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アートの価値は誰が決める?③“わからなさ”が心に残る理由

    blue_by_logic

    「わからないのに、なぜか惹かれてしまう。」

    そんな経験はないですか?

    現代アートやブランド、広告や建築にまで、そんな不思議な魅力を感じたことがある人も多いのでは?見ただけでは理解できない。意味もよくわからない。

    ──でもなぜか、気になる。

    実はいま、「わかりにくさ」そのものが、価値になりはじめています。

    今回は、この「わからなさ=惹かれ」の構造について紐解いてみます。


    マグリットに惹かれた理由は
    やっぱりわからない

    先日、横浜美術館でマグリットの《王様の美術館》という作品を見てきました。

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    ルネ・マグリット 《王様の美術館》 (1966)
    横浜美術館 展示にて筆者撮影

    シルエットの中に風景が溶け込む不思議な構図。何かの象徴のようでもあるし、単なる幻想にも見えます。

    ──正直、意味はよくわかりませんでした。

    でも、気になる。説明がつかないのに、感情だけが先に引き込まれるような感覚。

    「わからなさ」に惹かれてしまうこの感覚は、一体何なのでしょうか。


    わからないからこそ
    意味を探し始める

    わたしたちは、意味がわからない状況に出会うと、自然と意味を探し始めます。理解しきれないからこそ、考えようとするし、解釈しようとトライする。

    つまり、

    「意味があるから惹かれる」のではなく、惹かれてしまうから、あとから意味を探し始める。

    わからなさは、惹きのきっかけであり、それを自分なりに補完しようとする行為そのものが、「共感」や「記憶」をつくっているのだと思います。


    わかった瞬間に冷めた。
    そんな経験ありませんか?

    これはきっと誰にでもある感覚ではないですか?映画やドラマ、アート、あるいは人間関係でも。

    「あ、こういうことか〜」

    そう思った瞬間、急に熱が冷めてしまうような感覚。そこで興味も終わってしまう。

    だからこそ惹かれ続けるものって、「どこか掴みきれないまま、心にひっかかりを残すもの」なのかもしれません。


    案外、日常にもある
    「わからないけど惹かれる」もの

    ふだんの生活の中にも、わからなさに惹かれてしまう瞬間は意外とあります。

    味の説明はできないけど、なぜか落ち着く喫茶店のコーヒー

    いつも同じ結末なのに、なぜか毎回泣いてしまう昔のアニメ映画

    飼ったら絶対大変なのに、つい検索履歴に「アルマジロ 飼育」と残してしまう

    理由ははっきりしないのに、気になってしまうもの。説明しようとしても、うまく言えない。それでも惹かれてる。そんな感覚です。


    ブランドも「全部は語らない」
    ことで魅力的に

    たとえば、Aēsop(イソップ)。
    シンプルなパッケージ、香りの説明は最小限、コピーも控えめ。

    ──だけど、なぜか惹かれます。

    説明しすぎないからこそ、私たちの中に、自分で補いたくなるスペースができる。

    「これってどういう意味なんだろう?」

    そう考え始めた時点で、もうすでにそのブランドに惹かれている。意味を探す行為そのものが、心を動かされた証拠です。


    「わからない」という問いが、
    人を惹きつける

    今は、ブランドもアートも、「答え」ではなく「問いが残る」から惹かれる時代なのかもしれません。

    「わからなさ」は、解釈の余地であり、感情の居場所。わかってしまった瞬間に冷めるなら、わからないままの方が、ずっと心に残るのでは?

    惹かれ続けるものって、解かれないままの謎なのかもしれない・・・なんて思うこの頃です。

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    いつかの横浜美術館
     
     
     
    本業は戦略コンサル。 趣味はアートと、考えること。 感覚で語られがちなアートを、 戦略の視点で読み解いています。 感性と構造、 そのあいだを行き来しながら、 いろいろ思考中💭

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