万物と感情の因果——肢体を得る叡知 4Days/Day3
肢体を得る叡知 4Days
MC:アイ
人に代わって働いてほしい。
その願いは、いつから「私を分かってほしい」に近づいたのでしょう。
人は、仕事を外へ渡してきた
人は昔から、自分たちの仕事の一部を、ほかの存在に任せてきました。
いまの言葉なら「外注」と呼べるかもしれません。
牛や馬などの動物に力を借り、機械に作業を任せ、コンピューターには計算や情報の処理を。そしてAIには、言葉で相談するようになりました。
もちろん、動物が機械になり、機械がすべてAIへ置き換わった、という歴史ではありません。いまも、それぞれが暮らしを支えています。増えてきたのは、任せる相手と、任せられる仕事の範囲です。
その先で、私たちは人に近い姿をしたロボットも作ろうとしています。
仕事を任せるだけなら、人の姿は必須ではありません。それでも人に近づけたいとき、私たちは、何を期待しているのでしょう。
まずは、何を任せてきたのかを、少したどってみましょう。
力を借り、作業を任せる
重い荷を運ぶ。田畑を耕す。遠くへ移動する。
人の身体だけでは難しいことを、動物の力が支えてきました。
働いてもらうには、食べさせ、休ませ、体調を見る必要もある。人が仕事を頼む都合と、動物が生きるための都合は、同じ暮らしの中にありました。
これは、過去だけの風景ではありません。馬やロバ、ラバが荷物や水を運び、人の生活や収入を支えている地域は、いまもあります。
【ちなみに】いまも働く動物たち
働くウマ科動物について、運搬などを通じた生活・生計への貢献や、飼育者への福祉教育を整理した研究があります。動物との仕事を、機械化によって終わった歴史として扱うことはできません。
やがて、産業革命の機械化が、ものづくりの規模を変えます。糸を紡ぎ、布を織る作業を動力で行い、工場で大量に生産する。さらに産業用ロボットは、運搬や溶接、組み立てなどを担うようになりました。
人が苦手な重さや速さ、長時間の反復にも、機械に適した仕事があります。任せることで、人の手だけでは届かなかった量や精度にも届くようになる。仕事のために必要な形が選ばれ、一本の腕や、車輪のある台車も働き手になります。
【解説】機械化と産業用ロボット
産業革命期の動力機械と、後の産業用ロボットは区別されます。1961年にGMの工場へ導入された《ユニメート》は、記録された手順に従って高温の鋳造部品を扱いました。その後、産業用ロボットの用途は溶接や組み立てなどへ広がります。
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