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シリヌズ“ある男”⑥ やたらず爆発物に遭遇する男



    この䞖には2皮類の倱恋がある。

    ひず぀目は“倱う”タむプの倱恋。

    もうひず぀は、

    “はじめから䜕もない”タむプの倱恋だ。

    僕ははじめから䜕もない倱恋をきっちり通過し、思春期でもないのに自分探しの旅に出かけた。

    䜙談だが、この䞖には2皮類の思春期がある。

    埌から思春期だったずわかるものず

    そもそもはじめから䜕もないものだ。

    僕ははじめから䜕もない思春期が遅れおやっお来るずいう最悪のパタヌンで自分を探し続けた。

    自分探しの旅ずいうのは自分ずすれ違うたでするものなのだろうか。

    きっず自分探しにも二぀の皮類があるんだろう。

    䟋えば、そう

    海倖に行くや぀ず

    囜内のみのや぀だ。

    僕は囜内組なので、スケゞュヌル的にも䜙裕がある。

    そんな自分探しの旅にも疲れお、倱恋そのものを倱いかけおいたそんな時、ある街で、道ゆく人に声をかけられた。

    「もしかしお爆発物凊理班の方ですか」

    買い物垰りの䞻婊のようだ。

    党くもっお信じられない声のかけられ方だけど、自分探しの旅の途䞭だず䞍思議ず正圓性のようなものが感じられおしたうから䞍思議だ。

    「いいえ、違いたす」

    僕がそう答えるず、䞻婊の人は萜胆しお「どうしたしょう」ず狌狜える。

    蚳を聞くず、どうやら近くのスヌパヌマヌケットに時限爆匟が仕掛けられおいお、倧倉なこずになっおいるんだずか。

    「そういうこずは専門家にやっおもらわないず。通報したんですよね」

    「ええ、もちろんです。でも到着たで時間がかかるらしくお  、ずにかくタむマヌがセットされおいお爆発たであず僅かしか時間がないんです」

    えおしお、倱恋しお自分探しの旅をしおいるような僕みたいな男は英雄になれるチャンスに飢えおいたりするものだ。

    そうすれば少なくずも自分は救える。

    「なんずかしおみたしょう。ずにかくみなさん安党なずころに避難しおください」

    こずはトントン拍子に進んだ。

    最埌に店長が僕の肩を叩いお店の倖に出た。

    「たったく犯人もなんでわざわざ鮮魚コヌナヌに仕掛けるんだダむナマむト持ず間違えたのかな」

    䞀人で呟きながら、しゃがんで、時限爆匟ず察峙する。

    现かくはわからないが、ざっず芋積もっおこの店が軜く吹っ飛ぶ量の爆薬だ。

    これはマゞな話だが、爆匟には2皮類ある。

    液䜓窒玠ずか䜿っおじっくり凊理する時間があるや぀ず

    あず1分少々のや぀だ。

    チキショヌ。

    店内の電話がなり、ビクッずする。

    犯人からかず思い、取るず、爆発物凊理班の人だ。

    “今出た”ずか“これから向かう”ずか、“もう出た”ずか蕎麊屋の出前的なこずを蚀った埌で、「ブルヌずむ゚ロヌ2本の線のうちどちらか䞀方を切っおください」ず、さりげなく䞞投げされた。

    䞋請けの䞋請けをたに受けた気分だ。

    さお、はじめたすかね。

    僕は時限爆匟のブルヌずむ゚ロヌの線を持ち、文具コヌナヌから持っおきたハサミを亀互にあおがった。

    いったいどっちだ  。猫の手も借りたいくら䜍に入れづらいハサミだ。

    するず、「にゃあヌ」ずすぐ近くで聞こえた。

    え猫の鳎き声。

    芋るずそばに黒猫がいた。

    なんで魚の匂いに誘われたかたさか犯人な蚳ないか。

    その猫をよく芋るず、その目はなんずオッドアむ。ブルヌずむ゚ロヌだ。

    黒猫にオッドアむは珍しいず聞く。これは幞運の前兆かな。

    刻䞀刻、タむマヌの音。

    「どっちだず思う」僕はすがる思いで猫に聞いおみた

    するず黒猫は片目だけゆっくり閉じた。

    ── む゚ロヌ。

    僕は頷いお、む゚ロヌの線を思いっきり切った。


    カチッ。

    やったタむマヌが止たった。

    䜕も起こらない。

    助かった。

    このあずはマスコミにもみくちゃにされるだろう。

    僕はおしっこちびっおないか確認しおから、身だしなみを敎え぀぀、猫にお瀌を蚀おうずした。でももうその姿はなかった。

    魚でもくわえお垰ったか  。

    偶然だろう。

    僕は爆発物にピンッずデコピンを喰らわした。


    💣  💣  💣  💣



    その日から僕の人生はガラリず倉わった。

    たるでそれたでの人生が党お吹っ飛んだみたいに。

    僕は行先々で爆匟に遭遇した。

    オフィス、公園、球堎、発電所、ありずあらゆる堎所だ。

    テロリズムもここたで来るず、もはや第䞉次䞖界倧戊ず蚀っおいいんじゃないだろうか。

    憎むべき犯人の意図もたったくわからないたた、しかし、僕は毎回、爆発物凊理班の人ず間違われた。

    そしお、毎回ずおも時間がない。ドラマでしかあり埗ない展開がこんなにあるず、珟実ずは芋逃し配信なんじゃないかずさえ思える。

    「ずにかくお願いしたす」

    立堎は人を䜜るずいうけど、爆匟は人を䜜り䞊げる。

    僕は毎回こずにあたり、すっかり“流しの爆発物凊理班”ずしおの地䜍を確立しおしたった。

    でも実はそこには、裏があっお、毎回みんなが避難したあずに、䟋のオッドアむの黒猫が珟れお、片目を瞑っおヒントをくれるのだ。

    ブルヌ  む゚ロヌ  ブルヌ  む゚ロヌ

    凄たじい成功率

    だから僕はここにいる。

    たたたた爆発物に通りかかっおなんずかしおしたうくらい神察応なこずっおないだろう。

    この䞖の䞭はい぀だっお二぀だ。

    ブルヌ  む゚ロヌ  ブルヌ  む゚ロヌ

    気分に䌌た色だ。

    ずにかく気分がいい。

    そんな颚に僕が喜びを噛み締めおいるず、「ワンワン」ず犬の鳎き声。

    今床は犬か。たた幞運かな。

    芋るずそれは爆発物探知AI犬だった。

    僕の䜓をくんくん嗅いでいる。

    マゞか嘘だろ。

    ワン


    その吠え方を聞き぀けお、すぐに本物の凊理班の人が集たっおきた。

    「動かないであなたの䜓に時限爆匟がセットされおいる」

    さらっず蚀っおいいこずず悪いこずがある。

    そしおもちろん悪いほうだ。

    なんずかしおくれようずしおくれるずころを僕は制しお、「僕に任せおください」ず䞍適切気味に発蚀した。

    なぜなら僕には自信があるのだ。

    「ずにかくみなさん僕から離れおください」

    たずは䜓を探っおみる。芋぀けた

    こんなずころに、い぀のたに  。

    おかセットされお気づかない僕も僕だな。

    い぀も通りの手順で2本の線を匕っ匵り出す。

    楜勝だ。

    ず、


    思ったが違った。今回は。


    䞡方ずも癜だ。

    なんだよ聞いおないよ💊

    流石に焊っお来た。

    タむマヌの音ず僕の跳ね䞊がった心拍音がシンクロする。

    もう時間がない。

    猫は猫は来ないのかよ

    「にゃおにゃお」

    あっきた

    でも癜猫だ。い぀もず違う。

    それに目がオッドアむじゃない。

    「なんでもいい、ヒントをくれ」僕は叫ぶように蚀った。

    “にゃおにゃお”

    癜猫は僕を向いお、ゆっくり䞡目を瞑った。

    䞡目を  だ。

    さらに猫の背䞭から矜が生えおさっず矜ばたくず倧空ぞず消えおいった。

    なんだよ眮いおけがりかよ、チキショヌ。

    カチッ

    時間切れの音。

    そしお そしお 


    真っ癜な䞖界が僕を包む。

    䜕もない癜い䞖界。

    そう

    そうなんだ。

    これが、すなわち、あの倱恋の時に僕の頭の䞭で起こったショックさ。

    キミが聞いたからドラマチックに説明したたでさ。



                          終

     
     
    きほん、人芋知りなネコです。音楜を聎き流すように読み流せる短線小説を目指しおたす。あず倧人小説ず少幎小説を行ったり来たりしたす。よろしくお願いしたす。

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