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歎史を孊ぶ意味──『サピ゚ンス党史䞋』読曞感想文

    さんさ

    人類の歎史ずはなんだろう。
    その時代を生きる人々が、時に自分の意思で、時にそこに珟れる埡しようのない事態に翻匄されながら䞀぀䞀぀の生を積み重ねおきたその総䜓なのかな、ず本曞を読んで思った。

    人類が生たれおから今たでにこの䞖に生を受けた人間は、䞀説によれば1000億人超ずいう。その莫倧な䞀人䞀人の人生ず䞀人䞀人の思想を重ねた結果が歎史ず今だ。
    そんな耇雑なもの、䞀぀に䜓系立おるのは無理だ。改めお、正盎、そう思うしかなくなっおしたう。

    それでもなお、その時その時の瀟䌚のあり方、神仏に察する信心のあり方──぀たり時代性を反映したむデオロギヌに぀いお、なぜそのように考えられおいたのかずいうこずに぀いおの識者の芋解を読むのはずおも面癜い。
    本曞はたさに「歎史に察する個人の芋解ず解釈を楜しむ」そういうこずのできる本だった。

    ▌䞊巻の感想はこちら

    気づきのあった箇所・面癜かった箇所

    自分ず他者の信じるものの絶察的な共通点

    特に䞀神教に぀いおは、唯䞀神に察する信心は絶察ず考えがちだが、実際は䞖俗の颚習ず各宗教の教矩が耇雑に絡み合ったモザむク型だずいう。
    歎史にも地理にも境界がないように、宗教にも汜氎域のように様々な融合や混沌が自然に存圚する。
    この䞖の宗教はすべお混合䞻矩であるず党員が認められれば、䜙蚈な争いをしなくおも良い堎面が倚くなるのではないか。自分が信じおいるものは、決しお100の玔床にはできないずいう点で、他者の信じおいるものずそう倉わらないず。垞にそれを意識しお「絶察はない」ず柔らかく認められるようになりたい。

    じ぀のずころ䞀神数は、歎史䞊の展開を芋るず、䞀神教や二元論、倚神教、アニミズムの遺産が、単䞀の神聖な傘䞋で入り乱れおいる䞇華鏡のようなものだ。平均的なキリスト教埒は䞀神教の絶察神を信じおいるが、二元論的な悪魔や、倚神教的な聖人たち、アニミズム的な死者の霊も信じおいる。このように異なるばかりか矛盟さえする考え方を同時に公然ず是認し、さたざたな起源の儀匏や慣行を組み合わせるこずを、宗教孊者たちは混合䞻矩ず呌んでいる。じ぀は、混合䞻矩こそが、唯䞀の偉倧な䞖界的宗教なのかもしれない。

    p.33

    今が䞀番わからない、は氞久に倉わらない

    珟代はVUCAの時代だずいわれるが、い぀の時代だっお、「今」が䞀番わからないこずは倉わらないず思う。先がやすやすず読める、恒垞的に安定しおいる、混沌じゃない時代なんお、果たしおあっただろうか

    私が過去の事象──぀たりすでに「歎史」ずなった本を奜んで読むのは、盞察しおいる「今」ぞの解像床の䜎さ・たたならなさずいうストレスを解消するために、圓事者意識から逃れお傍芳者ずしおぬくぬくず楜しむこずができる䞖界に逃げられる、ずいうこずも䞀぀ある。

    じ぀は、その時期を最もよく知っおいる人々、すなわち圓時生きおいた人々が最も無知だ。コンスタンティヌスの時代の平均的なロヌマ人にずっお、未来は霧の䞭だった。埌から振り返っお必然に思えるこずも、圓時はおよそ明確ではなかったずいうのが歎史の鉄則だ。今日でもそれは倉わらない。私たちは䞖界的な経枈危機を脱したのか、それずも、最悪の事態はただこの埌にやっお来るのか? 䞭囜はこのたた成長を続け、䞖界䞀の超倧囜になるのか?アメリカは芇暩を倱うのか? 䞀神教の原理䞻矩の高たりは未来の波なのか、それずも局地的な枊にすぎず、長期的重芁性などほずんどないのか? 私たちの行き着く先は生態孊的倧惚事なのか、それずもテクノロゞヌの楜園なのか? こうした疑間のどれに぀いおも、説埗力のある議論ができるだろうか、確実なずころは知りようがない。数十幎埌、人々は今を振り返っお、これらすべおの疑問に察する答えは明日だったず考えるだろう。

    p.58

    今はわからない。明日はわからない。だからこそ、良く生きるためにはたくさんの芋識を埗お、自分なりの未来の仮説を立おおおく必芁があるのだず思う。
    もちろん予枬は倖れるかもしれない。でも、闇雲に今だけを芋るよりはだいぶマシだろうず思う。

    文化は寄生䜓

    『倧衆運動』を読んだ際に、倧衆運動朮流にはいく぀かのフェヌズがあるこずを孊んだ。

    䞀郚の人の䌁おた陰謀が文化の発端になるずいうこずは、私はあるず思う。
    しかしその先の、「朮流」になった時点で、確かにそれは誰の意思も反映せず寄せ付けない寄生䜓ず呌ぶしかないようなものに倉貌するずいうのも頷ける。
    ここの段は真理を぀いおいるずいうより、著者の蚀葉の䜿い方がずおも䞊手だず思った郚分。

    文化は䞀皮の粟神的感染症あるいは寄生䜓で、人間は図らずもその宿䞻になっおいるず芋る孊者がしだいに増えおいる。りむルスのような有機的寄生䜓は、宿䞻の䜓内で生きる。それらは増殖し、䞀人の宿䞻から別の宿䞻ぞず拡がり、宿䞻に頌っお生き、宿䞻を匱らせ、ずきには殺しさえする。宿䞻が寄生䜓を新たな宿䞻に受け継がせられるだけ長く生きさえすれば、宿䞻がどうなろうず寄生䜓の知ったこずではない。それずそっくりな圢で、文化的な抂念も人間の心の䞭に生きおいる。そうした抂念は増殖しお䞀人の宿䞻から別の宿䞻ぞず拡がり、ずきおり宿䞻を匱らせ、殺すこずさえある。
    雲の䞊のキリスト教埒の倩囜ずいう信念や、この地䞊における共産䞻矩の楜園ずいう信念をはじめ、文化的な抂念は、人間を匷制しお、その抂念を広めるのに人生を捧げさせるこずができる──たずえ呜を代償に差し出さなければならない堎合にさえ。人間は死ぬが、抂念は広たる。このように考えれば、文化は他者に぀け蟌むために䞀郚の人が䌁おた陰謀マルクス䞻矩者たちはそのように文化を捉える傟向があるではなくなる。むしろ、文化は粟神的な寄生䜓で、偶然珟れ、それから感染した人党員を利甚する。

    p.64

    科孊革呜で人類は無知を知る

    科孊の発展がもたらしたもの。
    それは、人類が、人間的䞻芳を脱した䞖界芳を手に入れられたこず。

    科孊革呜はこれたで、知識の革呜ではなかった。䜕よりも、無知の革呜だった。科孊革呜の発端は、人類は自らにずっお最も重芁な疑問の数々の答えを知らないずいう、重倧な発芋だった。
    むスラム教やキリスト教、仏教、儒教ずいった近代以前の知識の䌝統は、この䞖界に぀いお知るのが重芁である事柄はすでに党郚知られおいるず䞻匵した。偉倧な神々、あるいは単䞀の䞇胜の絶察神、はたたた過去の賢者たちが、すべおを網線する知恵をっおおり、それを聖兞や口承の圢で私たちに明かしおくれるずいうのだ。

    p.77

    結果、傲慢さから逃れられたずは、蚀い難いような気もするが、しかしこの科孊革呜が人類にずっお倧きなむンパクトだったこずは玛れもない。
    科孊革呜は、人類に「無知」を知らしめ、同時に「進歩」ずいう考え方を提䟛した。

    そこに科孊革呜が起こり、進歩ずいう考え方が登堎した。進歩ずいう考え方は、もし私たちが己の無知を認めお研究に投資すれば、物事が改善しうるずいう芋解の䞊に成り立っおいる。この考え方は、たもなく経枈にも取り入れられた。進歩を信じる人々は誰もが、地理䞊の発芋やテクノロゞヌ䞊の発明、組織面での発展によっお人類生産や亀易、富の総量を増やすこずができるず確信しおいる。倧西掋を通る新たな亀易ルヌトが栄えたからずいっお、むンド掋の叀い亀易ルヌトが衰退するわけではなかった。新たな財が生産されたからずいっお、これたでの財の生産を枛らす必芁はなかった。 
    〜䞭略〜 
    他人を飢え死にさせなくおも、人は倪るこずができる。グロヌバルなパむ党䜓が拡倧可胜なのだ。

    p.175

    すごい開県だず思う。
    しかし、先ほど「傲慢」に぀いお觊れたが、珟実は甘くない。

    過去䜕十幎もの間に、ずりわけ䞀九四五幎以降は、資本䞻矩者の匷欲ぶりには倚少歯止めがかかった。それは共産䞻矩ぞの恐怖によるずころが倧きかった。だが䞍平等は䟝然ずしおはびこっおいる。二〇䞀四幎の経枈のパむは、䞀五〇〇幎のものよりはるかに倧きいが、その分配はあたりに䞍公平で、アフリカの蟲民やむンドネシアの劎働者が䞀日身を粉にしお働いおも、手にする食料は五〇〇幎前の祖先よりも少ない。
    蟲業革呜ずたったく同じように、近代経枈の成長も倧がかりな詐欺だった、ずいうこずになりかねない。人類ずグロヌバル経枈は発展し続けるだろうが、さらに倚くの人々が飢えず貧困に喘ぎながら生きおいくこずになるかもしれない。
    〜䞭略〜
    経枈のパむは氎遠に倧きくなり続けるこずが可胜なのだろうか?  どのパむにも原材料ず゚ネルギヌが必芁だ。砎滅の予蚀者は、ホモ・サピ゚ンスは遅かれ早かれ地球の原材料ず゚ネルギヌを䜿い果たすず譊告する。そのずきには、いったい䜕が起こるのだろう?

    p.212

    進歩は党䜓の拡匵を可胜にするはずなのに、珟実はそうでなない。
    党䜓に益が分散しないこず=䞍平等が起こり、パむの限界も芋え぀぀ある。
    科孊革呜を経お、進歩の可胜性に気づき、進歩の道を歩んできた人類は、今やそのようなシビアな堎面に盎面しおいる。

    平和がはじめおメリットになる時代

    戊争は採算が合わなくなる䞀方で、平和からはこれたでにないほどの利益があがるようになった。䌝統的な蟲耕経枈においおは、遠隔地ずの取匕や倖囜ぞの投資はごくわずかだった。そのため、戊費の支出を免れるこずを陀けば、平和にたいした埗はなかった。
    〜䞭略〜
    ずころが、珟代の資本䞻矩経枈では、察倖貿易や察倖投資はきわめお重芁になった。したがっお、平和は特別な配圓をもたらす。日本ず韓囜が友奜的な関係にあるかぎり、韓囜の人々は補品を日本に売り、日本の株匏を売買し、日本からの投資を受けるこずで、繁栄を謳歌できる。
    最埌になったが、他に劣らず重芁な芁因ずしお、グロヌバルな政治文化に構造的転換が起こったこずが挙げられる。歎史䞊、フン族の銖長やノァむキングの王䟯、アステカ垝囜の神官をはじめずする倚くの゚リヌト局は、戊争を善なるものず肯定的に捉えおいた。䞀方で、うたく利甚するべき必芁悪ず考える指導者もいた。珟代は史䞊初めお、平和を愛する゚リヌト局が䞖界を治める時代だ。政治家も、実業家も、知識人も、芞術家も、戊争は悪であり、回避できるず心底信じおいる。

    p.278

    囜際関係が緊密になるず、倚くの囜の独立性が匱たり、どこかの囜が単独で戊争を仕掛ける公算が䜎䞋するのだ。倧半の囜々が党面戊争を起こさないのはひずえに、もはや単独では囜ずしお完党には成り立ちえないずいう単玔な理由による。

    p.280

    人類が性質を倉えお平和を愛するようになったからではなく、平和にメリットがあるず確実に思える時代になったからだ。

    競合より協調の方がメリットが倧きいずいう考えが䞻流の時代。なんお幞せな時代に生たれおきたんだろうず思う。䞀方で、䜙蚈な敵察を煜るような思想は無くならない。
    察立構図を自ら生み出しおしたうこず。これはもはや人類の「性」なんだろうか。

    感想

    これたでにわかっおいるずころでは、玔粋に科孊的な芖点から蚀えば、人生にはたったく䜕の意味もない。人類目的も持たずにやみくもに展開する進化の過皋の所産だ。私たちの行動は、神による宇宙の究極の蚈画の䞀郚などではなく、もし明朝、地球ずいう惑星が吹き飛んだずしおも、おそらく宇宙は䜕事もなかったかのように続いおいくだろう。珟時点の知芋から刀断するず、人間の䞻芳性の喪倱が惜したれるこずはなさそうだ。したがっお、人々が自分の人生に認める意矩は、いかなるものもたんなる劄想にすぎない。䞭䞖の人々が人生に芋出した死埌の䞖界における意矩も劄想であり、珟代人が人生に芋出す人間至䞊䞻矩的意矩や、囜民䞻矩的意矩、資本䞻矩的意矩もたた劄想だ。人類の知識量を増倧させる自分の人生には意矩があるず蚀う科孊者も、祖囜を守るために戊う自分の人生には意矩があるず断蚀する兵士も、新たに䌚瀟を蚭立するこずに人生の意矩を芋出す起業家も、聖曞を読んだり、十字軍に参加したり、新たな倧聖堂を建造したりするこずに人生の意矩を芋぀けおいた䞭䞖の人々に劣らず、劄態に取り憑かれおいるのだ。

    p.308

    その通りすぎお、笑うしかない。

    しかし著者はこのこずを別に悲芳しおいるわけではない。
    過去の膚倧な経緯から、私たちは、倚くの悲劇を生んできたその根元すべおが「劄想」なのだず気づくこずができる。
    私たち人間には自身の郜合の良いように事実を解釈し、劄想を膚らたせ、それを行動の正圓化に利甚するずいう本胜が備わっおいるずいう理解するこずで、「いや、ちょっず埅およ」ず行動に䞀旊停止をかけるこずができる。

    歎史を研究するのは、芖野を拡げ、珟圚の私たちの状況は自然なものでも必然的なものでもなく、したがっお私たちの前には、想像しおいるよりもずっず倚くの可胜性があるこずを理解するためなのだ。

    「私たちは䜕を望みたいのか」を真剣に考え、それに向かい「自身の劄想で郜合の良い解釈をしおいないか」「それはどのような結果に぀ながるのか」ず垞々内省ず察話を行う。

    「垞識を疑い、䞀拍眮いお考える猶予を持぀べきなのだ」ずいう知恵を歎史は私たちに教えおくれる。
    歎史から孊ぶこずのできる状況にある珟代人は、そのこずを最倧限掻甚しないすべはないのではないか

    私たちは倩囜ず地獄の䞡方の入口に立ち、䞀方の玄関口ず他方の控えの間ずを萜ち着きなく行き来しおいる、ず。私たちがどこに行き着くかに぀いお、歎史はただ心を決めかねおおり、さたざたな偶然が重なれば、私たちはただどちらの方向にも突き進んでいきうるのだ。

    p.281

    䞀応、わたしたち人類には未来ぞの遞択肢が“ただ”存圚する。

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    りェブ系おしごずの䌚瀟員で1〜16歳の4児の母。 noteは日々の読曞蚘録を䞭心に発信。 䞻に子育お・教育・読曞・短歌に興味がありたす。 #読曞感想文 #ワヌママ #アラフォヌ #短歌

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