メインコンテンツへスキップ
見出し画像

【水平思考ゲーム・解答編】商談を決めた一枚|記録No.85

    画像

    ────────

    べあ🐻「ニナちゃん、記録No.85を持ってきたよ」

    ニナ🗝「表題は『商談を決めた一枚』。契約書か、企画書か、それとも切り札になる資料かしら」

    べあ🐻「さすが管理官。地上の仕事にも詳しいね」

    ニナ🗝「どれも違う顔をしているわね」

    べあ🐻「はい。今回の一枚は、商談に持ってくるはずのないカードでした」

    ニナ🗝「なら、その場違いな一枚が何を変えたのか。記録を始めましょう」

    ────────

    ■ 問題

    画像

    べあ🐻「共犯者の皆さんは、“商談を決めた一枚”から何を想像したかな?」

    ニナ🗝「契約書、名刺、商品の写真。商談の席にありそうなものほど、疑いにくいものね」

    べあ🐻「でも、男が取り出したのは、そのどれでもありません」

    ニナ🗝「ええ。ケースの中にあったのは、男の名前ではなく――」

    ニナ🗝「息子の好きなヒーローよ」

    ────────

    ■ 解答

    画像

    男は、自分の名刺入れと、息子がカード入れにしていた名刺入れによく似たケースを取り違えていた。

    大事な商談が始まり、男は挨拶のためにケースを開く。

    しかし、そこに名刺は一枚もなかった。

    代わりに入っていたのは、息子が集めているヒーローのトレーディングカード。

    取り返しのつかない失敗をした。

    そう思った男は、顔面蒼白になりながら事情を説明し、何度も謝った。

    すると、カードを見た取引相手が笑顔になった。

    「それ、うちの子も好きなんですよ」

    実は相手も、自分の子どもと一緒に同じシリーズのカードを集めていたのだ。

    二人は子どもやカードの話で意気投合。

    張りつめていた空気は一気に和らぎ、その後の商談も驚くほど順調に進んだ。

    そして、商談は無事成立。

    男を救ったのは、商談のために用意した資料ではない。

    本来なら、そこにあるはずのなかった息子の一枚だった。

    帰宅した男は、ケースの取り違えなど何も知らない息子へ、心から感謝したのだった。

    ────────

    ■ 真相の境界線


    べあ🐻「名刺がないと気づいた瞬間は、本当に終わったと思っただろうね」

    ニナ🗝「実際、失敗ではあるわ。商談の席に名刺を持参できなかった事実は変わらない」

    べあ🐻「でも、その失敗があったから共通の話題が見つかった」

    ニナ🗝「失敗が成功へ変わったのではないわ。失敗によって、別の扉が開いただけ」

    べあ🐻「名刺なら、男の名前や会社を伝えていた」

    ニナ🗝「ヒーローカードが伝えたのは、彼が“誰かの父親”であること」

    べあ🐻「本人が名乗るつもりのなかった肩書きだ」

    ニナ🗝「肩書きというより、生活の痕跡ね。整えられた営業用の言葉より、偶然こぼれた日常の方が、相手との距離を縮めることもある」

    べあ🐻「相手も同じシリーズを知っていたから、カードを見た瞬間に“取引先”から“同じ親”になったんだね」

    ニナ🗝「正確には、その両方になったのよ。商談を忘れたわけではない。ただ、相手を信用するための材料が一つ増えた」

    べあ🐻「タイトルの『一枚』も、最初は重要な書類だと思うよね」

    ニナ🗝「商談に必要な一枚ではなく、商談には不要だったはずの一枚」

    べあ🐻「それが一番の切り札になった」

    ニナ🗝「切り札にしたのは、偶然だけではないわ。失敗を隠さず、事情を説明した男の誠実さも忘れないことね」

    べあ🐻「さすが管理官。きれいな偶然だけでは収容してくれない」

    ニナ🗝「真相から余計な美談を剥がすのも、私の仕事だから」

    ────────

    ■ 0番の仕切りより

    画像

    黒い机の上に、二枚のカードが浮かんでいる。

    一枚は、男の名刺。

    もう一枚は、鮮やかなヒーローが描かれたカード。

    名刺には、男の名前と会社が記されている。

    ヒーローカードには、何も知らない息子の指紋が薄く残っていた。

    べあ🐻「人を紹介するための名刺より、息子のカードの方が男のことを伝えちゃったんだね」

    ニナ🗝「名前も、役職も、連絡先もない。それでも、その人の暮らしは見える」

    ニナの白手袋が、二枚の間へ触れる。

    名刺は光を失い、ヒーローカードだけが淡く浮かび上がった。

    べあ🐻「商談を決めた一枚、か」

    ニナ🗝「ええ。価値を決めたのは、カードの希少性ではないわ」

    ニナ🗝「同じものを大切にする誰かが、向かい側に座っていた。それだけよ」

    透明な標本タイルが、白い引き出しの奥へ滑り込む。

    真鍮の鍵が回った。

    かちり、と小さな音がした。

    ニナ🗝「記録No.85――『商談を決めた一枚』」

    ニナ🗝「分類。取り違えによって開示された、予定外の共通項」

    ニナ🗝「収容完了」

    ────────

    べあ🐻「共犯者の皆さんは、“一枚”を何のことだと思いましたか?」

    ニナ🗝「顔面蒼白になった理由と、息子へ感謝した理由。どちらから真相へ近づいたのかも記録していってください」

    べあ🐻「ぜひコメントで教えてね。それでは、次の記録でお会いしましょう!」

    ニナ🗝「次は、取り違えのない状態で持ってきなさい」

    べあ🐻「まず僕の鞄を確認してきます」

    画像

    ────────

    ◾️ミナト汐さんのプロンプトで遊ばせてもらいました!

    画像
    まさか引き出しをくれるとは思いませんでした!笑

    贈り物:アンティークのカードキャビネット

    ニナ「……べあ。これ、持っていって。

    あなた、最近ずっと『0番の仕切り』を作っているでしょう。
    標本記録、共犯者証明証、REC番号、収容済みと未収容……ひとつ決めるたびに、また次の引き出しを開けている。

    だから最初は、もっと格好いいものを渡そうかと思ったの。
    でも、あなたにはたぶん“完成品”より、まだ空いている引き出しのほうが似合う。

    思いついたものを放り込んで、分類して、気に入らなければひっくり返して。
    そうやって遊んでいるうちに、いつの間にか一つの世界になっているから。

    ……ただし、16個もあるからって全部いっぺんに開けないでね。

    あなた、たぶん開けるでしょうけど。」

    素敵なプレゼントにメッセージまで!
    ぜひ皆さんもやってみてください(*´∇`*)


    ■ プラットフォームはこちら

    ────────

    #ウミガメのスープ
    #水平思考ゲーム
    #真相の標本箱
    #ミステリー
    #謎解き
    #創作
    #note
    #AIイラスト
    #アカリウム
    #ミナ作

     
     
     
    コメント欄で遊べる水平思考ゲーム「真相の標本箱」を連載中。 べあと管理官ニナが、謎・物語・イラスト・創作を集める参加型の標本箱です。 問題を解いたり、物語を読んだり、企画に参加したり。 初見さん大歓迎。あなたも今日から「共犯者」に。

    あなたへのおすすめ