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水晶玉連続殺人事件

    #創作大賞2026 #ミステリー小説部門

    あらすじ
    数年前に未だ未解決の連続猟奇殺人事件が起こる。遺体の側には水晶玉が決まって置かれており、水晶玉には記号が描かれてる。それは独自の記号で犯人が何か伝えようとしてる暗号なのか。不明のまま月日は流れ、警察に一件の挑戦状が届く。それは次に開催される著名人による懇親会パーティーで殺人を示唆する内容のものだった。澁谷警察署刑事課の高橋らは厳戒の態勢で警備にあたるがそこで再び数年前の猟奇殺人事件が起きてしまう。またしても遺体の側には水晶玉が置かれており水晶玉連続殺人事件と名付ける。犯人の目的は何なのか。はたまた単なる猟奇殺人犯なのか?日本史上最悪の猟奇殺人事件が幕を開けるのであった。


    登場人物

    高橋 澁谷警察刑事課
    太山 高橋の上司
    松本 本捜査指揮官
    畑 高橋の部下
    林 高橋の部下
    市川 東京テレビテレビ局のお天気お姉さん
    山本香 連続通魔殺人事件被害者
    田中智 連続通魔殺人事件被害者
    秋山恵 連続通魔殺人事件被害者
    杉本桜 渋谷大学大学4年生
    駄菓子屋のおばちゃん 棟房枝
    西条透 フリー記者
    西本環奈 女優
    七瀬美亜 西本のマネージャー
    金剛時雨 ボロワイド会長息子てるとんたん社長
    金井あい かなみょんー事動画インフルエンサー
    三条あいみ タレント兼女優
    リーシャンロン友美 元アイドル化粧品会社経営
    近元真由美 フリーアナウンサー大リーグの夫を持つ
    橋本真奈 天才子役
    カケル カリスマインフルエンサー
    野比武 花火師
    五条健 無職
    太田武道 住職

    本編

    今年は雨がよく降る。東京のビル郊外は今年は特に雨で空はどんよりと曇りまるで時代が戻ったかのような世紀末のセル画を醸し出していた。
    東京都澁谷警察署刑事課係長の高橋は今年で40を迎えるが、未だ独身生活を謳歌しているよくその辺にいそうな少し小洒落た雰囲気のある俗にイケおじと言った感じの男である。

    林「高橋先輩キャメルの6それと今川焼き買って来ましたよー」
    高橋「悪いな林」
    今年で5年目となる後輩巡査の林は高橋の後輩であり体育会系出身である為か警察官ではあるがどこかノリの良い兄ちゃんといった性格だ。
    林「今日も午後はどしゃぶりの雨ですよ。連続下着泥棒も今日は居ないんじゃないんですか?」
    高橋「そうだが通報あった限りはここで小1時間は張り込みしとかんとな。怪しい奴居たらとっ捕まえねえと。」

    高橋らは覆面カーでコンビニ外れの人目から離れた路地で張り込みを続けた。
    高橋 「全く。40にもなってこんなショボい仕事してんだぜ笑」
    「早く休み来ねーかな。」
    と火をつける。
    林 「先輩確かにこの通りどしゃ雨ですし、下着泥棒なんか
    来ないですよ。」
    とコンビニで買った百五十円くらいのホットコーヒーを飲みほす。
    高橋「まあ怪しい奴がいたら即声をかける準備はしておけよ。」
    林「それより見ましたか?水晶玉の事件。なんならテレビつけていいですかね?先輩」
    そういうと高橋は車に内蔵された画面をテレビモードに切り変えながら「ああ」といいながらつけ始めた。
    林 「ほらほら報道されてる。ホームレスが指切断で顔も焼かれて港町のゴミ箱の中から発見されたらしいですよ。」
    テレビでも同じようなことが報道されていた。
    林 「遺体の側には水晶玉が置かれていて記号でバツと書かれてるんですよねこれ。」
    高橋 「バツ?Xとも読めるしダイイングメッセージなのか?」
    林 「おそらく犯人が何らかの意図で置いたんでしょうね
    ほら数年前にも水晶玉の殺人事件あったじゃないですか?
    今メディアもまた猟奇殺人事件の再来かと騒ぎ始めてますよ。」
    高橋 「あー確か5年くらい前だっけ?未解決の猟奇殺人事件」
    林「連続の変死体と決まって遺体の隣には文字付きの水晶玉」
    高橋「まーたあの事件の再来って訳か。へー。水晶玉殺人事件ねえ。懐かしいな。」
    林 「あの事件凄いっすよねー。今世紀最大の未解決事件ですし。背後にはヤクザ関係とか金のチカラが絡んでるとかの噂も出回ってますからねー。あん時も確か結局5人くらい犠牲になったんじゃなかったんでしたっけ?今回もまた凄いことになりそうですよ。」
    高橋と林はテレビに釘付けになりすっかり張り込みをしている事を忘れていた。

    澁谷警察署に戻ってきた2人は、まず濡れた頭をタオルでガジガジっと吹き始めた。
    高橋 「ただ今戻りしたー。」
    太山 「おお高橋、林〜ご苦労さん。」
    太山は2人の上司であり付き合いも何かと多く周りからは頼れる上司と評判もそこそこ高い刑事である。
    太山 「張り込みどうだ?進展は?」
    高橋 「特にですね。今日は大雨ですし人混みなんかはほぼ無いですね。」
    太山 「そうだよな。こんな土砂降りで外ほっつき歩いてる奴なんかまず居ないよな。身体冷やす前にシャワーでも浴びちまえ。」
    そういうと2人はシャワー室に赴いた。

    それから数ヶ月後、渋谷警察署署内でのとある日。
    林 「先輩、あの水晶玉の事件、犯人はあっさり捕まったらしいですよ。」
    高橋 「横浜のヤクザ夜桜組の末端の若造が金目当てでホームレスに因縁をつけやっちまったってやつだろ。テレビでも報道されていたな。」
    林 「模倣犯らしいですね。」
    畑 「どうやら水晶玉殺人に見せかければ色々と複雑化してバレないとでも思ったらしいですよ」
    畑とは同じ部署で高橋の後輩にあたる30代前半でごくごく普通の正義感ある巡査長だ。
    畑 「しかし、模倣犯まで現れるとは。。今やあの事件も迷宮化し巷では根強いファンまで居ますからね。水晶玉事件のリピーターの事を英語では水晶玉のクリスタルボールから文字ってクリスタラーと呼ばれてる程ですからね。

    事件はそれだけ以前から警察の間でも度々話題に上がる程のものであった。
    それからとある日の事。

    太山「みんな集まってくれー」
    高橋ら「どうかしましたー?」
    太山 「今度行われる著名人が集うパーティーに殺害予告状が届いてな。今それの話題で署は騒いどるんだがなぁ」
    林 「そのパーティーって烏山麗子が主催のプライベートの生誕祭ですよね。俺見たことあるんですよテレビで。烏山麗子が還暦、喜寿と愛でたい歳に、共演した女優やタレント、俳優の卵やプロデューサー関係者に至るまで著名人を招いてやるパーティー」
    太山 「そうなんだよ。その烏山麗子が今度やる米寿祝生誕祭にて殺人予告が届いてな。外部には一歳口外無知との事で、情報が漏れた際は無差別殺人、新幹線脱線だの都知事暗殺だのって書いてる始末だからなぁ。」
    畑 「この令和の今時に脅迫状とは飛んだミステリー好きイカレ野郎ですね。フィクションはドラマだけにしてほしいですね本当。」
    高橋 「おいおいまだ野郎とも決まった訳じゃないだろ。女かも知れんし。太山さんちなみに犯人はある程度目星はついてるんですか?」
    太山 「いや全く。それこそ性別も不明。人数も不明だし。送り元も不明。今とりあえず一部のSPは烏山麗子並びにその関係者を護衛し、烏山麗子のパーティーを即刻中止にさせるよう伝えたのだがまだ返事もないところでなぁ。」
    畑 「まあただのイタヅラなんじゃないですか?」
    太山 「それがあそうでもないんだ。」
    林「というと?」
    太山 「脅迫状にはこう続きがあってな、。」
    (この予告状が真か否かはそちらで判断するがいい。否の場合なら殺害を繰り返すだけだが。まず憎き今話題の人気インフルエンサー カケルを私の手で殺害してみましょう。時期に分かる)
    林 「カケルですか?ヤバいですね。カケルなんて若い連中からしたら知らん人はいないカリスマインフルエンサーじゃないですか」
    太山 「それでな。カケル氏にこの事を即刻知らせて良いものか?今検討中でな。」
    高橋 「知らせたら一気にネットで広がりますね」
    太山 「それなんだよ。相手が相手だからな。しかし本人に会う手立てなんかあるのか?」
    「とりあえず警察はカケル氏には今のところこの件を伝える方向だが背景に烏山のパーティーがある事は予告通り口外無知で伏せる方向だ。」
    「いいか。お前らは当然口外無知。仮にパーティーがこのまま中止されず行われるとなると烏山麗子の生誕祭では警護にあたってもらう事になりそうだ。」
    高橋ら 「マジですか。。」
    太山 「マジ。そしてカケル氏には早速別の捜査課が明日から事務所にコンタクトを取るらしい。」
    高橋 「とんだ世紀の大事件になるんじゃないんですかこれ?」
    林 「そうですよね。もし本当ならアカデミー賞もんですよこれ。」
    太山 「よし。各自今一度情報を言うからあと30分後のミーティング室に集まってくれ。」
    ーはい!ー

    数日後にはカケル氏に新しい動画がアップされていた。
    みるみる再生回数は増え、ネットニュースでも上げられる程になり再生回数は1500万回以上。案の定、昨今のトレンドに世間はなってしまった。
    しかし、幾日過ぎてもカケル氏は殺害される事はなく、次第に脅迫状に対するアンチ動画がバズり始め逆にカケル氏も犯人に挑発の動画で対抗するなど再び再生回数を増やし盛り上げた。最初は盛り上がりは見せたものの、その火は日を跨ぐ毎に次第に勢いを無くし世間のトレンドも某アイドルの不祥事だ、女優の結婚だのでまた別の話題に代わっていった頃で、丁度烏山麗子の生誕祭もあと2日に迫った日の事だった。。
    港区の魚市場街のドラム缶の中から一名のバラバラ遺体が発見。
    それは斉藤翔琉ことカケルの遺体であった。
    直ぐに澁谷警察にも話が回り、世間でもその日は直ぐにニュース速報並びに報道番組として特集された。澁谷スクランブルのモニターにもデカデカと情報がスクリーンで写されていて令和始まってからの世紀の大ニュースになってしまったのだ。だがしかしこれは今後始まる人類史状過去最悪の猟奇殺人事件の序章に過ぎなかった。。
    その頃澁谷警察ならびに都内の警察署、SPや機動隊まで動員した特殊班による緊急ミーティングが某所で行われていた。
    この日は既にもう明日に烏山のパーティーが控えていた。
    澁谷警察署から戻った一同。

    高橋ら 「明日本当ににやるんですね?」
    太山 「ああ。烏山サイドにも即刻中止させるよう伝えたんだが、もう準備はしたし、何よりこの米寿のパーティーで最期かも知れないから元気なうちで会が出来る事を本当に楽しみにしてるとの本人きっての意向らしい。何度も交渉したが無理だったと事だ。」
    「我々警察側で何とか最大限の警備を計るしかない。
    烏山サイドはそれは不要との事だが、烏山氏の別荘の外での警戒なら勝手にお好きなようにどうぞとの事らしい。」
    高橋 「烏山サイドも頭の固い連中なんですね。しかし」と皮肉の笑いをする
    太山 「ああ。関係者もお歳を召された方が多くついてる訳で、そんな子供じみた脅迫なんか相手にしませんと言ったスタンスらしい。」
    林 「でも今回の殺人は巷ではカケルのアンチが殺したとか、ニュースを見て駆り立てられた激情型の犯行なのでは?とかそのほかにも愉快犯とか殺し屋とかヤクザじゃないのまで言われてますけどね。」
    畑 「確かにその路線はあるかも知れないな。」
    太山 「いずれにせよ。明日は予定通り開かれる。明日のパーティー参加者リストだ。各々各自の警護にあたるように。」
    そう言われて貰った紙には豪華なる面々が名を連ねていた。
    高橋らが手に取った紙の一部にはこう書かれていた。

    ー参加者名簿ー
    烏山麗子米寿生誕祭
    参加者一覧 以下五十音不順

    二階堂元 自民党議員    柳生和彦 参議院議員
    毛利和成 震山市市長    田中和子 女優
    山本真智子 作家      小野寺菊子 女優 タレント
    山田一通(株)山田 会長  橋爪隆 俳優
    裏飯啓大 ミュージシャン  生田隼人 大道芸人
    ……

    太山 「総勢100名以上集まるからな。どうか各自検討を祈る。それと話は戻るがな。カケル氏殺害現場には水晶玉が置いてあったらしい。」
    高橋 「水晶玉と言ったら最近話題になってる水晶玉殺人事件ですか?まさかこれも、」
    太山 「ああ 可能性は高い。水晶玉殺人事件は数年前から始まった猟奇殺人の象徴だからな。」
    林 「玉には今回どんな記号が?」
    太山 「ああ玉には、線を結ばない三角形の頂点だけがちょんちょんちょんってある奴だ。お前らに直接口で言うよりここのホワイトボードに実際に書いた方が分かりやすいだろう。」といい目の前で書いた。
    太山「関係者の間ではこれを茶畑と言ってる。」
    林 「茶畑?どうしてですか?」
    太山 「お前やっぱり体育会系だけであって学は乏しいな。
    社会の地理でよく病院だ、神社だのって記号の時間あったろ?あれでいう茶畑の記号に似てるからそう名付けたらしい。」
    畑「取り敢えず明日のパーティーにも水晶玉が置いてあったらいよいよ奴がお出迎えって訳ですか。」
    太山 「そうだな。水晶玉自体が、模倣犯って場合もあるけど。まあ、明日のパーティーは最大限で各自各々の著名人の護衛に当たるように!」
    ーはい!ー
    そう言うとさっきの紙とは別の紙を太山が3人に渡す。
    紙には各自護衛にあたる著名人が書いてあった。
    高橋 橋本真奈…
    畑 近元真由美…
    林 厨房スタッフ…
    林は後で不貞腐れたらしいとの事だった。

    パーティー当日
    高橋は天才子役のまなちゃん事橋本真奈ちゃん並びにその母親とマネージャーの護衛
    林は烏山サイドの料理人達厨房の警護
    畑はフリーアナウンサーであり大リーグの旦那をもつ近元真由美を護衛
    そして太山らは各部隊に後方支援を送る班に回り指示役に回っていた。

    ついに当日を迎えてしまったが、烏山関係者以外は予告状の事は誰1人知らずまた、パーティーは予定通り迎えた為、予告状の無差別殺人や都知事暗殺までには発展しなかった。
    大物関係者がぞろぞろやってくる。
    100名近くの著名人での予定だったのだが、警察関係者がそれとなく匂わせなければ私服での警戒が急遽前日になり烏山サイドから許可が降りた為、結局マスコミも嗅ぎつけ何だかんだで300人近くでの開催となった。

    厨房で警護の林はさて置き、本館ではスーツ姿でパーティーに潜んで護衛に配置された高橋、畑らが居た。彼らの目に取り敢えず入ってきたのは、
    派手な衣装を纏ったタレントの富豪姉妹や隠しきれないオーラを放った人気カリスマ歌手の篠崎あやみ、今をときめく女優の西本環奈や古田莉緒、後にサプライズゲストとして壇上で烏山麗子に花束をプレゼントする元大物メジャーリーガー松崎秀樹やその他政界の著名人、よくテレビに出る市議会議員まで、烏山麗子に縁のある教え子や関係者が集い、よくよく目を凝らせばそのほかにも2世タレントや人気ものまね芸人、アイドルやその他IT社長、東証企業社長や開業医、話題のインフルエンサーまで幅広いジャンルの有名人が華やかな衣装でグラスを片手に談笑していた。
    高橋、畑らも取り敢えず、高ぶる好奇心を抑えながら平常心で某著名人らに紛れグラスを片手に持ち交友をし始めた。

    もともと真面目な畑は大物著名人の輪に入るなんていうおこがましい事はできず、それとなく目立たず落ち着いた雰囲気のある集団でグラスを片手に持ちながら自分の護衛ターゲットの近元を目で離さず追っかけていた。


    「見ない顔ですなあ。」
    フリー記者の西条透と名乗る男が高橋につめよる。
    西条 「私はフリーで記者をやってましてな。ほれ名刺。なにか耳寄りの情報お持ちでしたらいつでもどうぞ。ところであんたは?俳優か何かですかい?」
    高橋 「ええまあそんなとこですよ。ところであんた西条さんとか言いますけどフリー記者なのに良くパーティーに参加できましたね?」
    西条 「ええ。まあ。」
    そういうと西条はグラスを片手にまた別の塊へと去っていった。
    ブーブー ブーブー 高橋の片耳から音が鳴る。
    「どうだ高橋異常有るか?」
    太山からの声だ。
    高橋 「いえ、まなちゃん並びに一向は楽しくやってますよ。たださっき1人フリー記者から名刺を渡されましてね。」
    太山 「何?そんなん無視だ無視。自分の護衛だけに集中しろ!そっちはどうだ畑!」
    畑 「こちらも異常ありません。どうぞ」
    太山 「了解 引き続き頼むぞ!林は?」
    林 「はい。こちら厨房の林。こちらも異常ありません。」厨房スタッフの笑い声が聴こえる有様。どうやらスタッフからも場違いと捉えられ笑われてる様子だった。
    料理人A 「厨房の俺たちなんかに殺人犯なんか来ねえよ。それよか林さんこれ味見していいよ。唐揚げ旨いぞ〜」
    林 「ありがとうございます。唐揚げ大好きなんすよ。」
    太山 「林!ちゃんと警護にあたれよ!クビにするぞバカちんが!」
    林「これも緊急時に統率が取れるための仲間意識すなわちコミュニケーションの一貫ですよ。」
    太山「屁理屈はいい。仕事しろ」
    どうやら今の所異常はどこも無いようだ。
    畑 「どうだ林 藤本紀子や増渕力、アップアップの松元なんかとも握手したぞ。」
    林 「マジすか。ちぇっ。俺もそっちに行きたかったなー。
    俺はここに居る冴えないおっさんの料理のつまみ食いで我慢かよ。」
    高橋 「笑 悪いな林。俺なんか野球のあの小谷一平からサイン貰っちまったわ。」
    林 「ヤバッ!それ100万くらいで転売できるじゃないすかー!こんなシャバイ場所に配置させやがって。覚えてろよデブ山の奴」ープチッー
    そこで林からの通信は途絶えた。
    やがてパーティーも中盤に差し掛かり畑は有名日本企業のボロワイドの会長息子から日本酒を勧められ、要人護衛なのに大物界からのお酌は断れずグビグビ飲んでしまい完全に出来上がってしまっていたのだ。
    高橋のところへもう1人やってきた。
    「あなたパーティー側の人間じゃないでしょ?」
    五条と名乗る男であった。
    高橋 「 !? どういう意味ですか?」
    五条 「だってあんたさっきからそこの天才子役の事ばかり見ててちっともパーティーを楽しんでるとも思えないんだわ。そして時折り1人でぼそぼそ呟いてる。SPかなんかですかい?」
    高橋 「ええ。まあそんなところかも知れませんけど、、」
    五条 「まああんた以外もほれあそこの男」
    五条はそう指を刺すと
    五条 「あの男なんかさっきからあの女優の周りに近づいた人を凄い形相で睨みつけとるでしょ。あれなんか見ると、まさか今回ここで何か良からぬ事が起きるんじゃないかと思いましてな。よーく観察するとほらあそこも。あちらこちらに散見できましてね。まあこれ以上喋ると仕事に支障が出ると申し訳ないですからこの辺で。ごゆっくり」
    そう言って男は去っていった。
    そう既にこのパーティに張り詰めた空気がある事を肌に感じとっている参加者も少なからずいた。ただそれがまさか殺害予告からなる私服警察官がスーツを着てパーティーに紛れてるとは誰も思ってはなかったのもまた事実であった。

    そしてメインの烏山麗子が杖で歩きながら壇上に上がって祝いの言葉を述べ始めた。
    「やはり殺害のメインは烏山麗子では無かったか…」
    裏で待機してる警察関係者がこぞってそう呟く。
    「やはりこのビックイベントの大物の誰かの命を狙ってる。」
    本捜査最高指揮官の松本はそう述べる。
    松本 「引き続き要人の警備に最大限当たるように。」
    命令がおりる。

    そしてパーティーが終盤に差し向かおうとした時であった。
    別荘内おもてなし用に訪問者が利用するであろう仮眠室がある和室の部屋にてスタッフの悲鳴が上がった。
    ー誰か来て下さい!ー
    太山ら後方部隊にも連絡が入り、すぐさま駆けつけるとなんとそこには何十もの弓で背中を何十ヶ所にも刺され猿轡をされ正座をして血だらけの遺体があった。遺体はボロワイド会長の息子、金剛社長であった。
    そして遺体には水晶玉があり文字は数字の2と描かれてあった。

    パーティ内には防犯カメラがあったが、ここの仮眠室には防犯カメラなど無く警察側も予期せぬトラブルで唖然としていた。
    即刻パーティーは中止され、やがて全招待客に伝わるのだが、それより前になんと他でも変死体が見つかる。

    3階フロア進んだ奥の女子トイレからも悲鳴が上がる。
    きゃあーーー
    直ぐ様駆け寄るとなんと人気女優の西本環奈の生首と人気インフルエンサーかなみょん事金井あい2名の生首が女子トイレ個室に落ちていたのである。そして側には数字の8であろう水晶玉が置いてあった。
    第一発見者はトイレ掃除の為雇われた清掃従業員。そして金剛社長の事件の第一発見者は元々長く烏山サイドに仕えていた使用人であったと調査で判明する。
    そして西本、金井の胴体は2階収納部屋から無惨な姿で発見された。

    パーティーは終盤に差し掛かろうとしていた矢先、とんだ大事件になってしまった。
    烏山麗子は無事であり、その他関係者全員の安否の確認が取れた。
    パーティーは中止となりその場で全員が待機を余儀なくされる。

    なんで警察がこんな沢山いるんだ!と参加者で暴動が起き始める。
    300人のうち半数近くが潜入の警察関係者だった事が直ぐ様判明し当然、未然に防げなかった警察の失態に激昂する一同参加者。
    マスコミ関係も数名いた為、スクープとして取り上げられ世紀の大事件としてすぐに翌日の朝刊に世に出回り、また琢磨に今宵の血に染められたパーティーは日本中に激震を走らせた。

    刑事A「怪しい奴は各自居なかったのか?」
    数名は取り上げられたが、どれも不審人物ではなく身分が特定できる紛れもない烏山から招待を受け取っていた人物達だった。
    刑事B「金剛社長の警備は誰だ?」
    石川という警察官で、今回の自らの失態に責任感を深く感じてる様子だった。
    金剛社長の秘書の田中と名乗る男がその場で曰く
    田中 「昨晩の金剛社長はいつになく上機嫌で高級ワインを多く飲んでまして。やがてお酒が周り仮眠室はどこかウェイトレスに聞いて利用できるかと言っておりましたのが私が社長を見た最期でした。」
    石川 「私もその後仮眠室へ行こうと思いましたが、一緒に社長と呑んでるうちに他の方からも一杯勧められて断れず出来上がってしまいましてそのまま社長がトイレにでも足を運んだんだろうと思い、直ぐ戻ってくると思いついていくのを辞めました。本当すみません。でも社長が中々戻ってこないのは違和感ありましたが、どうせ吐いてるのか寝てしまったのかそんな程度で留めてました。」
    そして同じく殺害された西本環奈、金井あいの警備はそれぞれ岩本、石倉が担当していた。
    岩本 「私は西本環奈がマネージャーと共に急に席を外したので後をついて行きました。しかし途中で見失ってしまいました。」
    (まああの大勢の中だったから仕方ないか。)
    石倉 「私も同じく金井あいが席を外れ、階段を上がり3階まで上がるのを見たのですがやがてそれは女性トイレに向かう様で流石に男性の身として着いてくには周りの目もあり3階の踊り場付近の絵画を眺めてる風で幾分か待機してました。」
    「怪しい奴は居なかったのか?」
    石倉 「いえ私が見た限りでは。20分近くは張り込んでいましたが金井も西本環奈も見てはおりません。当時そこにはやはり数十名はごちゃごちゃしてまして。」
    「もう一度現場近くの検証をするぞ。」
    だが別荘には防犯カメラはメイン所には設置しているが肝心の犯人に繋がる様な特定には結びつかなかった。
    日を跨いだ明朝、参加者全員の指紋を採取し血塗られたパーティーは幕を閉じた。

    数日後
    林 「あーあーこりゃ警察の面目丸潰れですね」
    畑 「国民は御もっともだが世界中からも日本警察に対するバッシングが来てる有様だからな。」
    高橋 「しかも水晶玉の事件だからな今回も。2と8らしいがなんの因果があるのか?足して10…どちらも2で割れる偶数って事くらい。」
    太山 「ああ。被害者3人の共通点は残念ながら乏しくまた、どうもあの犯行を1人で出来るか些か疑問でな。複数犯の犯行かも知れん。水晶玉事件自体がおそらくは、元は1人の犯行だったがそのカリスマ性に惹かれたネットユーザ達が感化され集まった遂には愉快犯行が目的のテロ組織みたいなものかもと検討されていてな。」
    高橋 「そういえば畑。あの晩ボロワイドの社長と一緒に酒飲んでいたよな。」
    畑 「ええ。よくご存知で。まさかあれが本当の最後の晩酌になるなんて。普段酒強い私ですら酷く社長のお酌で酔わされましたからあの石川って言う警官も落ち度はあると思いますが非は無いですよ。」
    太山 「それでだが。また殺害予告が届いてな。」
    またですか?
    太山 「ああ今回こそは警察の威信が掛かってる。次の赤口の昼、玄武館、白虎館、朱雀館、青龍館のいずれかの館で爆破を予告すると言ったものだ。」
    高橋 「今回は爆破予告ですか?殺害ではなく?昨日の事件との関連性は?」
    太山 「ああ恐らくは偽物で模倣犯の可能性はある。
    脅迫状で警察は動いたと世間には既に出回ったが、本当は警察には殺害予告な訳だし。これは爆破内容で警察があれだけ大勢の人員が動員されたと踏んだ素人の犯行かも知れん。」

    ーそして迎えた赤口の昼爆破は起きなかったー
    むしろこの手の建物、パーティー等の殺害予告が頻繁に続き、警察もその度に動員された。世間もその度に敏感になっていたが月日が長れるにつれその緊張感も次第に薄れていったそんなある月の日。突如水晶玉が姿を現した。
    この日はアカデミー賞という大規模なイベントが行われていた。当然色んな著名人が顔を合わせていた。
    そこでタレント兼女優の三条あいみが四肢が引きちぎられた状態で殺害されたのであった。現場はまたしてもトイレ内であり、一般の犯行には難しくドラマ関係者に疑いの念が入った。そして遺体には1の数字の水晶玉が置いてあった。
    この遺体の有り様に酷く世間に再び衝撃が走った。。
    一体誰が?
    〜捜査班による会議内〜
    数字はこれまでに最初のホームレス殺害のxもしくは罰、そして金剛氏の2、西本と金井2名による8もしくは無限、そして今回の1、そして忘れもしない事件のトリガー、カケル氏殺害のドラム缶近くの側溝から発見された茶畑の文字
    捜査官B「完全におちょくってますね。」
    捜査部長A「こうなると数字の場合少なくとも後数回以上は犯行が行われる。そこで前の烏山氏のパーティーと今回のアカデミー賞の両方に居た人物がまず怪しいと踏んでな。」
    捜査官D「一体誰なですか?」
    候補は10名程絞れた。

    市川 テレビ局の人気お天気お姉さん兼リポーター
    西条透 フリー記者
    リーシャンロン友美 元アイドル現在は化粧品会社経営
    近元真由美 フリーアナウンサー大リーグの夫を持つ
    トモダ自動車社長 友田章
    一般参加者
    棟房枝 駄菓子屋
    五条健 無職
    太田武道 金剛寺住職
    野比武 花火師
    桜田昭二 美枝子夫妻 

    松本「恐らくこの中にあの猟奇的な殺人鬼、クリスタンが居てそして、セキュリティーの高い今回の事件を踏まえると、イベント枠で参加していた著名人のこの5名はさらに怪しいとされる。各自厳戒態勢で移るように。」
    ーはいー

    高橋 「確かこの五条とフリー記者の西条はパーティーで面識がある。」
    畑 「近元真由美は私が張ってた要人ですよ。」
    太山 「そうか。あのパーティーでの近元に異変は?」
    畑 「いや全く。しかも席を外してないので彼女には犯行は無理ですよ。まあ私が潰れるまではの話ですけどね。」
    高橋 「西条という男にはあんた俳優ですか?と聞かれたくらいですから面識は顔合わせくらいですけど、この無職か。五条は一般枠とはいえ調べる価値はあると思いますけどね。無職というのはさて置きどうもこちら側警察の内情を知ってそうで不可解な男でしたから。」
    あの晩つまみ食いをしていた林は捜査会議に割って入る事ができず傍で彼らの話を聞いていた。

    三条あいみの事件からは指紋などからも誰とも一致せず、また手掛かりとも言える証拠等も発見出来ぬまま未解決事件へ闇とまたしても葬られた。
    そして日月は過ぎ、またしても玉が姿を現す。
    怪しいと警察がマークしていた無職五条の遺体が発見された。自宅のボロアパートには彼の舌を引っこ抜かれた残忍な姿で発見される。遺体の側には水晶玉の5の文字が。
    久方の一般人の遺体なだけあり事件は今までみたいな大袈裟にはならず疑いの念はかえって深まるばかりであった。
    今だに被害者達の共通点はなくやはり複数犯なのか…
    そんな矢先、五条の自宅からはある手帳が発見される。
    中を見るとこれまでの水晶玉事件についてメモが書き表されてあり、おそらくは五条が一連の事件の犯人、もしくは主犯格であると警察は踏んだ。
    それとは別に五条に恨みを持つ誰かが報復で五条を殺害、全ての罪を五条になすりつけたのでは?とも踏んだ。
    事件もそれ以上は手が狩りが掴めずにいた。水晶玉事件も連日特集が組まれ、模倣犯は出るが直ぐに犯人は捕まり、水晶玉自体が連続の犯行に使われたものとは別物で直ぐに模倣犯と判明。そんな事件が世間では起きていた。

    しばらくしたある日の事。五条の遺留品である一つの鍵の出所が判明。大阪の駅の地下コインBOXでありそこからは五条のものらしき手帳が出てきた。中を見ると詳細に水晶玉連続殺人事件の一連が書かれていた。
    最初の事件 文字のトの逆バージョン 女子大生殺害
    高井夫婦 TとO 金取りの犯行か?と記載
    一条 文字は米印
    山本香 黒
    秋山恵 罰
    田中智 チョン丸
    ホームレスのxと続くわけか‥

    刑事A「こう見ると五条はここまでの事件は白だが烏山のパーティー以降は黒の可能性が高いな」
    刑事B「そうか五条という男は恐らく、クリスタンの信者かも知れんな。クリスタンの犯行に惚れたが、本物のクリスタンにやられたか恐らくは暗殺されたかってとこだろうな。しかし誰が?」
    が後日、1人の候補が手でくる。それはパーティーにもアカデミーにも参加さていたお天気お姉さんの市川という女性だった。
    水晶玉には黒や丸そして罰、米印畑マークとあったがよくよく考えるとお天気マークという共通点があるのである。
    数字の謎は未だ解明できないでいるが、天気に関係のある彼女に疑念の目を向け捜査を開始した。
    季節は夏。最初のカリスマインフルエンサーカケルの事件から半年が経とうとしていた。
    この日は夜から隅田川の花火大会がある。そこには大物著名人が遠方からわざわざ毎年訪れる例年の祭りの日。
    太山らは事件の捜査から帰ってきて署内のテレビをつけナイトゲームの阪神巨人戦を見ながらビールを煽っていた。
    今日は高橋と畑は非番で林が居た。
    林 「俺も高校球児でしたから今日の甲子園決勝の試合といい阪神巨人戦といい母校の大阪学園優勝、そして阪神が勝ってくれて今日は最高の一日ですよ。」
    といいながら一緒にうちわで扇ぎながら和気藹々太山とビールを煽る。
    太山 「あ、そうだ。今日は中継で隅田川花火大会やってるだろ。林チャンネルかえてくれ」
    林 「今日でしたか。わかりましたよ先輩」
    とチャンネルを変えた。
    「おーやってるなーすげー人数だなしかし」
    花火が打ち上げられ
    ドーン
    ドドーン
    すると映像からでも分かるくらいで何やら人がぐちゃぐちゃの状態で肉塊が弾け空からびちゃびちゃに降ってきた映像がそこにはあった。
    太山 林 「ぎゃああ」
    映像ではどうやら大砲から打ち上げられた花火に混ざり人らしき影が光と同時に大気中で弾け、細かい肉塊が降ってきたのである。
    その場で生放送はディレクターらしき男の声が今直ぐ辞めろとの怒号の声が聞こえた後、チャンネル画面は真っ暗になり固まってしまった。
    林 「先輩今のヤバくないですか?」
    太山 「ああヤバすぎだろ放送事故だぞ。」
    林 「吐きそうになりましたよ。せっかくいい1日と思ったのに」か
    太山 「あれは殺人事件か?事故なのか…」
    隅田川花火大会現場
    会場は血の潮でパニック状態に陥っていた。子供は泣き叫び大勢の体調不良者、救急車がやがては数え切れない程現場に到着。遺体を探すものライブ配信する者まで。
    遺体の飛び跳ねたであろう薬指らしきものがが草むらに落ちており鑑定の結果から指紋で何とお天気お姉さんこと市川だと判明した。そして大砲付近では6の水晶玉が発見された。
    この事件は直ぐ様閲覧制限がかけられ後に世紀の閲覧禁止事件として語り継がれるのであった。またこの日を持って隅田川花火大会はニ度と行われる事は無かった。。
    やがてパーティーとアカデミーに参加していた花火師の野比武という男が隅田川花火大会にも参加していた為直ぐ様警察に強制拘束された。
    野比武は花火師として長年勤しむ傍ら閑散期の冬は新聞配達で生計を建てるなどしていた。
    刑事Aら「お前がやったんだろ!さあ吐いて楽になれ!」
    尋問が幾度も繰り返されたが「私じゃありません!」と野比は言い張る。
    確かに野比以上に疑わしい人物が今となっても浮上してこない以上拘束を続ける必要がある。
    彼は独り身であり駆けつけてくれる身内も誰もいない。
    出前のカツ丼とカレーを平らげる日々が続く。
    しかしなぜあの天真爛漫な彼女がああも無惨な目に遭うのか?事件はいよいよ迷宮入りし始めていた。
    中々捕まらない犯人に特に世間も各界の著名人も不安の日々を送っていた。
    野比武が拘束されて一月が経ったある日またしても事件が目を覚ます。
    熱海のラブホテルの一室から重要疑念候補の1人、近元真由美の首が跳ねられた遺体が発見。クローゼットの中からは水晶玉の9が発見された。
    刑事A「近元は大リーグの夫が居るが今はリーグシーズン中だろ。まさか浮気旅行だったとはな。相手は誰なんだ?」
    刑事B「どうやらフリー記者の西条透という奴らしくてね。なんか弱みを握られてホテルで密会してたらしいですよ。」
    直ぐ様西条を指名手配しろ!
    野比はどうやら事件とは一旦は無関係との事で解放になった。
    が野比自身もいつ狙われるか分からない恐怖に怯えて警察の庇護の下再び管理下に置かれる事を自ら申し出た。
    一方、西条は野比同様重要疑念候補の1人であり、直ぐ様指名手配をされたがまもなく彼は警察に自ら自主してきて助けを求めてきた。
    太山「お前近元と昨晩熱海のホテルで密会してたが浮気なのか?それともお前が殺害したのか?」
    西条 「正直に言います。近元は名前は言えませんが、a氏と不倫関係にありここではありませんがちょくちょくホテルで密会してまして、それで私らの機関で今度スクープを出すことにしたんですが、本人きっての要望で金を出すから何とか納めてくれとの事で昨晩彼女と金額の交渉並びに身体の交渉までしていた訳であります。」
    太山 「なんという外道な。そのa氏は誰なんだ?」
    西条 「いえこれは口が裂けても守秘義務ですので言えません。でも彼女が亡くなった今、スクープは一応出す予定ではいますので時期分かるかと思いますけどね。クククッ」
    太山「お前人が亡くなってんだそ。」
    西条「記者なんて今時マスゴミなんて言われてますしほんとクズの集まりも中にはいるんですよ。」
    太山「本当こういう時だけ守ってほしいだなんてお前なんか守る価値もねえよ本来。」
    西条「警察がそんな事言っていいんですかい?いつ録音とってるかわかりやせんぜ兄貴」
    そういうと拳で眼鏡は砕かれ直ぐ様身包みを剥ぎ取られ持ち物は没収された。
    「警察を甘くみんじゃねえよ!」
    やがてその不倫相手は大物歌舞伎俳優の加藤團八郎であったが事件とは無関係と判る。
    警察サイドは一向に手掛かりが掴めない長く続くこの一連の事件にいよいよ貧窮し始めていた。それがいい証拠に、野比武の強制連行、西条の緊急指名手配と捜査も粗が出始め、世界からも日本警察のバッシングが続き、日本の警察の面目は丸潰れで威信なんかは何処にももう無かった。

    松本「いいかこれまでのおさらいをするに、数字は0125689で残りは3と4そして7か。少なくとも3人以上はまだ続くと思わられる。」
    「重要疑念候補のリーシャンロン友美、友田自動車友田社長そしてアカデミー賞一般参加者のそうだな残りの方々はもう90近い御歳だ。そうなると住職の大田武道。この3名は重点的に護衛追跡するように!」
    が事件は別の展開で姿を現す。
    大阪西成のスラム街で斧で首を掻っ切られたホームレスの遺体が腐敗してマンホールの中から発見された。そして着ていた胸ポケットからは4とかかれた水晶玉が発見された。
    ねずみやらゴキブリやらが最近マンホールから大量に出ては入っていくのを不快に思った通報で業者が清掃に来た矢先の事であった。腐敗からして既に1年程は経ってると検証の結果判明した。
    (となると残りは3と7だが既に亡くなって見つかってない可能性もあるな。またはターゲットが今も護衛下にある花火師の野比とフリー記者の西条の可能性もある。)
    事件は終わってはいないがホームレスの遺体もあってかひとまず有名人の殺害そしてあのパーティーとアカデミーの関連者ではない為少しばかりの緊張が緩む。
    が事件は直ぐに顔を出す。

    この日はリーシャンロン友美を警備にあたっていた太山らであったが彼女きっての試みで、明日は彼女のクルーザーで船上パーティーを行う。横浜から小笠原諸島まで行きそこで昼はゴルフを行い、夜は彼女らでパーティーを開き楽しむと言った流れらしい。
    警察らも1番今怪しいのは今現在友美に移り次に住職の大田武道と順位付けている。が元アイドルの天真爛漫な友美にしろ、そして住職にしろどうみても猟奇的殺人犯には思えない。大田武道に疑念の目がかかったのはまず何故住職がパーティーに招かれてるのかが不明。そして最初の烏山麗子のパーティーの被害者のボロワイド金剛社長の遺体が正座で複数の矢が突き刺さった事から坐禅が連想されたただそれだけの無茶苦茶な理由であった。
    当然大田サイドも特に何の展開もないままだった。
    そんな中でのこの日は友美のパーティー開催であった。
    当日
    クルーザーで移動を始め和気藹々と事は進みもうそこまで小笠原諸島が迫ってきた時にそれは起こるら、
    目を離した隙に友美は外に出ており、気になった友美の元アイドルメンバーらが探したところやはりどこにもおらず、やがて警察にも話が届き手分けして探した。
    がどこにもおらず、海に落ちたのではと疑いの目を向けるようになりメンバーらも泣き崩れる者嘆く者も現れた。
    そうこうしてるうちに諸島に到着。
    とりあえずは島で待機してる関係者らにも知らせる為、クルーザーから降りた一向が衝撃の光景を目にする。
    なんとクルーザーの先端に縄でぐるぐる巻きに巻かれた友美らしき胴体だけの遺体がそこにはあったのだ。
    そして彼女の服らしきポケットからは数字の3がかかれた水晶玉が見つかる。
    直ぐ様パーティーは中止となり、天気は急転し波が激しくなりこの日は島で一泊する羽目になった。殺人鬼が潜む魔の島と化したのだ。
    太山 「これで残るは数字7か。それとも記号で来るのか?
    友美が亡くなるとなると関係者はもうおらんじゃないか。」
    そう太山は夜自分の部屋で推理に耽っていた。
    「ん?まてよ」太山がある事に気づく。俺はとんでもない勘違いをしていたのでは?と全身が凍りつきやがてそれは確信に変わっていった。
    翌朝 朝食に太山の姿はそこには無かった。
    高橋らは太山の部屋に行くがノックしても出てこない。開けてみても姿は無かった。
    島中を全員で手当たり次第探したがどこにもいない。
    やがてはゴルフ場に足を運びそこで驚愕の姿を目の当たりにする。
    林 「先輩あのゴルフフラッグなんか変じゃないですか?」
    高橋 「そうだな。それになんかモノか?落ちてるっぽいな。」
    畑 「烏もなんかつついてるぞ。」
    やかで近づくと3人は顔が変形しその場で腰を抜かし悲鳴を上げた。
    そこで彼らが見たのは何と太山の切断された遺体であった。
    そこにあるべきフラッグは何と太山の切断された左片足であり、烏が突いていたのは太山の五臓六腑であった。太山の目は4時の方向を見開いておりただ朝の日差しだけが元気にその戦慄の現場を照らしていたのだった。まるでピカソが描いたゲルニカの絵の様に。
    そしてカップの穴の中には数字の7の水晶玉がカップインしていた。
    3人ともその場で腰を抜かし警察官であるにも関わらずロッジに走り逃げ、直ぐ様警察の応援が来るまでただただ必死で関係者全員をどこにも行かせないようにしていた。その姿は警察官としては実に見るに耐えなかった。
    やがて応援が到着し直ぐ様関係者全員が容疑者の候補で事情聴取された。
    林 「なぜ太山さんが」
    高橋 「無差別殺人犯によるものか?」
    畑 「太山さんは昨晩何かに気づいた様子だったけど。まさか犯人に繋がる証拠を見つけ口封じの為に?」
    林 「水晶玉があったって事は犯人は誰に?友美さんも亡くなった訳ですし。」
    指紋検証の結果やアリバイからも特定は出来なかった。
    おそらく全部海に凶器は捨てられ、かつ犯行は深夜の時間帯そしてロッジを離れゴルフ場で太山は何をしていたのか?
    遺体は胸に刺し傷があり、どうやら直接の死因はどこかの森だった事が判明する。そこから太山は何かで運ばれここで亡くなったと仮説づけられた。誰にでも犯行は可能と分かるが防犯カメラの映像だけでは特定には結びつかなかった。

    これで数字の0から9まで揃った。記号に関してもそれ以降は事件も起こらなかった。またしても水晶玉事件は未解決という暗闇に葬られた。

    そして時は流れ、亡き太山の一回忌が過ぎたある日
    林 「夕日が眩しいですねえ先輩」
    高橋 「そうだな」
    林 「また駄菓子屋寄るんですね。俺も張り込み後で凄く腹減っちゃたんでこの際お菓子でもいいから腹になるモノであればまあ何でもいいか。」
    そう言うと昭和ならではの駄菓子屋がまだそこにはあった。
    イカ焼きだのえびせんだの豚麺だの林は選ぶ。おばちゃんこれで
    小銭を払い終えると「お前じゃろ」と店主らしき婆さんが突如初めて口を開く
    林 「は?いやいや万引き犯でもなんでもないですよ。俺初めてここ来てますし。そんな鬼の顔されても」
    林はよくよく見るとそれは自分に発せられたものではなく斜め後ろにいた先輩に向けられたモノと悟る。
    そして婆さんは続け様に
    「おまえじゃろ!水晶玉の犯人は!!」
    と言うと婆さんは手元のタンスから一つの水晶玉を取り、高橋にめがけ投げつけた。
    高橋 「……」
    林 「何を言ってるんですか?お婆さん??僕たち初めてここに来たんですけど ねえ先輩?先輩?」
    高橋 「…」
    林 「ところでなんでおばちゃんがあの事件と同じらしき水晶玉を持ってるですか?」
    「この水晶玉はなぁ、大昔、数ヶ月だけこの店で一度に1000円以上買った客だけがくじを引き、当たった人だけに景品であげてた特注モンじゃ。あれは今から30年ほど前の話。」
    林「…」
    「あんたの顔は今でも覚えとるよ。
    この駄菓子屋でかつて子供の頃大量にお菓子を買ってはくじをひいて楽しんで水晶玉を集めていたアンタの顔はね」
    高橋 「…」
    夕日が眩しい。烏がうるさい。
    林は絶句する。
    そうこの駄菓子屋の婆さんは棟房枝というパーティーにもアカデミーにも参加していた女性であった。
    高橋 「てっきりもう死んだと思ってたよ。」
    烏山麗子と古い付き合いのある彼女は今年で99を迎える歳であった。
    そして彼女の口から衝撃の言葉が走る
    「孫娘を返せ!!」
    そう言うと次の瞬間、高橋の背中には刃物が貫いていた。
    林 「先輩!」
    「わしの孫娘の事件覚えとるじゃろ。4の事件。これでわしも無事桜のもとに顔向けできるぞ 桜見とるかぁ。おばあちゃん桜の犯人に仇取ったよ」
    なんと桜と名乗る4の事件の当時大学4年生であった学生はこの棟房枝の孫娘であった。
    高橋「林。ハァハァ、、そうさ、俺がこの一連の事件のクリスタン。全部俺1人がやった。カケルもパーティーの事件もそそて太山も。そこのババァの言う孫娘の事件も。いいか。数字の4は本当は4じゃない。裏トという記号を書いたつもりが雨で一部消えて偶然にも4になっただけ。意味は小娘の死体の形が裏トという記号に似てたから、、ハァハァ、、別に意味はねえが俺がやったというカタチを残す為にな。4と警察が勝手に勘違いし以降数字にあやかった事件になっちまったがなハァ…ハァ…だから4の事件が2つもあった訳さ」
    「俺は完璧主義でね。偽りの4はちゃんとコンプリートしないと気が済まなくてね。ハァ…ハァ…」
    林 「それで関係のないホームレスを…そして太山さんまで殺したんですか!!先輩!!」
    意味深な大量の烏と夕焼けを背後に、高橋の意識は薄れていた
    高橋 「そうさ太山さんには俺だと気付かれて夜呼び出されそこでな。」
    林 「なんでこんな惨殺劇がアンタにできるんだ!!」
    高橋 「林。これが本当の俺なんだよ。猟奇殺人鬼なんだ俺は、でもまさか萬屋駄菓子のババアがまだ駄菓子屋やってるなんてな。そしてアンタに殺されるなんて、ハァ、ハァ…」
    林 「…」
    そういうと高橋は倒れ息途絶えた。
    そして間もなくして高橋の死亡は確認され、棟房枝も警察に連行された。
    後日、高橋の部屋からは事件の証拠が数多く採取された。
    そしてこの世紀の猟奇事件に幕を下ろした。

    警察官による人類史上最悪の水晶玉連続殺人事件はこうした最期を迎えたのだった。

    後日、棟の供述から次の事が判る。
    高橋こと高橋左京は約33年前当時65歳であった棟の駄菓子屋で毎日のようにペロペロキャンディやアイスを買う顔馴染みの坊やだった 話は高橋が7歳の頃に遡る。
    やがては景品の水晶玉。当時では宝石に見えたのであろう。それに魅了され子供ながら大量の菓子を買いクジを引いていた。
    棟房枝もその姿にひどく彼を溺愛した。
    それからというものの高橋はぱったりと来なくなり、後に引越しで北海道に転校したとの事で駄菓子屋にも来なくなる。
    また駄菓子屋もこの一定の期間でしか抽選の水晶玉はやっておらず今では一点ものの限定品となった。のちにそれはアメリカ産と判る。

    また
    房枝自身も孫を殺害されてから事件を独自に調べており、なんと水晶玉が当時うちで取り扱いってたものと類似してることからあの時の坊ちゃんが世紀の殺人魔と踏んでいた。
    警察の捜査で次の事が判った

    棟房枝は独自に事件を追いまた、それは他の者もそうであった。舌を抜かれた5の事件の五条もまたその1人であったが彼は真犯人を追及できぬまま帰らぬ人となった。
    彼は先の事件で最初に亡くなった水晶玉事件の身内である事が後に判明する。
    房枝のほうは高橋左京という人物が現在警察名簿に載ってる事を探偵を雇い判る。親交の深い烏山麗子からは実は今宵のパーティーで事件が起こる事を聴かされておりパーティー参加リストに同姓同名の高橋左京という参加者がいた為、怪しいと睨み跡を追っていたわけである。
    やがて疑惑は確信に代わり2のボロワイド金剛社長の殺害現場を目撃した。
    房枝はこの事を公表する訳でもなく心に留めておき孫娘の仇の機会をずっと伺っていた。
    が、ついにその時がやってきた。
    高橋の駄菓子好きの癖は治っておらず久方にこの駄菓子屋に寄ったが最期の運命であった。

    高橋の自宅から一つのビデオが発見され、そこには自分の殺人癖が述べられた映像が映っていた。
    高橋は俗に言うサイコパスであり猟奇的殺人衝動を持つ人物であった。
    カエルの実験から始まり魚、やがては猫、猿、猪、少女と繋がってゆく。

    高橋は己の内なる猟奇性を抑える為また他人に曝け出すの事を一に怖がった、そして己を守る為、警察官を職に選んだ。
    身内に属せば何かと都合が良いと思ったからである。

    24歳で日頃のストレスから近隣トラブルで2人を 実の五条の親
    25歳で失恋から1人の女性を
    27歳で抑えられない性行動から2人の女性を そのうちの1人は棟房枝の孫、杉本桜
    35歳では通魔として下はホームレスから上は著名人までをコンプリートするような意志のビデオも残されていた。

    そして肝心の謎は数字
    彼は警察を世間をおちょくるが如く水晶玉を置きそして数字を記す事で事件を記憶から風化させないようまた彼自身の自己満足の為の行動であった。1〜9は警察が杉本桜の事件を4と判断した為に高橋の完璧主義に火をつけてしまったものだろうと判断。殺したい人数も恐らく丁度それくらい居たのだろうかと判断するしかなかった。

    事は遡り模倣犯の水晶玉事件が彼を殺人衝動へ駆り立てる。
    丁度その時、烏山の米寿祝パーティーを聴き犯行へ移した。
    ここでは数多の著名人が集う。ターゲットは彼なりにあり、鼻につく著名人。例えば、インフルエンサー、芸能人、女優、世襲制資産家、大企業跡取等であった。
    候補としてインフルエンサーからはカケルと金井あいを、芸能人からは三条あいみと西本環奈、自分の保身のため市川、近元、友美らを手にかけ、また資産家跡取からは金剛を
    五条そして太山は犯行がバレそうな為殺害。これが警察が出した最終的な真相となった。

    高橋の水晶玉事件の証拠について

    まず高橋の自己供述ビデオは決定的な証拠となった。
    そして棟房枝のスマホの写真にはなんとパーティー当日の金剛社長を手にかける高橋の姿がおさえられていた。
    あの晩の行動力と観察力、スマホで犯行現場を撮影する若者顔負けの精神力とそして99歳でもスマホを上手く操る脳年齢の若さ。これには全警察官が脱帽した。
    また最初の事件のカケル氏殺害の殺害動画、現場写真などが高橋の自宅パソコンから発見された。
    そして西本と金井の事件は、お天気お姉さんの市川との共同犯行と判明した。
    高橋と市川は恋人の関係であったと判明し、高橋のスマホからは彼女とのツーショット写真が存在した。
    おそらく市川が西本と金井を上手く誘き寄せたか気絶させてそのまま2階の収納部屋で犯行を行い、首は紙袋か何かに入れて3階の個室まで持ち運んだと捜査付けた。
    市川の護衛にあたったのは山田という警官だった。
    山田も当時は共犯者として疑われた。
    山田の発言によれば市川をパーティーのゴタゴタで見失ってしまった。との事。
    だが結局山田の疑いは晴れ、後日、高橋のスマホからは山田という男を撒くよう指示した市川宛てのメール内容が見つかりこれが動かぬ証拠となった。

    市川の花火殺害はおそらく事件のもつれからきた口封じの為の高橋の犯行と捜査付けた。
    当時、現場で張り込みをしていた動かぬアリバイを持つ高橋には不可能だった三条あいみの犯行は市川単体の犯行と捜査付けた。
    近元の事件はホテル殺害現場からは高橋の指紋が一致した。
    そして防犯カメラと最新のAI技術を駆使したらあの晩出入りした怪しげな女性と高橋の顔の骨格の形が98%一致した。つまり高橋は女装していたことになる。
    五条の殺害も高橋の自宅から証拠が出てきて、友美の事件に関しては海と言うこともあり具体的な証拠は出てこなかったが一連の事件からしても水晶玉を持っている高橋の犯行でしか有り得ないと判断した。太山に関しては高橋の口からの供述で明らかな為これでほとんどの謎は解明された。
    また警察官が犯人なだけあって林、畑らは当然、警官全員を重点的に調べたがやはり結果は白であり、警察は一連の事件を高橋と市川の犯行と公表した。   


    林のデスクには口のつけてないサラの缶ビールがもう一本置いてあった。季節は春に代わり、甲子園の一回戦が始まろうとしていた。

    #創作大賞2026 #ミステリー小説部門

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