
ホワイトデーのお返しと探偵
三月の昼下がり。
まだ春と言うには少し早い風が、横浜のとある住宅街の路地を抜けていく。マンションの入口から三十メートルほど離れた場所に古い型の白い軽バンが停まっていた。
中では二人の探偵がぼんやりと対象者のマンションを見張っている。
かれこれ5時間
動きはない。
探偵A:「……なあ」
探偵B:「なんだ」
探偵A:「ホワイトデーって、義理チョコにも返す?」
探偵B:「返すだろ」
探偵A:「三倍とか?」
探偵B:「相手による」
探偵A:「俺さ、今年6人からもらったんだよ」
探偵B:「……それはご愁傷さまだな」
探偵A:「なんでだよ!モテるじゃんって言うとこだろ」
探偵B:「6人分の返礼を考える手間が増えただけだ」
探偵A:「相変らず冷めてるな」
探偵B:「合理的だ」
探偵A:「でもさ、三倍返しって変じゃね?義理なのにこっちだけ本気みたいになるじゃん」
探偵B:「なら同額で返せ」
探偵A:「それもケチっぽくない?」
探偵B:「お前は恋愛相談をしているのか?張り込みをしているのか?」
探偵A:「……暇なんだよ」
探偵B:「……そもそも俺はもらわない」煙草に火をつけ、窓の外を見たまま言った。
探偵A:「え?」
探偵B:「チョコ」
探偵A:「一個も?」
探偵B:「一個も」
探偵A:「……寂しい人生だな」
探偵B:「静かでいい」
しばらく沈黙が続く。
そのとき、マンションの自動ドアが開いた。
探偵B:「お、出たぞ」
探偵A:「やっとか」
二人の探偵は視線で男を追う。
出てきたのは三十代くらいの男、その手には紙袋。
探偵A:「……あれ」
探偵B:「どうした」
探偵A:「ホワイトデーの袋っぽくない?」
探偵B:「……そうだな」
男は周囲を見回し、紙袋から小さな箱を取り出した。
そして
それをマンションの郵便受けに入れた。
探偵A:「……?」
探偵B:「……」
探偵A:「あいつ、自分の家にホワイトデー置いてったぞ」
探偵B:「……」
探偵A:「なにそれ?」
探偵B:「……」
探偵A:「……もしかして」
探偵B:「言うな、悲しくなる」
探偵A:「バレンタイン、自分で自分にチョコ買ったタイプ?」
探偵B:「……」
探偵A:「それでホワイトデーも自分で返してる?」
探偵B:「……」
探偵A:「……」
探偵B:「とりあえず、尾行するぞ」
探偵A:「浮気してないんじゃね?この人」
探偵B:「それを確かめるのが、探偵だ」
古い型の白い軽バンのエンジンが静かにかかる。
世の中には不倫を隠す男もいれば、
恋人がいるふりを続ける男もいるらしい。
終わり
探偵A、探偵Bの人物紹介
彼らのその他エピソード
The Two Detectives - Theme
不倫・浮気、独身偽装についての真面目なコラム
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探偵青野です
— 浮気_独身偽装_失踪@ブルーフィールドリサーチ (@yokohama_BF) March 7, 2026
傷ついた妻から
不倫をやめて欲しいと願うのは
そんなに難しいことでしょうか?
「子供の事を考えると離婚しない方がいい」
自分の体裁を子供の事にすり替えないでください
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