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イコールアース図法って何?

    下記の日経新聞の報道について、メルカトル図法の欠点は認識していましたが、イコールアース図法を知らなかったので調べました。

    記事の要約

    2026年9月4日、国連総会が地図に関する決議を採択したというニュースです。

    • 内容
      加盟国や国際機関、デジタル地図を扱うIT企業に対し、世界各地の実際の面積を正確に反映した地図の採用を促す。

    • 背景
      日本でも広く使われるメルカトル図法は、赤道に近いアフリカなどを相対的に小さく見せ、「不均衡な世界観」を固定化させると批判。実際はアフリカはグリーンランドの14倍なのに、ほぼ同じ大きさに見える。

    • 推奨された図法
      面積比を正確に反映する「イコールアース図法」を「適切な選択肢」として奨励。

    • 採決結果
      アフリカ諸国が共同提出、日本を含む164カ国が賛成、米国が唯一反対、ウクライナなど6カ国が棄権。総会決議に法的拘束力はない。

    • 各国の反応
      米国は決議がアフリカへの賠償に触れている点などを「急進的なイデオロギー」と主張。ウクライナは一部のイコールアース図法の地図でクリミアの表示に問題があると懸念。

    • 経緯
      2025年にアフリカの市民団体がキャンペーン開始、2026年にアフリカ連合(AU)が推進を決定。提出を主導したトーゴのドゥセ外相は「地図を正すことは認識を正すことも意味する」とコメント。


    イコールアース図法について

    1. 基本情報

    Equal Earth projection(イコールアース図法)は、Bojan Šavrič, Bernhard Jenny, Tom Patterson の3人によって2018年に発明された、世界地図用の正積(面積が正しい)擬円筒図法 です。

    広く使われてきたロビンソン図法にインスパイアされていますが、ロビンソン図法と違って面積の相対的な大きさを保持するように設計されています。

    開発の直接のきっかけは、2017年にボストンの公立学校がメルカトルの歪みを是正するため ガル・ピーターズ図法 を採用したことでした。ガル・ピーターズ図法 は面積は正しいものの、極域やアフリカの形状が極端に歪むため美観上の批判が強く、「美しく、かつ面積が正しい代替案がない」という問題意識から生まれました。

    2. 特徴

    公式に挙げられている特徴は以下の通りです:

    • 曲線の輪郭
      地図の外周が曲線で、地球が球体であることを直感的に示す。

    • 直線の緯線
      緯線が直線なので、赤道からどれだけ離れているかを比較しやすい。

    • 経線の間隔
      どの緯度でも経線の間隔が均等。

    • 実装が容易
      計算式がシンプルで高速に動作するソフトウェアが書きやすい。

    最大の目的は正積性です。メルカトル図法ではグリーンランドがアフリカより大きく見えますが、実際はアフリカの面積のわずか 7% しかありません。この歪みは、発展途上国が多く集まる南半球の存在感を小さく見せ、経済・社会・政治的な認識にまで影響するという指摘があります。

    3. 他の図法との違い

    つまり、「正積でありながら、見た目のバランスも良い」という両立を目指したのが イコールアース図法 です。擬円筒図法の中でも、Putniņš P4'図法とエケルトIV図法をベースに、緯線間隔を多項式で視覚的に調整して作られました。

    エケルトIV (1906) とPutniņš P4' (1934) はいずれも面積が正しい「正積擬円筒図法」です。

    4. 現在の採用状況

    • 2018年8月のオンライン公開後、NASA のゴダード宇宙研究所が2018年7月の世界平均気温の偏差マップで初めて採用しました。

    • その後、Correct the Map キャンペーンを AU とカリブ共同体が後押しし、今回の国連総会決議(2026年9月4日採択、賛成164・棄権6・反対は米国のみ)で正式に推奨図法となりました。

    Google マップのような日常のナビゲーション地図がすぐに変わるわけではありません。変わるのは、私たちが世界を「一枚絵」として捉えるときのデフォルトです。教科書や報道、国際機関の資料で、イコールアースがメルカトルに取って代わっていく可能性があります。


     
     
    プログラミングと Linux そしてトレーディングの話題、 ときどき脱線。

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