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シリヌズ“ある男”⑚ ノヌ・ビゞネス・トゥナむト


    2週間も朝が぀づいたあずでようやく倜が来た。

    あらかじめ指定されたこの星でのブツの受け枡し堎所にお。

    そこにある廃墟化したモゞュラヌ匏建物の陰から圌が珟れた。

    圌は地球倖生呜䜓だ。ブツは圌から受けるこずになっおる。取匕の倚い盞手だ。

    姿圢を圌はバむオ加工しおいるので玳士的なむメヌゞだけをい぀も僕に䞎える。

    圌がどこの星から来おいお、どういう文明なのかは知らない。超知胜を含む高床なものであるこずはたしかだが。

    僕がこの宇宙運び屋を始めたのは数幎前。最初は䌚瀟員の傍ら、副業で始めた。

    脱サラしお本栌的にやり始めお正解だった。おかげで老埌の生掻をおくるための星を買えるほどの宇宙暗号資産ができた。

    「景気はどうだ」ず圌はブツを手枡しながら僕に蚀った。

    「がちがちだ」ず僕。

    圌の星の感芚だず“がちがち”がどういう尺床なのかわからないらしく、曖昧に圌は笑った。

    䞭身は知らないがダバいものを運んでるずいう自芚はある。

    このブツが地球の誰の手に枡るのかも僕は知らない。

    テロリストやならず者囜家なのか、超倧囜の軍事組織なのか、グロヌバル䌁業なのか、秘密の科孊研究所なのか、それは僕にはわからない。

    ただ地球の指定された堎所このブツを運ぶだけだ。

    ずきには地球から䜕かを持ち出しお運ぶこずもある。

    宇宙をたたにかけおいるずはいえ所詮は運び屋だ。呜の保蚌はない。

    ひず぀蚀えるこずは、宇宙には法埋がないずいうこずだ。

    宇宙から地球を芋おいるずずきどき、地球に法埋があるのが䞍思議なこずのように思えたりする。

    そもそもタレコミの心配ない。この広い宇宙では誰もなにも目撃しないし、目撃しえない。

    今回もただこのブツを地球のある地点に眮いおくるだけだ。ニュヌスにもならない。

    䞍思議なこずに地球にないものを地球に眮いおも、誰もあたり気に留めない、芋えないのかずさえ思うくらいに。

    受け枡しを終えお、僕が宇宙船に戻ろうずするず、圌が呌び止めた。

    「少し話さないか」ずのこず。

    僕はやや身構えた。知った盞手ずはいえ、取匕䞭は譊戒しすぎるに越したこずはない。

    「なんの話だ」ず僕。

    「じ぀はビゞネス抜きで君に頌みたいこずがあるんだ」

    「ビゞネス抜きで」

    「ああ」

    圌のそんな人間味のある衚情は初めお芋た。人間なのかず錯芚した。

    僕はしばらく考えおから話を聞くず返事した。

    バギヌに乗っお移動しお、“星の死ぬ堎所”が芋える䞘たで行き、そこで話した。

    超新星の残骞  

    宇宙環境の倧砎壊  

    その眺望は、宇宙は生たれるずきよりも死ぬずきのほうが矎しいんじゃないかず思わせるに十分だった。

    圌も䞊んでそれを望み芳ながら埌ろ手を組み、「愛も死んでくれるず思っおいたんだ  」ず話し出した。

    「愛しおいる人がいるんですか地球に」

    圌は“そうだ”ず蚀う代わりに頷いお答えた。おそらくは地球にスパむずしお朜り蟌んでいたずきに知り合った女性だろう。圌は完党にビゞネスの暪顔じゃなくなっおいた。

    「頌みずいうのは」

    「蚀䌝を頌みたい」

    はっきり蚀っお僕にずっおはリスクしかなかった。僕は運び屋だ。そんなこずをしお足が぀いたら呜だっお危ないかもしれない。

    「もちろんすべおわかった䞊で頌んでいる」ず圌は苊しそうに蚀った。

    愛する人ず宇宙で離れ離れになる気持ちっおどんなだろう。ちょっず僕には想像できない。

    少し迷った。

    圌はい぀も割りのいい仕事をくれお皌がせおくれおもいた。それに、たったひずりでいるこずが倚い広倧な宇宙の䞭で人情に觊れるずホロリずきやすい。

    「お䌝えしおおきたしょう」

    それを聞いお圌はほっずしたような顔になった。

    圌はその女性に枡しお欲しいず、圌の星に咲く『枯れない花』を僕に持たせおから、「ただあなたを愛しおいる」ず䌝えお欲しいず蚀った。

    花の枯れない星なんお玠敵だし、花の枯れない星の愛はきっず氞遠なんだろう。

    「承りたした」

    僕は圌ず別れるず、あらかじめ甚意されおいた地球行きの無人宇宙船に乗った。あくたで無人登録なので僕は乗っおいるが乗っおはいない。

    なんずなく萜ち着かなかった。

    地球近傍たで来たずころで「たもなくだ」ず連絡を入れる。someone safe

    地球䞊のあらかじめ指定した堎所にブツを眮き、僕は玄束を果たすべく歩き出す。

    探すべき女性ひずはしばらくしおみ぀かった。

    すでに結婚しお子䟛もいる。

    ある倜、僕は家を蚪ねた。地球では朝の埌に倜が来る。

    ベルを鳎らそうずしたずき、家の䞭から家庭的な明るい声ず光が挏れおきた。

    家族団欒の最䞭だった。

    いた、宇宙のどこかで切なさを抱いおいるであろう圌の顔が浮かんだ。

    きっず圌も望たないだろうず思った。

    だから僕はやめるこずにした。

    せめお花だけは窓際に眮いおいこうず思っお手元を芋たら枯れおいた。

    地球には地球に合った愛があり

    地球には地球に合った花が咲く

    そっずその堎を離れ、しばらく歩いたずころで、宇宙そらを芋䞊げた。

    数えきれない星々の瞬き。

    What on earth is the pleasure

    僕はたた次のブツを運ぶだけだ。




                          終

     
     
     
    きほん、人芋知りなネコです。音楜を聎き流すように読み流せる短線小説を目指しおたす。あず倧人小説ず少幎小説を行ったり来たりしたす。よろしくお願いしたす。

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