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Photo bykanatacoomi

語らないことも、カウンセラーの仕事だと思う。


    以前、私は「語ることを選んだ理由――心理士が自己開示するということ」という記事を書きました。

    あの記事では、心理士である私が、なぜnoteという場所で自分の言葉を綴るのか、その理由について書きました。

    本質的な対話を求めている人と、深いところでつながりたいこと。

    そして、私の言葉が「答え」ではなく、「ひとつの視点」として誰かの問いにつながればという思いをお伝えしました。

    今日は、その続きのお話です。

    今回は、なぜ私は「語らないこと」も大切にしているのか。

    そのことについて書いてみたいと思います。


    私を知ってほしいわけではない

    SNSでは、「自分らしさを発信しよう」という言葉をよく目にします。

    どんな人なのか。
    どんな毎日を送っているのか。
    どんな考え方をしているのか。

    そうした発信が、人との距離を縮めることもあるでしょう。

    でも、私は少し違う考えを持っています。

    私がSNSで伝えたいのは、私自身の生活ではありません。

    「はるか」という人を知ってもらうことでもありません。

    届けたいのは、

    「心理相談室あじさいのへや」が大切にしている考え方です。

    自己理解とは何か。

    自己決定とは何か。

    どんな生き方も、その人自身が選んだものであれば尊いということ。

    そんな価値観に触れていただけたら、それで十分なのです。


    心理士だからこそ、語りすぎない

    もちろん、自己開示をまったくしないわけではありません。

    自分の経験を書くこともありますし、感じたことを言葉にすることもあります。

    でも、それは「私を知ってほしいから」ではありません。

    読んでくださる方が安心して考えられるように。

    言葉が届きやすくなるように。

    必要だと思ったときに、必要な分だけ。

    それが、私の自己開示の考え方です。

    私はカウンセラーです。

    カウンセリングの時間は、私の人生を語る時間ではありません。

    主役は、いつも目の前にいるその人です。

    もし私が、

    「私はこう生きています。」

    「私はこう考えています。」

    と語りすぎたら、相手は無意識のうちに、

    「それが正しいのかな。」

    「私もそうならなければいけないのかな。」

    と思ってしまうかもしれません。

    もちろん、そのように受け取られないよう丁寧に言葉を選んでいます。

    それでも、人は影響を受ける存在です。

    だから私は、「私の答え」が、その人の自己理解や自己決定を邪魔しないかを、いつも考えています。


    「まっさらな鏡」でありたい

    私は、できるだけ「まっさらな鏡」のような存在でいたいと思っています。

    もちろん、本当に透明な鏡になることはできません。

    私にも価値観があります。

    経験があります。

    感情もあります。

    だから、完全に影響を与えないことはできないでしょう。

    それでも、ひとつ大切にしていることがあります。

    鏡が自分の姿を映しすぎてしまったら、目の前の人は、自分自身を見ることができません。

    だから私は、自分をできるだけ小さくして、

    相手が安心して自分自身を映せる余白を残したい。

    そのために、語ることもあれば、語らないこともあります。

    自己開示とは、「どれだけ話すか」ではなく、

    「なぜ話すのか」

    その問いを持ち続けることなのだと思っています。


    私が届けたいもの

    私は、答えを教えたいわけではありません。

    「こう生きた方がいい。」

    「これが正解です。」

    そんなことを伝えたいわけではありません。

    自己理解とは、

    誰かの人生を真似することではなく、

    自分自身を理解していくことです。

    自己決定とは、

    誰かの価値観に従うことではなく、

    自分自身で人生を選んでいくことです。

    だから私は、私の人生を知っていただくことよりも、

    あなた自身の人生を考える時間が増えることの方が、ずっと嬉しいのです。


    おわりに

    私は、答えを届けたいわけではありません。

    問いを届けたい。

    そして、その問いを通して、

    あなたがあなた自身の答えを見つけていくこと。

    それが、私がカウンセラーとして大切にしていることです。

    だからこれからも、必要なときにだけ語り、

    必要な余白を残しながら、

    この場所で言葉を綴っていこうと思います。

    私自身を見ていただくためではなく、

    あなたが、あなた自身と出会うためのきっかけとして。

    もしこの場所が、そんな時間を生み出せるのだとしたら、それ以上に嬉しいことはありません。

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