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【読曞感想文】『歊士道著新枡戞皲造 蚳矢内原忠雄』歊士道ずは、死ぬこずず芋付けたのではなかった

    5000円札ず聞くず未だに新枡戞皲造のむメヌゞがありたす。そんな新枡戞皲造の曞いた『歊士道』を読みたした。

    読み始める前は偏芋があっお「什和の時代に歊士道を知る必芁があるのだろうか」ず思っおいたした。だっお、忠矩ずかいう抂念を倧切にしおるんですよね 忠誠心や滅私奉公なんお蚀葉はだいぶ嫌いです。

    䞉囜志の関矜や匵飛みたいに䞀人の人間に忠矩を尜くしたずいう話は奜きなのですが、家、囜家、䞻君、そういった䜕かに捧げる忠誠心ずいう抂念は胡散臭いなず思っおいたす。あずやっぱり呂垃が奜きですし。野心ず裏切り かっこいい。

    たあ、そんな浅はかで偏芋に満ちた気持ちで読み始めたのですが  私が浅はかで偏芋に満ちおいるだけでした。

    そもそも新枡戞皲造の『歊士道』の基本的なこずも知りたせんでした。日本人に歊士道の矎埳を叩きこむために曞かれたプロパガンダ的な本なのだず勝手に思い違いをしおいたした。

    『歊士道』は、日本人ずは䜕なのかを倖囜人に広めるために英語で曞かれた本でした。新枡戞皲造がアメリカ滞圚䞭に「宗教教育が行われおいない日本でどうやっお道埳を教えおいるのか」ず驚かれたこずが本曞を蚘した理由のひず぀ず曞かれおいたす。1900幎にたずアメリカで発行され、それが日本語蚳されたものが日本で流通しおいる『歊士道』です。

    「歊士道ずは死ぬこずず芋付けたのではなかった」ず思いながら読みたしたがそんな蚀葉は出おきたせんでした。「歊士道ずは死ぬこずず芋付けたり」は江戞時代に曞かれた『葉隠』の䞀文でした。

    新枡戞皲造の『歊士道』では諞倖囜に察しお日本人が倧事にしおきた䟡倀芳をアピヌルしおいるのですが、その方法が優れおいたす。想定読者である西掋の知識階玚が圓然知っおいるであろう抂念を䜿っお説明が詊みられおいるからです。

    たずえば第䞀章では「歊士道」は「階士道」ず察比されおおり、歊人階玚のノブレス・オブリヌゞュである歊士の掟が「歊士道」だず曞かれおいたす。こういう曞き方をされたら、歊士や歊士道ずいうものを䞀切知らない圓時の人でもむメヌゞしやすかったのではないでしょうか。

    「歊士道ずはこうだ、日本人の矎埳ずはこうだ」ずいうのを䞀方的に䞻匵するのではなくお、盞手の知っおいる蚀葉で䟋えを出す。『歊士道』の䞭では聖曞やニヌチェやシェむクスピアの蚀葉を䟋にずっお様々な説明が詊みられおいたす。

    そういった匕甚をしなくおも互いの文化に぀いおわかりやすい比范が曞かれおおり、アメリカではプレれントを莈る時に「すばらしい物」だず蚀っお枡すが日本人は「぀たらない物」だず蚀っお枡す点に぀いお曞かれおいたす。

    アメリカ人の蚀う「すばらしい物」は「アナタはすばらしい人だから、あなたに盞応しいすばらしい物をプレれントしたす。すばらしい物を莈らないのはアナタに察する䟮蟱だから」ずいった盞手を尊重する意味合いで「すばらしい物」だず蚀っお枡したす。

    日本人の蚀う「぀たらない物」は「アナタはすばらしい人だから、䜕を莈っおもアナタの䟡倀には敵わないから䟡倀のある物ずしおではなく私の奜意の蚌ずしお受け取っおほしい。アナタに盞応しいほどすばらしい物だず蚀うのはアナタに察する䟮蟱だから」ずいうニュアンスであっお、アメリカ人も日本人も莈り物をする時の気持ちは倉わらない、ずいったような䞻匵がされおいたす。

    これは目から鱗の萜ちるような考え方でした。二぀の違いを比范するのではなく、蚀葉は違っおも根本に流れる䟡倀芳は西掋も東掋も同じだず説明しおいたす。

    私の嫌いな「忠矩」の抂念に぀いおも、西掋の人々に䌝わりやすいむメヌゞで曞かれおいたす。死刑刀決を蚀い枡されお逃げるチャンスがあったのに逃げずに毒杯をあおっお死んだ゜クラテスの゚ピ゜ヌドが䟋にあげられ、゜クラテスは「囜家の法」に忠矩を尜くしたから逃げずに毒杯を煜っお死んだ。そういった自分の呜よりも優先すべき䟡倀芳ずしお「忠矩」を挙げおいたす。圓時の西掋人たちも゜クラテスは知っおいたでしょうから、䌝わりやすかったのではないでしょうか。

    たた本曞では「菅原道真の家来が、道真の子を救うため身代わりに自分の子を差し出す」ずいう有名な話が忠矩の䟋ずしお登堎したす。子を身代わりにするなんお西掋人に理解されないであろうこずを前眮きした䞊で、旧玄聖曞でアブラハムが息子むサクを神ぞの生莄に捧げようずする堎面ず比范し、すべおを差し出す犠牲の粟神を説明しおいたす。䞻君のために自らの子を犠牲にするような忠誠心を「これが正しい、これが矎埳だ」ず曞くのではなく、あくたで歊士道の「忠矩」ずはこういう抂念で、別に日本人が異垞なのではなく西掋人にも䌌た郚分がある、ずいう点をわかりやすく説明するために曞かれおいたす。

    そういえば䞉囜志にも、劉備に食べるものを䞎えるために家族を殺しおその肉を黙っお食わせた凶悪サむコパス男の゚ピ゜ヌドが矎談ずしお出おきたす。はじめお読んだずきは「䟡倀芳が違いすぎる 理解できない」ず思いたしたが、時代背景が違うから詳现が倉わるだけで「自分の最も倧切なものを差し出しおたで䜕か(䞻君・神・英雄)に尜くそうずする」ずいう人間の粟神性は共通なのかも知れたせん。゚ピ゜ヌドだけを芋るず異垞に感じたすが、根本に流れるメッセヌゞを読み取るず共通の䟡倀芳に぀いお語っおいたす。

    「我々は違う人間だが、理解しあえる」ずいう前提が『歊士道』には有る気がしたす。

    発行が1900幎ずいうこずもあり䞀読しただけでは理解できない難しい郚分も倚くありたすが、本曞は什和の時代になっおも色あせない、孊ぶ䟡倀のある䞀冊でした。いやむしろ今だからこそ読む必芁があるのかも知れたせん。

    日本にも圓たり前のように様々な囜の人が暮らすようになっお、お互いに理解しおいない䟡倀芳やわからない文化がたくさんあるず思いたす。そういった時にぶ぀かりあうのではなく、盞手の知っおいる蚀葉や倫理を亀えながら理解を深めあっおいくのは重芁なのではないでしょうか。

    自分を理解しおもらう、お互いを理解しあうずいうのはどういうこずなのか。それがこの『歊士道』からは孊べる気がしたす。

    『歊士道』ずは矎埳を抌し付ける本ではなく、盞互理解を教える本だず私は理解したした。

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    『歊士道』
     
     
    晎れた日は山に出没する。 雚の日には本を読む。 文芞総合サヌクル「ペンシルビバップ」の代衚。山ず文孊ず盞暡原垂を愛しおやたない。 noteにぱッセむや颚景や野鳥の写真。 読曞感想文、映画の感想を茉せおいたす。

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