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あの日の“高いですね”から、この物語は始まった|創作大賞2026に応募して、ジロウたちに残ったもの

    ☑️キャラクターの設定や合計200話の設計図はこちら

    📢お知らせ|創作大賞2026に応募しました

    ジロウ:
    「つ、ついに……!
    僕たちの物語を、“創作大賞2026”
    “お仕事小説部門” に応募しました……!

    応募ボタンを押したあと、
    しばらく画面の前で固まっていました……」

    ハナ:
    「応募が終わっても固まってたのね(笑)

    でも、ジロウくんが営業の仕事でつまずきながら、
    少しずつ人の心を学んでいく姿
    を、
    もっと多くの方に見守っていただきたいと思い、

    有料公開を予定していた
    Season1の第8話までを、期間限定で無料公開しています!」

    セイジ:
    「この物語は、
    ジロウが営業の仕事で感じた迷いや失敗をきっかけに、

    “なぜ同じ価格でも、高く見えたり、お得に感じたりするのか”

    その奥にある、“人の心が動く理由”を
    少しずつ読み解いていく物語です」

    ナリタ博士:
    「ジロウの失敗や気づきの中に、“これは、自分にもあるかもしれない”と
    思える瞬間が、きっとあるはずじゃ」

    ジロウ:
    「Season1では、
    何度も迷って、何度もつまずいて、
    そのたびにハナさんにツッコまれました……」

    ハナ:
    「そこは、かなり多かったですね(笑)」

    ジロウ:
    「でも、読んでくださる方がいたから、
    最後まで物語を届けることができました。

    もし、まだ読んでいないお話があれば、
    この機会にSeason1を最初から読んでいただけるとうれしいです。

    “おもしろかった”
    “続きも読みたい”
    “ジロウたちを応援したい”

    そう思っていただけたら、
    スキ・コメント・シェアで応援していただけると、
    本当に励みになります……!

    創作大賞への応募は終わりましたが、
    僕たちの物語は、まだ始まったばかりです。

    これからも、
    僕たちの成長を一緒に見守ってください!」

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    【Season1を、最後まで届け切った日】

    応募完了の画面を前にして、
    ジロウはしばらく動けずにいました。

    ハナ:
    「ジロウくん、大丈夫?
    応募ボタンの前で固まってるよ(笑)」

    ジロウ:

    「えっ……。
    あ、すみません。今、ようやく気持ちが追いついてきました……」

    セイジ:
    「Season1、全部投稿できたんだね」

    その言葉を聞いて、
    ジロウはようやく画面から目を離しました。

    ジロウ:
    「僕……。
    本当に全部、投稿できたんですね……」

    ハナ:
    「ジロウくん、やっと実感が追いついてきた顔してる(笑)」

    ジロウ:
    「投稿している間は、
    目の前の1話を出すことで精一杯でした。
    でも、こうして振り返ると、
    “本当に最後まで出せたんだ”って、
    ようやく実感が湧いてきました」

    ナリタ博士:
    「うむ。
    一話ずつ積み重ねて、
    Season1を最後まで届け切ったということじゃな」

    ハナ:
    「途中で直立睡眠しかけてたけど、
    最後までちゃんと走り切れましたね(笑)」

    ジロウ:
    「足はパンパンでしたが、
    投稿は止まりませんでした……」

    ハナ:
    「足は止まりかけてたのに、
    投稿を止めなかったのはエライです」

    セイジ:
    「最初にジロウが
    “noteを書いてみたいです”って言ったときは驚いたけど、
    最後まで形にしたのは、本当にすごいと思う」

    ジロウ:
    「そう言ってもらえると……かなり救われます」

    ハナ:
    「ジロウくん、いい顔してる。
    なんか、成長したね。
    最初は“高いですね”って言われただけで、
    完全に固まってたのに(笑)」

    ジロウ:
    「そこを思い出されると、少し胸が痛いです……」

    ハナ:
    「でも、今のジロウくんだから聞いてみたいな。
    どうして、このnoteを書こうと思ったの?」

    ジロウは、すぐには答えませんでした。
    少しだけ視線を落としてから、
    もう一度、応募完了の画面を見つめました。

    ジロウ:
    「……たぶん、悔しかったからです」

    思い出していたのは、
    もっと前の、ある商談の日のことでした。

    うまく返せなかったこと。
    その場で言葉が止まってしまったこと。
    そして、その失敗を、
    ただの失敗で終わらせたくないと思ったこと。

    ジロウの中に残ったその悔しさが、
    この物語の出発点でした。

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    【“高いですね”で、言葉が出なかった日】

    その日、ジロウはいつもより早く出社していました。

    何度も資料を見直して、
    何度も金額を確認して、
    説明の流れも、頭の中でなぞっていました。

    商談の席に出るのは、初めてではありません。

    でも、自分が中心になって提案を組み立てるのは、
    その日が初めてでした。

    これまでは先輩の横で学ぶことが多かったジロウが、
    初めて、自分の言葉でお客様に伝えようとしていたのです。

    お客様から聞いた話を思い出しながら、
    ジロウは、自分なりに考えていました。

    どんなふうに話せば、ちゃんと伝わるのか。
    どこを大切にすれば、安心して聞いてもらえるのか。

    うまく言葉にできる自信があったわけではありません。
    それでも、目の前のお客様にちゃんと届けたい。

    その気持ちだけは、いつもより強くありました。

    ジロウ:
    「その時の僕、けっこう本気だったんです」

    ハナ:
    「うん。
    あの日のジロウくん、いつもより真剣な顔してたもんね」

    ジロウ:
    「顔に出てましたか……」

    ハナ:
    「出てたよ。
    いつもの“勢いでなんとかします”じゃなくて、
    ちゃんと相手に向き合おうとしてる顔だった」

    ジロウ:
    「そこは、少しうれしいです……」

    セイジ:
    「実際、よく準備していたと思うよ。
    お客様の話を聞いたうえで、自分なりに組み立てていた」

    ジロウ:
    「だから、少しだけ期待していたんです。
    “これなら、ちゃんと伝わるかもしれない”って」

    商談の席で、ジロウは一生懸命説明しました。

    なぜこの内容なのか。
    どこを大切にしたのか。
    お客様の話を聞いて、どう考えたのか。

    お客様も、うなずいてくれていました。
    資料も見てくれていた。
    質問もしてくれていた。

    だからジロウは、途中まで思っていました。

    悪くない。
    このままなら、ちゃんと伝わるかもしれない。

    そして、金額を伝えたあと。

    お客様は資料を見ながら、少し間を置いて、こう言いました。

    「内容はいいんですけど……
    ちょっと高いですね」

    その瞬間、ジロウは何も返せませんでした。

    金額の理由をもう一度説明すればいいのか。
    内容を少し変える話をすればいいのか。
    それとも、先に不安を聞いた方がいいのか。

    頭の中には浮かんでいるのに、
    どれも言葉にはなりませんでした。

    ジロウ:
    「その時、何か言わなきゃとは思っていたんです。
    でも、口から出たのは……」

    ハナ:
    「出たのは?」

    ジロウ:
    「“そうですよね……”くらいでした」

    ハナ:
    「それは、かなり悔しいね」

    ジロウ:
    「はい…悔しかったです。
    “高いですね”って言われた瞬間、
    それまで一生懸命伝えてきたことが、
    一気に“金額の話”だけで判断されたような気がしたんです……」

    セイジ:
    「“高いですね”って言葉は、営業にとって重いからね。
    でも、本当はそこで終わりじゃない」

    ジロウ:
    「その時の僕には、終わりに聞こえました。
    “高いと言われた。
    つまり、僕の提案は届かなかったんだ”って」

    ハナ:
    「でも、届かなかった理由って、
    本当に“金額が高いから”だけだったんでしょうか?」

    セイジ:
    「そう。
    金額だけじゃなくて、
    その前に何が伝わっていて、何が伝わっていなかったのか。
    お客様がどこで不安になったのか。
    そこを見ないと、本当の理由は分からない」

    ナリタ博士:
    「人の心は、金額だけを見て動くわけではない。
    不安、期待、受け取り方、感じ方。
    いろいろなものが重なって、“高い”という感覚が生まれるのじゃ」

    ジロウ:
    「その時の僕は、そこまで考えられていませんでした。
    “高いですね”と言われた瞬間に、
    もう何を言っても届かない気がしてしまったんです」

    ナリタ博士:
    「じゃが、その失敗があったからこそ、
    ジロウの中に“知りたいこと”が残った」

    ジロウ:
    「知りたいこと……?」

    ナリタ博士:
    「なぜ、高く感じたのか。
    なぜ、伝わらなかったのか。
    人は、何を基準に判断しているのか」

    ジロウは、その言葉を聞いて、
    あの日の商談をもう一度思い出しました。

    ただ悔しかった記憶。
    できれば思い出したくなかった場面。

    でも、そこには確かに、
    この物語の入口がありました。

    ジロウ:
    「僕はその日、初めて思ったんです。
    “高いですね”で終わらせちゃいけないんだって」

    ハナ:
    「その悔しさが、noteを書く理由になったんですね」

    ジロウ:
    「そうです。
    何も返せなかったあの日を、
    ただの失敗で終わらせたくなかったんです」

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    【失敗を、ただの失敗で終わらせたくなかった】

    ジロウ:
    「最初は、ただの反省メモみたいなものを書こうと思っていたんです」

    ハナ:
    「反省メモ?」

    ジロウ:
    「はい。
    “高いですね”と言われた時に、どう返せばよかったのか。
    僕なりに整理しておこうと思って」

    ハナ:
    「それ、読む前から背筋が伸びるやつだね(笑)」

    ジロウ:
    「たしかに、最初のメモはほぼ反省文でした……」

    ハナ:
    「ジロウくん、反省文を書かせたら急に真面目になるタイプだもんね(笑)」

    ジロウ:
    「笑わないでください……。
    でも、本当にそうだったんです」

    あの日から、ジロウは少しずつ考えるようになりました。

    なぜ、あの金額は高く感じられたのか。
    なぜ、説明していたはずなのに届かなかったのか。
    なぜ、金額を出した瞬間に空気が変わったように感じたのか。

    調べていくうちに、
    ジロウは気づきました。

    “高い”という感覚は、
    金額だけで決まっているわけではない。

    先に見たもの。
    比べたもの。
    言葉の見え方。
    選択肢の並び方。
    失いたくない気持ち。
    支払う時の痛み。

    その一つひとつは小さくても、
    人の心の中では、確かに判断を動かしている。

    ジロウ:
    「それを知った時、思ったんです。
    僕が分かっていなかったのは、価格の説明だけじゃなかったんだって」

    セイジ:
    「人がどう受け取るのか。
    そこを見る視点が、まだ足りなかったんだね」

    ジロウ:
    「はい。
    でも、心理効果をそのまま説明するだけだと、
    たぶん僕自身も、ちゃんと自分の中に入ってこなかったと思います」

    ハナ:
    「たしかに。
    “アンカリングとは”って急に言われても、ちょっと教科書っぽいもんね」

    ジロウ:
    「そうなんです。
    だから、物語にしたかったんです」

    ナリタ博士:
    「ふむ。
    知識として覚えるだけではなく、
    人の心が動く場面として描きたかった、ということじゃな」

    ジロウ:
    「はい。
    僕と同じように、
    商談や提案の場でうまく返せなくて、
    悔しい思いをしたことがある人に届けたかったんです。

    僕が失敗して、ハナさんにツッコまれて、
    セイジさんに整理してもらって、
    博士に本質を教えてもらう。

    そうやって物語にすれば、
    “あ、これ自分にもあるかも”って思ってもらえる気がしたんです」

    ハナ:
    「で、気づいたらジロウくん、
    スーツ売り場で揺れて、2,999円に揺れて、
    キングサイズベッドで直立睡眠してたわけですね」

    ジロウ:
    「学びの代償が、わりと体にきています……」

    ハナ:
    「足にも財布にもね(笑)」

    セイジ:
    「でも、その失敗があったから、
    価格の話を“知識”だけじゃなく、
    “人の心が動く物語”として届けられたんだと思う」

    ジロウ:
    「そう言ってもらえると、
    あの日の失敗も、少し報われる気がします」

    ナリタ博士:
    「あの日の悔しさを、
    ただ痛い記憶のままにしなかったんじゃな。

    ちゃんと見つめ直したからこそ、
    次の誰かに届く言葉に変わったのじゃ」

    ジロウ:
    「だから僕は、このnoteを書きました。
    あの日の自分みたいに、
    “高いですね”の一言で止まってしまう人が、少しでも前に進めるように」

    ハナ:
    「ジロウくん、今のはかなり良いこと言ったよ」

    ジロウ:
    「本当ですか?」

    ハナ:
    「うん。
    直立睡眠の人とは思えないくらい」

    ジロウ:
    「最後にそこを添えないでください……」

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    【なぜ、創作大賞に応募しようと思ったのか】

    ハナ:
    「でも、ジロウくん。
    最初から創作大賞に応募するつもりだったの?」

    ジロウ:
    「いえ、まったくありませんでした(笑)」

    ハナ:
    「そこは即答なんだ(笑)」

    ジロウ:
    「はい。
    最初は、自分の失敗を整理するだけで精一杯でした。
    誰かに読んでもらうことすら、
    あまり想像できていなかったんです」

    セイジ:
    「でも、書き続けるうちに変わっていったんだね」

    ジロウ:
    「そうです。
    読んでくれる人がいて、
    スキを押してくれる人がいて、
    コメントをくれる人がいて。

    そのたびに、
    “あ、これ、ひとり反省会じゃなかったんだ”って思えたんです」

    ハナ:
    「最初は反省メモだったのにね」

    ジロウ:
    「はい。
    でも、いつの間にか、僕だけの反省ではなくなっていた気がします」

    ナリタ博士:
    「ふむ。
    自分の失敗から始まった言葉が、
    読んでくれる人との間で、物語へと変わっていったのじゃな」

    ジロウ:
    「はい。
    だから、もう少し遠くまで届けてみたいと思ったんです」

    ハナ:
    「それって、やっぱり賞も意識した?」

    ジロウ:
    「意識してないと言ったら、たぶん嘘になります。
    選んでもらえたら、ものすごくうれしいです。
    でも、それ以上に、
    もっと読んでもらえるきっかけになったらいいなと思いました」

    ハナ:
    「ちゃんと本音も入ってていいね(笑)」

    ジロウ:
    「そこを隠すと、逆に不自然かなと思いまして……」

    セイジ:
    「でも、それでいいと思う。
    賞を目指す気持ちも、
    この物語を届けたい気持ちも、
    どちらも本音なんだから」

    ジロウ:
    「はい。
    この物語を、もっと多くの人に読んでもらいたいと思ったんです」

    セイジ:
    「営業や販売に関わる人だけじゃなくて、
    誰かに何かを伝える仕事をしている人にも届くかもしれない」

    ジロウ:
    「はい。
    価格を伝えるのが怖かったり、
    相手の一言で言葉が止まってしまったり、
    自分の提案に自信が持てなくなったり。

    そういう瞬間って、
    きっと僕だけじゃないと思うんです」

    ハナ:
    「たしかに。
    “高いですね”に限らず、
    たった一言で心が止まることってあるもんね」

    ジロウ:
    「だから、出してみようと思ったんです。
    もしかしたら、
    この物語をまだ知らない誰かにも、
    届くかもしれないって思って」

    ナリタ博士:
    「うむ。
    創作大賞への応募は、終わりではなく、
    この物語をもう少し遠くへ届けるための一歩じゃな」

    ジロウ:
    「はい。
    僕にとっては、Season1を投稿し切った証でもあり、
    次に進むためのきっかけでもあります」

    ハナ:
    「ジロウくん、ちゃんと前に進んでるね」

    ジロウ:
    「少しずつですけど」

    ハナ:
    「その“少しずつ”を、
    Season1の分だけ積み重ねたんだね」

    ジロウ:
    「そう言われると、
    少しだけ胸を張れそうです」

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    【“高いですね”の見え方が、少し変わった】

    セイジ:
    「でも、ジロウ。
    Season1を書き切って、何が一番変わったと思う?」

    ジロウ:
    「一番変わったこと……ですか」

    少し考えてから、
    ジロウはゆっくり口を開きました。

    ジロウ:
    「“高いですね”と言われることが、
    前ほど怖くなくなった気がします」

    ハナ:
    「おお……。
    それ、けっこう大きいね」

    ジロウ:
    「はい。
    前の僕は、“高いですね”って言われた瞬間、
    僕の営業人生、ここで終了のお知らせだと思っていました」

    ハナ:
    「終了のお知らせ、早すぎる(笑)」

    ジロウ:
    「でも、本当にそれくらい重く聞こえたんです」

    ハナ:
    「でもさ、読んでくださっている方の中にも、
    ジロウくんと同じような経験をした人、きっといると思うよ」

    ジロウ:
    「僕と同じような経験ですか?」

    ハナ:
    「うん。
    商談じゃなくても、打ち合わせでも、接客でも、提案でも。

    たった一言で、
    頭の中に用意していた言葉が、
    全部止まってしまう瞬間ってあると思う」

    ジロウ:
    「それ、かなり分かります……」

    ハナ:
    「“高いですね”じゃなくても、
    “ちょっと違いますね”とか、
    “検討します”とか、
    “他も見てます”とか。

    言われた瞬間に、
    心の中で小さく終了のお知らせが流れること、
    あるんじゃないかなって」

    ジロウ:
    「終了のお知らせ、意外といろんな場面で流れてるんですね……」

    セイジ:
    「だからこそ、ジロウが届けたかった想いは、
    きっと読者の方にも届いていると思う。

    相手の一言で、
    何を言えばいいか分からなくなったことがある人なら、
    この物語のどこかに、自分を重ねてくれるはずだから」

    ジロウ:
    「そう言ってもらえると……少し救われます」

    あの日のジロウは、
    “高いですね”という一言で、考えることを止めてしまっていました。

    高いと言われた。
    つまり、金額が合わなかった。
    つまり、自分の提案は届かなかった。

    そう思い込んでいました。

    でも、Season1を書きながら、
    少しずつ見え方が変わっていきました。

    “高い”という言葉は、
    ただ金額だけを見て出てくるものではないのかもしれない。

    比べ方。
    見え方。
    言葉の受け取り方。
    不安や期待。

    そして、何かを選ぶ時の小さな心の揺れ。

    ジロウ:
    「Season1を書いていて思ったんです。
    価格って、ただの数字じゃないんだなって」

    セイジ:
    「数字そのものより、
    その数字がどう見えているか。
    どう受け取られているか。
    そこが大事なんだね」

    ジロウ:
    「はい。
    僕はずっと、売る側として価格を説明しようとしていました。
    でも書いているうちに、
    買う側の気持ちを、何度も考えさせられました」

    高く感じる時。
    安く感じる時。
    お得だと思って安心する時。
    損したくなくて、いつもと違う選び方をしてしまう時。

    そこには、
    ただの計算では片づけられない気持ちがありました。

    ジロウ:
    「価格の話を書いているつもりだったのに、
    気づいたら、人の気持ちの話になっていました」

    ハナ:
    「それ、Season1っぽいね。
    最初は値段の話なのに、
    最後は“なんで人はそう感じるんだろう”って話になる」

    ジロウ:
    「はい。
    だから、あの日の“高いですね”も、少し違って見えてきたんです」

    ハナ:
    「違って見えた?」

    ジロウ:
    「ただ“金額が高いです”って意味だけじゃ
    なかったのかもしれないって」

    もしかすると、
    価値がまだ伝わり切っていなかったのかもしれない。
    不安の方が大きくなっていたのかもしれない。
    納得するための材料が、
    まだ足りなかったのかもしれない。

    ジロウ:
    「そう考えると、
    “高いですね”で全部終わったわけじゃなかったんだと思えたんです」

    セイジ:
    「言葉が止まった場所の、
    その先を見るようになったんだね」

    ジロウ:
    「はい。
    Season1で僕に残ったのは、心理効果の名前よりも、
    “人はどう感じて、どう迷って、どう選ぶのか”を
    見ようとする視点でした」

    ナリタ博士:
    「うむ。
    知識を覚えただけではなく、
    人の心の動きに目を向けるようになったのじゃな」

    ジロウ:
    「はい。
    あの日、“高いですね”で止まっていた僕が、
    少しだけ、その言葉の奥を見るようになりました」

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    【応募してみて、残ったもの】

    ハナ:
    「じゃあ、ジロウくん。
    創作大賞に応募してみて、何が残りましたか?」

    ジロウ:
    「何が残ったか……ですか」

    ジロウは、少しだけ考えました。

    応募したからといって、
    すぐに何かが大きく変わったわけではありません。

    画面の向こうで、花火が上がったわけでもない。
    突然、机の上にトロフィーが現れたわけでもない。
    もちろん、ナリタ博士が胴上げされたわけでもありません。

    ナリタ博士:
    「わしを胴上げする流れは、どこから来たんじゃ」

    ハナ:
    「博士、意外と軽そうに見えないですもんね」

    ナリタ博士:
    「そこではない」

    ジロウ:
    「でも……残ったものは、あります」

    ハナ:
    「うん」

    ジロウ:
    「読んでくださった方が、
    本当にいたんだっていう実感です」

    最初は、
    ただ自分の失敗を整理するために書き始めたnoteでした。

    “高いですね”で言葉が止まった自分。
    何も返せなかった悔しさ。
    どうすればよかったのか分からなかった不安。

    それを、少しずつ言葉にしていっただけでした。

    けれど、投稿するたびに、
    スキを押してくれる人がいました。

    続きを読んでくれる人がいました。
    コメントを残してくれる人がいました。

    ジロウ:
    「それが、思っていた以上にうれしかったんです」

    ハナ:
    「分かるよ。
    ひとりで書いているつもりでも、
    反応があると急に“届いてる”って感じるよね」

    ジロウ:
    「はい。
    最初は、僕のひとり反省会みたいなものでした。
    でも、読んでくれる人がいると、
    ひとりじゃなくなっていく感じがしたんです」

    セイジ:
    「自分の失敗だったものが、
    誰かと共有できる言葉に変わっていったんだね」

    ジロウ:
    「そうです。
    あの日の悔しさを、ただ抱えているだけだったら、
    たぶん今でも、
    思い出すたびに少し苦しかったと思います」

    ハナ:
    「でも、物語にしたことで、少し違う形になった?」

    ジロウ:
    「はい。
    読んでくださる方がいたことで、
    あの失敗にも、少し意味をもらえた気がしました」

    ナリタ博士:
    「うむ。
    意味は、最初から失敗の中にあるとは限らん。
    あとから見つめ直し、言葉にし、誰かに届いた時に、
    少しずつ形になっていくものなのじゃ」

    ジロウ:
    「だから、応募してみて一番残ったのは、
    “読んでくれる人がいる”という実感でした」

    ハナ:
    「ジロウくん、それは大きいね」

    ジロウ:
    「はい。
    正直、応募ボタンを押す時はすごく緊張しました」

    セイジ:
    「それでも押したんだね」

    ジロウ:
    「はい。
    怖かったですけど、押してよかったです」

    ジロウは、もう一度、
    応募完了の画面を見つめました。

    そこにあったのは、
    何かが終わったという感覚ではありませんでした。

    むしろ、
    ここまで読んでくれた人たちの存在を、
    ひとつずつ思い出すような感覚でした。

    コメントをくれた人。
    スキを押してくれた人。
    静かに読み進めてくれた人。

    直接会ったことはなくても、
    その一つひとつが、
    ジロウの背中を少しずつ押してくれていました。

    ジロウ:
    「僕だけでは、ここまで書けなかったと思います」

    ハナ:
    「うん」

    ジロウ:
    「読んでくれる人がいたから、
    次も書こうと思えました。
    コメントをもらえたから、
    もう少し伝わるように書きたいと思えました。
    スキをもらえたから、
    ちゃんと届いているのかもしれないと思えました」

    セイジ:
    「それが、
    創作大賞に応募して残ったものなんだね」

    ジロウ:
    「はい。
    結果がどうなるかは、まだ分かりません。
    でも、読んでくださった方がいたこと。
    その方たちのおかげで、ここまで続けられたこと。

    それはもう、
    僕の中にちゃんと残っています」

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    【そして、次に見えてきたこと】

    ハナ:
    「でも、ジロウくん。
    応募して終わり、って感じではなさそうだね」

    ジロウ:
    「はい。
    むしろ、応募してみてからの方が、
    次に考えたいことが見えてきた気がします」

    セイジ:
    「次に考えたいこと?」

    ジロウ:
    「Season1で扱った心理効果って、
    ひとつずつ見ている時は、
    それぞれ別の話だと思っていたんです。

    でも、最後まで書いてみると、
    実際の場面では、
    ひとつだけで動いているわけじゃない気がしてきました」

    アンカリング効果。
    端数価格効果。
    おとり効果。
    ペニーズ・ア・デイ効果。
    価格=品質ヒューリスティック。
    損失回避バイアス。
    希少性の原理。
    支払いの痛み。

    Season1では、
    ひとつずつの心理効果を、
    ジロウの失敗や日常の中で見てきました。

    けれど、最後まで書き切ってから振り返ると、
    それらはバラバラの知識ではありませんでした。

    価格が高く見える時。
    お得に感じる時。
    今買わないと損だと思う時。
    支払う痛みが薄れて、つい選んでしまう時。

    そこには、
    いくつもの心理が重なっていました。

    ハナ:
    「ジロウくん自身も、毎回かなり揺れてたよね」

    ジロウ:
    「はい……。
    正直、学びというより、
    途中から僕の弱点紹介みたいになっていました」

    ハナ:
    「でも、それが良かったんだと思うよ。
    ちゃんと揺れるから、人の気持ちにも気づける。
    迷ったことがある人の方が、
    迷っている人の気持ちも分かるから」

    ジロウ:
    「僕の弱点にも、ちゃんと役割があったんですね。
    少しだけ、救われました……」

    セイジ:
    「でも、ジロウの言う通りだと思う。
    実際の場面では、
    心理効果はひとつだけで動いているわけじゃないからね」

    ジロウ:
    「はい。
    “高いですね”という一言の中にも、
    いろいろな気持ちが重なっていたのかもしれないと思ったんです」

    比べているものがあったのかもしれない。
    不安があったのかもしれない。
    納得する前に、
    金額だけが強く見えてしまったのかもしれない。

    そう考えると、
    Season1で学んだことを、
    もう一度つなげて見てみたくなりました。

    ナリタ博士:
    「ふむ。
    ひとつずつ覚えた心理効果を、
    今度は“実際の場面でどう重なっているのか”として
    見直したくなったわけじゃな」

    ジロウ:
    「はい」

    ハナ:
    「つまり、Season1の復習というより、
    Season1の“つながり直し”みたいな感じ?」

    ジロウ:
    「それ、すごく近いです。
    バラバラに見えていたものが、
    線でつながってきた感じがします」

    セイジ:
    「ひとつずつ心理効果を知ることと、
    実際の場面で、それらの重なりを見ることは、
    似ているようで違うからね」

    ジロウ:
    「はい。
    僕はまだ、完璧に分かっているわけではありません。
    たぶん、次の商談でも焦ります。
    たぶん、変な汗もかきます」

    ハナ:
    「そこはかなり現実的だね(笑)」

    ジロウ:
    「でも、前みたいに、
    “高いですね”の一言で全部終わったと思うことは、
    減らせる気がしています」

    ナリタ博士:
    「うむ。
    言葉が止まった場所で終わらず、
    その奥にある心の動きを見ようとする。
    それが、ジロウに見えてきた次の景色じゃな」

    ジロウ:
    「はい。
    だから次は、Season1で学んだ8つの心理効果を、
    もう一度つなげて見てみたいと思っています。

    ひとつずつ学んだものが、
    実際の会話や提案の中で、
    どんな順番で、どう重なり、
    人の判断を動かしているのか。

    そこを、もう少し深く考えてみたいです」

    ハナ:
    「ジロウくん、次も大変そうだね」

    ジロウ:
    「はい。
    でも、今度は少しだけ楽しみです」

    ハナ:
    「おお、成長してる」

    ジロウ:
    「少しだけです。
    あまり大きく言うと、次で転びそうなので……」

    セイジ:
    「それくらい慎重な方が、ジロウらしいね」

    ジロウ:
    「褒められているのか、心配されているのか、微妙なところです……」

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    【最後に、読んでくださった皆さまへ】

    ハナ:
    「じゃあ最後に、ジロウくん。
    読んでくださった皆さまへ、ひと言お願いします」

    ジロウ:
    「ひと言……ですか」

    ジロウは、少し背筋を伸ばしました。

    けれど、
    すぐに言葉は出てきませんでした。

    いつもなら、
    少し慌てながらでも何か言おうとするジロウが、
    この時だけは、
    ゆっくりと言葉を探していました。

    ジロウ:
    「……まず、本当にありがとうございます」

    ハナ:
    「うん」

    ジロウ:
    「Season1を読んでくださった方。
    スキを押してくださった方。
    コメントをくださった方。
    静かに最後まで読み進めてくださった方。

    その一つひとつが、
    僕にとっては、すごく大きな力になりました」

    ジロウ:
    「正直、投稿するたびに少し怖かったです。
    ちゃんと伝わるのかな。
    読んでもらえるのかな。
    これは、誰かにとって意味のある話になっているのかなって」

    ハナ:
    「ジロウくん、けっこう毎回そわそわしてたもんね」

    ジロウ:
    「はい。
    通知を見るたびに、親指が一回フリーズしていました」

    ハナ:
    「親指だけ止まってたんだ(笑)」

    ジロウ:
    「はい。
    心は見たいのに、親指がまだ覚悟できていませんでした……」

    ハナ:
    「気持ちは前のめりなのに、親指が慎重(笑)」

    ジロウ:
    「でも、読んでくださる方がいて、
    反応をいただけるたびに、
    少しずつ思えるようになったんです。

    あの日の失敗を、
    ちゃんと言葉にしてよかったのかもしれないって」

    セイジ:
    「ジロウが届けたかったものは、
    少しずつ届いていたんだと思うよ」

    ジロウ:
    「そうだったら、うれしいです」

    ジロウは、少しだけ間を置いて、
    画面の向こうにいる読者へ向けるように続けました。

    ジロウ:
    「“高いですね”と言われて、
    何を返せばいいか分からなくなった経験はありませんか?

    僕にも、ありました。

    でも、Season1を書きながら、
    僕は何度も思いました。

    価格は、ただの数字ではなくて、
    比べ方や見え方、受け取り方で、
    感じ方が大きく変わるものなんだって。

    この物語が、
    価格の奥にある気持ちを考えるきっかけになっていたら、
    僕はすごくうれしいです」

    ナリタ博士:
    「人の心は、簡単には分からん。
    じゃが、分からないからこそ、見ようとする意味がある」

    セイジ:
    「表面に見えている言葉だけでは、
    分からないことがある。
    でも、その奥にある気持ちを見ようとすると、
    次にかける言葉は少し変わる」

    ジロウ:
    「僕も、まだまだ分からないことばかりです。
    たぶん、これからも迷います。
    また変な汗もかくと思います」

    ハナ:
    「そこまで自信満々に言わなくても(笑)」

    ジロウ:
    「でも、前みたいに、
    相手の一言で全部終わったと思うことは、
    減らせる気がしています。

    すぐに正解は出せなくても、
    その言葉の奥に何があるのかを、
    もう一歩だけ考えてみたいです」

    “高いですね”で言葉が止まった日から、
    この物語は始まりました。

    Season1を書き切り、
    創作大賞2026に応募した今、
    ジロウたちは、さらに先を見ています。

    結果がどうなるかは、まだ分かりません。

    けれど、
    読んでくれた人がいたこと。
    応援してくれた人がいたこと。
    ジロウたちの失敗や学びを、
    一緒に見守ってくれた人がいたこと。

    その一つひとつが、
    次へ進む力になっています。

    ジロウ:
    「ここまで読んでくださって、
    本当にありがとうございました」

    ハナ:
    「ジロウくん、最後までちゃんと言えたね」

    ジロウ:
    「はい。
    親指はまだ少しフリーズ気味ですが、
    言葉はちゃんと出せました」

    ハナ:
    「そこ、最後まで緊張してるんだ(笑)」

    ジロウ:
    「でも、ちゃんと伝えたかったんです」

    ナリタ博士:
    「うむ。
    これからも、迷い、失敗しながらでもよい。
    人の心を見ようとする歩みを、止めなければよいのじゃ」

    セイジ:
    「Season1は、ここで一区切り。
    でも、ジロウの学びはまだ続いていくね」

    ジロウ:
    「はい。
    次は、Season1で学んだ8つの心理効果を、
    もう一度つなげて見てみたいと思います。

    ひとつずつ別々に見てきたものが、
    実際の会話や提案の中では、
    どう重なっているのか。

    そこを、もう少し見てみたいです」

    Season1では、
    8つの心理効果をひとつずつ見てきました。

    でも、実際の場面では、
    それらは別々に現れるとは限りません。

    “高いですね”という一言の奥に、
    先に見た数字が残っていることもある。
    比べた選択肢が、
    判断に影響していることもある。
    損したくない気持ちや、
    支払う時の痛みが、
    静かに重なっていることもある。

    ここから先は、
    その“重なり”を見にいく物語です。

    もしよければ、次の物語でも、
    ジロウたちと一緒に見届けてください。

    “高いですね”の先にある、
    人の心が動く瞬間を。

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    【Season1 の無料記事はこちら】


    ☑️次の話はこちら

    〜Coming Soon〜
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