
MCPについて知らなかった私が1から調べ直した結果
仕事で生成AIサービスの説明会を聞いていたとき、ふと「MCP」という言葉が出てきた。
「あー、MCPね」と心の中でうなずきながら、正直なんのことかまったくわかっていなかった。
周りが自然に話しているのを聞きながら、家に帰ってから急いで調べた。
調べてみると、これが想像以上に面白い技術だった。しかも知らないうちに自分のClaude Coworkですでに使えていたという衝撃の事実まで発覚した。
同じように「MCPって何となく聞いたことあるけどよくわからない」という方へ、AIリテラシーとして整理してみたい。
1. 勉強会で「知ったかぶり」した日
最近、生成AIについての話を聞く機会が本当に増えた。
説明会だけでなく、職場でも、SNSでも「生成AI」「プロンプト」「エージェント」という言葉が当たり前のように飛び交っている。
その説明会でスピーカーが
「MCPを使えば外部ツールとの連携が格段に楽になります」と話していた。
会場の何人かがうなずいている。私もうなずいた。完全に知らなかった。
焦りと恥ずかしさが半々。「AIを仕事にしているSEがこれを知らないのか」という自分へのがっかり感が少しあった。
でも帰宅後に調べてみたら、焦りはだんだん「これ面白い」という感情に変わっていった。
2. MCPとは何か:一言でいうとAIのためのUSB-C
MCPとは Model Context Protocol(モデル・コンテキスト・プロトコル) の略で、Claude(Anthropic社)が2024年11月に発表した、
AIと外部サービスをつなぐための共通ルールのことだ。
よく使われる例えが「AIのためのUSB-C」というもの。
USB-Cが登場する前は、充電ケーブルがメーカーごとにバラバラだった。それがUSB-Cという統一規格ができたことで、どのデバイスでも同じケーブルが使えるようになった。
MCPはこれと同じことをAIの世界で実現しようとしている。
💡 補足:以前はAIに社内データや外部サービスのデータを渡すには、ツールごとに専用の連携プログラムを作る必要があった。MCPという共通規格があれば、一度対応するだけでどのAIからでもそのデータにアクセスできる。
2025年末にはLinux Foundationという業界標準を管理する団体の配下に入り、OpenAI・Google・Microsoftなどの主要プレイヤーも採用を表明している。
(※この情報は執筆時点のものです。最新情報は各社公式サイトをご確認ください)
もはやClaude専用の技術ではなく、AIを使う上での「共通インフラ」になりつつある。
具体的にどんな活用ができるか、いくつか事例を挙げると以下のようなイメージだ:
AIに「今使えるIT補助金を教えて」と聞いたら、リアルタイムで外部データベースを参照して最新情報を返してくれる
物流担当者がAIに「明日の東京〜大阪の配送リスクを分析して」と指示したら、気象データを自動で取得して回答する
数百ページの社内マニュアルから、必要な箇所だけをAIが抜き出して答えてくれる
「AIが最新情報を知らない」「嘘をつく(ハルシネーション)」という弱点を、MCPによってリアルタイムデータと接続することで克服できる可能性がある。
3. 気づいたら自分も使っていた ローカルMCPサーバーの正体
調べていて一番びっくりしたのが、
すでに自分のClaude Coworkにローカルサーバーが立っていたことだ。

設定画面を見ると「ローカルMCPサーバー」という項目に
「Filesystem(running)」 と 「pdf-viewer」 がある。
これが何者なのかわからなかったのだが、要するにこういうことだ。
「ローカルMCPサーバー」とは、クラウドではなく
自分のパソコン上で動いているMCPサーバーのこと。
Filesystem:Claude Coworkが自分のPC内のファイルやフォルダにアクセスできるようにする仕組み。これのおかげでClaudeが「フォルダを選んでください」と言ってきて、選んだフォルダのファイルを直接読んだり書いたりできる
pdf-viewer:PDFファイルをClaude側が開いて内容を読める機能を提供するサーバー
「拡張機能によって管理されています」という表示は、Claude CoworkがこれらのMCPサーバーをアプリ側で自動的に立ち上げて管理しているという意味だ。
💡 補足:クラウドのMCPサーバーはデータがネット上のサービスに送られるが、ローカルMCPサーバーはデータが自分のPC上にとどまる。プライバシーの観点から、ローカルで動かせることは重要なポイントになっている。
つまり私は何も意識しないまま、すでにMCPを使ってAIと自分のPCファイルをつないでいたわけだ。知らないうちに使えていたというのが、なんとも現代のAIツールらしい。
4. NotionをAIに読ませてみた体験記
もう一歩進めて、NotionをMCP経由でClaude Coworkに接続してみた。
💡 補足:Notionとは、メモ・タスク管理・wiki・データベースなどをひとつにまとめた人気のオールインワンワークスペースアプリ。多くのビジネスパーソンやクリエイターが「情報の整理場所」として使っている。
接続自体は設定画面からNotionと連携するだけで完了した。
試しに「このNotionのページに書いてある内容をまとめて」と聞いてみると、Claudeが自分のNotionページを読み込んで、その内容をもとに答えてくれた。
「あーこれがMCPか」と実感した瞬間だった。
これまでAIに自分のデータを読ませるには、テキストをコピーして貼り付ける必要があった。それが、「Notionのあのページ、参照しといて」と言えばAIが直接読んでくれるようになった。
地味な変化に見えて、実際に使ってみると体験がまったく違う。
5. MCPが変えるAIとの付き合い方
一連の経験を振り返ると、MCPはAIを「物知りなチャットボット」から「自分のシステムと連携して動く実務アシスタント」に変える技術だと思う。
勉強会で聞いたときは焦りが先に立ったが、調べてみると「自分でも気づかないうちに使っていた」「Notionと繋いだら体験が変わった」という発見が続いた。
生成AIに感度の高い方にはすでに当たり前の知識かもしれない。
でも「AIを使い始めたい」「なんとなく使っているけどよくわからない」という段階の人にとって、MCPという言葉と概念を知っておくことは、
これからのAIリテラシーの基礎になると思う。
まず「AIのためのUSB-C」というイメージだけ持っておけば、きっと今後の理解が早くなるはずだ。
MCPを試してみた方、または「私もうなずいてました」という方、ぜひスキで教えてください。