
Burning Man 2026で、BARをつくった。―「カクテルを提供する」のではなく、「体験をつくる」ということ。
2026年、アメリカ・ネバダ州。
ブラックロック砂漠で開催されるBurning Manへ参加してきました。
https://burningman.org

今回、僕が参加したのは
Alice in Slumberland Camp。こちらのカクテル監修とスピークイージー BAR運営を行いました。
ただ、今回の経験を「Burning Manでカクテルを作ってきました」の一言で終わらせるのは、少し違う気がしています。
なぜなら、僕たちがやったのは、
BARを営業することだけではなかったからです。
砂漠の中にゼロからCampをつくり、
BARをつくり、
食事をつくり、
共同生活をし、
ゲストを迎え、
そして最後には、すべてを解体して撤収する。
それまで含めて、今回の活動でした。








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Burning Manという場所
Burning Manについては、参加する前からいろいろな話を聞いていました。
「砂漠に街が現れる」
「お金ではなくGiftingの文化」
「Leave No Trace」
「世界中からアーティストが集まる」
言葉では理解していました。
でも、実際に現地に立ってみると、想像していたものとは少し違いました。
そこには、完成されたイベント会場があるわけではありません。
ホテルもありません。
コンビニもありません。
誰かが全部準備してくれているわけでもありません。
参加者自身が、自分たちの生活をつくる。
そして、その環境そのものを楽しむ。
そこからBurning Manが始まっていました。


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まずは「街をつくる」ところから
僕たちAlice in Slumberland Campも、到着して終わりではありません。
砂漠に到着したら、そこからCampづくり。
テントを張る。
Shadeをつくる。
共有スペースをつくる。
BARをつくる。
キッチンをつくる。
電源や水、食料、氷などの管理。
そして、日々の生活。
普段の仕事では、
「会場に行けばBARが完成している」
という環境がほとんどです。
今回はまったく違いました。
自分たちの手で、
「ここをBARにする」
というところから始まります。




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砂漠のBARで何を提供するのか
今回、僕が担当したのがBARのカクテルです。


テーマは、
Alice of Axis Mundi
今年のBurning Manのテーマである
Axis Mundiからインスピレーションを受けました。
Axis Mundiとは
世界の中心。
天と地をつなぐ軸。
異なる世界をつなぐ場所。
そこから、3つの物語をカクテルにしました。
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ROOTS ― 過去
What memory serves as the foundation of your being?
「あなた自身の土台となっている記憶は何ですか?」
ROOTSは過去。
自分がどこから来たのか。
何が今の自分をつくっているのか。

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TRUNK ― 今
What kind of breath are you feeling in this very moment?
「今この瞬間、あなたはどんな息吹を感じていますか?」
TRUNKは現在。
過去と未来の間にある、
「今、この瞬間」。

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BRANCHES ― 未来
What fruit do you wish to harvest in your future?
「あなたが未来で収穫したい果実は何ですか?」
BRANCHESは未来。
まだ存在していないもの。
これから自分自身が育てていくもの。

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今回、バーニングマンで僕が一番やりたかったことがあります。
それは、
カクテルを完成させない事。
レシピは僕がつくる。
でも、物語の最後の部分はゲストに委ねる。
カクテルを渡す前に、質問をする。
そして、その人が自分の記憶や未来について考える。
答えを誰かに話してもいい。
話さなくてもいい。
その人の中だけに残してもいい。
つまり、
最後の一滴を加えるのは、ゲスト自身。
そんなBARをつくりたかった。
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「バーテンダー経験者じゃなくても作れるBAR」
今回のBARでは、CampのメンバーみんながBARに立ちます。
当然、全員がバーテンダーではありません。
だからレシピは、できるだけシンプルにしました。
計量して、
注いで、
混ぜる。
それだけでもカクテルは作れる。
でも、それ以上に大切なのは、
「Hello」
と声をかけること。
質問をすること。
相手の話を聞くこと。
一緒に笑うこと。
僕は今回、コミュケーションと体験これこそがこのBARの本質だと思いました。
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なんでもいいです。例えば
ゲスト自身にアブサンスプレーをカクテルに降ってもらう。
すると、
「カクテルを飲む」
という行為が、
「カクテルを一緒につくる」
という体験になります。
完璧なサービスではない。
でも、そこには参加があります。
そして、そこには笑いがあります。
Burning Manでは、「完成されたものを受け取る」のではなく、自分自身が参加することで体験が完成する。
一本の木が、ROOTSからTRUNKへ、そしてBRANCHESへと広がっていくように。
過去から現在へ。
現在から未来へ。
そして、一杯のカクテルから、
ひとつの忘れられない体験へ。
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もちろん、
プラヤでは、計画通りにいかない
Burning Manでは、計画通りにいかないことが普通です。
暑い。(砂漠の寒暖差 夜3度〜日中36度)
砂埃が舞う。
風が吹く。
機材の問題が起こる。
氷が足りない。
予定していたものが手に入らない。
そんなこともあります。
だからこそ、
「完璧なオペレーション」
よりも、
その場で考えて、みんなで解決する力
が必要になります。
これは、普段のイベントの現場にも通じるものがあると思います。



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BARの時間が終わったら、またCampの生活
Burning Manでは、BARの仕事だけをしていればいいわけではありません。
料理をする。
食器を洗う。
掃除をする。
氷を取りに行く。
水を管理する。
Campのメンバーと話す。
自分の生活も自分たちでつくる。
誰かが「スタッフ」と「お客さん」に分かれているわけではありません。
全員が参加者であり、Campの一員です。







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そして、最後は完全撤収
個人的に強く印象に残ったのが、最後の撤収でした。
Burning Manでは、
Leave No Trace
という考え方があります。
持ち込んだものは、すべて持ち帰る。
ゴミも。
食べ物の残りも。
小さな破片も。
砂漠に何も残さない。
だから、楽しかった時間が終わったあと、
僕たちはもう一度、Campを解体しました。
BARを解体する。
Shadeを解体する。
荷物をまとめる。
ゴミを確認する。
トラックに積み込む。
そして、何もなかったかのような砂漠に戻していく。

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「つくる」と「壊す」は同じくらい大切
今回、僕が強く感じたのは、
何かをつくることだけがクリエーションではない
ということでした。
ゼロからつくる。
使う。
楽しむ。
そして、最後に自分たちの手で片付ける。
その全部が一つの体験です。
BARも同じ。
カクテルをつくる。
ゲストと話す。
その時間を共有する。
そして、最後にBARを片付ける。
「提供するところ」だけを切り取れば、数時間の仕事です。
でも、その前後にはたくさんの時間と人の手があります。
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バーテンダーという仕事について、少し考え方が変わった
僕はこれまで、
カクテルをつくること。
フレアをすること。
サービスをすること。
それらを仕事として続けてきました。
でも今回、Burning Manで感じたのは、
バーテンダーは「飲み物をつくる人」だけではない
ということ。
空間をつくる。
人をつなぐ。
会話を生む。
物語をつくる。
記憶をつくる。
そして、その人がその場所でしかできない体験をつくる。
それも、バーテンダーの仕事なのだと確信しました。
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カクテルは「媒体」なのかもしれない
今回のBurning Manで、僕の中で一つの考えがはっきりしました。
カクテルは目的ではなく、
表現の媒体
なのかもしれない。
ホテルなら、その土地やブランドを表現できる。
企業イベントなら、その会社の価値観を表現できる。
観光なら、その土地の文化や食材を表現できる。
アートイベントなら、物語を表現できる。
そしてBurning Manでは、
人と人とのつながりを表現する媒体
になりました。
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これからつくりたいもの
今回の経験を、日本での仕事にも持ち帰りたいと思っています。
ホテル。
ラグジュアリーイベント。
企業イベント。
観光コンテンツ。
ブランドプロモーション。
フェスティバル。
海外イベント。
場所や目的に合わせて、
Cocktail × Storytelling × Performance × Hospitality
を組み合わせる。
ただカクテルを提供するのではなく、
その場所でしか生まれない体験を設計する。
それが、これから自分がさらに追求していきたい領域です。
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「一杯のカクテルから、何が始まるか。」
僕が目指しているのは、
「美味しかった」
だけで終わるカクテルではありません。
その一杯をきっかけに、
誰かと話した。
何かを思い出した。
新しい人と出会った。
少し未来について考えた。
そして、何年後かに、
「あの場所で飲んだカクテル、覚えてる」
と思い出してもらえる。
そんな一杯です。


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Burning Man 2026。
砂漠の中で、ゼロからCampをつくり、BARをつくり、カクテルをつくり、人と出会い、笑い、働き、生活し、そして最後にはすべてを撤収しました。
大変でした。
でも、それ以上に面白かった。
シンプルに人生は楽しんだもん勝ち!
それと同じ。
そして、ここで得たものは、
これから自分がつくる「体験」の中に、確実に残っていくと思います。

最後に、Burning Manで学んだ「10の原則」と、Giftの精神
Burning Manには、コミュニティを支える「10 Principles(10の原則)」があります。
中でも今回の滞在で強く感じたのが、Gift(ギフト)という考え方でした。
Burning Manでは、誰かに何かを提供するとき、必ずしも「対価」を求めるわけではありません。
自分が持っているものを、できる範囲で誰かに分け与える。
それは、お酒や食事だけではありません。
自転車の修理、ダンス、ヨガ、音楽、洋服、アクセサリー、時間だったり、知識だったり、技術だったり、笑顔だったり、会話だったり、、、
砂漠でアイスクリームを配る人もいたり!
自分ができることを持ち寄り、それを誰かのために使う。
今回、僕がAliceのバーでカクテルをつくったことも、その一つだったと思います。
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Burning Man 10 Principles
① Radical Inclusion|徹底した参加受容
誰もが歓迎され、参加することができる。
② Gifting|ギフティング
見返りを求めず、自分が持っているものを誰かに贈る。
③ Decommodification|非商業主義
お金や広告に支配されない、人と人との純粋なつながりを大切にする。
④ Radical Self-reliance|徹底した自己依存
自分自身で必要なものを準備し、自分の力で環境に対応する。
⑤ Radical Self-expression|徹底した自己表現
自分らしさを恐れず、自由に表現する。
⑥ Communal Effort|共同の取り組み
一人ではなく、仲間と力を合わせて何かをつくる。
⑦ Civic Responsibility|市民としての責任
自分たちがつくるコミュニティに対して責任を持つ。
⑧ Leaving No Trace|痕跡を残さない
自分たちが持ち込んだものは、すべて持ち帰る。
⑨ Participation|参加すること
傍観者ではなく、自分自身が体験をつくる側になる。
⑩ Immediacy|今、この瞬間
未来や過去ではなく、「今ここにある体験」を大切にする。
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今回のBurning Manでは、これらが単なる言葉ではなく、実際の生活の中にありました。
砂漠にキャンプをゼロから設営し、生活に必要なものを自分たちで準備する。
バーをつくり、カクテルを考え、準備してゲストを迎える。
そして最後には、すべてを撤収して、何もなかった状態に戻す。
そのすべてが、Burning Manという体験の一部でした。
そして僕にとって「Gift」とは、
自分が持っているものを、誰かの記憶に残る形で渡すこと。
カクテルを一杯つくる。
その人と会話する。
問いを投げかける。
一緒に笑う。
ほんの数分の時間でも、その人のBurning Manの記憶の一部になるかもしれない。
そう考えると、バーテンダーという仕事も、単に飲み物を提供する仕事ではないのだと思います。
自分の技術や経験を使って、その場にいる人へ何かを贈る。
そして、そのGiftが誰かから誰かへとつながっていく。
それが今回、Alice of Axis Mundiのバーで僕が体験した、Burning Manの大きな魅力の一つでした。
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Creating Unforgettable Experiences.
忘れられない体験を創る。
カクテルを通して。
パフォーマンスを通して。
そして、人と人との出会いを通して。
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Takanori Masuda
Bartender Artist
Beverage Producer
Experience Designer
Japan 🇯🇵
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お仕事・出演・コラボレーションについて
カクテル、フレアパフォーマンス、イベント演出、ホテル・ブランドとのコラボレーション、観光コンテンツ、海外イベントなど、
「普通のイベントではなく、記憶に残る体験をつくりたい」
というプロジェクトがありましたら、お気軽にご相談ください。
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