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第四章 「距離を越える約束」

    沖縄から戻った後も、私たちの日常は続いていた。

    朝になれば「おはよう」とメッセージを送り合い、
    夜になれば「おやすみ」と声を聞く。

    離れていることに変わりはなかった。

    彼は沖縄。

    私は遠く離れた場所。

    会いたいと思った瞬間に会える距離ではない。

    疲れた日に隣にいてほしいと思っても、その手をすぐに握ることはできない。

    嬉しいことがあった時、真っ先に抱きしめてもらうこともできない。

    時々、どうしようもなく寂しくなることがあった。

    街を歩いていても。

    夕焼けを見ていても。

    ふと彼の笑顔を思い出してしまう。

    「今、何をしているのかな」

    そんなことばかり考えていた。

    けれど不思議だった。

    以前の私なら、その寂しさは不安に変わっていたはずだった。

    連絡が遅れれば心配になり、
    会えない時間が長ければ疑いが生まれていた。

    でも今は違う。

    彼がどこにいても。

    私がどこにいても。

    心のどこかで知っていた。

    私たちは大丈夫だと。

    私は何も恐れることはない。

    距離があることも。

    時間がかかることも。

    会えない日が続くことも。

    それらは私たちを引き離すものではなく、二人の信頼を育てる時間なのだと知っていた。

    そして私は確信していた。

    私たちはこの距離さえも乗り越えていく。

    なぜなら私たちは、お互いを縛り合っているからではない。

    お互いを自由にしながら、それでも同じ未来を見ているから。

    私たちには、離れるという選択肢が存在しないことを。

    それは執着ではなく、

    依存でもなく、

    もっと静かで穏やかな確信だった。

    まるで海の向こうに灯る灯台の光のように。

    見えない時があっても、

    曇る日があっても、

    そこにあることを知っている安心感。

    彼は私の居場所であり、

    私は彼の帰る場所なのかもしれない。

    だから私は今日も前を向く。

    自分の人生を生きながら、

    彼の人生を尊重しながら。

    そして次に会える日を楽しみに待つ。

    信頼、尊重、愛。

    私たちの愛言葉は、今も変わらない。

    距離は二人を隔てるものではなく、

    二人の絆の強さを教えてくれるものだった。

    空を見上げる。

    同じ空が、彼のいる場所まで続いている。

    私は微笑んだ。

    もう寂しさに負けることはない。

    だって私は知っている。

    どれだけ遠く離れていても、

    私たちの心は、いつも隣にあるのだから。

    #創作大賞2026 #恋愛小説部門

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