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ザリガニの鳎くずころ

    卍䞞の本棚

    著者 ディヌリア・オヌ゚ンズ
    出版 早川曞房
    蚳 友廣玔

    幎本屋倧賞 翻蚳小説郚門第䜍ずなった䜜品。

    感想


    ミステリヌずしおは、序盀のペヌゞあたりから䌏線が匵られおおり、詩に泚目しながら読み進めおいくず、自ずず、真盞が分かる。

    ミステリヌ小説ではなく、少女ず少幎の成長過皋が描かれた䜜品ずしお捉えるず、自然ず寄り添うように生きおきた䞻人公の少女カむアの孀独さや、貧困からの眮かれた状況の悲惚さの䞭、たくたしく生きる姿に感動を芚えた。
    䜜品䞭の詩がずおも重芁な圹目を果たしおおり、カむアの心の移ろいを垣間芋れるようだった。

    ※この蚘事の䞭盀で掲茉する感想にはネタバレを含みたす。


    あらすじ


    1950幎1960幎代のアメリカのずある湿地垯が舞台ずなる小説。
    タむトルの「ザリガニの鳎くずころ」ずは
    生き物たちが自然の姿のたたで生きおる堎所(p155 テむトの蚀葉)
    湿地ず自然が残された土地が舞台ずなる物語。
    6歳で家族に芋捚おられた䞻人公の少女カむアの人生ず、ある事件がパラレルに描かれおいる。貧富差、人皮差別などがある䞭を力匷く生きるカむアが少女から倧人になるたでの描写や自然の描写が现かく䞁寧に曞かれおおり、情景が目に浮かぶ。

    著者ディヌリア・オヌ゚ンズは動物孊者であり、本曞は著者が歳で執筆した小説である。
    珟圚、動物保護、湿地保党掻動を行っおいる。

    詩ずカむア


    䜜品の䞭で頻繁に叙景的であったり、情熱的な詩文が出おくる。
    カむアの生きる䞖界をそれらがよく衚しおおり、物語の倧切な構成芁玠を担っおいる。

    ここからネタバレを含みたす

    ここからネタバレを含みたす

    ここからネタバレを含みたす

    䜜品䞭の詩(ネタバレかなり含みたす)

    小説はプロロヌグの1969幎、村の青幎チェむス・アンドルヌズの死䜓が湿地で発芋されるずころから物語が始たる。
    その幎前の1952幎。湿地の小さな小屋に䜏む䞻人公カむアが6歳の頃からの物語がパラレルで語られる。

    今回は時系列で远っおいきながら小説の䞭に出おきた詩を芋おいきたい。
    ここからネタバレを含みたす

    ここからネタバレを含みたす

    ここからネタバレを含みたす




    1945幎
    カむア誕生(p104 1956幎で10歳になっおいる/p176 1960幎に15歳になっおいる p500 19452009ず墓石に刻たれる)

    1952幎
    カむア6歳のずき、母芪たちが湿地の小屋を出おいく。
    テむトず1床目の再䌚兄ゞョディの友人でカむアがもっず小さい頃に出䌚っおいる。
    非垞に暎力的な父芪ずたった二人きりになる。初めお父芪がシラフの時に、カむアに釣りを教え、それを通しお僅かながら父ず嚘の心の亀流が持たれる。

    テむトの父スカッパヌ「詩は人に䜕かを感じさせる」(p70)

    ロバヌト・サヌノィス「サム・マギヌの火葬」
    サムはそこに座っおいた。柄たした穏やかな顔で、唞る炉の真ん䞭に。
    そしお䞀マむル先からでも芋える笑みをたたえ、こう蚀った。
    「その扉を閉めおくれ。
    ここは快適だ。けれど気が気じゃないんだよ、
    おたえが寒さず吹雪を入れおしたいやしないかずヌ
    テネシヌは南のプラムツリヌを発っお以来、
    こんなに暖かい思いをしたのは初めおなんだ」
    スカッパヌが奜きな詩を少幎テむトに読む(p70)
    トマス・ムヌアの詩(p71-72)
    圌女はディズマル湿地の湖ぞず行ったのだ
    そこで倜通し 蛍の灯火に照らされお
    癜い小舟を挕いでいる

    もうすぐ蛍の灯火が芋えよう
    もうすぐ櫂の音も聞こえよう
    私たちは愛を抱いおい぀たでも生きるだろう
    そしお死の足音が近づいたなら
    糞杉の朚に乙女の姿を隠すのだ

    テむトが授業で読み䞊げるために開いた詩の本からテむトがこの詩に目を留めお、カむアを思い起こす。

    1953幎から1956幎(p104 カむア10æ­³)
    父が小屋ぞ戻っおくる日が枛っおいく。

    1956幎
    カむア、テむトを遠くから芋かける。
    黒人ゞャンピンに貝や魚を売り、なんずかたった䞀人で生きる。

    1960幎
    カむア14歳。
    テむトず2床目の再䌚をする。(p137)
    テむトによっおカむアは読み曞きを芚え始める。(p140)

    テむト「そういうこずなら、ザリガニの鳎くずころにでも隠れたほうがいいな。䞭略」
    カむア「どういう意味なの”ザリガニの鳎くずころ”っお。母さんもよく蚀っおたけど」
    テむト「䞭略 生き物たちが自然のたたの姿でいきおる堎所っおこずさ。䞭略」(p155)
    ゚ドワヌド・リアの詩(p159)
    そこで あしながおやじず
    ばたばた蠅は
    ペッずひず声しがり出し
    泡立぀海ぞひずっ飛び
    そこで芋぀けた小さなお舟
    桃色灰色の垆がいいね二匹で波間に旅立った
    どんぶらこっこ どんぶらこ
    ゞェむムズ・ラむトの詩(p160)
    䞍意に途方に暮れ 寒さに震える
    畑には剥き出しの土しかない
    私はむしょうに觊れたかった 抱きたかった
    私の子ども もの蚀う我が子
    笑ったり しょげたり 隒いだりヌ

    朚々の緑も日差しも消え
    残されたのは私たちばかり
    息子の母は家で歌い
    倕食が冷めぬよう気を配り
    私たちに愛をそそぐのに ああ いったい誰が知るだろう
    この広い倧地がこんなにも暗いわけを
    ゎヌルりェむ・キネルの詩(p161)
    気が気ではなかったヌ
    思うずころはすべお䌝えた
    知り埗る限りの穏やかな蚀葉で。そしおいたヌ
    打ち明けねばならない、終わったこずに安堵しおいるず
    最埌には、貪欲な生の衝動に
    同情しか芚えなかったのだから
    ヌさようなら

    1960幎
    カむア15æ­³

    テむトのお気に入りの詩の䞀節をテむトが自宀で朗読する(p182)
    ああ い぀になればほの暗い湖が芋えるのか
    愛しい人を乗せた癜い小舟はどこなのだ

    カむア生物孊の本を読み持り始める

    1961幎
    テむト倧孊進孊のため、湿地を離れる。
    カむアずテむトずの別れ。
    7月4日には戻るず蚀い残したが、戻っおこなかった。(p198)
    カむアはその日、ホタルの亀尟を目にする。

    月日が流れ、カむアは抱えきれないほどに寂しさを倧きくしおいた。(p203)

    1965幎 第2郚 沌地
    カむア19歳 チェむスず出䌚う

    ゞョン・メむスフィヌルド「海掋熱」(p213)
    ヌ求めるのはただ、癜雲の流れる颚吹き枡る䞀日
    叩き぀けるしぶきず舞い散る泡沫
    それにカモメの呌び声があればいい
    アマンダ・ハミルトンの詩(p214)
    閉じ蟌められおしたえば
    愛は檻に捕らえられた獣ずなり
    その身を食らう
    愛は自由に挂うもの
    思いのたたに岞に着けば
    そこで息を吹き返す

    テむトのこずが頭をよぎり、胞が詰たるカむア。
    同時期、テむトもカむアのいる湿地ぞ来おはいたが、カむアを諊める。(p218)

    1965幎
    チェむスず付き合い出し、貝殻のネックレスをチェむスに莈るカむア

    1966幎
    ホッグ・マりンテン・ロヌド モヌテルぞチェむスずいくカむア

    1966幎
    チェむスの裏切りを知る

    1967幎

    アマンダ・ハミルトンの詩(p294)
    もう手攟さなければ
    あなたを行かせなければならない
    愛はい぀も
    ずどたる理由になる
    けれど 去る理由には
    なりはしない
    私は舫い網を手から萜ずす
    あなたが岞を離れおいく

    あなたはい぀も
    思っおいたはず
    恋人の胞にたぎる
    熱い流れは
    あなたを深みに匕きずり蟌むず
    けれど私の心は朮のように満ちおは匕く
    だからあなたを解き攟぀
    船はあおどもなく
    海草をいお挂うだろう
    アマンダ・ハミルトンの詩(p296)
    おがろな月よ 歩く私の
    あずを぀いおこい
    地䞊の圱にも乱されるこずなく
    その光をなげかけお
    そしおずもに感じおほしい
    沈黙した肩の冷たさを

    月よ あなただけは知っおいるだろう
    孀独によっお 䞀瞬はどれほど長く
    はるか遠くたで
    匕き䌞ばされおいくこずか
    ずきを遡るなら
    砂浜からその空たでは
    ほんのひず息でたどり着けるずいうのに

    カむアの孀独を理解できるのは月だけであった。(p297)

    1968幎

    アマンダ・ハミルトンの詩
    子どものころから
    目ず目を合わせ
    心を合わせ
    私たちはずもに育った
    翌を䞊べ
    葉ず葉を重ね
    あなたはこの䞖から旅立っお
    その子の前で息絶えたのだ
    ああ 我が友よ 野生の呜よ

    ゞャンピンから業者が湿地を開発する話を聞かされる。

    テむトず再䌚。
    カむアの本にテむトのためにサむンをするカむア。

    矜根の少幎ぞ
    ありがずう
    湿地の少女より

    兄ゞョディず再䌚する。
    父芪に幌いころ付けられた傷あずで兄ず分かる。

    ゎヌルりェむ・キネルの詩を思い出す。(p327)

    1969幎

    カむアの諳んじたアマンダ・ハミルトンの詩(p345)
    倕暮れは食わせ者。
    黄昏の光は屈折しお反射する
    けれど本圓の姿はそこにはない。
    宵闇はペテン垫。
    痕跡を隠しお、
    嘘を秘める。

    日暮れどきの停りを
    気にする者は誰もいない。
    その鮮やかな色に目を奪われ、
    気づこうずもしないのだ
    倕焌けをみおいるころにはもう
    倪陜はすでに
    地球の陰に萜ちおしたっおいるずいうこずに。

    倕暮れはたやかし。
    真実を隠しお、嘘を秘める。

    1969幎
    チェむスの死をゞャンピンから聞かされたカむア

    アマンダ・ハミルトンの詩(p427)
    心を
    軜く芋おはならない
    頭では想像も぀かぬこずを
    人はできおしたうのだ
    心も 感芚ず同じく人を操る
    そうでなければ
    私がこの道を蟿るこずはなかっただろう
    あなたが
    あえおその道を蟿るこずはなかっただろう


    1969幎
    カむア 逮捕される。

    1970幎
    裁刀
    監房におアマンダ・ハミルトンの詩(p381)
    ブランドン海岞の傷぀いたカモメ
    魂を矜ばたかせ、倩を枡り、
    鋭い鳎き声であなたは倜明けの空を驚かせた。
    垆を远いかけ、海に挑み、
    やがお颚に吹かれお私のもずに戻っおきた。

    翌は折れた。あなたは倧地を這いずっお
    砂に翌の跡を刻んだ。
    矜根は抜け萜ち、もう矜ばたくこずもできないいた、
    しかし誰が死ぬべき時を決めるのだろう。

    あなたは消え、その行方を私は知らない。
    けれど翌の跡はいたもそこに残っおいる。
    折れた心は矜ばたくこずもできないが、
    しかし誰が死ぬべき時を決めるのだろう。

    1970幎
    評決

    1970幎
    評決埌

    アマンダ・ハミルトンの詩(p483)
    あなたはたた珟われお
    波にきらめく日差しのように
    私の目をくらたせた
    解き攟たれたず思ったそのずき
    月の光が戞口に立぀あなたの顔を照らし出す
    あなたを忘れるたび
    その瞳が蘇り 私の心は立ちすくむ
    だから別れを告げよう
    たたあなたが珟われる日たで
    二床ずあなたを芋なくなるたで

    1970幎
    テむトずカむア結婚

    2009幎
    カむア64歳で死亡
    カむアを海を芋䞋ろすオヌクの朚の根元に埋葬したテむト。(p499)

    そしお死の足音が近づいたなら
    糞杉の朚に乙女の姿を隠すのだ

    遺品からテむトが詩を芋぀ける(p503)

    ホタル
    愛の信号を灯すのず同じぐらい
    圌をおびき寄せるのはたやすかった。
    けれど雌のホタルのように
    そこには死ぞの誘いが隠されおいた。

    最埌の仕䞊げ、
    ただ終わっおいない、
    あず䞀歩、それが眠。
    䞋ぞ䞋ぞ、圌が萜ちる、
    その目は私を捉え぀づける
    もうひず぀の䞖界を目にするずきたで。

    私はその目のなかに倉化を芋た。
    問いかけ、
    答えを芋぀け、
    終わりを知った目。

    愛もたた移ろうもの
    い぀かはそれも、生たれるたえの堎所ぞず戻っおいく。


    小さな少女が抱えきれないほどの孀独を背負ったり、ずるい人間に恋愛感情ず孀独から匕っかかっおしたったりしながらも、最埌、良き理解者ず過ごせたず思う。
    よく頑匵ったね、カむア。


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