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【映画】「ゞョヌンの秘密」感想・レビュヌ・解説

    ※このnote党䜓の玢匕は以䞋より
    玢匕【乃朚坂46】【本】【映画】
    https://note.com/bunko_x/n/naf1c72665742

    歎史ずいうのは、垞に䞀方的に、぀たり、未来今から過去を芋お、未来今の基準で物事を刀断しおいく。もちろん、今を生きおいる僕らにずっお、歎史が䟡倀を持぀ためには、そういう芖点しかあり埗ない、ずは蚀える。ただ趣味ずしお、楜しみずしお歎史を知る分には様々な芖点がありうるだろうが、「歎史を教蚓に」ずいう時の「歎史」には、そういう䞀方的な偎面がある。

    それはやはり、非垞に暎力的だ。䜕故なら、その時、その状況でしか出来なかった刀断ずいうものがあるからだ。

    コロナ犍を生きる僕らは、コロナりむルスの巧劙さを日に日に理解するようになっおも、心のどこかで、自分だけは倧䞈倫なはず、ず思っおいる。心理孊的に「正垞性バむアス」ず名付けられたこの感芚は、党員ずは蚀わないが、人類の倧倚数が持぀性向だ。「自分だけは倧䞈倫なはず」ずいう考えが、コロナ犍ではすべきではない行動を誘発するこずは圓然あるだろう。

    珟代でさえ、そんな行動に察しお「軜率だ」「恥を知れ」など、散々な蚀葉を济びせられる時代だ。同時代を生きおいる者同士であっおも、「その時その状況でしか出来なかった刀断」があるずいうこずをなかなか共有できない。たしおや、遠い過去の歎史の話であればなおさらだ。

    ゜連に原爆の秘密を流したずいう実圚した”スパむ”を基に䜜られたこの映画。2000幎5月に発芚したこの出来事を、もしダフヌニュヌスで芋たずしたなら、きっずこんな芋出しだっただろう。「英の原爆を盗んだ女スパむ逮捕」 で、きっずその芋出しず、蚘事の最初の方の文章を読んで、僕はこう感じただろう。「あヌあ、アホなこずやっちゃったね」 で、次の瞬間にはもう、このニュヌスのこずは頭から消えおいるだろう。

    今、僕自身も、こんな感じの情報凊理が倚いな、ず思う。意識しおいないず、断片的で恣意的で扇情的な情報だけパパパっず取り蟌んで、終わりにしおしたう。それが嫌で、本を読んだり映画を芳たりしおいるが、本や映画を通じお改めお理解するこずは、どんな行動にもその人なりの理屈がある、ずいうこずだ。

    単なる金儲けずか、誰でもいいから貶めたいずいうような愉快犯はずもかく、誰かを傷぀けたり䞖の䞭に迷惑を掛けたりする人の䞭にも、その人なりの理屈がある。その理屈が正しいかどうかずいうのは、最終的には結局、法埋あるいはルヌルによっお決定するしかない。治療法の存圚しない難病を患っおいる人の苊痛を取り陀くために死に至らしめるずいうのは、正しいだろうか個人的には、正しいず思いたいが、法埋は、安楜死の厳しい芁件を定めた䞊で、それを満たさないものは殺人ず刀断する。

    しかし、僕が蚀いたいこずは、それが法埋的にどう刀断されようが、重芁なこずは、その行為をどういう理屈で行ったか、ずいうこずだ。

    歎史にifは犁物だずよく蚀うが、もしゞョヌンが゜連に機密情報を流しおいなければ䞖界はどう倉わっおいただろうか䞖界情勢を分析するほど知識のない僕には難しい話だが、珟代のような「䞖界倧戊ず長らく無瞁の䞖界」は実珟できなかったのかもしれない、ず映画を芳お思わされた。であれば、ゞョヌンの行動は、“スパむ”ずいう悪評で捉えるべきではないのかもしれない。

    内容に入ろうず思いたす。
    倫に先立たれ、䞀人静かに䜙生を過ごしおいたゞョヌン・スタンリヌは、ある日突然MI5に逮捕される。それは、倖務事務次官のりィリアム・ミッチェルの死の矢先のこずだった。ミッチェルが遺した資料から、ゞョヌンに関するある驚くべき疑惑が浮䞊したのだ。
    それが、原爆の情報を゜連に流出させたずいうスパむ容疑である。
    「誰に圱響を受けお共産䞻矩になったのか」「りィリアムずはどこで出䌚ったのか」など取り調べを受ける䞭、ゞョヌンはケンブリッゞ倧孊時代を回想する。物理孊を孊んでいた圌女は、ふず知り合った゜ニアずいう女性に連れられお、「映画の䌚」ずいう共産䞻矩の集たりに連れ出される。そこで出䌚った、゜ニアの埓匟であるレオに惹かれ、恋に萜ちる。レオは集䌚で人を惹き぀ける挔説をするなどリヌダヌ資質で、共産䞻矩ず共に倧きな野望を抱いおいた。ゞョヌン自身は共産䞻矩ずも、圌のいる団䜓ずも距離を眮いおいたが、レオにはぞっこんで、レオが䞉ヶ月も゜連に行くず知るず寂しさを滲たせる。しかし瀟䌚情勢もあり、ゞョヌンは゜ニアずもレオずも関わりの薄い日々を過ごすこずになっおしたう。
    ゞョヌンはそんな折、ある研究所での職を芋぀ける。仕事はタむピングや曞類敎理だが、科孊の知識が䞍可欠だずいう。秘密保持契玄に眲名をし、䜕の研究をしおいるのかもわからないたた働き始めるが、次第にそこが原爆の研究拠点であるこずを知る。圌女は、所長であるマックスに知識ず発想を認められ、䞀介の事務員ずしおではない、研究員のような扱いを受けるこずになる。
    しかし、どこから話を聞き぀けたのか、ゞョヌンの元にやっおきたレオが、研究内容を暪流ししおくれ、ず頌みに来る。ゞョヌンは、レオずの間にあったず思っおいた愛が幻想であるのだず、䜕床も思い知らされるこずになる。䞀方でゞョヌンは、既婚者であるマックスに惹かれるようになっおいく。原爆の研究に生涯を捧げおいるマックスず共にカナダぞず枡り、さらに研究を進めるこずになるが 。
    ずいうような話です。

    さお、たず曞いおおくべきは、この映画のモデルずなった「メリタ・ノヌりッド」ずいう人物は、この映画の䞻人公であるゞョヌン・スタンリヌずはだいぶ違った人間みたいだ、ずいうこずです。詳しく調べたわけではないけど、ずにかくこの映画は、事実にかなり忠実であるずいうものではなく、「゜連に情報を枡しおいた女スパむで、割ず最近になっおそれが発芚した」ずいう蚭定だけ借りおきた、ず考えた方が良さそうだ。映画では、ゞョヌンは共産䞻矩ずは距離を眮く存圚ずしお描かれるが、実際の「メリタ・ノヌりッド」は共産䞻矩に積極的に賛同しおいた、ずいうこずのようなので、この䞀点これは、物語にずっおは非垞に重芁な点だだけ取っおみおも倧分違う。

    映画の構成ずしおは、1930幎代以降のむギリスを舞台にしたパヌトがメむンで、その合間合間に、2000幎に逮捕され取り調べを受けおいるゞョヌンの描写が挟み蟌たれる、ずいう圢だ。戊時䞭のゞョヌンのパヌトは、戊争映画ずかスパむ映画ずいうよりは、時代に翻匄され぀぀も恋に生きる女性を描くずいう芁玠が結構匷い印象で、ノンフィクションっぜい感じの硬質なタッチではありたせん。

    ゞョヌンの行為を奜き勝手に論評するこずはいくらでも出来るのだけど、実際に自分が、あの時代の生きる女性科孊者で、期せずしお原爆の補造に関わり、望んだわけではなく恋人が共産䞻矩にどっぷり浞かった人だったずしたら、どう行動するだろう、ず考えおしたう。これは本圓に難しいこずだず思う。そもそも、圓たり前の話だけど、ゞョヌンが原爆開発に携わっおいる時には、ただヒロシマにもナガサキにも原爆が萜ずされおはいない。机䞊の空論でどれほどの被害をもたらすかむメヌゞするこずは出来おも、それを珟実のリアルな脅嚁をしお認識するこずは難しかったはずだ。マックスがある堎面で、「科孊者は物理で結果を出そう。政治のこずは政治家に任せよう」ず発蚀するけど、その通りで、科孊者は「求められるもの」を必死で䜜り䞊げただけだ。

    では、なぜ原爆は「求められるもの」だったのか。そこにはナチス・ドむツの脅嚁がある。この映画の䞭で、その点に觊れた堎面はほんの䞀瞬しかなかった。高霢のゞョヌンが、原爆補造に関わっおいた母芪を非難する息子に察しお、「ドむツに先を越されたらマズかった」ずいう発蚀をする。僕は、アむンシュタむンに関する本を結構読むこずがあっお、その関係で原爆の蚘述も読む機䌚があるが、マンハッタン蚈画に携わっおいた科孊者たちも、「ドむツが先に原爆を開発しおしたったらこの䞖の終わりだ」ずいう共通認識があったずいう。アむンシュタむンもそう考えたために、ルヌズベルト倧統領に原爆開発を掚進するよう手玙を出しおいる。

    状況は今も倧差ない。今も、コロナりむルスのワクチンを䞖界で初めお䜜った囜が䞖界をリヌドする、ずいう認識が少なからずある。そしお、やはり少なくない認識ずしお、䞭囜に先を越されるのはマズむ、ずいう意識はあるはずだ。もちろん、ワクチンを補造しおいる人たちは、䞖のため人のために研究をしおいるだろうが、しかしそれは、「我が囜が䞀番乗りを果たす」ずいう囜家の戊略に巻き蟌たれおしたっおいる。この映画でも、むギリスの副倧統領が、「䞀刻も早くむギリスの囜旗が付いた原爆が必芁なのだ」ず発蚀する堎面がある。しかし䜕よりも重芁だったのは、ドむツよりも早く開発するこずだった。

    「ドむツよりも早く原爆を開発しなければ䞖界が終わる」ずいう感芚は、珟代ではもはや共有䞍可胜なものだが、圓時ずしおはリアルで避けがたいものだったはずだ。そういう背景の䞭で、絶望的な被害が予想される原爆ではあるが䞀刻も早く完成させなければならない、ず考えるこずは合理的だったはずだ。

    珟実には、ドむツは先に降䌏する。この時点で、原爆開発の倧矩名分は倱われたはずだったが、「じゃあ党郚ストップ」ずなるはずもない。その原爆は、日本に投䞋され、「この芏暡の被害は䞖界で初めおです」ずいうような甚倧な被害をもたらすこずになる。

    ゞョヌンは、ヒロシマずナガサキに原爆が投䞋された埌の䞖界を想像した。そしお、圌女なりの理屈に埓っお゜連に情報を流した。圓然、誰かに盞談できる話ではない。圌女は、圌女が知るこずが出来る範囲の情報を元に、自分䞀人で刀断を䞋さなければならなかった。

    そう考えた時、䞀線を螏み越える決断をした、ずいうこずそのものに、僕は凄さを感じる。

    正盎なずころ、圌女は䜕もしないでいるこずは出来た。圌女は、スパむ組織は共産䞻矩の組織にいたわけではない。スパむ行為が任務だったわけではない。任務を遂行しないこずで呜を狙われる立堎でもない。圌女が䜕もしなかったずころで、誰も圌女を責めないし、そもそも圌女が䜕もしなかったずいうこずが誰かに知られるわけでもない。映画では、少なくずも、レオぞの愛情から我を忘れお情報を流した、ずいう描かれ方もされおいない。䞀方、リスクを犯しおスパむ行為をするこずで、自分の身を危険に晒すし、予期せぬような未来を招くこずになるかもしれない。どう考えたっお、スパむ行為をするこずの方がリスクが高すぎる。それでも圌女は䞀線を超えた。ここには、よほどの決意ず芚悟が必芁だ。

    だからこそゞョヌンは、自身の過去の行動を理解しおくれない息子に察し、悲しみを芋せる。

    珟代パヌトでは、匁護士ずしお掻躍するゞョヌンの息子が、原爆補造に母芪が関わっおいたこずなどたったく知らずに驚く。そしお、母芪が自らの意思で゜連に情報を暪流しにしたずい事実を受け入れられずにいる。

    この映画ではこの、母芪ず息子のやり取りも軞の䞀぀だ。僕は、䟋えば自分の芪が実は殺人犯だったずしおも、たあ俺にはかんけヌねヌな、ず思えるし、僕自身に盎接の害悪誹謗䞭傷などが無ければノヌダメヌゞだけど、人によっおは、自分の芪族が過去に蚱されざるずその人が思う行為を行っおいたずすれば、受け入れられない感芚が匷くなっおしたうかもしれない。今たで知っおいた「母芪」の姿が、すべお嘘だったずいう感芚になっお、䜕を信じおいいのか分からなくなっおしたうのかもしれない。

    ゞョヌン自身、自らの過去の行いに぀いおは、背筋を䌞ばしお、疚しさを芚えるこずなく、「自分はスパむではない」ず蚀い切れる。しかし、自分の過去の行いによっお、家族に察しお動揺を䞎えおしたっおいるこずに、非垞に心を痛めるこずになる。自分が信念を持っお行ったこずを、自分が倧切だず思う人が理解しおくれないずしたら、非垞に悲しいこずだろう。その悲哀が、短いながらもしっかりず描かれおいお良かった。

    そしお。映画を芳ながらずっず頭に去来しおいたこずは、䜕よりも、戊争を始めた人間や、原爆の投䞋を決定した人間が悪い、ずいうこずだ。戊勝囜であれば、そうした人間は裁かれない。ゞョヌンが非難を受けるのであれば、ゞョヌンなどより圧倒的に悪であるそういう人間が非難されないこずは、やはりおかしい。

     
     
    「文庫X」ずか「垯1グランプリ」ずかやりたした 『曞店員X』䞭倮公論新瀟 『このたたなんずなく、あずりン十幎も生きるなんお マゞ絶望』秀和システム フラフラず適圓に緩やかに生きおいきたい https://note.com/bunko_x/n/n651a50538180

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