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家を買いました


    …と書くととてもハッピーなエッセイが始まりそうだが、引き渡しから2日間は絶望的な気持ちだった。

    2026年5月30日、新しい家の引き渡し当日。わたしは、この日を待ち侘びて大変な仕事を乗り切ってきたし、体調も整えてきた。

    しかし、当日は想像以上に忙しくバタバタして、楽しむ暇も休む暇もなく1日が終わってしまった。しかも外構工事の担当の人が体調不良で引き継ぎもうまくいっていなかったようで、外構が遅れていた。そのおかげでトラブルもあって、1日目はかなり疲弊してしまった。



    2日目の31日、この日はダイニングテーブルが届き組み立て、エアコンとテレビの工事が夕方まで。その間に荷物を運んだ。それもまたへとへとになり、夕方頃寝室で休ませてもらった。

    夜は夫の実家で、夜ご飯をいただくことになっていた。4ヶ月間住んでいた夫の実家に帰ると、急に涙が止まらなくなった。安心したのか、感情が湧き出てきたのか、不安がどばっと押し寄せてきたのだ。

    新しい家、新しい家電、新しい家具。自分の家である、という実感がまだ全然沸かない中での生活の始まり。いつか来ると思っていた未来が、今、現実になっていること。この家を維持していけるのか。環境の変化についていけるのか。前日までに心構えしていたはずなのに、いざ現実になると、感情がぐるぐると湧き出て混乱してまい、これから始まる生活への不安感が絶望に変わってしまった。

    思う存分泣いて、美味しいご飯をいただいたら、感情は落ち着きを取り戻したみたいだった。そんな気持ちにできるご飯を、わたしも新しいキッチンで作れるだろうか。


    3日目の今日、6月1日。今はインターネットとテレビ線の工事をしてもらっていて、コーヒーを飲みながら文章を書いている。今の気持ちは、平穏である。やっと、平穏が戻ってきたのだ。それと同時に、少しずつ家ができあがってゆく過程を、記録していきたいと思える余裕も出てきた。

    家を買う未来が、現実になった。それを抱えきれなかった2日間を乗り越えて、すこしだけ、強くなった。


    今は写真に残せるほど片付いてないので、断片の写真を。光が入りこむリビングと廊下、こだわった洗面台がお気に入り。このお気に入りをかき集めて、生活を作っていきたいと、改めて思うことができている。

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    廊下には光が射し込む
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    こだわった洗面台
    (カーテンがまだなくて外が丸見えなので隠してます)



    まずは、引越したての荷物で溢れたこのリビングで、心安らげるお香を焚いてみること。それと、ルームフレグランスを開封することから、自分だけの生活を作っていきたい。

    そして今日、新しいキッチンで初めて料理を作る。今までいただいてきたお味噌汁のような、心まで温まるような味を、このキッチンで再現できるのが楽しみだ。

    わたしは、完璧なスタートを切ることができなかった。でも今は、それでもいいと思えている。少しずつ、この家を「わたしたちの居場所」にしていけばいい。新しい生活が、ここから始まる。







     
     
    〇 「揺れる心と暮らしを書く人」 双極性障害、妊活、日々の感情を 散文詩とエッセイ、日記で綴っています。 〇 メンバーシップ「ことばのひだまり」毎週更新中

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