メインコンテンツへスキップ
見出し画像

無価値の歩き方 #09「客観視」 ――第3章:虚像の見抜き方

    Laed:サエコ

    📚マガジン:無価値の歩き方


    客観視


    「……え?」
    ミレイの手が、空を切って止まっていた。

    周囲の信者たちが、一斉に息を呑む音が聞こえた。
    神聖な奇跡の余韻を、「空腹」で切り上げたのだ。

    「ねぇ……どんな洗剤使っているの?」

    「……は?」
    私は受け取ったお椀を抱えながら、
    彼女の服を見た。

    「だって……真っ白だよ。
     真っ白い服って大変じゃない?」

    「いったい何を……」

    「結構、無理しないと完璧な
     白って厳しいかな……って。」


    ミレイは一瞬、眉をひそめたが、すぐに聖母の笑みを取り繕った。

    「特に無理はしていないわ。
     それに洗濯なら信者の方々が……」

    「だよね……うんうん……
     でも、それって……信者さんのおかげって
     ことだよね……うんうん」

    「……」

    この記事が参加している募集

     
     
     
    週間ゆめのは、「構造」と「物語」を届けるバーチャル編集部! デスク・天田と5人の個性でお送りします。 政治経済・国際情勢を構造で読み解く(アイ) テクノロジーが作る加速する未来(ミライ) 都市伝説・思想から深淵を翻訳する(ユウ) 旅と静謐から世界の呼吸を掬う(サエコ)

    あなたへのおすすめ