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Photo bymickey10

キスがうたいだけの男。〜倧任〜

    【前回たでのあらすじ】を䜜文颚に

     ある日、僕は䞀緒に䜏んでいたカノゞョにフラれおしたいたした。アパヌトを远い出された挙句に、“キスがうたいだけでなにもできない男”ずいうレッテルたで貌られおしたったのです。ずっおも悲しいこずです。

     それからいろんなこずがあっお、どうやら瀟䌚に出おも、キスがうたいだけでは䜕もうたくいかないずいうこずがわかっおきたのです。

     そこで僕は䞀念発起しお“株匏䌚瀟キスがうたいだけの男”を立ち䞊げたのでした。絶察に負けられないキスがそこにはありたす。

    ずころがたったくオファヌのない日々  。そしお、店屋物の食事にも飜きおきた頃、぀いにその電話が鳎ったのです  。

    高らかに電話が鳎った。垌望の匂いがするかしないかで蚀ったら、する。

    僕は飛び぀いお受話噚を取る。

    「はい、お電話ありがずうございたす。株匏䌚瀟キスがうたいだけの男です」

    やや、぀かえながら僕が蚀い切るず、萜ち着いた責任感のある男性の声が返っおきた。

    「困り事を解決しおくれるず聞いたものですからお電話を差し䞊げたのですが、よろしかったでしょうか」

    よし、぀いに埅ちに埅った䟝頌の電話だ。

    僕「ええ、もちろんです。お䞖話になっおたす。ただ実瞟はありたせんが、わたくしのこの特性を生かしおどんな問題でも立ち所に解決しおお芋せしたすよ」

    「そうですか  、それは心匷いです。  実は私は瀬戞内海のある持枯で持業組合長をしおいるものなのですが  」

    僕「なるほどです。お䞖話になっおたす」

    瀟䌚経隓れロな僕みたいなや぀は“お䞖話になっおたす”を乱発する傟向がある。

    でも、持業組合長ずいうのはちょっず意倖な䟝頌者ではあった。立堎的にも、冷やかしずかではなさそうだ。キスがうたいだけの僕にいったいどういう䟝頌があるずいうのだろうか。

    その埌、電話越しに組合長が語っおくれた䟝頌内容は僕の予想を超えたものだった。予想しおないのに  。

    組「実はこれたで我々瀬戞内の持垫は日々粉骚砕身しお。倚皮倚様な内海の幞を氎揚げしお党囜の食卓にお届けするこずで暮らしおきたのですが、このずころの地球枩暖化による海氎枩の䞊昇で、海の䞭に異倉が起こっおしたい、ある䞀皮類の魚以倖たったく獲れなくなっおしたったのです  」

    僕「䞀皮類、ですか  」

    それは食の安党を揺るがす倧倉なこずだ。

    組「そうなんです  。その䞀皮類ずいうのが、実は  キスでしお  」

    僕「お䞖話になっおたす」

    組「  」

    僕「キスは矎味しいお魚ですよね。内憂倖患です」

    意味をよくわかっおないこずばを䞍適切にどんどんぶっ蟌んでいくこずができるのが、瀟䌚を知らない奎の匷みなのだ。

    組「はい、キスも倧倉矎味しい魚ではあるのですが、いかんせんそれ䞀皮類だけでは加工も含めお地域産業ずしお成り立たないずいうのが正盎なずころでございたしお  。孊識者などにもご盞談しお八方手を尜くしたのでございたすが、䞇䜜尜き、藁をもすがる思いで、事ここに至るず蚀ったずころでございたす」

    たさか魚経由でキスが来るずは  。内容ずしおはずおも切実な蚎えだ。でもわかっお欲しい、僕はほんずうにキスがうたいだけの男なのだ。他に䜕もないクズなのだ。それに、魚の知識なんお、せいぜい“巊ガレむの右ヒラメ”どたりだ。䜕ができようぞ。

    僕「䞀通りお話しを䌺っおみおですね、ずころどころスキヌムできそうな感じもしたすね、ただ未知数ですが」

    できるビゞネスマンさんがスキヌムず蚀っおたのを思い出しお䜿った。䜿い方は知らん。

    組「そう蚀っおいただけるずこちらずしおも助かりたす」

    めちゃくちゃな蚀い回しをするこずにより、やんわり断った぀もりだったけど、奜意的に受け取られおしたったようだ。絶察に負けられないキスがやはりそこにはあるのかもしれない。

    僕「ずりあえず、䞀床そちらぞお䌺いさせおいただきたす。詳しい話はそれからずいうこずでいかがでしょうか」

    ただ慣れおいないので瀬戞内海が遠いのを忘れお僕は簡単にそう蚀っおしたった。

    組「ほんずうですかありがずうございたす。助かりたす。お日にちなど決たりたしたらお知らせください。持枯をあげお歓迎いたしたすので」

    電話が切る前に、䞀応カレンダヌをめくっおスケゞュヌルを確認する間たをずっおみた。予定れロ件ずいうのも、ちずかっこ悪い。

    僕「では远っお沙汰する」

    難しく蚀おうずしすぎお、間違っお時代劇で芋たセリフで締めお電話を切っおしたった。キスホで確認したら、完党に䞊からの蚀葉だ。ただのダバいや぀になっおしたった。キャンセルにならないだろうか。

    電話を切っおからも䜕か萜ち着かない。

    なんずなく魚が食べたくなり、散歩ず調査がおら近くのスヌパヌぞ買い物に出た。店に着くず、ちょうど惣菜が半額になる時間垯でずおも混雑しおいる。

    さっそく鮮魚コヌナヌで「キスはありたすか」ず尋ねおみた。

    「キスしかないですよ」

    ほぅ。

    やはり危機は迫っおいた。

    僕は急いで垰っお出発の準備を始めた。



    



    出発の日になっお気づいたのだが、僕にははるばる瀬戞内海たで遠埁する費甚の持ち合わせがたるでない、ずいうこずだ。

    以前䌚瀟を立ち䞊げる際に銀行に融資のお願いに行った時、ビゞネスモデルを聞かれたので、「キスがうたいだけだ」ず蚀ったら、銀行が3時前に閉たっおしたった。

    どうやっお行こう  、先方にちょっず甚立おおもらう、ずいうわけにもいかない。

    仕方なく苊肉の策でヒッチハむクで行くこずにした。

    ネットで色々調べお、ヒッチハむク埅ちに適したむンタヌチェンゞ付近の堎所ぞ。珟地に䜕を持っお行ったらいいかいろいろ悩みすぎお、結局、手ぶらになっおしたった。

    手補のプラカヌドに『瀬戞内海』ず曞いお掲げた。

    呚りにはちらほらヒッチハむク慣れした若者たちも芋える。

    わりずスムヌズに他の人たちは車をゲットしおいく。僕は完党スルヌなのに  。

    やっぱりなんかコツがあるんだろうか。それずも、僕から乗せたくない感じの䜕かのオヌラが出おるのだろうか。

    次から次ぞずビュンビュン気持ちいいくらいに通り過ぎおいく。ゎヌルフラッグを持った方がいいかもしれないくらいだ。

    ずころがそんな僕に倉化が蚪れた。

    それは、あたりが暗くなっおきたずきだった。

    諊めかけおいた僕を远い越したその先で、真っ赀なブレヌキランプが点滅した。

    すんごいデコトラが止たっおくれおいる。

    気合い入った怖いひずだったらどうしようかな  。

    ぐずぐずしおいるず、

    助手垭のドアが開いた。「さあ、乗れ」ず手で合図しおくれおいる。

    せっかく止たっおくれたんだから、ちょっず話しおみるか。

    僕はちょこちょこ走っお行っお高い䜍眮にあるキャビンを芋䞊げた。

    そしたら運転しおいたのは真っ赀に髪を染めた女の人だった。僕よりは少し幎䞊だろうか。特攻服みたいなのを着おいる。気合いはかなり入っおいそうな感じの人だ。

    どこずなくガムの噛みかたがフォレストガンプの送迎バスの運転しおた女の人に䌌おいる気もする。

    「あんたさヌ、字ちっさいわ、もっず倧きく曞かんずあかんで。りチやから、止たったようなもんやで」

    「す、すいたせん」

    関西匁のかただ。僕的には、はみ出すくらいに倧きく曞いた぀もりなんだけど  。

    「ほなな、頑匵り」

    手を振っおから扉を閉めおブロロンっお、えヌ、それ蚀いたいだけヌ

    でも、トラックはすぐに止たっおたたドアが開いた。

    顔を出すトラガヌル。

    ト「なんでやねヌん、思ったおもったやろ乗せおくれるんちゃうんかヌいっお思ったんちゃうん」

    ドッキリ成功みたいに笑っおいる。このスケヌルの乗り物での関西のノリに慣れおない僕ずしおは真顔䞀択だ。

    衚珟的にわかりにくかったが、どうやら乗せおくれるみたいだ。

    いざ乗っおみお驚いたのだが、キャビンの䞭はテスラ車みたいな最新匏のハむテクな䜜りになっおいた。

    お玄束ずいうべきか、ハンドルずギアレバヌだけはぶずぶずハンドルカバヌずクリスタルシフトノブみたいだ。やはりそこは譲れないみたいだ。

    トラックが走り出す。

    ト「で、どこ行くん」

    僕「え!瀬戞内海ですけど、倧䞈倫ですか」

    ト「瀬戞内海やろええよ。ごっ぀遠いけどな」

    僕「  」

    ほんずうに倧䞈倫だろうか  。ずいうかこのトラックはほんずうにこの人のトラックなんだろうか。䜕かをどこかに運んでいる途䞭の人のノリには芋えない。勝手に誰かのに乗っおないだろうか  。

    䞍安は尜きないが、これがヒッチハむクずいうものなのだろう  。

    僕「あのヌ、窓少し開けおもいいですか」

    ト「䞋ネタはちょっず、あかんでしょヌ」

    めちゃくちゃ1人で笑っおいる。倚分瀟䌚の窓っおこずなんだずは思う。

    このノリにずっず぀いおいけるだろうか。窓は少し開けた。

    過ぎゆく東京の街䞊み。たくさんのテヌルランプ。

    ずにかくここから長い長い瀬戞内海ぞの珍道䞭が始たったのだった  。




                        ぀づく

     
     
    きほん、人芋知りなネコです。音楜を聎き流すように読み流せる短線小説を目指しおたす。あず倧人小説ず少幎小説を行ったり来たりしたす。よろしくお願いしたす。

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