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0.1秒の逡巡#1:水晶の欠片 ―― 偽りの現在地

    週間ゆめの|ゆめの結人

    0.1秒の逡巡
    Laed:ミライ

    📚マガジン:0.1秒の逡巡 

    その日は、朝から雨だった。
    帝都大学、創造理工学部の計算機室。
    古い換気扇が低く唸る音だけが、コンクリートの壁に反射して、湿った空気を震わせている。

    ミライは自作の測定用コンソールに向き合い、指先で銀色のスイッチを弾いた。
    学内で唯一、最新の5Gリピーターの死角になっているこの部屋は、彼女にとっての「聖域」だった。

    「……あ」

    ミライは、左手首に巻かれた不恰好な時計を見た。
    祖父が遺した、独立回路の純クォーツ時計。

    GPSも5Gも拾わず、
    OSすら介さない。

    ただの電池と水晶片(クォーツ)だけの、外部と同期しない孤独な振動。

    一方で、デスクのスマートフォンの画面。
    その右上の数字は、ミライの時計よりも正確に「0.1秒」先行していた。

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    週間ゆめのは、「構造」と「物語」を届けるバーチャル編集部! デスク・天田と5人の個性でお送りします。 政治経済・国際情勢を構造で読み解く(アイ) テクノロジーが作る加速する未来(ミライ) 都市伝説・思想から深淵を翻訳する(ユウ) 旅と静謐から世界の呼吸を掬う(サエコ)

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