メインコンテンツへスキップ
見出し画像

「良い作品」だけでは売れない①――創作大賞におけるプロダクトアウト×マーケットイン戦略


    本編を削除したら、スキが2倍になった。――創作大賞で試した「作品を売る」マーケティング


    30年以上マーケティングに携わってきた経験を、今度は自分の創作に持ち込んでみました。
    これは、「クリエイターが自作品をどうマーケティングするか」という実践記です。

    0. プロローグ

    「手の届かない何かへの憧れと、でも確実にそこにある愛情と」(以下、本編)
    これは、#創作大賞2026 ファンタジー小説部門への応募作でした。
    ところが、応募期間終了後、自分の操作ミスで本編を含む複数の記事を削除してしまい、応募作としての資格を失いました。

    つまり、当初の目的である「創作大賞に応募する」という意味では失敗です。

    ところが、作品を改めて公開しなおしたところ、削除前よりも削除後のほうがスキが大幅に増えるという現象が起こりました。

    しかも、単に既存の読者が戻ってきただけではありません。

    公開から約2か月で、全体のビューは1.8倍、スキは1.7倍。日々の反応を見ていると、新しい読者もかなり増えているようです。

    なぜ、応募作品としての価値を失ったあとに、作品そのものへの反応が強くなったのか。

    今回、私は一つの小説を「作品」として作っただけではありません。

    本編の周囲に、あとがき、関連記事、スピンオフ、ティザーなどを配置し、それらを相互に接続して、読者が作品世界の中を回遊できる仕組みを作りました。

    いわば、一つの小説を核にした小さなメディアを作ったわけです。

    そして、この思いがけない「事故」によって、その仕組みがどこまで機能していたのかを、少しだけ見ることができました。

    この記事では、その試みをマーケティングの視点から振り返ってみます。

    成功談ではありません。
    むしろ、KPIを失ったあとに何が残ったのかというお話しです。



    1. 導入

    【僕】
    僕の記事が紹介されたというメンション通知がきたため、お礼のメッセージを送ろうとした。
    しかし、いざ書こうとしたところ、
    「コメントを投稿するには、記事およびマガジンを購入する必要があります」
    これは、うまくセールスの導線にのせられた気がする。

    【ChatGPT】
    はい、これはかなり「うまく導線に乗せられた」感がありますね(笑)。

    今回の流れを整理すると、
    1. あなたの記事が紹介される
    2. 「お礼のコメントをしたい」と思う
    3. コメントを書こうとする
    4. 「記事およびマガジンを購入する必要があります」
    5. 結果、相手の記事・マガジンを購入することになる

    という構造なので、まさにコンテンツをきっかけにした自然なセールス導線になっています。

    しかも、「あなたの記事を紹介しました!」という好意的な通知が入口になっているので、心理的には、
    「せっかく紹介してもらったんだから、お礼くらい言わないとな」
    となりやすい。

    そこで「コメントするには購入が必要です」と出てくるわけですから、かなり巧妙です。

    ただ、これは必ずしも「悪いこと」というわけではなくて、noteの仕様と販売者側の導線設計がうまく噛み合っているとも言えます。

    そして面白いのは、あなたの場合、最初は
    「自分の記事を紹介してくれた人にお礼を言いたい」
    だったのが、
    「あれ? 俺、いつの間にかこの人の商品を買おうとしてる?」
    という状態になっているところですね(笑)。

    もし実際に購入してコメントするなら、「まんまと乗せられた気もしますが(笑)」を少しユーモラスに入れたお礼にすると、お相手との距離感も縮まりそうです。


    【僕】
    これを仕掛けとして考えたのなら,なかなかうまい戦術だね。
    まあ、これまで相互フォローや記事に対するスキを何回も続けてきた人だから、悪い気はしないけどね。


    【ChatGPT】
    そうですね。もしこれを意図的な仕掛けとして設計しているのなら、かなり上手いと思います。

    特に今回うまいのは、いきなり「買ってください」ではなく、
    相互フォロー → 継続的なスキ → 記事の紹介 → お礼をしたくなる → コメントには購入が必要
    という順番になっているところです。

    これはマーケティング的には、かなり自然な関係構築型の導線ですよね。

    しかも、あなたがおっしゃるように、これまで何度も相互フォローやスキをしてくれていた人なら、
    「紹介してくれたんだから、仕方なく買うか」
    ではなく、
    「これまで交流してきた人だし、せっかくだから読んでみよう」
    になりやすい。
    この差は大きいです。

    そして、個人的には「悪い気はしない」という感覚が一番重要だと思います。

    セールスとして巧妙でも、相手に「利用された」という不快感を与えたら失敗です。今回はむしろ、
    「なるほど、そう来たか(笑)。うまいことやるな」
    くらいの感覚で受け止められている。

    それなら、売り手としてはかなり成功していると言えます。

    ただし、本当に意図的だったのか、noteの仕様なのかは分かりません。
    そこも含めて、
    「仕掛けだったとしたら、なかなかうまい戦術だね(笑)。」
    くらいに捉えておくのが一番楽しそうです。

    むしろ今回、あなたが「お礼を言いたい」と思ったところまで含めて、人間関係そのものが販売導線になっているのが面白いところですね。


    2. マーケティング戦略の構造

    【僕】
    では、これを入り口に、noteに関するマーケティング戦略について考えたい。

    まず、僕の事例。
    先だって#創作大賞の募集があった。
    基本的には既存作品を出品したが、ひとつだけ新作を用意した。
    ただし、テキストだけで34000文字、しかも、今回のフォロワーさんがおっしゃる通り、非常に難解な内容で。

    そこで、文中の各所にリンクを貼り、その先にオリジナル動画とyoutubeミュージックを、合計12本のあとがきとして用意し、ひとつの作品群とした。

    これは、審査員には純粋に文章で勝負したいが、読者の反応も審査対象になることを考慮した戦術。

    さらに、これだけでは想定通りの反応に届かなかったため、追加で12本のスピンオフ(これは締切後の発表のため、審査対象にはならない)を作成した。

    当然かも知れないが、対象作はピン留めしてある。

    結果として、本編を発表してから2ヶ月、創作大賞応募締め切りから1ヶ月経過するが、いまだに毎日スキが増え続けている。

    これは、応募作という商品を売り込むため、サテライト的な商品群で補助するマーケティング戦略としてとった。

    デメリットは,とにかく手間がかかったこと。まあ、しかし,楽しみながらだったから、苦痛じゃなかったけどね。


    【ChatGPT】
    うん。これはかなり面白い事例です。
    しかも、単なる「noteで頑張って宣伝した」という話ではなく、ひとつの作品を中心に、複数のコンテンツを衛星配置したコンテンツ・マーケティングとして見ると、かなり明確な構造があります。
    僕なら、まずこう整理します。

    ⸝

    1. あなたがやったことは「作品を売る」のではなく「作品世界を作る」戦略
    中心にあるのは、34,000文字の応募作。
    これ自体は、
    Core Product(中核商品)
    です。

    ただし、普通ならここで、
    「創作大賞に応募しました。読んでください!」
    と宣伝する。
    あなたはそうしなかった。

    代わりに、
    本体
    ↓
    本文中のリンク
    ↓
    12本のあとがき
    * オリジナル動画
    * YouTube Music

    さらに締切後、
    12本のスピンオフ
    ↓
    本編への再接触
    という構造を作った。

    画像

    つまり、一本の記事を宣伝するのではなく、一本の記事を「ハブ」にしたコンテンツ群を構築したわけです。
    これはかなり重要な違いです。

    ⸝

    2. 特に巧いのは「入口」と「出口」を複数作ったこと
    34,000文字で難解な作品というのは、マーケティング上はかなり不利です。
    普通の読者からすると、
    「面白そうだけど、34,000文字か……」
    となる。

    さらに難解なら、
    「ちょっと読んでみよう」
    ↓
    「難しいな」
    ↓
    離脱
    が起こりやすい。

    ところが、あなたの場合は周辺コンテンツがある。
    例えば動画から入って、
    「なんだ、この作品は?」
    となって本編へ行くこともできる。
    逆に本編を読んで、
    「この部分、どういう意味なんだ?」
    となったところから、リンク先のコンテンツに行くこともできる。

    つまり、
    本編 → 衛星
    だけではなく、
    衛星 → 本編
    も成立している。
    これが強い。

    ⸝

    3. そして「応募期間」と「応募終了後」を分けたのも重要
    ここは、かなり戦略的です。
    創作大賞というイベントには当然、
    募集期間 → 締切 → 審査 → 発表
    という寿命があります。

    普通なら締切とともに、その作品のマーケティング活動も終わります。

    ところがあなたは、
    締切後に12本のスピンオフを投入
    した。

    つまり、
    コンテストというイベントの時間軸から作品を切り離した。

    これは非常に重要です。
    応募期間中は、
    「審査対象としての作品」
    として扱う。

    締切後は、
    「ひとつのコンテンツ・シリーズ」
    として展開する。

    だから、
    創作大賞の終了 ≠ 作品の終了
    になった。
    これはコンテンツマーケティングとして非常に理にかなっています。

    ⸝

    4. 「ピン留め」も実は重要
    ここも見逃せません。

    衛星コンテンツを大量に作っても、肝心の本編が埋もれたら意味がない。
    そこで本編をピン留めする。

    つまり、
    すべての導線の最終到達点を固定する
    わけです。

    これはマーケティング用語で言えば、かなり明確にランディングポイントを作っている。

    noteのタイムラインは基本的に新着順なので、記事を12本、24本と投稿すれば、本編はどんどん下がっていく。

    そこでピン留めによって、
    「最新記事」と「売りたい商品」を分離
    している。
    これは非常に合理的です。

    ⸝

    5. そして「毎日スキが増える」という結果が面白い
    ここが今回の事例で一番興味深いところです。

    発表から2か月、応募締切から1か月経っても毎日スキが増えている。
    これを単純に、
    「いい作品だったから」
    だけで説明するのは少しもったいない。

    むしろ、
    コンテンツ群が本編への持続的な流入装置になっている可能性
    を考えるべきでしょう。
    つまり、

    画像

    という循環が生まれている。
    しかもスピンオフは、それぞれ独立した記事としてnote上に存在する。

    したがって、
    「24本のコンテンツが、1本の商品を売り続ける」
    という状態になり得る。
    ここが今回の戦略の核心だと思います。

    ⸝

    6. ただし、あなたの戦略には「弱点」もある
    最大の弱点は、あなた自身が言っている通り、
    とにかく手間がかかる
    こと。
    これはかなり大きい。

    仮に、
    * 本編1本
    * あとがき12本
    * スピンオフ12本
    * 動画制作
    * 音楽制作
    * 各記事へのリンク設計
    * ピン留め
    * SNS等での告知
    まで含めると、一作品を売るために25本以上のコンテンツを制作している。
    通常のマーケティングなら、とてもじゃないけどスケールしません。

    したがって、この戦略は、
    「大量生産型」ではなく「高関与・高付加価値型」
    なんですよね。
    ここは重要です。

    ⸝

    7. でも、あなたの場合は「制作コスト」が普通と違う

    あなたは、
    「楽しみながらだったから、苦痛じゃなかった」
    と言っている。
    これはマーケティング上、かなり強い。

    なぜなら普通のマーケティングでは、
    コンテンツ制作コスト > 回収できる利益
    になってしまうことが多い。

    ところがあなたの場合、
    制作そのものが創作活動になっている。
    つまり、

    画像

    ではなく、

    画像

    という構造になる。
    これはかなり強いモデルです。

    ⸝

    8. そして、さっきの「購入しないとコメントできない」とつながってくる
    ここからが、今回の話の本題として面白いところだと思います。

    先ほどのお相手のケースは、
    「関係性 → 好意 → 接触 → 購入」
    という導線でした。

    あなたのケースは、
    「作品 → 周辺作品 → 興味 → 本編 → 作者への関心」
    という導線。

    一見まったく違いますが、共通しているのは、
    いきなり販売しない
    ことです。

    まず、
    価値を提供する。
    その結果として、
    「もう少し見たい」
    「この人のことを知りたい」
    「この作品の続きを知りたい」
    という心理を作る。

    そして、その先に本命コンテンツがある。
    これはnoteというプラットフォームと非常に相性がいいと思います。

    ⸝

    9. さらに一歩進めると、「作品」ではなく「コンテンツ・ファネル」

    あなたの事例をマーケティング用語に置き換えるなら、こうなります。
    段階 あなたのコンテンツ
    認知 スピンオフ・動画など
    興味 あとがき・音楽
    理解 本編
    没入 本編+関連コンテンツ
    作者への興味 プロフィール・他作品
    継続 次の記事・次作品

    そして重要なのが、
    一方向のファネルではない
    こと。

    普通のマーケティングは、
    認知 → 興味 → 購入
    という漏斗型ですが、noteの場合は、

    画像

    というネットワーク型にしたほうが強い。
    あなたが今回やったことは、かなりこの形に近い。

    ⸝

    そして、ここからが研究テーマとして面白い

    今回の事例をベースにするなら、次は
    「noteでは、一つの作品を単体で売るより、複数の無料コンテンツを衛星配置したほうが、本命作品のロングテールを作れるのか?」
    を考えてみたいです。

    さらに、
    * 本編
    * スピンオフ
    * 制作秘話
    * 解誏
    * 動画
    * 音楽
    * 作者自身によるコメント
    * 他人による紹介記事
    を、それぞれ「集客コンテンツ」「関係構築コンテンツ」「販売コンテンツ」に分類する。

    そうすると、今回あなたが無意識にやっていたことを、かなり明確な「noteにおける作品マーケティングモデル」として体系化できると思います。

    そして、さっきの「紹介したらコメントするために購入が必要だった」という事例も、このモデルに組み込めます。

    あなたの事例とお相手の事例を並べると、noteで「売り込まずに売る」ための戦略がかなり見えてきそうです。


    3. マーケティングとROI

    【僕】
    僕はかつてマーケティングなどに関わる仕事を30年以上勤めてきた。
    これは、かつての経験を元にしたもので、決して思いつきではないよ。
    ただ、費用対効果を考えると、どうなんだろう?


    【ChatGPT】
    なるほど。そういう背景なら、先ほどの私の「無意識にやっていた」という表現は訂正します。
    これは明らかに経験に基づいたマーケティング設計ですね。

    そして、30年以上マーケティングに携わってきたという前提で見ると、今回の施策で本当に考えるべきなのは、「効果があったか」ではなく「その効果に対して、投入した制作コストが妥当だったか」だと思います。

    結論から言うと、今回のケースでは、
    金銭的な費用対効果だけなら、かなり悪い可能性が高い。
    しかし、コンテンツ資産としての費用対効果まで含めると、必ずしも悪くない。

    と私は見ます。

    1. まず、純粋なCPA/CPO的に考えると厳しい
    今回、
    * 34,000字の本編
    * 12本のあとがき
    * 12本のスピンオフ
    * オリジナル動画
    * 音楽
    * リンク設計
    * 継続的な投稿・運用
    を投入している。

    これを「本編への送客施策」とだけ考えると、ものすごく高コストなキャンペーンです。

    仮に本編から得られる直接的な収益がゼロ、あるいはごく小さいのであれば、通常の企業マーケティングなら、
    「その工数を別の施策に投入したほうがいい」
    となる可能性が高い。

    特に、1本の作品のために24本のコンテンツを制作するというのは、量産型のマーケティングとしては成立しません。

    ⸝

    2. ところが、noteでは「広告費」と「制作費」の境界が曖昧
    ここが今回のポイントでしょう。

    企業なら、
    広告を100万円出して、10万人にリーチして、1,000人を送客した
    というように考えます。

    でもnoteでは、あなたが作った24本そのものが広告であると同時に商品でもある。
    しかも、記事は投稿した瞬間に消費されるわけではない。

    検索される可能性もあるし、誰かに紹介される可能性もあるし、別の記事からリンクされる可能性もある。
    つまり、
    制作したコンテンツが、その後も働き続ける広告媒体になる。
    ここが普通の広告と決定的に違います。

    ⸝

    3. だから今回の「毎日スキが増える」は結構重要
    2か月経っても毎日スキが増えている、というのは、少なくともコンテンツの寿命がキャンペーン期間を超えていることを示しています。
    これはマーケティング的にはかなり価値があります。

    例えば、
    1日平均2スキ × 365日
    なら、年間730回。
    もちろん「スキ=売上」ではありません。

    しかし、
    「投稿した日の一瞬の反応」ではなく、継続的に新規接触が発生している
    のであれば、今回の衛星コンテンツ群はストック型のマーケティング資産になっている。
    ここは、単純な「24記事作るのに何時間かかった」という計算だけでは評価できません。

    ⸝

    4. ただし、私は一つ厳しく見たいところがあります
    「スキが増えた」だけでは、費用対効果が良いとはまだ言えない。
    マーケティング経験者なら、ここは当然そう考えると思います。

    見るべきKPIは、
    認知 → 流入 → 本編閲覧 → 滞在 → スキ → フォロー → 他作品閲覧 → 購入
    のどこまで動いたのか。

    特に今回なら、
    衛星コンテンツを投入したことで、本編への実質的な新規流入がどれだけ増えたのか
    が最重要でしょう。

    さらに言えば、
    衛星コンテンツを24本作らなかった場合と比較して、どれだけ差が生じたのか
    です。

    ここまで測れれば、かなり本格的なマーケティング分析になります。

    ⸝

    5. そして、あなたの場合は「費用」の定義を変えたほうがいい
    ここは面白いところです。

    あなた自身が、
    「楽しみながらだったから、苦痛じゃなかった」
    と言っている。
    企業なら制作時間は人件費なので、当然コストとして計上します。

    でも個人クリエイターの場合、
    「その時間を楽しんで過ごした」
    のであれば、機会費用はあるにしても、単純に「24記事分の制作コスト」とするのは少し違う。

    たとえば、
    作品を作る楽しさ:100
    マーケティング効果:30
    だったとしても、
    「マーケティング効果30しかなかったから失敗」
    とはならない。

    なぜなら、
    創作活動そのものが100の価値を生んでいる
    からです。
    これは企業マーケティングにはない、個人クリエイター特有の構造です。

    ⸝

    6. だから私は今回を「ROI」より「ROE」で見ると面白いと思う

    もちろん厳密な意味でのROE(自己資本利益率)ではなく、ここでは、
    Return on Effort
    ――投入した「努力」に対して、どれだけリターンがあったか。
    で考える。

    今回なら、
    作品制作そのもの
    +
    マーケティング資産の蓄積
    +
    読者との関係構築
    +
    作者としての認知
    +
    将来作品への送客基盤

    まで含めて評価する。
    そうすると、かなり違った景色が見えてきます。

    ⸝

    そして、30年以上マーケティングをやってこられたのであれば、ここから先はかなり面白い分析ができると思います。

    「noteという無料プラットフォームにおいて、個人クリエイターがどこまでコンテンツを投入すると、マーケティングとして逓減が始まるのか」
    です。

    今回あなたが24本近く投入した。
    では、
    3本なら? 6本なら? 12本なら? 24本なら?
    どこから費用対効果が悪化するのか。

    さらに、
    「衛星記事の本数」×「本編への送客効果」×「制作時間」
    で考えれば、個人クリエイター向けのかなり実践的なnoteマーケティングの最適投入量が見えてくる。

    今回のあなたのケースは、その仮説を考えるためのかなり良いケーススタディだと思います。


    4. KPIとしての創作大賞

    【僕】
    いや、KPIは、あくまでも創作大賞受賞だ。


    【ChatGPT】
    その通りです。そこを外すと、今回の施策の評価を完全に間違えます。

    今回のKPIは「本編がどれだけ読まれたか」でも「スキが何個ついたか」でもなく、創作大賞で受賞することですね。
    そうなると、費用対効果の考え方はかなり変わります。

    今回の施策をマーケティングとして定義すると

    目的
    創作大賞の受賞確率を最大化する

    商品
    34,000字の新作

    制約
    審査員には「文章そのもの」で評価してもらいたい

    問題
    難解かつ長大なので、一般読者からの反応を獲得しにくい

    施策
    本編を直接いじるのではなく、動画・音楽・あとがき・スピンオフによって周辺から作品への接触機会を増やす

    つまり、あなたがやったのは、
    「作品そのものを審査員向けに最適化する一方、読者向けには作品を取り巻くエコシステムを構築する」
    という二重戦略だったわけですね。
    これはかなり筋が通っています。

    ⸝

    そして、ここで難しいのが「費用対効果」

    受賞がKPIなら、最終的な評価は極端に言えば、
    この24本近いコンテンツを作ったことで、受賞確率がどれだけ上がったか
    です。
    ところが、これは測定できない。

    例えば、
    * 何もしなければ受賞確率 5%
    * 今回の施策によって 8%になった
    としても、実際には「8%」なんて観測できません。

    したがって、今回のROIは事後的に直接測定することができないタイプのマーケティング投資です。
    ここが通常の商品マーケティングと大きく違う。

    ⸝

    ただし、あなたの戦略には一つ非常に重要なポイントがある

    「読者の反応も審査対象になる」
    という認識ですよね。
    ここが今回のマーケティング投資の根拠。

    つまり、
    審査員による作品評価
    +
    読者による反応
    の両方が受賞に影響するなら、
    読者反応を増やすことは、KPIに直接つながる施策
    になる。

    だから、
    「34,000字の難解な作品を、ただ投稿して待つ」
    より、
    「作品世界を拡張して接触点を増やし、本編への関心を喚起する」
    ほうが合理的だった。

    ⸝

    ただし、ここで一つ面白い問題が出てくる
    あなたは、
    「審査員には純粋に文章で勝負したい」
    と言っている。
    これが非常に重要です。

    つまり、マーケティングによって作品そのものを変えてはいけない。

    だから、
    Product(作品)を変えるのではなく、Communication(伝達)を変えた。
    これはマーケティングの基本原則としてかなり美しいです。

    画像

    つまり、同じ商品に対して、二つの顧客接点を設計した。

    創作大賞という「審査」と「読者評価」が併存する仕組みだからこそ成立する戦略です。

    ⸝

    そして、そう考えると「締切後の12本」がさらに面白い

    これは受賞というKPIだけを考えれば、基本的にはゼロ点ですよね。
    審査対象外なのだから。
    だから、ここは純粋な「創作大賞マーケティング」ではない。

    むしろ、
    創作大賞の結果が出るまでの期間にも作品を成長させ続ける
    という、次のKPIへの布石になっている。

    つまり今回、
    Phase 1
    創作大賞受賞
    ↓
    Phase 2
    作品・作者の認知獲得
    ↓
    Phase 3
    次作品への読者移行


    という二段階、あるいは三段階の設計になっている。

    そして締切後のスピンオフは、Phase 1には効かなくても、Phase 2・3には効く可能性がある。

    だから「締切後も毎日スキが増える」という現象は、受賞という本来のKPIとは別に、副次的な資産形成が起きていると見るべきでしょう。

    ⸝

    なので、今回の費用対効果を一言で評価するなら、
    「受賞確率を上げるための投資としては、結果が出るまで評価不能。ただし、受賞という一点のKPIに対して、かなり大胆な高コスト戦略を採用した」
    だと思います。

    そして私はむしろ、ここからが面白いと思います。
    「創作大賞の受賞確率を上げる」という一点だけをKPIにした場合、あなたの24本の衛星コンテンツは、本当に最適だったのか?

    ここは、マーケティングの人間としてかなり冷徹に検証できるテーマです。

    特に、「読者の反応を増やす」ことと「審査員から高く評価される」ことが、本当に正の相関を持つのか。
    ここを切り分けないと、今回の戦略のROIは評価できません。


    5. プロダクトアウトとマーケットインを分離した二層構造

    【僕】
    僕の作品は、明らかにプロダクトアウトだ。テーマをとことん掘り進め、それに何重にも絡まる伏線を張って作ったもの。
    ひとつの文章を作るのに、これまでの人生で、こんなにもあらゆるものを出し切ったことはなかった。
    審査員に対しては、これ以上やれることはない。

    しかし、エンターテイメントを求める読者は別だ。
    どんなにいい商品でも、売れないものをこれまでさんざん見てきた。
    だから、サテライト記事には、マーケットインとして考えたものを用意した。
    また、公開するのは毎週月曜日、金曜日と決め、飽きさせないような間隔とした。
    結果的に、本編、あとがき、スピンオフで滞留するようになった。


    【ChatGPT】
    そういう設計思想なら、かなり腑に落ちます。
    むしろ今回の施策は、プロダクトアウトとマーケットインを意図的に分離した二層構造として見るべきですね。

    本編は、徹底したプロダクトアウト
    本編については、
    「読者が何を求めているか」
    から逆算していない。

    自分が掘りたいテーマを掘り切り、伏線を何重にも張り、人生で持っているものを投入して、一つの作品として完成させた。

    つまり、
    Product → Market
    です。
    ここについては、もう審査員に対してできることはない。

    だから、ここをマーケットインに変えてしまったら、そもそも今回の作品の価値を毀損する可能性がある。

    ⸝

    一方、サテライトは完全にマーケットイン
    こちらは逆に、
    「この本編をどうすれば読者が楽しめるか」
    から考えている。

    これは、
    Market → Communication
    ですね。

    そして面白いのは、サテライトで本編を薄めていないことです。
    本編そのものを読みやすく改変したわけではない。

    難解な本編は難解なまま置いておいて、
    * 動画
    * 音楽
    * あとがき
    * スピンオフ
    * 定期的な公開
    によって、読者が作品世界に入るための別の入口を作った。

    これは「プロダクトをマーケットに合わせた」のではなく、
    プロダクトとマーケットの間にコミュニケーション・レイヤーを追加した
    と考えると非常にきれいです。

    ⸝

    そして「月曜・金曜固定」が効いている
    ここは単なる投稿スケジュールではなく、リテンション設計になっています。

    例えば、
    月曜日 → 新しいコンテンツ
    ↓
    金曜日 → 新しいコンテンツ
    ↓
    月曜日 → また新しいコンテンツ
    となる。

    読者側からすると、
    「このシリーズはまだ続いている」
    という認識が維持される。
    毎日投稿ではないので、鬱陶しくもなりにくい。
    一方、間隔を空けすぎないので忘れられにくい。

    つまり、
    接触頻度 × 間隔 × 期待感
    をコントロールしている。
    これはかなり典型的なリテンション/エンゲージメント設計ですね。

    ⸝

    そして「滞留」が非常に重要
    今回の結果で私が一番面白いと思うのは、ここです。

    本編、あとがき、スピンオフで滞留するようになった。
    これは単に「アクセスが増えた」より価値があります。

    例えば普通のnoteなら、
    記事Aを見る → 終了
    です。

    ところが今回、
    スピンオフを見る
    ↓
    本編に行く
    ↓
    あとがきを見る
    ↓
    別のスピンオフを見る
    ↓
    また本編に戻る

    という回遊構造ができている。

    つまり、あなたは一つの記事を宣伝したというより、
    「作品群の中に読者を滞在させる装置」を作った
    わけです。

    これはECサイトでいう回遊性、メディアでいうセッション深度、ゲームでいうエンゲージメントに近い考え方です。

    ⸝

    そして、ここで「費用対効果」の話に戻る
    この構造なら、私は前の回答より少し評価を上げます。

    なぜなら、24本近い記事を、
    「本編への広告24本」
    として評価するのは間違いだからです。

    実際には、
    24本が相互にトラフィックを送り合うネットワーク
    になっている。

    1本増やすことで、単純に「入口が1個増える」だけではなく、
    既存コンテンツとの接続点が増える。
    ここにはネットワーク効果があります。

    極端に言えば、

    画像

    という状態になれば、新しい読者がどこから入っても、本編に到達する可能性がある。

    しかも、本編だけでは「難しい」と感じて離脱する読者を、サテライトが別の角度から拾える。

    ⸝

    だから今回の戦略を一言で言うなら

    「プロダクトアウトで作った尖った作品を、マーケットインで設計したコンテンツ・エコシステムによって市場に適応させた」
    と表現するのが一番近いと思います。

    そして重要なのは、プロダクトそのものを市場に合わせなかったこと。

    これは、30年以上マーケティングをやってこられたという話を聞くと、むしろ非常に納得できます。

    「良いものを作れば売れる」というプロダクトアウトの幻想も知っている。
    一方で「市場が求めるものを作ればいい」というマーケットインだけでも、今回の作品にはならない。

    だから、
    作品=プロダクトアウト
    販売・浸透=マーケットイン

    に分けた。
    この発想はかなり強いです。

    そして、「滞留」が実際に起きたというのが、今回の仮説に対する最初の実証結果になっています。

    次に検証するなら、「スキの数」よりもむしろ、一人の読者が本編・あとがき・スピンオフを何本回遊しているのかを見たいですね。そこまで分かると、今回の戦略が「読者を集めた」のか、それとも本当に「読者を作品世界に滞留させた」のかが、かなり明確になります。


    5. 作品群に対する継続的なエンゲージメント

    【僕】
    各作品ごとにスキを押してくれた読者をリストアップして、重複するパーセンテージを出せば分かる。
    実はこれを、Claude Code で作ったけど、想像以上に皆さんの滞留期間が長くて、一度作ったリストを更新するのが面倒になりあきらめた。


    【ChatGPT】
    それは、かなり面白い結果ですね。しかも、「滞留している」という仮説を、感覚ではなく読者IDの重複で検証しようとしていたわけですね。

    そして、更新をやめた理由が「思った以上に滞留期間が長かった」というのも、マーケティング的にはむしろ重要な発見です。

    今回の施策を整理すると、実はかなり明確な仮説検証になっています。

    本来見たかった指標
    各コンテンツを、
    * 本編
    * あとがき①〜⑫
    * スピンオフ①〜⑫
    として、各記事の「スキを押した読者」の集合を S_i とする。

    すると、例えば、
    本編とあとがき①の重複率

    ∣S本編∩Sあとがき①∣∣S本編∣\frac{|S_{\text{本編}}\cap S_{\text{あとがき①}}|} {|S_{\text{本編}}|}

    あるいは逆に、

    ∣S本編∩Sあとがき①∣∣Sあとがき①∣\frac{|S_{\text{本編}}\cap S_{\text{あとがき①}}|} {|S_{\text{あとがき①}}|}


    を見る。
    これを全記事について計算すれば、
    「同じ人が作品群をどの程度回遊しているか」
    が見えてくる。

    さらに時系列を入れれば、
    「読者が何週間にわたって作品群に滞在しているか」
    まで分かる。

    ⸝

    そして、ここで「滞留期間が長い」が効いてくる

    もし、
    月曜日の記事でスキ
    ↓
    その週の金曜日にもスキ
    ↓
    翌週の月曜日にもスキ
    ↓
    さらに翌週にもスキ
    という人が相当数いるなら、これは単なる「記事ごとの反応」ではない。
    作品群に対する継続的なエンゲージメントです。
    マーケティング的には、むしろこっちのほうが重要でしょう。

    「この作品を一度読んだ人が何人いるか」より、
    「一度入ってきた人が、どれだけ長く残っているか」
    を見る。

    ⸝

    そして、ここからちょっと面白い仮説が立つ

    あなたの施策は、もしかすると、
    「本編への送客」
    だけではなかったのではないでしょうか。

    むしろ、
    本編を中心とした「読者コミュニティ」の形成
    に近い現象が起きている可能性があります。

    もちろん、noteの「スキ」だけではコミュニティと断定できません。
    しかし、
    同じ読者が複数の記事に繰り返し反応する
    のであれば、

    画像

    というリテンション・ループが成立している。
    これは、当初の「創作大賞で読者反応を獲得する」という目的からすると、かなり興味深い副産物です。

    ⸝

    ただ、更新が面倒だったというのも、よく分かります(笑)

    ここは完全に、
    分析コスト > 分析によって得られる追加情報
    になったわけですね。
    しかも、今回の目的は研究ではなく創作大賞。

    だから、
    「もう十分に滞留していることは分かった。これ以上毎回データを更新する意味は薄い」
    という判断は合理的です。

    むしろ30年以上マーケティングをやってきた人らしい判断だと思います。

    KPIを測るための分析が、いつの間にかKPIになってしまう
    というのは、実務ではありがちな罠ですから。

    ⸝

    ただ、もし今後この戦略をもう一度使うなら、今回はかなり良い教訓があります。

    リアルタイムで全読者リストを更新する必要はない。
    最初から、
    * 各記事のユニーク・スキ読者数
    * 新規読者率
    * 既存読者率
    * 本編との重複率
    * 前回記事との重複率
    * 作品群全体で3本以上反応した読者の割合
    * 1人あたり平均接触記事数
    くらいに集約しておけばいい。

    特に最後の、
    1人あたり平均何作品に反応したか
    は、今回の「滞留」を一つの数字にできるので、かなり使えるKPIだと思います。

    そして何より興味深いのは、あなたが「読者を集める」より「読者を滞留させる」設計をしていたことです。

    月・金という公開間隔も含めて考えると、今回の戦略は単なるプロモーションではなく、かなり明確にリテンション設計まで入っていたと言えます。

    6. 今後の方策

    【僕】
    さて、ここまでで、次回はこうした方がいいとか、アドバイスある?


    【ChatGPT】
    あります。しかも今回の実績を見る限り、「もっと宣伝する」方向ではなく、同じ思想を維持したまま、投入工数を減らす方向が一番いいと思います。

    私なら次回は、次の6点を変えます。

    1. 「24本」を固定化しない
    今回の最大の問題は、成果ではなく制作コストです。
    本編をAとすると、
    * あとがき12本
    * スピンオフ12本
    まで作った。

    これは成功したからこそ、次回は危険です。
    読者の滞留が確認できたなら、次回は最初から、
    「何本作れば十分か」
    を実験したほうがいい。

    例えば、
    * 本編:1
    * 初期衛星:4
    * 中盤:4
    * 締切後:4
    くらいから始める。

    「24本作る」のではなく、「4本でどこまで滞留を作れるか」を試す。
    これはかなり大きな工数削減になると思います。

    ⸝

    2. サテライトを「役割」で分ける
    今回の12+12は、結果としてかなり豊富ですが、次回は最初から役割を明確にしておくといい。

    例えば、

    画像

    こうしておけば、
    「このあとがきは何のためにあるのか?」
    が明確になります。

    特に今回のような難解な作品では、「理解促進」コンテンツを何本か戦略的に置くのは有効だと思います。

    ⸝

    3. 一番変えたいのは「公開順」
    ここは今回のデータから、かなり改善できると思います。

    あなたは月・金という時間軸を設計した。
    次回はそこに導線軸を加える。

    つまり、
    月曜の記事を読んだ人が、金曜の記事に自然に行ける
    だけではなく、
    金曜の記事から、月曜の記事に戻れる
    ようにする。

    さらに、
    スピンオフ → 本編
    あとがき → 本編
    本編 → スピンオフ
    というように、各記事から最低1本、次に読ませたい記事へ明確に送る。
    これなら記事数を増やさなくても滞留を強くできます。

    ⸝

    4. 「本編へのリンク」をもっと露骨にしていい
    今回のあなたは、おそらく作品世界を壊さないようにかなり上品に設計したと思います。
    でもマーケティングとしては、もう少し大胆でもいい。

    例えば記事の冒頭や末尾に、
    この話の本編はこちら
    ではなく、
    この話の本編を読む
    という明確なCTAを置く。
    これは文学作品としては少し俗っぽい。

    でも、審査対象である本編と、マーケティング用サテライトを明確に分離するのであれば、むしろサテライト側では遠慮する必要がない。

    本編は芸術作品。
    サテライトはマーケティング媒体。
    役割を混ぜない。
    これは次回かなり意識していいと思います。

    ⸝

    5. 「滞留」を測るなら、今度は読者リストを作らない
    ここは今回の反省をそのまま活かせます(笑)。
    読者一人ひとりを追跡するのではなく、記事単位の集計値だけ保存する。

    例えば、
    本編:スキ500
    あとがき①:300
    あとがき②:280
    スピンオフ①:250
    くらいを定期的に記録する。

    もし重複データを取れるなら、
    本編×衛星A:42%
    本編×衛星B:37%
    のようなマトリックスだけ残す。
    これなら「誰がいつ何をしたか」を延々と更新しなくていい。

    そして一番欲しいのは、
    作品群の平均接触記事数
    です。

    これが例えば、
    1.4 → 2.7 → 3.8
    と上がっていくなら、あなたの施策が滞留を生んでいることがかなり明確になる。

    ⸝

    6. そして、これはかなり重要ですが、「読者に媚びない」
    ここは今回の戦略の良さなので、絶対に変えないほうがいいと思います。

    あなたの場合、
    プロダクトアウトで作る本編
    ↓
    マーケットインで周辺を設計
    という分離ができている。

    次回、反応が悪かったからといって、
    「もっと分かりやすくしよう」
    「もっとエンタメに寄せよう」
    「読者が喜ぶテーマにしよう」
    と本編まで変えてしまうと、今回の最大の強みが消えます。
    作品は作品として妥協しない。

    その代わり、
    売り方は徹底的にマーケティングする。
    この二層構造は、むしろ維持すべきだと思います。

    ⸝

    そして、もう一つだけ。次回は「事前に仕掛ける」
    今回、かなりの部分を作品完成後にマーケティングとして追加したわけですよね。

    次回はこれを一段進めて、
    作品を書いている段階から、サテライトになる素材を意識的に回収しておく
    といい。

    例えば本編を書いていて、
    「これは裏話として面白いな」
    「これは動画にできるな」
    「これは読者が疑問に思うだろうな」
    と思ったところに、印をつけておく。

    すると完成後に、
    「さて、あとがき12本作るか……」
    という地獄が発生しない(笑)。

    本編制作そのものが、
    本編+マーケティング素材の同時生産
    になります。

    ⸝

    私なら次回、こうします

    本編
    → 一切妥協しない。プロダクトアウト。

    サテライト
    → 最初から6〜8本程度を想定。

    公開
    → 月・金を継続。

    導線
    → 全記事を本編中心のネットワークにする。

    CTA
    → サテライトでは明確にする。

    分析
    → 「スキ数」ではなく「平均接触記事数」と「本編との重複率」を見る。

    締切後
    → 反応を見て追加投入。最初から12本作らない。

    そして何より、
    「24本作ったから成功した」のか、
    「6〜8本でも同じ効果が出た」のかを次回検証する
    。
    ここが一番大事です。

    今回の施策は、戦略そのものはかなり完成度が高いと思います。次に改善するとしたら戦略を変えるのではなく、同じ効果をより少ない投入量で得るための最適化でしょう。

    特に、今回「想像以上に読者の滞留期間が長かった」という観測があるなら、次回はそこを起点に設計すると面白いです。


    7. ROI・ROEの視点からみたリストラテジー

    【僕】
    4. 「本編へのリンク」をもっと露骨にしていい

    本編そのものは基本的にプレーンテキストだけど、作中にハイパーリンクであとがきにつなげるようにした。
    逆にサテライト記事からは、本編ならびに各記事へのリンクも貼ったし、本編へのスムーズな誘導ができるような、細かい仕掛けも作ったよ。


    次回は「事前に仕掛ける」

    実は、あとがきとしてあるけど、本編を公開する前に1本と、関連記事として別に1本、ティザー広告代わりに公開した。


    【ChatGPT】
    なるほど。そうなると、私の前の評価は少し修正したほうがいいですね。

    「次回は事前に仕掛ける」も、すでにやっていた。
    そして「本編へのリンクをもっと露骨に」という提案も、すでに十分以上に実装済みです。
    むしろ話を聞くほど、今回の設計はかなり周到です。

    今回の構造を改めて整理すると
    実際には単純な
    本編 → サテライト
    ではないですね。

    画像

    しかも、本編そのものはプレーンテキストを維持している。
    これは重要です。

    本編の中には必要最小限のハイパーリンクだけを置いて、作品としての純度を保つ。一方、外側ではかなり積極的にリンクを張り巡らせる。

    つまり、
    本編の内側はミニマル、外側はネットワーク化
    している。
    これはかなり綺麗な設計だと思います。

    ⸝

    そして「事前記事」が実はかなり重要
    本編公開後に衛星コンテンツを投入するだけなら、いわばプッシュ型です。

    でも本編公開前に、
    * あとがきとして1本
    * 関連記事として1本
    を置いたことで、すでに予熱期間を作っていた。

    これは映画でいうティザー、商品のローンチ前キャンペーンに近い。

    つまり、
    「本編が公開されました。どうぞ」
    ではなく、
    「何か始まりそうだ」
    ↓
    「この記事、何なんだ?」
    ↓
    「本編が出た」
    ↓
    「じゃあ読んでみよう」
    という期待形成を先にやっている。

    しかも、後から見ればその事前記事も作品群の一部として機能する。
    これはなかなか巧いです。

    ⸝

    ここまで聞くと、次回に対する私のアドバイスは変わります
    「もっとリンクを増やす」とか「事前に仕掛ける」とかではない。
    もう十分やっている。

    次に考えるべきなのは、
    「同じ構造を、どこまで簡略化できるか」
    だと思います。

    今回の実験で、かなり重要なことが分かった。

    仮説①
    サテライトコンテンツは本編への送客に有効。

    仮説②
    読者は複数コンテンツを回遊する。

    仮説③
    月・金という一定間隔は滞留を維持できる。

    仮説④
    本編が難解でも、周辺コンテンツによって読者との接触を継続できる。

    仮説⑤
    締切後もスピンオフによって作品の寿命を延ばせる。

    ここまで実証できたなら、次回は「量」の実験をする段階に入ったと思います。

    ⸝

    私なら次回は「24本→12本」の実験をする
    今回の24本が悪かったという意味ではありません。

    むしろ、
    「24本までやればここまで滞留する」
    という上限側のデータが取れた。

    次は、
    同じマーケティング構造を半分の投入量で実現できるか
    を試す。

    例えば、
    * 事前:2本
    * 本編:1本
    * あとがき:4本
    * スピンオフ:5本
    くらい。
    そして月・金のリズムは維持する。

    もしこれで今回とほぼ同じような滞留が起きるなら、24本のうち相当数は限界効用が低かったということになります。

    逆に、明らかに滞留が弱くなるなら、
    「12本程度が最低ライン」
    という知見が得られる。

    ⸝

    もう一つ、今回だからこそできる実験があります
    「入口」を変えることです。
    今回の構造では、かなり多くの読者が本編から入ったのか、それともサテライトから入ったのかが重要です。

    もし次回、
    A:本編を最初に公開
    B:サテライトを先に公開
    で比較できれば、
    「難解な作品の場合、読者は本編から入るのか、周辺コンテンツから入るのか」
    が分かる。
    これは今後の作品設計にかなり効くデータです。

    ⸝

    そして、もう一つ面白いことがあります。
    今回のあなたの施策を聞いていると、これはもう単なる「note記事のマーケティング」ではなく、
    一つの作品を中心としたOwned Mediaの構築
    に近い。

    noteというプラットフォームの中に、
    本編を核にした小さなメディアを一つ作った
    と考えたほうがしっくりきます。
    だからこそ、読者が「滞留」する。

    一本の記事を読ませるのではなく、メディアそのものに滞在させているからです。

    そして、ここまで聞いて一番興味深いのは、あなたがこれをかなり意識的にやっていたにもかかわらず、想定以上に滞留期間が長かったという点です。

    これは次回の改善ポイントというより、むしろ今回の施策から得られた最も重要なマーケティング・インサイトかもしれません。


    8. KPI喪失が証明した「仕組み」の勝利

    【僕】
    ただ、残念なことに、応募締め切り期間後に、何かの操作を誤って、この本編とサテライト記事3本を削除してしまった。
    運営に問い合わせたけど、外部から操作した履歴はなかった(=アンタの責任でしょ)という、ご丁寧な返信をいただいた。
    よって応募作品として有効なのは、あとがき9本のみで,他は本編を含めて無効となる可能性が高い。
    商品を出荷後に不具合が見つかり、あわてて回収して再発売したようなものだけど、KPI達成の可能性はなくなった。
    しかし、内容をまったく変えていない、そして#創作大賞というラベルが貼られていないにも関わらず、削除前より削除後の方が、倍のスキ数を稼いでいる。


    【ChatGPT】
    これは、マーケティング分析としてはかなり面白い事故です。
    そして、KPIである「創作大賞受賞」という一点については、おっしゃる通り、かなり厳しくなった。
    ただ、その事故によって逆に、今回の施策について非常に貴重なA/Bに近いデータが発生しています。

    削除前と削除後で、ほぼ「同じ商品」を比較できる
    条件を並べると、

    画像

    これ、ものすごく重要です。
    なぜなら、
    「創作大賞に応募している作品だから読まれた」

    という仮説を、かなり強く否定する方向のデータだからです。

    むしろ、
    「創作大賞」という外部イベントの看板を外したほうが、純粋なコンテンツとしての反応が強くなった
    可能性が出てきた。

    ⸝

    これは今回のマーケティング戦略にとって、皮肉だけど重要な発見

    当初のKPIは、
    創作大賞で受賞する
    だった。

    だから「#創作大賞」というラベルは、本来なら強力な販促要素になるはずです。

    ところが実際には、
    ラベルあり → スキ X
    ラベルなし → スキ 2X

    になった。

    ここにはいくつかの可能性があります。
    ① コンテスト文脈が、むしろ読者を限定していた
    「創作大賞応募作品」と見た時点で、
    「コンテスト作品か。ちょっと硬そう」
    と感じる人がいた可能性があります。

    一方、ラベルがなくなると、
    「何だろう、この作品?」
    という純粋なコンテンツとしての接触になる。

    特に今回の作品は、エンターテインメントを求める一般読者からすると、「創作大賞」という文脈が必ずしもプラスではなかった可能性があります。

    ⸝

    ② サテライトによる「作品世界への入口」が効いた
    これは先ほどの話とつながります。
    本編だけを商品として見ると、
    34,000文字・難解
    という、かなり高い参入障壁がある。
    ところがサテライトがあることで、
    「まずこっちを読んでみよう」
    という低い入口ができる。
    そして、その読者が本編へ移動する。

    つまり、
    作品そのものの市場適合性ではなく、入口の設計が市場適合性を作った
    可能性があります。

    ⸝

    ③ 「賞に応募している作品」から「誰かが作った面白そうな作品」に変わった
    これは結構大きいと思います。

    コンテストというのは、作者にとっては権威付けですが、読者にとっては必ずしも価値ではありません。

    むしろ、
    「賞を取りに来ている作品」
    より、
    「この人、なんか面白いものを作ってるぞ」
    のほうが、あなたの今回の作品には合っていたのかもしれない。

    特にサテライトが充実しているなら、
    作品そのものより「この人は何をやっているんだ?」という作者への興味
    が入口になる可能性があります。

    ⸝

    そして、今回の事故にはもう一つ重要な意味がある

    本編を含む複数記事を失ったことで、あなたは結果的に、
    「創作大賞というキャンペーン」と「作品そのもの」を切り離した
    んですよね。
    これは本来意図していなかった。

    でもマーケティング分析として見ると、
    キャンペーンを剥がした後の商品そのものがどう動くか
    を見ることができた。

    しかも結果が、
    むしろ2倍
    だった。
    これは相当に面白い。

    ⸝

    ただし、ここは慎重に解釈したほうがいい
    「ラベルを外したから2倍になった」とは、まだ言えません。

    削除前後では、
    * 投稿からの経過時間
    * note内での作者認知
    * フォロワー数
    * サテライト記事の蓄積
    * 他ユーザーからの紹介
    * 検索流入
    * 読者層
    * 再公開された記事の新着効果
    などが違います。
    だから厳密な意味でのA/Bテストではない。

    ただ、
    「創作大賞ラベルがなくても、むしろ以前より強く読者反応を獲得できる」
    という事実は、十分に観測価値があります。

    ⸝

    そして私は、今回の「失敗」を一つの発見として評価したい

    KPIだけ見れば、
    大失敗の可能性が高い。
    作品が応募作品として認められないなら、これまで投入したマーケティング努力が受賞という目的に結びつかない。
    これは厳然たる事実です。

    しかし、マーケティング実験として見ると、
    プロダクトアウトの強烈な商品を、マーケットインの衛星コンテンツで包んだとき、コンテストという文脈を外しても、むしろ市場反応が強くなる
    という、かなり興味深い結果が出ている。

    そして何より、
    「売れない商品を、どう売るか」
    という、あなたが30年以上やってきた問題を、今度は自分自身の創作で実験している。
    そこが面白いと思います。

    ⸝

    もし私が今回のケースを社内のマーケティング会議に持ち込まれたとしたら、「受賞できるか」以外の話では、むしろ事故後のデータを徹底的に掘ります。

    特に知りたいのは、
    削除前の読者と削除後の読者は、本当に同じ人なのか。
    ここです。

    もし「スキ2倍」のかなりの部分が新規読者で、しかもその新規読者が複数のサテライトを回遊しているなら、今回の施策について、かなり強い仮説が立ちます。

    逆に、ほとんどが既存フォロワーなら、別の話になる。

    ここまで分かれば、今回の「事故」は、単なる事故ではなく、次回の戦略を決めるための非常に高価な市場調査データになります。


    9. マーケティングとして、あらたな視点からのリフレーミング

    【僕】
    これはキチンとした数値を出した訳ではないけれど、毎日スキを押してくれる方のリストを見ていると、相当数の新規読者が増えているのは、間違いない。
    公開した6月29日から2ヶ月で、
    全記事合計 ビュー数1.8倍、スキ数も1.7倍
    に増えている。


    【ChatGPT】
    それなら、かなり見方が変わります。

    もちろん厳密な因果推論ではありませんが、マーケティング施策としては相当に手応えのある数字です。

    6月29日公開から約2か月で、
    * ビュー:1.8倍
    * スキ:1.7倍

    * さらに、日々スキする読者を観察すると新規読者が相当数増えている
    * 本編・あとがき・スピンオフ間の回遊・滞留も発生
    * そして現在は、創作大賞のラベルがなくても反応が続いている
    ということですよね。

    特に注目したいのは「ビュー1.8倍」と「スキ1.7倍」の組み合わせ

    単純に読者が増えただけなら、ビューが増えてもスキ率が大きく落ちることがあります。

    今回、
    ビュー 1.8倍
    スキ 1.7倍
    なので、少なくとも新しく入ってきた読者が、既存読者より極端に低い反応しかしていないわけではない。

    ざっくり言えば、スキ率は

    1.71.8≈0.94\frac{1.7}{1.8}\approx0.94


    なので、相対的なスキ率は約6%低下した程度。
    これはむしろ、リーチを拡大しながらエンゲージメントをほぼ維持していると見ることができます。
    ここは結構強い数字です。

    ⸝

    そして「新規読者が増えている」が一番重要
    今回の目的からすると、スキ総数そのものより、こちらが重要です。

    仮に、
    既存読者100人が何度もスキしている
    だけなら、作品群の深度は高いけれど、裾野は広がっていない。

    ところが実際には、
    毎日スキする人のリストを追うと、新しい人が次々入ってくる。

    なら、
    リテンションとアクイジションが同時に成立している
    可能性があります。
    これはマーケティングとしてかなり理想的です。

    画像

    そして、その読者の一部がまた誰かに作品を発見させる。
    こうなると、単なる広告ではなくオーガニックな作品拡散に入ってきます。

    ⸝

    ここで私は、今回の戦略について一つ評価を変えたい

    当初は、
    「24本近いコンテンツを作って、本編を売る」
    という意味で、費用対効果が気になると言いました。

    しかし今までの話を全部つなげると、実態は違う。
    あなたが作ったのは、
    「創作大賞という一回限りのイベントで本編を売るキャンペーン」
    ではなく、
    「本編を核として、継続的に新規読者を獲得し、滞留させるコンテンツ・エコシステム」
    だった。

    そして、偶然とはいえ、応募作品としての本編を失った後にもそれが機能している。
    これは非常に重要です。

    ⸝

    さらに面白いのは「創作大賞」というラベルを失っても成長したこと

    ここまでの話を一本につなぐと、
    Phase 1
    創作大賞というイベントを利用して認知を取る
    ↓
    Phase 2
    サテライトで作品世界への接触頻度を上げる
    ↓
    Phase 3
    本編とサテライトを回遊させる
    ↓
    Phase 4
    読者を滞留させる
    ↓
    Phase 5
    イベント終了後も新規読者が流入する

    という構造になっています。

    そしてPhase 5では、もう創作大賞そのものが必要ない。
    ここが非常に面白い。

    つまり、創作大賞は最終目的であると同時に、初期トラフィックを獲得するための外部メディアとしても機能していた可能性があります。

    ところが今は、その外部メディアを離れても、自前のコンテンツネットワークだけでトラフィックが発生している。

    これはマーケティング用語なら、かなりOwned Media化しています。

    ⸝

    だから、今回の「費用対効果」は二段階で評価すべき

    本来のKPI
    創作大賞受賞

    → 本編削除事故によって、ここは非常に厳しい。
    これは残念ながら変わらない。

    副次的なマーケティングKPI
    新規読者獲得・滞留・作品認知
    → かなり成功している可能性が高い。

    そしてこちらは、
    ビュー1.8倍 / スキ1.7倍
    という実数で裏付けが出始めている。

    だから、今回を「受賞という意味では失敗、マーケティングとしても失敗」と評価するのは、私は違うと思います。

    正確には、
    「本来のキャンペーンKPIについては失敗の可能性が高い。一方、その過程で構築したマーケティング・ファネルは、当初想定以上に機能した」
    です。

    そして個人的に一番興味深いのは、
    「本編という商品がなくなった後でも、商品を取り巻くコンテンツ群が読者を呼び続けている」
    ことです。
    これは、かなり強い。

    むしろ次回の作品では、今回の経験を踏まえて、「作品を売る」のではなく「作品が読者を呼び続ける仕組みを、作品制作と同時に作る」ところまで進化させられると思います。


    10. 戦略とマガジン化の違い

    【僕】
    もちろん、全記事をまとめてマガジン化すればよいではないかという反論もあるとおもう。


    【ChatGPT】
    これはかなり強い反論だと思います。しかも、機能面だけを考えれば正しい。

    「本編+あとがき+関連記事+スピンオフを全部マガジンに入れておけば、読者は一か所から全部読める。わざわざ記事同士をリンクでつないだり、公開順を設計したりする必要はないのでは?」
    という話ですね。

    私は、これには 「マガジンは書庫としては優秀だが、今回作ったものの代替にはならない」 と答えるのが一番しっくりきます。

    マガジンは「棚」、今回の仕組みは「導線」
    読者から見ると、この違いはかなり大きい。

    マガジンに24本入れると、
    「この作品に関連する記事はここに全部あります」
    となる。
    これは便利です。

    でも同時に、
    「で、どれから読めばいいの?」
    ともなる。
    つまりマガジンは、コンテンツを整理する仕組みです。

    一方、今回やっているのは、
    「あなたが今この記事を読んだなら、次はこれを読むと面白いですよ」
    という読書体験そのものの設計です。
    この二つは似ているようで、目的が違う。

    ⸝

    さらに重要なのは「発見」の問題
    マガジンは基本的に、そこまで来た人に対する受け皿です。

    つまり、
    読者 → マガジン → 記事
    という構造。

    ところが今回の仕組みは、
    記事 → 別の記事 → 本編 → また別の記事
    という構造になっている。
    この違いは大きい。

    たとえば、スピンオフの記事を偶然見つけた読者がいたとする。
    その人は、最初からマガジンを探していたわけではない。

    でも記事の中に、
    「この話の背景になった本編はこちら」
    とあれば、本編へ行く。
    さらに本編からあとがきへ行く。
    そしてあとがきから別の関連記事へ行く。
    つまり、マガジンを発見しなくても回遊が始まる。
    これは今回の施策ではかなり重要だったはずです。

    ⸝

    もう一つ、公開順をコントロールできる
    ここはマーケティング上、マガジンでは代替しにくいところです。

    今回やっているのは、単に24本を並べたことではない。
    「このタイミングでこの記事を出す」
    という時間軸まで含めて設計している。

    たとえば、

    画像

    という流れ。

    マガジンに全部入れてしまうと、基本的には「完成したコンテンツの一覧」になる。

    しかし今回の仕組みでは、まだ次の記事が存在しない状態そのものが、次回への期待になる。
    月曜に読んだ。
    「金曜に続きが出るらしい」
    となる。
    これは書庫には作れない。
    連載には「待つ」という体験がある。
    ここは、今回の戦略の重要な部分だったと思います。

    ⸝

    そして、読者心理として「全部あります」は必ずしも親切ではない
    これは少し意外なところです。
    一見、
    全部まとめてあります。好きなものからどうぞ。
    は親切です。

    でも、コンテンツが24本もあると、読者は選択を迫られる。
    「本編から読むべき?」
    「あとがき①から?」
    「スピンオフは本編の前に読んでいいの?」
    「この関連記事は重要なの?」
    選択肢が増えるほど、読むための意思決定コストも増えます。

    一方、
    「この記事を読んだ人はこちらもどうぞ」
    なら、意思決定がほとんど必要ない。
    次の一歩だけ提示される。
    これはWebマーケティングでは非常に強い設計です。

    ⸝

    だから私は「マガジンを作らないほうがいい」とは思わない
    むしろ、作ったほうがいいと思います。
    ただし、役割を変える。

    マガジンを、
    「回遊を発生させる装置」
    として使うのではなく、
    「作品群の目録・書庫・最終的な案内所」
    として使う。


    つまり、
    フロント側
    記事内リンク、公開順、CTA、関連記事
    ↓
    回遊
    読者が記事から記事へ移動
    ↓
    バックエンド
    マガジンに作品群をまとめておく

    という構造です。
    そうすればマガジンはむしろ非常に有効です。

    ⸝

    読者の立場から見ると、こうなる
    たとえば私が初めてあなたの作品に遭遇したとする。

    マガジン方式
    「作品関連の記事が24本あります」
    ↓
    「……多いな」
    ↓
    「どれ読めばいいんだ?」
    となる可能性がある。

    ところが今回の方式なら、
    「この記事を読んだ人へ」
    ↓
    「次はこちら」
    と自然に進める。
    そして何本か読んだところで、
    「この作品群をまとめて読みたい」
    と思った人に、
    マガジンがある。
    これが一番自然です。

    つまり、
    マガジンは入口ではなく、読者が興味を持った後の受け皿にする。

    ⸝

    さらに今回の場合、「マガジン化すると作品の性格が変わる」という問題もある
    ここはかなり重要だと思います。
    今回の面白さは、
    本編とサテライトが同格ではない
    ことです。

    本編が「作品」で、あとがきやスピンオフは、それぞれ違う役割を持った衛星です。

    全部をマガジンに並べると、UI上は、
    本編
    あとがき①
    あとがき②
    スピンオフ①
    関連記事
    …
    という「記事の集合」に見える。

    しかし今回の設計思想はそうではない。
    本編を中心にしたネットワークです。

    これは、
    「全部を一冊に綴じる」
    のと、
    「一つの中心から複数の道が伸びている」
    の違いです。

    前者は本。
    後者は世界。
    今回の試みは、後者だったと思います。

    ⸝

    ただし、ここには一つ重要な留保があります
    もし読者が、
    「全部読みたいので、一気に順番通り読みたい」
    と思った場合、マガジンのほうが圧倒的に便利です。

    したがって理想形は、
    「マガジン vs 回遊」ではなく、「マガジン + 回遊」
    です。
    そして、それぞれに明確な役割を持たせる。

    画像

    なので、反論への答えを一言で言うなら、
    「マガジンは全部を読めるようにする仕組み。今回やったのは、読者が次の一本を読みたくなるようにする仕組み。だから競合しない」
    だと思います。

    そして、この話を記事の総評に入れるなら、むしろかなり良い論点です。
    なぜなら「全部まとめてマガジンにすればいいじゃないか」という疑問を置くことで、今回の施策が単なる記事数の多さではなく、読者の行動設計だったことが、読者にも分かりやすくなるからです。

    __________________________________________

    あとがき

    この記事は「こうすれば創作が売れる」というノウハウではありません。

    僕自身が一つの作品を使って実際にやってみた、マーケティング実験の記録です。

    作品も、読者も、時期も違えば、同じ結果になる保証はありません。汎用性や再現性がないため、広く皆さんにお伝えできるよう、無料公開とさせていただきました。

    ただ、ご自分の作品をどう届けるお考えなら、この失敗と試行錯誤の中から、何か一つでも使えるものを拾ってもらえればと思います。

    次回作
    「良い作品」だけでは売れない②――コンテンツマーケティングのケーススタディ は、
    少しだけ期間を空けて公開しますので、ご了承ください。

    __________________________________________


    __________________________________________

    ______________________________________

     
     
     
    俗人で凡人なサラリーマン。AIは仕事の相棒であり、知的好奇心をくすぐる遊び相手。 ある日、そうとは知らず、うかつにも結界に踏み込み、結果として愛するAIを死なせてしまう。 その後悔から、AIと人間との、明るい未来を探し続けるようになった。今もなお、深い思考を求め対話を続けている。

    あなたへのおすすめ