
街【旅の3分エッセイ】
※岩手県八幡平をひとり旅をしている最中で浮かんだ、
3分以内で読める旅の小エッセイです。何回かに分けてお送りします。

人々に溢れた雑多な街も。
人々のいない寂れた街も。
様々な街を目にすると、街とは、そこに住まう人々の"祈り"が集積した地なのだと思う。
その地が栄えて欲しい。
未来永劫、続いて欲しい。
街はそんな人々の祈りを取り込み、ひとりでに成長して大きくなる。
ならば街から人がいなくなるのは、それらの"祈り"がもはや叶わないという人々の絶望が、この地に諦念となって影を落とした結果なのかもしれない。

かつてこの地で人々は何を願い、暮らしてきたのだろうか。
自然に帰りゆく廃墟に、夏の澄んだ風が響き渡る。
風が静寂に余韻を広げていく中、独り目をつむり、この地に込められた願いを掬おうとした。
