
【温泉で腸活】 - 7日間の湯治が腸内環境を変える
Introduction
日本人にとって、温泉は「湯治」として親しまれ、心身の健康を整える文化的な営みだ。
ここに最近、興味深い研究結果が報告された。
温泉に一週間入浴したところ、腸内の特定の細菌の増加が観察された。しかも、その変化パターンは温泉の泉質によって異なるのだという。
今回は、別府温泉で行われた研究をもとに、温泉入浴が腸内細菌叢に与える影響を解説する。
Methods
研究デザイン
この研究は、大分県別府市の温泉地で実施された介入研究だ。健康な成人を対象に、異なる泉質の温泉に7日間連続で入浴してもらい、入浴前後の腸内細菌叢の変化が調べられた[1]。
対象者・データ
研究には136名の健康な日本人成人が参加し、最終的に127名のデータが解析された(男性75名、女性52名。単純泉30名、塩化物泉39名、炭酸水素塩泉38名、硫黄泉20名)。
参加者の平均年齢は58歳、平均BMIは28だった。
全員が慢性疾患の診断を受けておらず、研究開始前14日以内に温泉入浴をしていないことが条件とされた。
測定方法
参加者は別府市内の温泉施設で、それぞれが割り付けられた温泉に1日20分以上、7日間連続で入浴した。
入浴前後に糞便サンプルを採取し、16S rRNA遺伝子配列解析という手法で腸内細菌の種類と量を測定した。この手法により、腸内に存在する細菌を属レベルで特定し、その相対的な存在量を算出できるのだ。