和風ハンバーグ
9月になり、メニューの端々に「月見」の文字が並ぶ。ハンバーガーも牛丼のCMも、季節の合図のように思い出させてくる。
けれど今日のお目当ては、定期的に食べたくなるファミレスの和風ハンバーグ。
土曜日の11時過ぎ、案内されたのはドリンクバーに近い席。
タッチパネルで注文する仕組みは面倒ではないが、口頭で伝えるほうが楽に感じる自分は、時代に少し取り残されているのかもしれない。
スープとエスプレッソを先に飲みながら待っていると、あつあつのハンバーグが運ばれてきた。
「あれっ?」鉄板だったか。
以前はお皿だったような気もするが、記憶は曖昧だ。ネギも増えたように見える。
ハンバーグに箸を入れ、タレにくぐらせて一口。
「熱っ」危ない危ない、と俯瞰しながら、安定の柔らかさと美味しさに思わず笑顔になる。
付け合わせのじゃがいもまであつあつで、これもまた美味しい。
心の中の独り言が増えている。
ハンバーグを噛みしめ、ごはんを運ぶ。
口の中の“もぐもぐ感”で美味しさが倍増する。
烏龍茶で一度整え、食べ進める。
まだ熱いので、一切れをタレの器に避難させて冷まし、すくい上げるとちょうどいい温度。
ごはんのお皿もきれいに平らげて、今日もごちそうさまでした。
周囲を見渡すと、家族連れが増えてきた。
ドリンクバーにコップを持って並ぶ幼児。自分でボタンを押して好きなジュースを選ぶ、その感じが最高だよね。
空いたタイミングでコーヒーを注ぎに立つ。
左手に二杯目のエスプレッソ、右手に烏龍茶の自分がなんだか可笑しい。
ふらっと一人で楽しむファミレスランチ、土曜日のこの時間が、ささやかな贅沢に思えた。
