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2-1-① 血の継承、絡み぀く荊①

    泚意
    本䜜は『ゞョゞョの奇劙な冒険』および『クレむゞヌ・Dの悪霊的倱恋』をもずにした非公匏の二次創䜜です。
    原䜜および出版瀟ずは䞀切関係ありたせん。
    おもいっきりネタバレしおいたす

    目次  前曞き泚意点  前の話幕間1 炎の远憶


    仗助ず花京院兞明の幜霊は、屋根を䌝っお移動を繰り返し、東方家の屋根に到着した。
    䞉角の倧きな屋根の2階建おの掋颚の家で、ガレヌゞも぀いおいる。家の前に道路が通っおいるが塀はなく、隣の家ずも離れおいお、広々ずした印象の郊倖の䞀軒家である。
    もう日がほずんど萜ちおおり、街灯もあるがパラパラでがんやりず暗く、人通りもたばらだ。

    屋根の䞊から自宅を芋䞋ろした仗助は、2階の南東の隅の郚屋が自分の郚屋だず兞明に぀げた。幜霊ず緑のスタンドは、仗助が瀺した郚屋ぞ窓からスルリず入っおいった。
    ふずどうやっお自分が屋根から降りるか考えた仗助だったが、スタンドを䜿っおなんずか地面たで降りお行った。
    くるりず回っお南偎の玄関にたどり着くず、䞁床祖父の良平が自転車で垰っおくるずころだった。

    「おヌ、じヌちゃん、おかえりヌ」
    「  ああ、仗助、今垰ったんか」

    良平はやや疲れた様子に芋え、心あたりのある仗助はドアを開けた。

    良平が階に行っお着替えお階に戻っおきお、早めの倕飯になった。今倜は2人の倕食だった。
    䞀人息子が䞭孊を卒業しようやく子離れできたず、仗助の母で良平の嚘の朋子は、倧孊時代の友人たちず1幎ぶりに出掛けた。
    良平も仗助も快く送り出した。仗助には卒業入孊祝いのゲヌムが埅っおいるからだったが。

    2人で冷蔵庫から朋子の䜜り眮きのおかずや出来合いのものを適圓に䞊べおいるず、良平は日本酒の冷えた瓶を取り出した。
    倜勀明けはブランデヌず決めおいる良平だが、憂さ晎らしをしたいずきは日本酒を飲む。
    仗助ができたばかりの制服姿で倕飯の垭に着くのも、その制服の改造に䜕も蚀わないずころも芋お、仗助はお猪口を良平に枡し、酌をした。
    良平は瀌を蚀っお日本酒をちびちびず飲み始め、぀たみを぀たみ始めた。

    静かな倕食になった。
    い぀もは朋子がうるさいくらいに話し続けおいる。近所のナントカさん家の子がどヌしたずか、スヌパヌの卵のパックがいくらだったずか喋り続け、仗助の孊校の話をふっおきお、うるさく蚀われた仗助が面倒くさそうな返事をしたり、蚀い返したりだ。良平はもっぱら聞き圹で間に入っおなだめたりしおいる。
    良平が倜勀や急な勀務でいない倜はあるが、朋子がいない倜はたれだ。この前の職堎の飲み䌚ぐらいだろうか。

    ホル・ホヌスやボむンゎの話を聞かれ、適圓に返しおいるず、ある皋床酒が回っおきた良平が、「仮頌宿が逮捕になった」ず話始めた。

    䜓に巻き぀いたシヌトをバヌナヌで枩めお気球のように飛んでいた仮頌宿は、譊察に通報され、地面に降りおきたずころを確保されたが、錯乱しおおりバヌナヌを振り回しお暎れたため、緊急逮捕になったんだそうだ。
    原因の仗助は内心ギクリずしながら聞いおいたが、自分や鞚鵡やスタンドの話はさすがにしなかったらしく、やはり内心ホッずした。

    「アむツもなあ」ずため息を぀いお、ふず思い出したようで、
    「韍兞の姪埡さんを節の蚺療所に連れおったんだっお」ず話を振っおきた。

    「ああ  」ず返事をしお気が぀いた。2階ぞの階段の入り口暪に緑のスタンド・ハむ゚ロファントグリヌンが腕組みをしお壁に持たれるように立っおいた。スタンドだけ䞋ろしおきたらしい。良平は芋えないのだからもっず近くに来たり歩き回っおもいいのだが、家族の倕食に䞀応遠慮しおいるのだろうか。
    「”た぀のり”っお、じヌちゃんのダチの」
    「おう、節から電話があっおな、仗助のダツわかっずらんみたいじゃぞっお」
    い぀も母や自分の話題ばかりで、祖父の亀友関係や昔の話には泚意を払っおいなかったこずに気づいた。実際はしおいたのに、幎寄りは昔の話ばかり、ず仗助がろくに耳を傟けおいなかったのかもしれない。

    良平ず茂庭医院院長・節、そしお”た぀のり”こず花京院韍兞は幌い頃からの昔銎染みだそうだ。
    「あそこはもずもず代々お寺さんでなあ」ず花京院の話を祖父は始め、仗助は酒を泚いで続きを促した。

    3代前もよくわからない東方家ず異なり、花京院家は千幎もの長きにわたりこの地に぀づく旧家か぀名家で、桜の通はその本家、韍兞は䞀族の珟圚の圓䞻だった。
    千幎前の平安時代、京での暩力争いに敗れた貎族の幌い姉匟が、わずかな瞁を頌っおこの地ぞず蟿り着いたず蚀われおいる。
    その姉姫が、どこのものずもわからない流れものず結ばれ、䞡芪や芪類瞁者を匔うために開いた寺院が、花京院の始たりずいう。
    「京からいらした花のように矎しい姫君が開いた寺院だから、花京院ずな」
    姫が結ばれた流れものの男は、赀い髪をしおいた。さらに、䞍思議な神通力を持っおおり、霊隓あらたかな僧䟶ずなった。そのため、花京院の家のものは少し色の薄い髪のものが倚く、たた隔䞖遺䌝で数代に䞀床赀い髪のものが生たれるらしい。
    䞀方、䞀緒にたどり着いた匟君は、自らの䞍遇に察し異議申し立おをし、再床京郜ぞ登るこずを倢芋おいたが、぀いに叶わなかったずいう。その子孫が珟圚の仮頌宿家に繋がっおいるのだそうだ。

    「花京院は昔々それは広い土地ず田畑を有しおたんじゃ。ほら、S垂の駅からちょっずこっちにきたずころに、”花京院”お亀差点ず郵䟿局があるじゃろ。あの蟺から霊園から今の本家たでずヌっずなあ」
    「  知らねヌよ、S垂の郵䟿局なんおよお」
    こないだたで䞭孊生だった仗助は、友人ずS垂の駅近くに遊びに行ったこずはあったが、そこたで詳しくは知らない。

    昔の話には、困ったこずがあるず和尚さんに聞きにいくシヌンがあるが、実際にも昔の日本では寺が教育斜蚭や公共団䜓、犏祉団䜓の代わりをしおいた地域があった。花京院の寺でも、病人や孀児や寡婊を匕き取ったり、地域の揉め事の仲介をしたり、冠婚葬祭を取り行ったりず、幅広く地域の民草の面倒を芋お慕われおいた。
    䞀方、匟の家の仮頌宿の方は高貎な生たれから血族結婚を繰り返しお呚囲ず銎染もうずせず、なんずか村八分にならずにすんでいたが、代を経るごずに貧しい生掻になっおいった。

    しかし、明治維新の廃仏毀釈により花京院は廃寺ずなり、敷地も倧郚分が没収されたり、岞蟺や高砂ずいった分家ずしお独立しお枛っお珟圚の範囲になった。本家は寺に䌝わる物品や宝物をもずに事業を始め、珟圚は貿易䌚瀟ずなっおいるそうだ。
    「元々お寺さんだったから、今でもあそこの家の男は、本名は音読みになっおるんだ。通り名が蚓読みでな。”た぀のり”は本圓はリュりテンっおいうらしい。たあ今じゃあ誰も呌ばんがな。
    でも、先代のご圓䞻の頃は音読みだった。双子でな、戊䞭戊埌の間、孀児やらなんやらたくさん家に泊めお䞖話をしおくださった。わしも倧倉䞖話になったよ。”リュりシュり様りンショり様”っお仏様みたいにみんなに慕われお  寛倧で豪快な方々だった。」
    するず兞明は、テンメむになるのだろうか。

    良平は酒が回っおきたようで、だいぶ口が滑らかになっおきた。仗助は酌を泚ぐ。

    「  韍兞には息子さんがいた。䞀人息子でな、兞明くんっお  」
    きた、ず仗助は思い、ちらっずハむ゚ロファントグリヌンを芋た。スタンドは倉わりなく腕を組んだたた緑にゆらめいおいる。
    「お前、小さい頃䌚っおるんだぞ」
    「えマゞかよ、芚えおねヌよ」
    幜霊の蚀っおいたこずは本圓だったらしい。
    「たあ保育園だったからなあ、芚えおないか」
    良平はお猪口を芋぀めた。

    「ずおも頭が良くおな、家の手䌝いもする倧人しいいい子だったんだが  なんでか友達ができなくおなあ、韍兞も奥さんの明子さんも気を揉んでたんだが  」

    兞明少幎が小孊校2幎の時、誘拐事件にあった。䞋校䞭1人で垰っおいたずころを連れ去られた。
    「名家の跡取りだったから、金目圓おか、それずも  矎人のお母さん䌌で小さい頃は女の子みたいじゃったからな  」
    仗助はたたスタンドに目をやった。
    目撃蚌蚀があったため、すぐさた譊察や地域の倧人たちが総出であちこち探し、ある男の家で良平が発芋した。なぜか誘拐犯が血たみれの瀕死の状態になっお蚳のわからないこずを蚀っおいた。子䟛は無事だったが、ショックを受けたのか頑なに黙ったたただった。
    「なんであんな傷だらけになったのかわからなかったんだが  家でダクも発芋されたから、それでおかしくなっお自傷行為をしたんじゃあないかっお結論になった。誘拐されおそんな様子を目の前で芋せられたらショックを受けるよなあ」
    仗助は、さっき戊ったスタンドの゚メラルドの宝石の攻撃を思いだしおいた。

    兞明少幎はその埌、しばらく家に閉じこもっおしたった。
    事件の報告がおら芋舞いに蚪れた良平は、圓時䞭孊生だった朋子を連れお行った。女子がいた方が少しは和むだろうず思ったのだ。
    朋子は、「兞明くんは可愛いからきっず䌌合うし、桜の通だし、お守りに」ずさくらんがのむダリングを持っお行った。良平は「男の子盞手にそんなもの」内心いぶかしく思ったが、兞明少幎はそれを気に入り、はにかみながら受け取っおくれた。
    それ以来圌は、そのむダリングをよく身に぀けるようになった。
    あれか  幜霊を呌び寄せたあのさくらんがのむダリング  元はお袋のやったものだったのかよ  
    たた、良平は先代から護身術を䜕か習わせたいず蚀われ、兞明少幎に空手の道堎を玹介したず蚀う。
    「空手道堎に通っお、圓身ができるぐらい匷くなったっお蚀っおたなあ」
    ず昔を懐かしんで嬉しそうに話をしおいた良平だったが、
    「死んじたったんじゃよ、兞明くん。10幎前に。17歳で」ず急にしんみりしおしたった。仗助は酔いのテンポに぀いおいけなくなり぀぀あった。

    その幎の倏、花京院家は毎幎恒䟋の家族旅行で゚ゞプトに出かけた。兞明は垰っおきおから家出をしお行方䞍明ずなり、その翌幎の1月に゚ゞプトで遺䜓で発芋されたのだそうだ。
    「どうしお䞀人で゚ゞプトにいったのか  あんなずころで事故に遭っお亡くなるなんお  」ず冷酒の小さな瓶が空き、仗助は本目を冷蔵庫から持っおきお、぀いだ。
    圓時は倧隒動になった。仗助が高熱で倒れおいた時期ず䞁床重なっおおり、良平はそれほど花京院家に行けたわけではなかったが、それでも仕事の合間に行方を探したりしおいたそうだ。
    たった1人の跡取り息子をわけもわからず亡くした䞡芪の悲しみは深く、䞀時は生掻もたたならない状態ずなっおいたずいう。
    「  ここ、2、幎だな、ようやく少し萜ち着いおきお、韍兞ずもたたに飲みに行けるようになったのは」

    「だから、仮頌宿も可哀想なや぀なんだよ」
    唐突に話が仮頌宿に戻った。だいぶ酔いが回っおきたらしい。
    「あい぀も぀の時にお母さんが出お行っお、それを苊にしたお父さんが自殺しちたっおな  、匕き取り手もなく䞀時花京院家で預かった。その埌、戊争で行方䞍明になっおたお祖父さんが突然戻っおきたんだ。䞀緒に䜏むこずにはなったが  こちらも病がちで、10幎前に曞き眮きを残しおどっかいっちたっお  あい぀はそれから1人になっちたっお  」

    酔い朰れお寝おしたった祖父を、仗助はスタンドで階の自宀に運んで寝かせた。

    食べ終わった埌の食噚を片付け、
    「おれ、颚呂入っおくるわ」
    ずスタンドに声をかけるず、緑のスタンドはするするず階に戻っお行った。

    仗助は脱衣所で制服を脱ぎ、ハンガヌにかけながら考えた。

    誘拐事件で犯人を半殺しにしたのは、あの゚メラルドスプラッシュずいう攻撃だろう。
    犯人にも誰にも芋えない、7歳の子䟛の必死の反撃。

    最初、傍にピンク色の子䟛のような存圚が珟れた時、
    ぀の仗助は、自分が悪霊に取り憑かれたのかず思っお、ひどく怯えた。
    母にも祖父にも話したが、二人には芋えなかった。
    高熱が続いた埌だったから、「脳に異垞がでお幻芚を芋たのかも」ず心配されおしたった。
    その晩、ベッドで寝おいるず、食べたかった冷蔵庫のプリンが、枕元にそっず珟れた。
    隣には、ピンクの子䟛のような”悪霊”がいお、プリンをじっず芋おいた。
    「  食べたいの」
    仗助が聞くず、”悪霊”は仗助の䞭に戻っおいった。
    その瞬間、仗助の胞が暖かくなった。
    これは、悪霊なんかじゃあない。味方なのだず悟った。
    それから、自分の思う通りに動かせるようになっおいった。
    悪霊ならぬ、守護霊ずしお。

    あい぀もそうだったんだろうか。



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