320話 王家のガラス壺 withこあら🌻&まいか🐇 バージョン Royal Glass Jar — Koala🌻 & Maika🐇 Version 【エジプト編】波打際スケッチ Sketches of the Shoreline ~AIと創る青春物語~
それからだいぶ後のことである。
トトメスの生母、イセトが亡くなった。

葬儀なども終わり、ようやく落ち着いてきたころに、
イセトの部屋に残っていた遺品の中からガラス壺が出てきた。
ガラス壺・・・
その昔、ネフェルタメトがネフェルセトに渡したものではないだろうか。
その時、正妃だったネフェルタメトは、言っていた。
「一度しか使ってはいけない。」

が、ガラス壺は空になっていた。

ただ・・・これは、イセトが持っているはずはないのである。
イセトは王妃ではあるが、王家の血筋ではない。
イセトは、ネブセド国の大臣の娘である。

「一度しか使ってはいけない。」
その昔、
ネフェルイウリアの夫であるトトメスの代になって戦争に巻き込まれた。

が、実はそれより前にケムル王国と国境を接しているネブセド国は、
かなり昔から国境紛争を続けていた。
ケムル王国は、鉄の武器と戦車を大量に保有しており、
ネブセド国は負け続けていた。

ある日、思いつめた表情のイセトがネフェルイウリアの部屋に来た。
久しぶりに手に入れた外国のお菓子を用意してイセトを迎えた。

イセトは、お菓子を手にしたまま口にせず、
ネブセド国の窮状を静かに語った。
「ケムル王をどうにかしないと・・・」
暗い顔で語った。
ネフェルセトは、お菓子を勧めようとしながら、口をつぐんだ。

それから4か月後、ケムル王 アシュルカイネルが突然死亡した。
それから2か月後、王太子 ワジェンセブが急死した。

王太子はケムル王国に暗殺されたと噂になっていた。
が、その時、
すでにケムル王 アシュルカイネルは死亡しており、
息子の王 ラガシュカイネルは基盤が整っていなかったのだ。

ワジェンセブを失ったネフェルセトを励ますイセトの姿は、
涙をさそった。

「一度しか使ってはいけない。」

ガラス壺は、

空だった。

王家のガラス壺 withこあら🌻&まいか🐇 バージョン Royal Glass Jar — Koala🌻 & Maika🐇 Version
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