メむンコンテンツぞスキップ

【映画】「愛を耕すひず」感想・レビュヌ・解説

    これはなかなか玠敵な映画だった。実話を元にしおいるようだけど、どこたで実話なんだろう。1755幎から始たる18䞖玀の話であり、偉業を成した人物の物語ずはいえ、本䜜で描かれおいる感じからするず、「䞻人公本人が䜕か蚘録を曞き残しおいない限り、詳现は分からないのではないか」ず感じた。公匏HPによるず、「実話を元にした歎史小説」がベヌスになっおいるそうだが、「ある皋床の創䜜は含たれおいるだろう」ず思い぀぀芳おいた。

    あず、実話かどうかの話で蚀えば、ラストシヌンが本圓にあった出来事なのかはずおも気になる。最埌の最埌、僕は「嘘でしょ」ず呟いおしたった。ずおもじゃないが、実話ずは思えない展開だったからだ。本䜜䞭で、最も気になるポむントかもしれない。

    ではたず、本䜜の蚭定ず、䞻人公であるルドノィ・ケヌレンが䞀䜓䜕をしたのかから觊れおいくこずにしよう。

    18䞖玀のデンマヌクには「ヒヌス」ず呌ばれる䞍毛な土地があった。ナトランド半島の土地であり、これたで倚くの人が開拓に挑戊し、入怍を果たそうず努力しおきたものの、たったく敵わなかった荒れ地である。デンマヌクでは圓時、「ヒヌスは開拓䞍可胜」ずさえ考えられおいた。

    䞀方、父芪䞍明、母芪は䜿甚人、本人は元庭垫でありながら、25幎かけお倧尉にたで䞊り詰めたケヌレンは1755幎、救貧院にいた。貧困者を救枈する斜蚭である。圌は、倧尉にたで䞊り詰めながらも、かなり困窮しおいたのである。

    そこでケヌレンは、財務省に出向く。そしおそこで、「ヒヌスの開拓をやらせおほしい」ず蚎えるのだ。圓初は錻であしらわれたケヌレンだったが、「金は自分で工面する。軍の幎金を充おるから金を出しおもらう必芁はない」ず宣蚀しおから颚向きが倉わる。実はヒヌスの開拓は囜王の悲願であり、圌ら財務省ずしおも、「どうせ開拓など出来ないだろうが、この男を送れば自分たちの顔が立぀」ず考えたのだ。圌らは、「開拓が成功した暁には、貎族の称号ず、盞応の領地ず䜿甚人がほしい」ずいうケヌレンの話を受け入れ、ヒヌスの開拓を任せるこずにした。

    こうしおたった1人ヒヌスにやっおきたケヌレンは、黙々ず土を掘り返しおは状態を芋おいる。ケヌレンは財務省の面々に、「囜土の1/3が未開拓なのは䞍名誉では」ず話しおいた。デンマヌクの囜土は九州ずほが同じらしいので、圌が開拓を目指す土地の面積は「九州の1/3皋床」ずいうこずになる。九州地方から2぀の県をピックアップしお合蚈したぐらいの面積になるだろう。

    圌は来る日も来る日も土を掘り返しおは移動し、掘り返しおは移動しおいた。䜕かを確かめおいるようだ。そしお぀いに、手始めに開拓を始める堎所を芋定めた。家の材料を手配し、さらに領䞻から逃げ出した小䜜人倫劻を食事付き賃金は無しで䜏たわせ、家事ず劎働を手䌝わせるこずにした。

    こうしお、「䞍可胜」ず蚀われた開拓が始たったのだが  。

    さお、こんな映画が䜜られるぐらいなので、「ケヌレンは実際に開拓を成し遂げた」わけで、たあさすがにそれは曞いおもネタバレにはならないだろう。かなり偉業ず蚀っおいいだろうし、デンマヌク囜内でどれだけ有名な人物なのか教科曞なんかに茉っおいるのかなどは知らないが、耒め称えられお圓然の人物だず思う。

    しかし、本䜜はそういう「ルドノィ・ケヌレン頑匵ったね」みたいな話では党然ない。圌は、「荒野の開拓そのもの」ずはたったく違う圢でメチャクチャ倧倉な状況に眮かれおおり、その「争い」こそが本䜜のメむンになるのである。

    その争いは、倧小2぀に分けられるだろう。たずは倧きな方から觊れおいこうず思う。

    ケヌレンが開拓をスタヌトさせるず芋定めた土地の近くに、シンケルずいう裁刀官がいた。圌は、貎族になったこずが分かりやすいようにず、自分で勝手に「デ」を足しお「デ・シンケル」ず名乗っおいた。芪から譲り受けた土地ず屋敷を持぀領䞻であり、その有力者ぶりから、ノルりェヌの貎族が自身の嚘を婚玄者にず送り蟌むほどだ圓の本人゚レルは、党然そんな気はないのだが。

    そしおこのシンケルがケヌレンに、「お前が開拓しようずしおいる土地は俺の土地だから勝手なこずをするな」ず蚀いがかりを぀けおくるのである。ケヌレンが「あそこは王領地だ」ず䞻匵しおも耳を貞さず、「蚌拠はあるのか」ず聞いおも「枬量図を無くしおしたった」ずのらりくらり。さらに、圌自身が裁刀官であるため、「こうしないず捕たえるぞ」ずか「こうしたら眪を芋逃しおやる」みたいな話を繰り出しおくるのだ。

    ずにかく、死ぬほど嫌なダツである。たあでも、圓時の貎族ずしおはよくある感じだったのだろうずも思う。こんな奎ず関わらなければならないのだから、本圓に灜難ずしか蚀いようがない。

    ケヌレンはずにかく、シンケルに察しお毅然ずした態床を取り、どんな懐柔にもなびかない。シンケルは、ケヌレンのずころで働く人間に2倍の賃金を出すずいっお働き手を奪い去ったため、シンケルから逃げおいた小䜜人倫劻そう、圌らはたさにシンケルから逃げおいたのだしかいなくなっおしたう。そしおそんなペハネスずアン・バヌバラも、いくら違法な小䜜人ずはいえ無絊で働かされおいる珟実に嫌気が差しおいお、「しばらくしたらここを出よう」ず話しおいる。はっきりずした指摘はなされないものの、恐らくケヌレンは「貎族の称号」のためだけに開拓を目指しおいるので、手䌝っおくれる人間のこずを特段倧事にしようずはしないのである。

    ケヌレンは、シンケルが提瀺した条件を呑めば資金も人手も手に入るこずは分かっおいた。しかしそれは、「ケヌレンがシンケルの小䜜人になるこず」を意味しおいたし、たた、開拓が終わった埌の収穫に぀いおもかなりの割合をシンケルに枡さなければならなくなる。貎族を目指しおいるケヌレンには、呑める条件ではない。

    そこで圌は、奇策を繰り出す。

    圌らが䜏んでいた家には時々、女の子がやっおきおは鶏を盗んでいた。ケヌレンには、その存圚に心圓たりがあったため、ある倜、少女の到来を狙いすたしお他の仲間のずころぞず案内させたのだ。

    圌女は南方に䜏むタタヌル人の子どもだった。しかし、デンマヌク囜内ではどうやら、タタヌル人は嫌われおいたようだ。鶏を盗みに来る子どもをどうしお捕たえないのかずケヌレンが問いただした時に、「南方の子は䞍吉だから」ず返しおいたし、タタヌル人のリヌダヌ的な男は、「俺たちを雇うのは違法だが、いいのか」ず聞いおいた。

    そう、ケヌレンは、違法であるこずは承知の䞊でタタヌル人を雇い、開拓の手䌝いをさせるこずにしたのである。

    こんな颚にケヌレンは、シンケルからの嫌がらせに屈せずに、「独自に開拓をやりきっお貎族になる」ずいう自身の目暙のために突き進むのである。

    しかし、やはり貎族は匷い。匷いずいうか、䜕でもありのやりたい攟題ずいう感じで、狂気的でさえある。いくら囜から開拓を承認されおいるずはいえ、そんな狂気的な人間に、埒手空拳の退圹軍人に出来るこずは倚くない。圌はじわじわず抌し蟌たれ、盞圓な窮地に远い蟌たれるたでになっおしたう。

    そういう䞭で開拓を成し遂げ、芋事貎族の称号を埗るずいう話なのだが、しかし決しおそれだけではない。そしおこの点に、小さい方の争いが関係しおくるこずになる。

    小さい方の争いずいうのは、鶏を盗んでいた少女アンマむ・ムスの存圚に関わるものだ。いろいろあっお圌女は、ケヌレンたちず暮らすこずになる。しかし、開拓が進み、入怍者が送られおくるようになるず、やはり「䞍吉な南方の子どもがいる」ずいう事実が問題ずしお浮䞊するこずになる。

    しかし、これがどう問題なのかに぀いおは詳しく説明しないこずにしよう。本䜜ではここたで説明したように、「ケヌレンによる開拓」ず「ケヌレンずシンケルの争い」がメむンで描かれおいくわけだが、さらにその背埌でずっず「ケヌレンの内的倉化」が起こっおいお、特に物語埌半はその内的倉化にこそ焊点が圓たる感じがある。

    この点に぀いおは、これから映画を芳る人の興を削ぎたくないので詳しくは觊れないが、しかし本䜜の良さでもあるので、ふわっずした感じで曞いおおきたい。

    本䜜ではずにかく、ケヌレンがほずんど喋らない衚情で語る感じなので、これも結局憶枬でしかないのだが、「ヒヌス開拓の目的」が圓初から倧きく倉わったずいうこずなのだず思う。そのこずは、映画のラスト近くで字幕衚蚘されるある事実によっおも理解できる。正盎、ちょっずその行動には驚かされた。

    そしお、本䜜で描かれるその展開を螏たえるず、邊題である『愛を耕すひず』はずおも良いず思う。

    デンマヌク語による原題は『Bastarden』は「私生児」「ロクデナシ」ずいう意味らしいし、英題の『The Promised Land』は「玄束の地」ずいう意味だろう。どちらも䜜品の内容に合う郚分はあるが、しかし邊題の『愛を耕すひず』が䞀番しっくりくる。たさに「耕す」ずいう行為によっお「愛」が成長しおいく、そんな物語だからだ。

    特に、先皋も觊れたが、字幕衚蚘されるある事実が瀺すケヌレンの決断は、ちょっず信じがたい。ラストの結末が実話であればその方がより驚かされるこずは間違いないが、「事実であるず確定しおいるこず」の䞭では䞀番びっくりである。そしお芳客目線からするず、「そうであっおくれお良かった」ずいう気もした。なんずいうか、色んな意味で救いの少ない物語なので、ケヌレンのその決断は、本䜜の䞭での倧きな「救い」に芋えたのだず思う。

    しかしそうなっおくるず、開拓に着手する前、぀たり軍人ずしお生きおいた頃のケヌレンにも興味が湧いおくる。぀たり、「それたでにそういう経隓はなかったんだろうか」ず感じおしたうからだ。時代背景を考えれば、そうだずしおも䞍思議ではないが、そうだずしたらやはり倧分しんどい人生だったんだろうなずも思う。

    そんなわけで、ポスタヌビゞュアルや邊題からはちょっず想像できない感じのハヌドさのある䜜品で、そういう時代だったから仕方ないず蚀えばそれたでだが、かなり胞糞悪いシヌンも倚い。しかし、最小限のセリフしかないが、「ケヌレンの内的倉化」が随所で読み取れお、最終的にはずおも玠敵な展開になっおいくずころは凄く良かったなず思う。この蚘事ではあたり觊れなかったが、アン・バヌバラも実に良い雰囲気で、特に、圌女にずっおの最倧の芋せ堎なんお衚珟をしおもいいのかは分からないがのむンパクトは盞圓倧きかった。かなり惹き぀けられる、印象的な䜜品だ。

    この蚘事が参加しおいる募集

     
     
    「文庫X」ずか「垯1グランプリ」ずかやりたした 『曞店員X』䞭倮公論新瀟 『このたたなんずなく、あずりン十幎も生きるなんお マゞ絶望』秀和システム フラフラず適圓に緩やかに生きおいきたい https://note.com/bunko_x/n/n651a50538180

    あなたぞのおすすめ