真夜中の羽田空港を歩いてみた。
50歳になって、飛行機に乗らないのに羽田空港へ行った。
目的は特にない。
旅行に行くわけでもない。
誰かを迎えに行くわけでもない。
ただ、
夜の空港を歩いてみたかった。
考えてみれば、飛行機に乗らないのに空港へ行くなんて、今までほとんどなかった。
でもこれが、思っていた以上に良かった。
夜の空港は、昼間とは少し違う
昼間の羽田空港は、人が行き交っている。
大きな荷物を持った人。
これから旅行へ向かう家族。
仕事で移動する人。
みんな目的があって歩いている。
でも夜になると、空港は少し違った顔を見せる。

人が少なくなったターミナル。
大きなガラスの向こうに見える飛行機。
滑走路に並ぶ無数の灯り。
普段の生活とはまったく違う景色なのに、どこか静かだ。
ただ歩いているだけなのに、
「なんかいいな」
と思った。

タリーズでコーヒーを買って、展望デッキへ
しばらく空港を歩いたあと、タリーズでコーヒーを買った。
そのままコーヒーを片手に展望デッキへ向かう。
外へ出ると、空港の中とは空気が変わった。
夜風に当たりながら、コーヒーを飲む。
目の前には飛行機。
遠くには街の明かり。
滑走路の灯りが夜の中に並び、ときどき飛行機のエンジン音が響く。
大きな機体がゆっくり動き出す。
そして、離陸していく。
俺はそれを、コーヒーを飲みながらぼんやり眺めていた。
別に何かをするわけじゃない。
スマホを見るでもない。
誰かに連絡するでもない。
ただ、コーヒーを飲んで飛行機を見る。
でも、この時間がものすごく気持ちよかった。
旅行に行く必要もない。
飛行機に乗る必要もない。
コーヒー一杯持って展望デッキへ行くだけで、いつもの生活とはまったく違う場所に来られる。
こんな遊び方もあるんだな。
50歳になって、初めて知った。
そして結局、ラーメンを食べる(笑)
そんなふうに格好つけて飛行機を眺めていたら、
腹が減ってきた。
そして結局、
ラーメンを食べた(笑)。

チャーシューにメンマ、ネギ、海苔。
夜の羽田空港を歩いたあとに食べるラーメンは、なんだか妙にうまかった。
旅行に行くわけでもない。
飛行機にも乗らない。
夜の羽田まで来て、
空港を歩いて、
展望デッキでコーヒーを飲んで、
飛行機を眺めて、
最後にラーメン。
考えてみれば、ずいぶん自由な時間の使い方だ。
でも、それが妙に楽しかった。
食べたいものを食べる。
行きたいところを歩く。
見たい景色を見る。
それだけでいい。
結局、俺の非日常も最後は食欲に着地した(笑)。
50代になって、こんな時間が好きになった
若い頃だったら、こんな時間の使い方をしただろうか。
せっかく出かけるなら、
何かをする。
何かを買う。
どこかで遊ぶ。
「何かしなきゃもったいない」
そんな感覚が強かった気がする。
でも50歳になってから、少し変わった。
大きな目的なんてなくてもいい。
ただ、やってみたいからやる。
夜の空港へ行ってみたいと思ったから、行ってみる。
コーヒーを飲みたくなったから飲む。
飛行機を見たくなったから見る。
腹が減ったからラーメンを食べる。
最近、そんな時間が結構好きだ。
何者でもなくていい時間
普段の俺は、スーパーで副店長をしている。
仕事に行けば、次から次へと何かが起きる。
売上を見る。
売場を見る。
人員を見る。
従業員から相談される。
何か問題が起きれば、判断する。
家に帰れば父親でもある。
それはどちらも俺にとって大切なものだ。
でも、展望デッキでコーヒーを飲んでいるときは違った。
何かを判断する必要もない。
誰かに答えを出す必要もない。
ただの50歳のおっさんが、
夜の羽田で飛行機を眺めている。
それだけ。
こういう時間も必要なのかもしれない。
非日常って、案外近くにある
旅行は好きだ。
知らない土地へ行くのも楽しい。
でも当然、お金も時間もかかる。
だから「非日常」というものは、旅行のような特別なイベントの中にあるものだと思っていた。
でも、そうでもなかった。
いつもなら行かない時間に、いつもなら行かない場所へ行く。
それだけでも、日常から少し離れられる。
今回やったことなんて、本当に大したことじゃない。
羽田空港を歩いて、
コーヒーを飲んで、
飛行機を見て、
ラーメンを食べた。
それだけだ。
それでも帰る頃には、
「今日、なんか良かったな」
と思っていた。
それで十分なのかもしれない。
50代、まだ知らない遊び方がある
50歳になると、新しいことが少なくなる。
仕事もある程度分かってくる。
生活する場所も決まってくる。
休日の過ごし方も、いつの間にか同じになってくる。
だからこそ、たまには少しだけ日常から外れてみる。
大げさな挑戦じゃなくていい。
知らない道を走ってみる。
一人で映画を見る。
知らない店に入ってみる。
夜の空港へ行ってみる。
そんな小さな非日常なら、まだいくらでも見つけられそうだ。
若い頃みたいに、強い刺激じゃなくてもいい。
夜風に当たりながら、
コーヒーを片手に飛行機を眺めて、
「ああ、気持ちいいな」
と思える。
50代の遊びって、案外こういうのでいいのかもしれない。
また、夜の羽田に来ようと思う。
次もたぶん、
最後はラーメンを食べる(笑)。
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援お願いします! いただいたチップはクリエイターとして新たな記事の活動費として使わさせて頂きます!