メインコンテンツへスキップ
見出し画像

少しでもルン!ってなれば

     普通の何気ない日常に時々ルンって気持ちが高鳴る瞬間がいきなり訪れたりする。

     桜が満開に咲いている道、ふと見上げた夜空に流れる流れ星。大きなまんまる満月。

     誰にでも訪れるルンって気持ちは、景色だけとは限らない。
     私が特にルンってする時は人に何かを褒められた時だ。身内に褒められるのももちろん嬉しい。けど、赤の他人に褒められるともっと嬉しかったりする。これから先きっと会わない可能性が高いのに初めて会った人の事を褒めるって本当に素敵な事だ。

     
     学生の頃にカフェの店員さんに"お洋服かわいいですね"と言われた事から始まった。外出する時は自分の好きなお洋服を着て出かけるから、その時気分がルンって高鳴る音がした。

     それがきっかけで学生の頃から接客業だけやっている。牛丼屋の店員、パン屋さん、映画館のスタッフ。

     牛丼屋で働いてる時、いつも同じ料理を頼んで同じ時間に来る疲れている社会人が1人いた。唐揚げ定食ご飯大盛り、ドレッシングは胡麻ドレッシング。今でも覚えている。
     お会計する時、その人が来るたびに"今日もお仕事お疲れ様です!いつもありがとうございます!またお待ちしてます!"と必ず言うと疲れてた顔から笑顔に変わる。その社会人はどう捉えたのかはわからないけど、少しでも嬉しい気持ちになればいいと思って言い続けた。
     牛丼屋バイトを辞める時、その人に今日で最後なんですって伝えた。そしたら、

     "いつも声掛けしてくれてありがとう救われました。"

      言ってよかったと思った瞬間だった。その社会人にとって少しのルンに慣れてた事が物凄く嬉しかった。

     パン屋さんの時もいつも来てくれる女性の人にも"髪の毛バッサリ切ったの似合ってますね"と言った事がある。"えー!嬉しいですー!"ってめちゃくちゃ素敵な笑顔で喜んでくれた。私も嬉しい気持ちになった。

     映画館スタッフの時も、"推しカラー素敵ですね"とか私も好きなアニメの映画の時は"私はこのキャラ好きです〜この子、可愛いですよね"ってちょっと嬉しくなる事を言うようにしている。
     
     でもこの前、小さい子に名札に付けてるクマの目印チャームかわいいと褒めてもらえた。やっぱり、褒められるとめちゃくちゃ嬉しい。仕事が忙しくて頭がパンクしそうだった時に言われて、一瞬にして気持ちがルンって高鳴った。あの時褒めてくれた女の子、本当にありがとう。



     身内の人を褒める事はできるけど、他人を褒める事ってどこか少し恥ずかしくてなかなか声に出さない事が多いけど、自分がされたらルンってなる事は勇気を持って他人にもやっていくべきだと思う。
     その人の何気ない日常に一つの花を咲かせるように。
     家に帰った時に、今日嬉しい事があってねってそこから会話が広がればいいし、嬉しい出来事が人から人に伝達されればいいと思っている。

     恥ずかしがらずに、その人の日常に少しでもルンっをこれからも届けたい。
     そう思いながら私は今日も接客をする。
      

    #創作大賞2026 #コミックエッセイ部門

     
     

    ヌ

     
     
    君が居ないと私はだめみたいだ

    あなたへのおすすめ