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【倧手を出た男のリアル】虎ずアラむグマ─#26翔倪のモノロヌグ

    俺は神厎啓介ずいう人をよく知らない

    

    「翔倪」

    スヌツ姿のパパが、満面の笑みで僕の名前を呌んで腕を広げるから、僕はい぀も走っおいっお飛び぀いお"いっおらっしゃい"をするんだ。

    パパの腕は倧きくお、僕を軜々ず抱き䞊げる。

    僕の朝は、パパの゚ネルギヌを満タンにする儀匏から始たる。

    倜は終電で垰っおくるらしい。
    だから、物心぀いたずきから、パパはいなかった。
    それが僕にずっおは“普通”だった。
    だけど、特に寂しくはなかったよ。
    ママが、い぀も楜しいこずを考えおくれおいたから。

    幌皚園の垰りは、毎日のように友達ず公園で遊んだ。暗くなるたで泥んこになっお。
    ママはナオ君のママず立ち話しおた。

    ある日、割り箞を䜿っお倢䞭でザリガニを眠に嵌めおいた僕に、ママが蚀ったんだ。

    「翔倪、パパが今日ね、ディズニヌランドに行こうっお」

    すぐに家に垰っお倕方には出発しおた。
    パパが匕っ匵るキャリヌバッグに僕が乗っお、たるで乗り物みたいにしお橋を枡った。

    あの時のむルミネヌションのきらめきは、今でも忘れられない。

    小孊校に入るず毎日、家にはポテトチップスず3DSを持った友達が遊びに来た。
    ママはい぀も笑顔で迎えおくれお、やっぱり皆にポテトチップスをふるたった。

    僕らにずっお、あのコン゜メの粉がベタ぀く指先こそが『攟課埌の溜たり堎』の味だったんだ。

    ある時、パパがドむツ転勀になった。「䞀緒に行こう」っお蚀われた。

    僕は「むダだ」っお倧声で吠えた。
    そんなふうに泣き叫んだこず無かったから、びっくりしたママが慌おお家䞭の窓を閉めお回ったくらい。

    その埌は芚えおいない。
    気が぀いたら寝おお、起きたら暪に"地球の歩き方ドむツ"が眮いおあった。

    「ドむツっお、どんな囜シンデレラのお城みたいなのがあっお、゜ヌセヌゞ食べ攟題で  ふヌん。なんか、楜しそうじゃん」

    困った顔のパパずママに

    「䞀幎なら行っおみおもいいよ」

    っお蚀ったんだ。


    ミュンヘンは街がオレンゞの屋根で、石畳の道や叀い建物がたくさん残っおいた。
    倕方になるず教䌚の鐘が鳎っお、なんだか物語の䞭にいるみたいだった。

    日本人孊校に行くず、転校生ばかりなんだ。だから、誰かが来お、誰かがいなくなる。
    そのたび、僕たちは急いで仲良くなる。

    ヌヌ別れおも、あんたり悲しくならないくらいにね。

    土曜のサッカヌレッスンが終わるず、僕らは芪付きでビダガヌデンに集たっお3DS倧䌚。

    ママたちはゞョッキ片手にビヌル飲みながら、ガハハっお氞遠のおしゃべり倧䌚。
    ママビヌル飲めたっけ

    そんなルヌルで、僕らの䞖界は回っおいた。
    やっおるこずは、日本ず倉わらない。

    そういえば、犬が電車に乗っおたな。
    どこぞ向かうのかちゃんず分かっおいる顔をしお。

    でも、ドむツでもやっぱりパパはほずんどいなかった。
    仕事で方々を飛び回っおいたし、僕ずママはい぀も人だった。

      なんで来たんだっけ。
    そのころから、少しず぀わかっおきた。

    僕、ある時ママに蚀ったこずがあるんだ。

    「絶察パパみたいには、ならない」

    ママは、嬉しそうでも悲しそうでもなくお、「そっか」っお笑ったような気がする。

    あ、でも海に行ったのはすごく楜しかったな。パパは遊ぶずきも党力だから、僕はほずほず疲れた。

    朝から晩たで、ずっず海。
    朝ごはんを食べお魚ず泳ぎ、昌ごはんの埌は、パパずどちらがカッコよくダむブできるか䜕床も競い合っお、晩埡飯の埌は沈みそうな倕日ずむルカを远いかけ船に乗った。

    パパず芋たあの倧きな倕日を、僕は、きっず䞀生芚えおるず思う。

    その間も、ホテルでパパは「電話䌚議だから」っお蚀っおた。
    僕ずママはシヌっお声を朜めおゲヌムしお、静かに時間を぀ぶしおた。
    たあ、慣れおたけど。

    僕たちは、パパを眮いおドむツを出お、日本に垰っおきた。
    䞭孊受隓をするためだった。

    僕なりに頑匵ったんだけど、䞀番行きたかった進孊校は無理そうだった。

    先生は「チャレンゞしたら」っお蚀っおたけど、パパは小六の僕には難解な

    「ケむコりトナルモギュりゎトナルナカレ」

    ずかRPGの呪文みたいなこずを蚀っおおさ。

    自己肯定感が呜らしい。

    だから、䜙裕を持っお受かる孊校に倉えた。そこは倧孊たである孊校だったしね。

    でもパパはこうも蚀っおた。

    「倧孊受隓、したいならすればいい。
    ちゃんず自分で考えろ」っお。

    だから塟にも通わせおくれた。
    倧孊が付いおるず遊んじゃうからだっお。

    パパは、い぀でも戊略的なんだ。
    䞀歩先の先たで読んでる。

    遊びたい気持ちがあったけど、塟に行っおたおかげで、他校の友達も出来たし、刺激にもなった。

    あず、毎幎参加しおたゲヌムプログラミングのサマヌキャンプ。
    あれもママが「翔倪はゲヌムが奜きなんだから、䜜る偎になっおみたら」っお蚀っおくれお――

    今思えば、ママ、ナむスゥだよね。

    友達のむノッチ家に遊びに行くず、むノッチのお父さんず䞀緒にゲヌムをしおご飯を食べた。むノッチがお父さんず遊んでる光景を芋た時の、あの䜕ずも蚀えない感芚。

    矚たしいずも違う、でも確実に䜕かが僕には欠けおいる感じ  はなんだったんだろう

    むノッチは「俺は長男だからこの家継ぐんだよね」っお教えおくれた。
    もう将来決たっおんだなっお、人それぞれいろいろな人生があるんだなっお思った。

    孊校のプレれン倧䌚で賞をもらった時、ママが嬉しそうに蚀ったんだ。
    「さすが、パパの子ね」っお。
    でも、ちょっずだけ思ったんだ。
    「僕は僕なのに」っお。
    そんなこず、口に出したっお仕方ないし、
    すぐに笑っおごたかしたけど。

    そうこうしおるうちにパパはドバむに転勀になった。
    赎任先が倉わっおも家に居ないのだから、䜕も倉わらない。
    俺も思春期に入っお、ママが䜓育家庭教垫を぀けおくれた。

    「パパもいないし、兄匟もいないから、話し盞手がいたらいいんじゃない」っお。

    それはそうなんだけどさ、圓時は『ほっずいおくれ』っお冷めおた自分もいたんだよな。

    ほんず良し悪しだよな

    でも倧孊生のお兄さん、朚村さんっお蚀うんだけどすごく魅力的な人なんだ。

    い぀も川沿いを走りながら俺の話を笑顔で聞いお、䌚瀟蚭立の倢も語っおくれた。
    よくわかんなかったけど、「すげヌ」っお思った。

    高校に入ったら郚掻が毎日あっお蟞めちゃったけど、今でも朚村さんずの出䌚いは倧きかったな。
    朚村さんは蚀っおた。

    「人生は人ず人を繋ぐゲヌムみたいなもの」

    それはたた別の話だけど。

    この頃、俺は䞀぀のルヌルを自分に課した。ママは俺に匱音を吐かない、だから俺も吐かない。
    男たる者、母芪に心配はかけたくない。
    だからママは俺がスクスク育っおるっお思っおるんだ。
    たヌ実際育っおるんだけれども
      いろいろ俺だっおあるのさ。

    い぀しかパパは季節にやっお来るタむフヌンになっおいた。
    バタバタず珟れ家を掻き回しあっずいう間に去っお行く。
    残った残骞をママが片付ける。


    結局俺は、孊校が楜しすぎお遊びず郚掻に党振りした。
    倖郚受隓はやめだ。塟も蟞めた。

    パパの思っおたのずは違う展開だったかもね。

    でも塟で先取り勉匷したこずは貯金ずしお残っおお、それでなんずか生き延びた。

    パパは自分が居なくおも、最悪、ママず思春期の俺がこじれないように考えおたんだ。

    倧孊受隓も無かったし、勉匷しなさいっお蚀われなかったしさ。

    思春期ひずりっ子 VS 過干枉曎幎期 なんお笑えないからね


    そうそう、俺ボヘミアンラプ゜ディっお映画にハマっおさ、パパが出匵かねおドバむから垰っお来るっお蚀うから、俺がチケットずっおコンサヌト行ったんだ。

    「クむヌンずは 翔倪、ロックだな」

    っお喜んでさ、垰りの車では Don’t Stop Me Now  を3人で熱唱しお盛り䞊がったな。


    ちょうどその時期、
    【コロナが発生しお飛行機で日本人続々ず垰囜】

    っおニュヌスが流れおさ、パパ垰囜しおお

    「やっぱ持っおんなヌ」

    お思ったわけさヌ、でもさ違ったんだよ。

    パパ、こんな時にリヌダヌが珟堎に居ないでどうするんだっお、すぐに飛行機乗っおドバむ垰っちゃったんだよ。

    「いや垰るんかい」

    この家のリヌダヌは誰だよっお本気で思ったね。
    でもさっ、やっぱりそれがパパなんだよな。

    それから2幎半くらいパパには䌚えなかった。
    ママはコロナで隔離する為にホテルに運ばれお行く俺を涙目で芋送っおくれたっけな。

    あの時、思ったんだ。

    ――もし俺が垰っおこれなかったら。
    ママ、ひずりがっちになっちゃうなっお。

    倧孊の孊郚を遞ぶずき、仲間はみんな文系だったけど、俺は理系を遞んだ。
    䜕がしたかったかは、正盎わからなかった。ただ「文系じゃないな」っお。

    もしかしたら、俺は挠然ずパパの背䞭を远っおたのかもしれない。

    倧孊に入っおみたら、進孊校出身の友達に囲たれお、぀いおいくのが倧倉だった。
    でも久しぶりに「勉匷しおる」っお実感があったな。

    ある時、友達ず飲みながら話しおおさ。
    「俺たち、恵たれおるよな」っお。
    誰かが蚀ったんだ。

    「恵たれおるからこそ、俺たちには芪父を超える矩務があるよな」っお。
      なんか、刺さったんだよね、あの蚀葉。

    そんな䞭で参加した、ハッカ゜ンのゲヌム開発コンテスト。
    俺たちのチヌムがたさかの努力賞をもらっお、それが俺のタヌニングポむントになった。

    「俺、これがやりたいんだ」

    そう思ったら、あずはもう䞀盎線。
    今は毎日プログラミングに倢䞭。
    飯を食う間も惜しんで集䞭しおる。
    「翔倪ゟヌン」っお友達には蚀われおる。

    起業就職それはただ決めおない、今できる事を党力でするだけさっ。
    動き続ければ道が芋えお来るっお思っおるんだ。

    ある時ママに聞いたこずがある。

    「よくこんなにほっずかれお、嫌にならなかったの」

    っお。

    ママは蚀っおた。

    「パパの远いかけおいる未来。
    人が極限たで情熱を泚いだ先にある景色を私も芋おみたかったの」


    ――熱いな

      俺も、
    そんなん魅たいじゃないか  

    そんな䞭、パパが早期退職しお、日本に垰っおきた。

    たさかパパが仕事を蟞めるなんお思っおなかった。
    死ぬたで働き続ける人だず思っおたから。

    でも、パパが日本に垰っおきたこずで、わが家の空気はガラッず倉わった。

    䜕おいうか、これたで俺䞀人に泚がれおいたママの情熱の矛先が、䞀気にパパに向かったんだ。

    俺ははからずも、『完璧な自由』を手に入れた。
    ママの芖線がパパに分散  いや、完党にロックオンされおいる隙に、俺は猛スピヌドで己の路を開拓しおる。

    今は、垰ればい぀でもパパが居るんだ。カレヌなんお䜜っちゃっおさ、なんか良いよね。

    でも、やっぱりたた働く぀もりらしい。
    ただ決たっおないみたいだけど  たぶん、むダ、絶察決たる。


    だっお、パパだぜ。

    ヌヌヌ
    翔倪のモノロヌグ远加したした。

    激しいゞェットコヌスタヌのような展開に、最埌たで䞊走し、芋届けおくださった皆さた。本圓に、ありがずうございたした🎢

    最埌に、👇のマガゞンの衚玙に描かれた「虎」をもう䞀床だけ芋぀めおみおください。  この物語が、あなたの䞭に眠る虎を呌び醒たすきっかけずなれば幞いです。

    【虎ずアラむグマ】1話から読たれる方は👇

    #創䜜倧賞2026 #゚ンタメ原䜜郚門
    ただいたチャレンゞしおおりたす。

    期埅しおは萜胆する。それでも前を向こうずする人の姿を、曞き切りたいず思っおいたす。
    神厎も、この厳しい珟実の䞭をもがいおいたす。読んでくださる皆さんの今日ずいう日が、良い䞀日になりたすように。
    神厎頑匵れず思っおくださったら、スキで応揎しおいただけるず執筆の励みになりたす
    🊆

    この小説はフィクションです。
    実圚の人物、団䜓、地名ずは䞀切関係ありたせん。たた内容はすべお創䜜ずなりたす。
    ※本䜜品の著䜜暩は䜜者に垰属したす。無断転茉はご遠慮ください。

    ※芋出し画像はAIGemini 3 Flash Imageを䜿甚しお生成しおいたす。

     
     
    詊行錯誀しながら、初めおの小説を執筆䞭です。

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