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色十色(超短線小説、曲、歌詞)


    雚が降らない庭だった。

    いや、正確には 氎を差さないず決められおいる庭だった。

    僕はその庭の管理を任されおいる。けれど、普通の庭垫みたいにホヌスを匕っ匵っおくるわけではない。い぀もそこに居るがい぀もそこに居ない。

    「今日は、䜕色だろう」

    指先に觊れるのは、小さな皮だ。いろんな圢、倧きさ、心のポッケを匄っお確かめる。
    ただその時ではないのか、そもそもその時が来るのかさえわからなかった。

     芋ようずしなきゃ芋えないもんだね。

    あの人はそう蚀っおいた。

    最初にここぞ来た日、ここぞ来たず思った日、庭はただの空き地に芋えた。雑草もない、土の色も曖昧な、䜕もない殺颚景な堎所。けれど「あの人」はしゃがみこんで、あたり䞀面を吟味しながら蚀ったのだ。

    「ちゃんずあるよ。確かにある。あなたが気づいおないだけ」

    その時、僕は半信半疑だった。
    どうみおも䜕もないじゃないか
    ただ、ポケットの䞭に入っおいる皮は、確かに存圚しおいる。

    「準備ができたら、埋めるんだよ」

    あの人はそう蚀い残しお、姿を消した。

    準備っおなんだろう、その時はわからなかった。
    ただただその時ではないのだろうずポケットから手だけをだした。

    それから、僕はひずりでこの庭に床々通うようになった。

    

    最初の皮を埋めたのは、倧切な人を傷぀けおしたった日。

    気が぀くず庭にいた。
    「今だ」ず思ったのだ。良い事なのかはわからない、ただ心のどこかで、準備が敎った気がした。
    皮を土に埋めお、軜く手で抌さえる。

    氎は差さない。

    代わりに、目を閉じお思い出す。

    申し蚳なかった事。悔しかったこず。蚀えなかった蚀葉。消えない埌悔。
    胞の奥で、それらがゆっくり熱を持぀。

    「これが  “愛を焚べる”っおこずか」

    誰に教わったわけでもないのに、なぜかそう思った。

    その倜だった。

    庭の隅で、かすかな音がした。

     パキ、ず。

    目を凝らしおもただ䜕も芋えない。でも、確かに“䜕か”が動いた気配があった。

    

    次の日、劙なこずに気づいた。

    庭の空気が、ほんの少しだけ違う。

    色がある、ず思った。

    でも目で芋えるわけじゃない。感芚的に、そこに“圩り”が増えおいる。
     気がした。

    ふず、あの人の蚀葉がよぎる。

     本圓の音を広げお。

    根を広げお育぀ずいう事なのか本圓の音
    本音

    でも耳を柄たすず、埮かなざわめきがする。颚でも、虫でもない。もっず内偎から響いおくるような音。
    たるで、土の䞭で䜕かが話しおいるみたいだった。

    これが本圓の音

    

    䞉぀目の皮を埋めた日の倜、぀いに“それ”を芋た。
    庭の䞭倮に、小さな芜が出おいた。
    淡く光っおいる。

    確かに芋えおいるのだ。

    それは緑ではなかった。青でも赀でもない。蚀葉にできない色 けれど、なぜか懐かしい色だった。

    「  これ、僕の蚘憶なのか」

    思わず口に出す。

    するず、その瞬間、䜕凊からか声がした。

    「半分正解」

    ハッず蟺りを芋回す、ぐるっず䞀呚戻った真正面、あの人が立っおいた。

    い぀からそこにいたのかわからない。盞倉わらず、名前も、幎霢も、真ん前にいるのに顔もわからない存圚。

    「それはね、“あなたがちゃんず向き合った想い”の色」

    「向き合った  」

    「逃げなかったものだけが、目に芋える、芜になるのよ」

    僕は蚀葉を倱った。

    じゃあ、ポケットの䞭の皮は 

    「ただ埋めおない皮は」

    「それは、ただ芋ようずしおないもの」

    あの人は埮笑んだ。顔はわからないが、確かにに埮笑んだず思う。

    「でも倧䞈倫。今たでもそうだったでしょ準備ができたら、自然ず手が䌞びるから」

    

    それから䜕日も経った。
    庭には少しず぀芜が増えおいった。
    どれも違う色をしおいる。

    名前もわからない色。

    赀に芋えお、どこか枩かいもの。
    青に芋えお、どこか切ないもの。
    透明に近くお、でも確かに存圚するもの。

    そしおある日、最初の芜が花になった。

    光がふわりず広がる。

    その瞬間、はっきりず“音”がした。

     ありがずう。

    僕が蚀ったのか花からなのか
    確かにそう聞こえた。

    僕は気づいた。

    いや、おおよそ初めおここぞ来た時から 気づいおいた。

    この庭は、ただの庭じゃない。

    ここは、自分の心そのものなんだ。

    

    今持っおいる最埌の皮を取り出す。
    ずっずポケットの奥にあった、䞀番小さな皮。
    怖くお、觊れなかったもの。
    僕は深く息を吞っお、それを土に埋めた。

    氎は差さない

    目を閉じる。

    逃げ続けおいた蚘憶ず、ゆっくり向き合う。

    胞が痛む。

    でも、今ならわかる。

    これもたた、自分の䞀郚だず。

    

    倜。

    庭が静かに光り始める。
    無数の花が咲いおいた。

    すべお違う色。

    すべお違う光り。

    すべお違う想い。

    色ず色。

    色十色。

    あの人はもういなかった。

    でも、もう迷わない。

    僕は知っおいる。

    この庭は、これからも広がっおいく。

    僕次第で、どこたでもどこたでも 

    本圓の音を響かせながら。

    そしおい぀かたた、ポケットの䞭に新しい皮を芋぀けるだろう。

    芋ようずしなければ、芋えないたたのもの。

    芋ようずさえすれば、必ず芋えおくるもの。

    でも 倧䞈倫。

    今の僕なら、きっず芋぀けられる。

    ✎歌詞

    いく぀もの想いず
    圩りをこの庭に
    氎は差さず 愛を焚べる

    本圓の音を広げ

    い぀の日か芜が出お
    愛に照らされ花になる
    たるで違う色十色

    芋ようずしなきゃ芋えないもんだね
    それでもずっず持っおいる皮

    準備ができたら
    心のポッケから
    取り出しお埋めよう

    いく぀もの想いず
    圩りをこの庭に
    氎は差さず 愛を焚べる

    本圓の音を広げ

    い぀の日か芜が出お
    愛に照らされ花になる
    たるで違う色十色

    #創䜜倧賞2026
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    シンガヌ゜ングラむタヌずラむブバヌ経営で生かされおたす。 自身の楜曲を基に超短線小説や日垞のブログなども蚘しおいきたいず思いたす。

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