
H2O あとがき
最後まで『H2O』を読んでいただき、本当にありがとうございました。
本作は私にとって初めての小説となります。
物語のきっかけは、ごくありふれた日常の中にありました。会社からの帰宅途中、ふと「もし今この瞬間、地球上から酸素がなくなったらどうなるのだろう」と考えたことです。息をすることが当たり前すぎて、普段はその存在を意識することさえありません。しかし、その当たり前が失われたら、人類も文明も、驚くほど脆く崩れてしまうのではないか。そんな想像から、この物語は生まれました。
執筆中は、科学的な整合性や設定の矛盾、似た作品の有無などを調べながら、一つひとつ形にしていきました。それでも、文章表現や構成、登場人物の描写など、まだまだ未熟な部分が多くあります。説明的になってしまった箇所や、中だるみを感じる場面もあるかもしれません。
本来であれば、登場人物たちの過去や葛藤、仲間同士の衝突や成長、人類が絶望へ向かう中での心理描写など、もっと深く描きたい場面がたくさんありました。今回は文字数の制約もあり、物語の骨格を優先しましたが、今後はさらに肉付けを行い、よりリアルで、より息苦しく、より没入できる作品へ育てていきたいと考えています。
この作品では、「1日の長さ」「1週間という時間の重み」「四季のある地球の豊かさ」、そして「人類は何を未来へ残すべきなのか」というテーマを描こうとしました。
知識や技術だけが人類の遺産なのか。
人類が地球に存在した証として、本当に残すべきものは何なのか。
もし文明が終わるとしたら、最後に未来へ託されるべきものは何なのか。
そんな問いを、自分自身に投げかけながら書き続けました。
この物語が、ただの終末SFとしてではなく、普段は意識しない空気や水、季節、家族や仲間との時間について、ほんの少しでも考えるきっかけになったなら、作者としてこれ以上の喜びはありません。
今回は少し恥ずかしさもありますが、思い切って創作大賞にも応募してみようと思います。
この作品はまだ完成形ではありません。
これから時間をかけて手を入れ、登場人物たちと一緒に成長させていきたいと思っています。
そしていつの日か、「読んで良かった」と誰かの心に残る作品になれたら幸せです。
改めまして、貴重な時間を使って最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
追記:「H2O(human to oxygen)」は、人間にとって酸素がいかに生命維持に不可欠であるか、あるいは「人間にとっての酸素のような存在(必要不可欠なもの)」という比喩的な意味で使われる表現です。
えいけつ
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