
雨とカタツムリと探偵と
探偵A:「なあ、カタツムリってさ、何考えて生きてんのかな」運転席であくびをしながらぼそりとつぶやいた。
探偵B:「……は? 」後部座席でモニター画面から目を離さず淡々と返した。いつものように声の温度は低い。
探偵A:「いやさ、この前の雨の日道端にいっぱいいたのよカタツムリ。びしょ濡れでノロノロ動いててさ。あいつらって目的とか持ってんのかなって」
探偵B:「あるから雨の日に地面這ってんだろ」
探偵A:「雨の日に出歩く目的なんて普通ないだろぉ。でもさ、背中に家あるって最強じゃない? 引きこもりのプロって感じで」
探偵B:「……考えたことも無い」
探偵A:「え、なんか今日冷たくない?」
探偵B:「いつもだろ」
探偵A「うわw」
探偵Bは無言で煙草に火をつけた。白い煙が狭い車内をゆっくりと這い上がっていく。
探偵A:「あ、あとさ。カタツムリって殻のあるナメクジなわけじゃん?」
探偵B:「……」
探偵A「つまり、殻がなかったらただのナメクジ。そう思うとアイツらって自分の価値が殻にしかないってことになんね?」
探偵B:「お前も情熱がなかったらただのバカだからな」
探偵A:「ひどくね?」
探偵B:「あと3分で対象者が出てくる。集中しろ、ナメクジ探偵」
探偵A:「せめてカタツムリって呼べよ!」
その直後、リアウィンドウの向こうに白いN-BOXが止まった。
探偵B:「……浮気相手の車だな。もうカタツムリみたいにダラダラ話してる場合じゃないぞ」淡々とカメラを手に取り息を吐いた。
探偵Aは運転席で窮屈そうに屈みながらいつでもキーを回す態勢になる。
長い張込みは終わり、これから勝負の時がはじまる。
古い型の白い軽バンの車内には雨と紫煙の匂いが妙に静かな決意を包み込んでいた。
終わり
探偵A、探偵Bの紹介記事
彼らのその他エピソード
The Two Detectives - Theme
不倫・浮気、独身偽装についての真面目なコラム
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探偵青野です
— 浮気_独身偽装_失踪@ブルーフィールドリサーチ (@yokohama_BF) June 25, 2025
横浜は激しい雨が降っています
雨が激しい日は調査しない方がいいのではと思っています
次の探偵の考察で書いてみたいと思います pic.twitter.com/1A2pROMtZM
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