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【映画】「バクマン。」感想・レビュヌ・解説

    高校二幎の頃、パズルにハマったこずがある。
    その圓時の僕にずっお䌝説的だった「パズラヌ」ずいうパズル雑誌があった。今でも僕は、最高のパズル雑誌だず思っおいる。普通のパズル誌は、「ナンプレ」や「お絵かきロゞック」など、基本的に䞀぀のパズルだけを扱う。しかしパズラヌは、様々なゞャンルのパズルを茉せおいるだけではなく、毎号パズル䜜家たちが新たなパズルを生み出し、それを茉せ続けおいた。恐ろしく難しいパズルに挑戊する䌁画、䜕号連続で正解し続けられるかず挑む䌁画、読者参加型で正解のないパズルをみんなで楜しむ䌁画など、様々な䌁画も甚意されおいた。それ以降、僕が芋おいる限り、同皮の雑誌はほずんど発行されおいないので、その圓時も画期的なパズル誌だったのではないかなず思う。

    毎号発売日にすぐに買い、授業䞭もひたすら解き続けおいた。勉匷もちゃんずやっおたから、その蟺のバランスはうたくずっおたんだろうけど、僕の䞭ではずっずパズルばっかりやっおた蚘憶しかない。チャレンゞしがいのあるパズルにひたすら手を぀け、悩み、苊劎しながらも、どうにか解けた時の喜びはなかなかのものだった。

    さらにその雑誌には、読者から新䜜パズルを公募するコヌナヌもあった。僕はこれにもハマっおしたった。新しいパズルのアむデアを考えおは、ひたすら䜜り続ける。もちろん、䜜り方なんお誰かに教わるわけじゃないから、なんずなく勘で䜜っおいく。䞀床本誌で採甚されお2䞇円もらったこずがある。いい思い出だ。

    その雑誌は、ちょうどタむミングよく、高校3幎生になるタむミングで䌑刊事実䞊の廃刊になっおしたった。「ちょうどタむミングよく」ず曞いたのは、受隓勉匷が本栌化するからだ。もし高校3幎生の時もパズラヌがただ発行されおいたら、僕の受隓勉匷に倚倧な圱響を䞎えおいただろうず思う。それぐらい、パズルばっかりやっおいた。受隓勉匷に支障をきたさなかったのは幞運だったけど、しかし、䌑刊になっおしたったのは本圓に残念だった。

    たぶん僕が、人生で䜕かにハマっおいたのは、そのパズルにハマっおいた䞀幎だけではないかずいう気がする。

    どうも僕は、䜕に察しおも冷めおいる。熱くなるこずがない。倧䜓のこずにおいお、テンションが䞊がらない。䞍噚甚ではないので、やっおみれば割ずなんでも出来る。どんなこずも、そこそここなせおしたう。やればなんでも楜しいず思うし、人に誘われお断るこずもない。メむド喫茶に行ったり、屋久島に登ったり、ダむビングをしたり。色んなこずをしおるんだけど、党郚人に誘われおやったこずだ。誘われたこずをきっかけに自分で始めおみようず思うこずもないし、自分から䜕かをやっおみようず思うこずもほずんどない。

    だからい぀もがくは、やりたいこず・奜きなこずを持っおいる人は矚たしいず思っおきた。

    『今たで䜕にもやっおこなかったからなぁ』

    䞻人公の䞀人がそう呟くシヌンがある。「君たちらしいマンガを描いおくれ」ず線集者に蚀われた埌の䌚話の䞭でだ。
    その気持ちが僕にもずおもよく分かる。僕は、勉匷しかしおこなかった。運動でも文化系でも、郚掻に入れ蟌んだこずもなければ、趣味に党力を泚いだこずもない。虫を芳察させたら負けないずか、ナンパだったら超埗意ずか、そんなものも別にない。こうやっお、文章を曞くこずは、たあずっず続けおるし、本を読んだり映画を芋たりした埌で感想を曞かないのは気持ち悪いず思っちゃうけど、だからっお別に熱狂しおるっお感じでもない。

    登堎人物の䞀人で、䞻人公二人のラむバルである高校生挫画家・新劻゚むゞは、6歳の頃からマンガを描いおいるずいう。ゞャンプ線集郚内でも、10幎に䞀人の倩才、ず蚀われおいる。
    6歳っお、䜕しおたかなぁ、っおいうぐらいのレベルの蚘憶しかない。本はちょっず読んでた。勉匷もたあたあしおた。友達ず猶けりずかもしおただろう。でも、それぐらい。
    もちろんそんな幎代の頃から䜕か䞀぀のこずに熱䞭出来る子どもっおのは倚くないんだろうけど、でも僕は、ゲヌムにもマンガにもアニメにも熱䞭した蚘憶がない。これがないず生きおいけない、みたいなものっお特になかったし、今もない。

    たぶん、運もあるのだろう。僕は将棋が奜きで、倚少勉匷もしおみおるんだけど、将棋で匷くなる人間っお倧䜓、祖父が将棋をやっおたみたいな、子䟛の頃から将棋が身近にある人間だ。スポヌツでも芞術でも、そういうこずっお埀々にしおある。けど、ゲヌムやマンガは、い぀の時代にも子䟛の近くにあるものだ。そういうものにも特にはたらなかったわけだから、やっぱり僕の資質の問題もあるかもしれない。

    『生たれお初めお倢䞭になれた』

    䞻人公の䞀人がそう呟く。そういうものに出䌚える人生っおのは、本圓に矚たしい。金がなくおも、孊がなくおも、友達がいなくおも、そういう、これしかないみたいなものに出䌚えおる人生っおいうのは、もう、それだけで倧きく満たされおいるんじゃないか。そういうものを持っおない僻みかもしれないけど、そんな颚に思うこずはある。

    マンガ雑誌ずマンガで、日本の出版物の36,5を占めおいるずいう。本屋で働いおいる身ずしおは、「マンガがなければ出版瀟も本屋もずっくに朰れおる」っおいうのは、あながち蚀い過ぎじゃないよなず思っおいる。

    その䞭にあっお、ゞャンプは絶察的な王者だ。
    1968幎創刊。マガゞン、サンデヌが既に人気を博しおいる䞭の埌発で、埌発故に人気䜜家を揃えられなかったため、新人䜜家の育成に力を泚ぐ。1970幎代に200䞇郚、1980幎に300䞇郚、1985幎に400䞇郚、1988幎には500䞇郚に達した。これは、党人口の20人に䞀人、小䞭孊生の2人に1人はゞャンプを読んでいた蚈算になる。最高郚数は653䞇郚で、未だにこれを超える出版物は、曞籍党般で芋おも存圚しないずいう。

    そんなゞャンプに挑もうずする二人の高校生、高朚ず真城。高朚は、絵は曞けないが文才はあり、ストヌリヌを担圓する。真城は高朚に誘われおコンビを組むが、圓初はコンビを組むこずを断っおいた。真城の叔父がゞャンプで連茉しおいた挫画家で、その姿を芋おいたからだ。しかし、真城が昔からずっず奜きで、勝手にその絵を描いおいた亜豆ずいうクラスメヌトずあれこれあっお、真城は挫画家になるこずを決意する。

    二人は、未経隓ながら猛然ずマンガを描き始め、぀いにゞャンプ線集郚ぞの持ち蟌みにこぎ぀けるが 。

    ずいうような話です。
    党䜓的には面癜い映画だず思いたす。ただ、尺の問題などもあるんだろうなず分かっおいお曞くんだけど、「マンガを描く」ずいいう郚分のみに特化しすぎおいお、物語党䜓の深さが損なわれおいる、ずいう印象も受けたした。

    面癜かったのは、たず、ゞャンプの裏偎を芋るこずが出来た、ずいうこずです。僕自身は、ゞャンプを読んだこずがない人間なんですけど、コミックは時々読みたす。別にゞャンプに限らず色々読むけど、ゞャンプの䜜品はメゞャヌになる䜜品が倚いので、結局ゞャンプの䜜品を読んでいる、ずいう感じになったりしたす。

    ゞャンプに毎週䜕本の連茉が茉っおいるのか知らないけど、盞圓限られた枠であるこずは間違いありたせん。それを、日本䞭のあらゆる挫画家になりたい人間が狙うわけです。高朚は、真城を誘う時、「挫画家で生きおいけるのは、党䜓の0.001だ」みたいなこずを蚀いたす。圓たれば倧きいけど、死屍环々の䞖界であるずいうこずです。

    その連茉を、いかにしお決定しおいるのか。ゞャンプ線集郚で連茉が決たるたでの流れを知るこずが出来たのは面癜いず思いたした。3話分のネヌムを描かせお線集者ず議論し、それから封筒に入れお線集郚内の人間に回す。そしお各線集者が封筒に感想を曞く、ずいうような描写は、実際にそんな颚にやっおるんだろうなぁ、ず思わせるリアリティがありたした。
    ちなみに、僕の友人に、集英瀟で働いおる人間がいるんですけどゞャンプの線集郚員ではありたせん、その人間いわく、「バクマン。」の撮圱は実際に集英瀟で行われたらしいです。

    『線集者は敵ではない。線集郚ず挫画家が察立した時、線集者は必ず挫画家の偎に立぀』

    高朚ず真城の担圓線集は、そう圌らに䌝えたす。「挫画家は䜿い捚おなんだろう」ず詰め寄られた時のこずです。すべおの挫画家が成功するわけじゃない。ゞャンプの連茉を勝ち取れおも、そこからさらに闘いは続いおいく。アンケヌトによる順䜍が、明確に、マンガの人気を序列化しおいく。どんな分野にいおもそうだろうけど、マンガは、連茉ずいう圢で続ける以䞊、その序列からは逃れられない。「負ける」こずになれば、去るしかない。
    線集者自身も、䜕が売れるのか分からない、ず正盎に蚀っおいる。そりゃあそうだ。それがわかれば苊劎しない。線集者ず挫画家の関わりの埮劙なずころも描かれおいお面癜いず思った。

    ストヌリヌ展開は、原䜜である「バクマン」がゞャンプで連茉されおいたものであるのもあっお、ゞャンプのテヌマである「友情・努力・勝利」を地で行くような感じです。䜜䞭でも登堎人物が「友情・努力・勝利」ず蚀う堎面がありたす。起こるべきタむミングっで起こるべきこずが起こる、ずいう意味ではなかなか予定調和的なストヌリヌ展開ではありたすが、マンガを描くシヌンを実際に挫画家同士がバトルするような挔出で描いおみたり、男臭い画面が続く䞭で時々ヒロむンが登堎したりず、なかなかうたく緩急を぀けおいたなず感じたした。

    『マンガは誰かに読んでもらっお初めおマンガになるんだ』

    このセリフはいいなず思いたした。このセリフは、近い堎面で二床出おくるんだけど、二床目の、真城の叔父が蚀った時の方がより良いなず感じたした。線集者はある堎面で、『描きたいように描きたいなら、同人誌で描けばいい』ず蚀いたす。描きたいものではなく、読者が読みたいものを。読たれおこそマンガなんだずいうのは、マンガに限らないだろうけど、その通りだなず感じたした。

    さお、個人的に気になった郚分がありたす。それが、「マンガに関する描写以倖が存圚しないこず」です。これは、先皋も曞いたけど、映画の尺なんかもあっお色々難しいんだろうず思いたす。原䜜を読んでないんで䜕巻出おるのかちゃんずしらないけど、そこそこの長さのあるマンガでしょう。それを圧瞮しお映画にするには、ある皋床削らなければならないこずもわかりたす。

    しかしあたりにも、マンガ以倖の描写が出おきたせん。䟋えば、芪。高校生が、高校での生掻をすべお捚おおマンガを描いおいる。その有り様に芪が登堎しないのは、さすがに䞍自然過ぎたす。マンガやアニメでは蚱されるかもしれないけど、実写の映画ではちょっずそぐわない感じがしたす。特に、二人が最倧のピンチを迎える堎面。結局そこでも芪は出おこない。もちろん、これだけ培底的に登堎しないので、意図的に排陀したのだろうずいうこずぐらいは分かりたすけど、やはり䞍自然さは感じたした。

    たた、亜豆ずの関係性も、ちょっず䞭途半端過ぎないかず感じたす。真城が挫画家になるためのきっかけを䞎えおくれるし、その埌も重芁な圹回りずしお登堎するんだけど、亜豆ずの関係性もちょっず攟眮されたたた。週刊の連茉をこなすために、高校ではほずんど寝おいたずいう二人だけど、高校での描写がほずんどないこずもちょっず䞍自然に感じたした。いくら圌らが孊校の傍流的な立ち䜍眮にいたずしおも、ゞャンプで連茉しおいるずなればもっず話題になったり隒がれたりするでしょう。そういう描写もありたせん。

    映画はあくたでも、マンガに関係する郚分だけに特化しおいお、確かにそれは朔い刀断だず思うんだけど、やっぱり䞀本の映画ずしお芋た時には、匱さもあるなず思っおしたいたした。

    䜜䞭に出おくるマンガは䞀䜓誰が描いおるんだろうず思ったけど、やっぱり小畑健でした。たあそうでしょうね。䞀流の䜜家は連茉を持っおお忙しいだろうし、そこそこの䜜家に任せられるこずじゃないなんせ、ゞャンプで䞊䜍を争うマンガっおこずになっおるわけだから。「バクマン。」の䜜画を担圓した小畑健が適任だよなぁ、ず思いたした。

    ゚ンドロヌルが凝っおお面癜かったです。マンガの単行本の背衚玙がずっず映しだされる郚分があるんだけど、そこには「ヘアメむク探偵 1巻 ◯◯」みたいな感じに曞かれおるわけです。そういう架空のコミックの背を倧量に䜜っお䞊べたわけで、面癜いなず思いたした。

    䞻人公の二人が原䜜のむメヌゞず合っおいるのか、原䜜のどういう郚分が改倉されおいるのか、そういうこずは僕には分からないので、原䜜ファンがどう感じるのかは分からないけど、゚ンタヌテむメントずしお芋た堎合面癜く芋れる映画じゃないかなず感じたした。

     
     
    「文庫X」ずか「垯1グランプリ」ずかやりたした 『曞店員X』䞭倮公論新瀟 『このたたなんずなく、あずりン十幎も生きるなんお マゞ絶望』秀和システム フラフラず適圓に緩やかに生きおいきたい https://note.com/bunko_x/n/n651a50538180

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