
スウェーデンで出会ったアメリカンサイズ
スウェーデンのチーズの話を聞いてほしい。
わたしは部類のチーズ好きみたいだ。
みたいだ、というのは、これまで自覚していなかったから。
はじめてアメリカで暮らしたとき、チーズの種類の豊富さとおいしさにやられた。
とろけるタイプのチーズをいつも常備した。共用の冷蔵庫でまちがってもだれかに取られてしまわないように、Rioとマジックで名前を書いた。
ドライ系のチーズもたまに。
けれどパスタやチーズにかける、とろけさせて食べるチーズがおいしかった。
このチーズ大国でも、みんながわたしと同じチーズ狂になるわけではなかったみたい。
それで「わたしはチーズが好きらしい」と気がついた。
・・・・
日本に一度戻って、チーズの手に入れにくさに悲しい思いをした。
そのあとわけあって出かけることになり、もしかしたら次の拠点となるかもしれない国が、それはそれはすごかった。
スウェーデンは、乳製品の国だった。
わたしのお気に入りはwillysというスーパーマーケット。物価高めのスウェーデンで安くて便利としられるチェーンで、マルモでもヨーテボリでもストックホルムでも、長くても20分がんばって歩けばwillysにたどり着いた。
スウェーデンで出会ったアメリカンサイズ。
それがチーズ。
人の顔よりも大きなサイズで、1キロ2キロのボリュームで普通に売っている。これどうやって食べるの?
GPTに聞いたけれど、パンをよく食べるスウェーデンの人たちはチーズをたくさん消費するという返事。
いや、たくさんって。2キロよ?
3ヶ月たってもなくならないのでは。チーズってちょっとでおいしくて満足できてなかなか減らない。
しかも濃厚だから、結構お腹いっぱいになる。
3ヶ月も滞在予定のなかったわたしは、はじめチーズを諦めようとした。
スウェーデンではシュレッドタイプのとろけるチーズよりも、固形のチーズがメジャーに見えた。
それがものすごくおいしそうに見えた。
諦められなかった。けれどそこからが大変。
冷蔵庫ひとつまるまるがチーズの棚。
種類の違いもわからない。どうやって食べ切るのかわからない。
そんなアメリカンサイズチーズたちが、色とりどりのパッケージで並んでいる、この冷蔵庫が、6つも7つも並んでいる。
ご想像いただきたい。
見たことのないサイズの大きさのチーズで一面の視界が埋まるところを。