かった。
「オーストラリアに行って抱っこしたい」
「しようよ。オーストラリア行こう」

念願の、コアラのおやすみソフト。
コアラのマシュマロは可愛くて可愛くて食べれない〜なんてことは一切なく、躊躇なくお尻から食べた。美味しかった。

夫はサイにとても興奮していた。確かに、こんなに近くでサイを見たことなかったので、皮膚がこう重なっているような体つき、不思議だなあと感心した。
「サイの皮膚はブツブツができてるね」
夫は、動物の皮膚に敏感なようだ。

キリンは全然動いていなかったけれど、この模様、首の長さ、まつ毛の長い目。全部不思議だなあと思ってずっと見ていられる気がした。

アフリカゾウ。同じ園内でアジアゾウとアフリカゾウを見比べられてとても勉強になった。
やっぱりアフリカゾウのほうがライオンキングのテーマ曲がとても似合う。砂埃が見える。
「ケニアとタンザニアでサファリツアーに行こう」
「うん、注射とかしてね、絶対行く」

ライオンは木陰で休んでいた。結構遠くから眺めていたのに、オスライオンに目で追われてビビった。わたしたち。

締めは昆虫館。ムカデやゴキブリなどもいて、体の芯から震えた。わたしは虫が苦手だ。
昆虫生態園では、大量のチョウチョが舞っていて、その中を散策した。夫が「楽園のようだ」と言っていて、なんだか本当に、そんな気がした。
子供の頃は、動物と触れ合うのは、動物を観察するのは動物園だけだと思っていた。まだまだ世界を知らない。
でも大人になると、実際に野生の動物を見に行ったり、生息地に足を運んでみる、という大きな夢だけれど、叶えることができる夢を持つことができる。
大人って物事を現実的に見てしまうという悲しい一面もあるけれど、夢は叶えられる、叶えられる年齢になるという現実的な嬉しい一面もある。
「タイでゾウに乗る」
「アフリカでサファリツアーに参加」
「オーストラリアでコアラ抱っこする」
おしゃれなカフェや素敵な旅館に泊まるだけじゃなくて、動物園デートもたまにはいいね!!
入ってきた正門をくぐる頃には、わたしたち夫婦の夢が3つも増えていた。
おしまい
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