
選択の余白、あるいは僕のオフィスカジュアル【豆太の営業塾】
世の中のトレンドが、まるで遠い異国の波音のように窓の外を通り過ぎていく。
働き方改革、DX、そしてビジネスウェアの変容。
時代は大きなうねりの中にいる。でも、僕はこう思うんだ。これらは僕たちがずっと、変わってほしいと望んでいた変化なのだと。この大きな波は、抗うものではなく、きちんと乗りこなすべきものだ。
オフィス街の喧騒の中で、誰かがスーツを脱ぎ、誰かが新しい装いへと移ろう。営業という仕事において「第一印象」がビジネスの成否を分けることは、僕も毎日、全身の皮を引き締めて意識している。
長らく「営業マン=スーツ」という固定観念が正解とされてきた。
でも、時代は大きく変わった。
オフィスカジュアルが浸透した今こそ、僕たちは新しい一歩を踏み出すチャンスを迎えている。
しかし、いざ「何を着ればいいのか」と鏡の前で向き合うと、私たちは決まってこう立ち止まってしまう。
「失敗してはいけない」というプレッシャー。
結局、無難で代わり映えのしない服装に落ち着いてしまうあの焦り。実は僕自身、ずっとその「無難の沼」から抜け出せずにいた。
今日は、そんな僕が自分らしさと品格を両立させるために見つけた、ひとつのマインドセットを共有したい。
選んだのは、仕立ての良いネイビーのセットアップ。
中に合わせるのは端正な白いシャツ。そして足元には、軽やかなレザースニーカーを。
トレンドのような華やかさはないけれど、この装いには、僕が営業として積み重ねてきた重厚な「誠実さ」と、軽やかに一歩を踏み出すための「余白」がある。
硬すぎるスーツという鎧を少しだけ脱ぎ、機能美を纏う。
鏡に映る自分と溶け合う瞬間、それは鋭い品格をまとい、静かに、けれど確実に「自分らしさ」を支配していく。
この世界で変わっていくもの、流されていくもの。
でも、僕にとっての普遍的なもの――。それは、いつも静かに寄り添ってくれる相棒である、この珈琲だけでいい。
これは誰かに褒められるための演出じゃない。誰かに誇るための勝負服でもない。
ただ、明日という一日を、自分らしく歩き抜くために。
静かな自信を纏い、僕はまたコーヒーを片手に、静寂から喧騒へと踏み出す。