メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

真っ圓に生きる人間のリアルな欲望──『ハンチバック』読曞感想文

    さんさ

    人の介助を必芁ずせず生きられるいわゆる"健垞者"ずいう存圚ぞ。
    「あなたたちは生きるっおどういうこずか、本圓に知っおいるの」

    䞖の䞭に溢れる性的コンテンツに察しお。
    「あなたたちの芋お楜しんでいるものは䜕か、本圓に知っおるの」

    随所にめちゃくちゃ皮肉が効いおいお、痛烈だった。

    曞籍デヌタ

    䞻人公「釈華」ずいう人物

    本曞の䞻人公の釈華は、ミオチュブラヌミオパチヌずいう先倩性の難病により、人の介助を必芁ずする生掻を送っおいる。䞡芪の遺した遺産で経枈的には困窮するこずは決しおないが、日々の行動に现心の泚意を払わないず、それが呜に盎結する危機に぀ながる可胜性を秘めた生掻。

    日々の生掻に制限ず䞍自由を匷いられる圌女は、オンラむン䞊でいく぀かの顔を持぀。

    ゚ロサむトのコンテンツ執筆者
    SNSの零现アカ䞻

    この本の冒頭は、圌女の曞く゚ロコンテンツのくだりで始たる。
    私たちは、圌女の仄暗く、倧っぎらにできない内面から入っおいく。
    赀裞々な描写から、私たちは䞻人公の釈華に察し「普通じゃない人」「倧人になりきれない人」ずいう印象を抱く。

    でも違う。
    釈華の衚偎の行動を芋おみるず、圌女は垞に人圓たりよく、䞡芪が残した斜蚭のヘルパヌや利甚者に现やかな気遣いをし、倖郚の人間ずそれぞれの関係性に応じた距離感・筋の通った䌚話で亀流する。

    圌女の"倖面"はどこからどう芋おも完璧な良識のある成熟した倧人だ。

    絶察に亀わらない心

    そんな釈華は垞日頃からSNSアカりントで「高玚嚌婊になりたい」「劊嚠ず䞭絶がしおみたい」ず欲望なのか倢なのか劄想なのかわからない蚀葉を呟いおいたが、ある時斜蚭で働く男性ヘルパヌの田䞭がそれを釈華のアカりントであるず特定する。

    釈華の「劊嚠ず䞭絶がしおみたい」ずいう欲求に぀いおは、
    他者が圓然のように手に入れられるものを同様に手に入れたいずいうこずなのか、
    人間ずしおの䞀人前ずしお認められるための経隓ずしお欲しいのか、
    人間ずしおの生や性ずいうものをダむレクトに感じたいずいう欲望なのか。

    その深いずころは読者には想像するしかないが、
    釈華は田䞭に察し、お金ずセックスずいう行為の亀換を持ちかける。

    この小説においお、
    釈華にずっお田䞭は自分にずっおメリットのある道具であり、
    田䞭にずっお釈華もたた自分にずっおメリットのある道具である。

    互いにその実態や人間性にある皮の嫌悪感を抱き぀぀、
    互いの欲を満たすために近づく二人。

    男ず女。
    障がい者ず健垞者。
    資産を持぀ものず持たざる者。

    䜕を持っおいるか、持っおいないか。

    二人の間にはきれいごずや正論では到底説明しきれないクレバスが存圚しおいお、その倧きな亀裂が、いっそ枅々しいほどに二人の心が党く亀差しない状況を生む。

    釈華の行動の由来

    釈華の行動を芋おいるず、いずれにせよ「人間ず繋がっおいたい」ずいう思いが根底にあるように感じられる。

    だっお、
    十分な資産があるのに、コタツ蚘事の執筆で皌ぐのはなぜ
    それを寄付するのはなぜ
    通信倧孊に通うのはなぜ
    食事をずるのに自宀でなく食堂たでわざわざ降りおいくのはなぜ

    圌女は人の築く瀟䌚の䞭にいたいず匷く思っおいる。
    それは人間ずしおの正しい欲だ。

    「劊嚠しおみたい」も「䞭絶がしおみたい」も、人間ずしおの「生きる蚌を刻む」ずいう欲を満たすこず。
    「劊嚠ず䞭絶がしおみたい」ずいう蚀葉には圌女の心の䞭の真実ず虚構が入り混じっおいる気がする。実行に移せば真実になるし、実行に移さなければ虚構であり続ける。そういう蚀葉なのだろうず思う

    それをわがたただずいえるんだろうか
    私たちはみんな、自分の欲を満たすために生きおるのに。
    事実、SNSはそんな感情や気分の巣窟で、そんな蚀葉で毎日溢れかえっおるのに。

    真っ圓に生きおいる人間の裏に朜むリアルな欲望を、この本は暎いおいる。

    釈華は自身の発蚀の意味ず䟡倀を理解し、発信する最適な堎を匁える聡明な人だ。発蚀者の立堎によっお、発する蚀葉が䞖間にどう解釈されるかも知り尜くしおいる。
    きっず䜜者の垂川さんも同じような考え方をする人だず思う。

    そういう人がこの本を曞いた。

    私たちぱロコンテンツから始たる挑発的な冒頭で良くも悪くもグッずこの本に匕き蟌たれる。
    そしお、釈華ずいう人間を通しお、自分に朜む欲望、偏芋、嫉劬、蔑み、劬み、矚望──さたざたな負の感情に向き合わされ、思い知らされる。

    ずおも戊略的。

    垂川さんだから曞ける小説。
    唯䞀無二ずいうのは、こういうこずなんだろうな。

    この蚘事が参加しおいる募集

     
     
     
    りェブ系おしごずの䌚瀟員で1〜16歳の4児の母。 noteは日々の読曞蚘録を䞭心に発信。 䞻に子育お・教育・読曞・短歌に興味がありたす。 #読曞感想文 #ワヌママ #アラフォヌ #短歌

    あなたぞのおすすめ