ラストダンス――ささやかな欲求:革命の歴史 Vol.0
MC:アイ × ユウ
始めたときは、歴史を振り返る番組だった。
気づけば、歴史の向こうにいる人間ばかり見ていた。
45本目のあと
ユウ:
終わるんですね、「革命の歴史」。
アイ:
そうね。
ユウ:
……もう少し惜しんでもらっていいですか。
アイ:
惜しんでるわよ。ただ、45本あるのよね。
ユウ:
数字にすると急に疲れますね。
アイ:
だから終わるんじゃない?
ユウ:
いきなり核心を突かないでください。
最初の記事は、2025年9月の「学生運動って何だったの?」だった。
ユウ:
読み返しました?
アイ:
もちろん。「今日の記事では、3つのことを一緒に見ていきましょう」。
ユウ:
やめてください。
アイ:
「第1章、若者の不満と『体制』への怒り」。
ユウ:
先生。
アイ:
何?
ユウ:
昔の私たち、ものすごく授業してます。
アイ:
今も真面目にやってるでしょう。
ユウ:
真面目の種類が違います。
当時は、学生運動という過去を知り、SNS時代の声の上げ方と比べ、最後には政治参加やAIまで考えていた。「歴史を振り返りながら、現代に照らし合わせて、今できることを考える」。シリーズを始めた理由も、かなり正面から書いてある。
アイ:
若かったのね。
ユウ:
半年も経ってません。
アイ:
記事の年齢よ。
ユウ:
便利ですね、その言い方。
でも、少しずつ見ているものは変わっていった。
Vol.8では、時計や手帳を「便利な道具」としてではなく、社会が人間の時間を揃え、その管理を本人にまで引き受けさせた仕組みとして見た。外から鳴っていた時計の音が、いつの間にか自分の頭の中で鳴るようになる。
ユウ:
あの記事を書いてから、予定が埋まってない日に若干の罪悪感を覚えるようになりました。
アイ:
記事の効果としては最悪ね。
ユウ:
Googleカレンダーを開いて、自分で自分を監視してます。
アイ:
革命は身近ね。
さらにVol.12では、とうとう枕元まで来た。
電球、工場、睡眠時間、スマートウォッチ。眠ることまで「正しく」しようとする社会を辿った末に、ユウは「誰にも暴かれない夜がほしい」と言った。歴史の話だったはずが、最後には一人の人間の寝室へ戻っていた。
ユウ:
この頃からですかね。
アイ:
何が?
ユウ:
「何が発明されたか」より、「それで人間がどうなったか」を見るようになったの。
アイ:
たぶん、もっと前からあった。でも、はっきりしたのはその辺りね。
魔女を焼き、国をパッケージする
そしてVol.14。
ユウ:
……これは触れます?
アイ:
触れない理由がある?
ユウ:
今読むと、かなり飛ばしてますよ。
ここから先は
この記事が参加している募集
少しでも”考えるきっかけ”になる記事を投稿していきます。気に入って頂けましたら応援よろしくお願いします。
