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Photo bybatayan_graphic

シリヌズ“ある男”⑊ 地図にない囜から来た友人


    僕は友達は少ないほうだけど䞀応それなりには盞手を遞ぶ。

    最近になっお、ひずり、友人ず呌べる人ができた。䌚瀟の同僚だ。

    圌は職堎ではずおも浮いおいお、芋たこずもない文化的䜜法をする。

    髪の毛も姿勢もぎっちりず匕いたみたいに真っ盎ぐで、シワひず぀ないスヌツをい぀も着おいる。

    さらっず「地図にない囜から来た」ず蚀うタむプで、しかも金をしこたた持っおいる。

    逆にコネ入瀟じゃない感じが倧物を予感させもする。

    圌に぀いお口さがない人たちは色々な噂を立おたりもした。

    お互いの友達がいない理由が党く重ならない点が圌は気に入ったらしく、たた僕のほうも興味本䜍からちょくちょく付き合うようになった。

    浪費癖があり金欠気味の僕は、い぀も圌にご銳走になりながら圌の話を聞いた。

    圌はナむフずフォヌクをずおも噚甚に䜿った。

    蚀われたこずがある人ならわかるず思うけど、「実家が地図に茉っおない囜にある」なんお蚀うや぀は倧抵やばいや぀だ。

    日垞に飜き飜きしお、詩的な䞖界にふらふら生きおる僕みたいなクズくらいしか圌の話を真剣に聞かないだろう。

    玙゚プロンで口をふきふきしながら僕は空頷きを繰り返す。

    絊料日たでの分を食い溜めしなければならないのだ。


    印象的だったのは圌はそれが「どこにある囜だったかわからなくなっおしたった」ず蚀ったこずだ。

    深刻な悩みみたいだ。

    そのわりには日本語が䞊手いね、なんおもちろん犁句だ。圌のご機嫌を損ねおしたえば僕はおたんた食い䞊げなのだ。

    僕「じゃあ、誰ずも連絡を取っおないの」

    友人「うん、気づいたら䌚瀟で働いおたからね」

    蟻耄ずいう蚀葉を知っおいるのだろうか。

    完党なるやばいや぀だ。

    でも僕は倉わり者ずいるほうが気楜なタむプの人間なので、あんたり気にしない。

    「ずにかく手䌝うよ僕も。君の祖囜探しをさ」

    ただメシ、ただ酒に、そしお圌の祖囜に也杯🍻

    気安く蚀った぀もりだったけど、

    それから毎週䌑みの日は友人ず地図にない囜を探したわるはめになっおしたった。

    もし芋぀かったらやっぱり垰囜しおしたうんだろうか  。

    僕的にはずっずわからないたた日本にいおご銳走しおくれればいいのに、ずかも思ったけど、圌の気持ちを考えたらそうも蚀えないので、芪身に接する。

    僕「地図にない囜なんおあるのかいほんずに」

    地図バンされおるずか  、もしくぱリア51的な感じの地域なのか  。

    友人「だっお地図は人が䜜ったものだろ」

    僕「たあ、そうだね」

    友人「足りないものを䜜るのが人間じゃないか」

    なるほどね。

    なんか倧袈裟な展開だけど、䜕カ囜か行けば圌の気も収たるだろうず楜芳しおいた。

    それにタダで海倖旅行に行けるなんおラッキヌだ。

    断っおおくが僕はもちろん奇特な人間ではない。でも他人の幞せを喜べる自分を確認したい気持ちくらいはあるのだ。

    友人の幞せを願っおやたない。本心からそう思うのである。


    䜕ヶ月もかけお地球の隅々たで行った。

    しかしながら、そのどの堎所に立っおも、友人は悲しげに銖を暪に振った。

    数孊の難問で有名な巡回セヌルマン問題をぢでいったかたちだ。

    そこたできおようやく友人はわかったらしかった。

    ──はっきりず。

    圌ずいう人間は、地図を、いや、この星の準則ずいう意味での地図を䜜る偎の人間だったのだ。

    もうあずは行ける堎所は䞀぀しかなかった。

    有絊䌑暇をずっお宇宙に䞀緒に行った。

    軌道䞊のデブリに腰掛けお2人で地球を芋䞋ろした。


    “宇宙から芋た地球に囜境線がなかった”なんおのは嘘だった。


    なぜなら圌が宇宙からそれを匕いおいたんだから  。

    ひず䌑みした圌は思い出したようにその仕事を始めた。

    「䞖襲だから仕方ないのだ」ず圌。

    【囜境線が実際に目に芋えないから人間はその線を匕きたがる。だから事前に匕いずいおあげるのだ】ずいうのがその仕事の理念らしい。

    にしおも、なんお広倧に地味な䜜業なんだ  。

    目の前でどんどん囜境線がくっきりず匕かれおいく。

    地政孊的にあいたいになりかけおるずころもしっかりず匕き盎しお  。

    そういえばプルヌストが曞いおた。『真の発芋の旅は新たな颚景を捜すこずではなく、新たな芖点を獲埗するこずにある』ず。

    たったく同感だ。

    「そのうちくっきり地䞊でも芋えるよ、この線が」ず友人は額の汗を拭いながら蚀った。

    「それで争いは無くなるのかい」ず僕は抑揚なく聞いた。

    「さあ、でも少なくずも争う理由を芋぀けるたでの時間皌ぎにはなるだろ」

    「なるほどね」

    なるほどね。

    僕も圌も心から平和を望んでやたない。

    「ねえ、火星に矎味しいパスタを出す店があるんだ」

    「そういえば腹ペコだった」

    「ワむンもいけるよ」

    「そい぀はいいね」

    どうやら宇宙でもただメシにあり぀けそうだ。




                          終

     
     
    きほん、人芋知りなネコです。音楜を聎き流すように読み流せる短線小説を目指しおたす。あず倧人小説ず少幎小説を行ったり来たりしたす。よろしくお願いしたす。

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