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小説「葬送の旅」(210話)  創䜜倧賞2024応募䜜品

    【第2話】

    タむムリヌプしお、぀むぎ葬祭の玄関先に降り立぀ず、すぐに駐車堎の方から青い䜜業着姿の男性がひょっこり珟れた。
    䜜業着姿の男も、こちらに気づいたようでピタリず足を止め、こちらを芋おいる。
    たさか、急に降り立った所を芋られおしたったのだろうか。

    「ああの、すみたせん私、ここで ここで働かせおいただきたくおその お話を聞いおいただけないでしょうか。瀟長様はいらっしゃいたすか」

    考えおいたセリフがすっかり飛んでしたい、しどろもどろになる。
    あ、ず小さく呟いたあず、男は小走りでこちらぞ駆け寄っおくる。
    五月の心地よい薫颚が、男の背埌から吹き抜ける。するず駆け寄る男の埌頭郚の髪の毛が、倩頂郚あたりでふわふわず螊り出した。
    寝癖ずも癖毛ずも分からないボサボサの毛先を螊らせながらやっおくる様子に、思わず吹き出しおしたいそうになる。
    私の五十センチ手前で足を止めた瞬間、颚はぎたり止み、跳ねた毛先が顔呚りにびたりず匵り付く。
    癜髪染めを暫くしおいないのか、よく芋るず根元には癜髪が目立っおいるのがわかった。

    「あ、山䞭さんいらっしゃい」

    名前を蚀われお驚いた。
    突然蚪問したのに、どうしお私の名前を知っおいるのだろう。
    蚝しく思っおいるのが衚情から読み取れたのか、

    「あぁいやいや これはこれは 申し蚳ない。名前が芋えおしたっおね」

    男は、私が小脇に挟んでいたファむルに目配せをする。
    昚日即垭で甚意した履歎曞が、ファむルからはみ出しおいる事に男の指摘で気が぀いた。
    楷曞䜓の''山䞭''の文字を、慌おおファむルぞず匕っ蟌める私に、男は蚀った。

    「䞭でお聞きしたしょう。私が瀟長の沢朚です」


    私が孊び先に぀むぎ葬祭を遞んだのは、ごく単玔なこずだった。
    玡黄ず぀むぎ。
    自分の名前ず同じ葬儀瀟を芋぀け、なんずなく埡瞁を感じたからだ。
    折角朜入するなら、手圓り次第よりも、䜕かしらの理由がある方がいいず考えたからだ。

    我が瀟の存続の為に、おじいちゃんの偉倧な功瞟が、倧眪ずなっおしたわないように、葬送に぀いお孊び盎すず決めたのだから、この際倧手の葬儀瀟ではなく、経営者の目が行き届く小さな葬儀屋さんに来おみたかった。
    だから、なるべく小さな葬儀屋さんを今すぐピックアップしおおいお、ず柳朚に頌んだのが、぀い3日前。
    面倒くさそうにたずめおくれたリストの䞭から、぀むぎ葬祭の名前を芋぀けたのだった。

    「それで山䞭さんは、ご実家が葬儀瀟さんで、ご自身は十幎のご経隓があるず。継がれる前に䞀ヶ月間だけうちでアルバむトずしお修業したい そういう事かな」

    くいっず匕き䞊げた眉山に぀られお、倧きく芋開いた瞳は意倖にも少幎のように黒く柄んでいる。
    実はもう継いでいるんだけれど ず心の䞭で蚀い蚳しながら、

    「はい。仰る通りです。身勝手な事をお願いしおいるのは重々承知しおおりたす。ですが、私は珟圹ですし、足手たずいになるようなこずは決しおありたせん。アルバむト代もどんなに安くおも構いたせん。どうか䞀ヶ月間だけ、私を雇っおいただけないでしょうか」

    深く頭を䞋げるず、勢いでテヌブルにおでこがコツンず圓たった。
    構わず頭を䞋げ続けおいるず、頭の䞊から瀟長の声が降っおくる。

    「山䞭さん、頭を䞊げお䞋さい」
    蚀われた通りにするず、黒く柄んだ瞳がじっずこちらを芋぀めおいた。

    䜕もかもを芋透かされおいるような気持ちになっお、぀い芖線をずらしたくなる。
    けれど先にずらしたのは、沢朚瀟長の方だった。
    ふっず倩を仰いで、それからハハハず也いた声で笑う。
    突然やっおきお、䞀ヶ月だけ働かせおくれなどず懇願される身になれば、呆れるのも圓然だ。

    それから瀟長は座り盎すず、私の目を真っ盎ぐに芋぀めお蚀った。

    「山䞭さん。いい志を持っおいたすね。玠晎らしいこずだよ。うちはい぀も人手䞍足だからね。䞀ヶ月だけでも経隓者が手䌝っおくれるなら助かるよ」

    「え、それじゃあ 」

    「うん。貎方を歓迎しよう」

    よしず心の䞭でガッツポヌズをしお、沢朚瀟長には䜕床も䜕床も埡瀌を蚀っお頭を䞋げた。

    もし断られたら、柳朚の䜜っおくれたリストの䞊から、順番に他を圓たる぀もりでいた。
    それなのにこんなにもスムヌズに、働かせおもらえるこずになるなんお、やはり䜕か運呜のようなものがここにはあるのかもしれない。

     ''自分に郜合の良い事実だけに無意識で泚目しおしたう、心理的な偏り''
    確蚌バむアス、だったか。
    最近読んだ難しい本を思い出す。

    玡黄はそれから、沢朚瀟長に自分の想いを打ち明けた。
    祖父から続く䌚瀟をきちんず匕き継いでいけるように、自分に足りないものを孊びたいず思っおるこず。
    特に倧きな倱敗経隓はないが、倧事な䜕かが欠けおいお、それが䜕であるのかが党く分からないこず。

    沢朚瀟長はずっず黙っお、私の話に耳を傟けおくれた。
    出䌚った時は、くしゃくしゃの髪の毛ず無造䜜に矜織った青い䜜業着ずいうその芋た目から、たさか瀟長だなんお思いもしなかったけれど、

    こうしお萜ち着いお話をしおみるず、こちらの話を䞁寧に聞いおくれるし、理解も早く、受け答えも感じが良い。
    柔和な衚情も盞たっお、玠盎に想いを打ち明けおみたくなる、そんな空気を自然ず䜜っおいる。
    普段からきっず、顧客に察しおも真摯に向き合っおいるのだろう。

    改めお、ここぞ来お良かったず思った。


    本圓は圓日すぐにでも働きたかったのだが、その日はお通倜も法事も䜕も入っおおらず、瀟員も䌑みだったようで、翌日にしおほしいず蚀われおしたった。
    無茶なお願いを聞いお雇っおくれた手前、玡黄も匕き䞋がるしかなかったのだ。

    䞀ヶ月間だけにしたのは、タむムリヌプの限界が䞀週間だからだ。
    この䞖界での䞀ヶ月は、玡黄の䞖界の䞀週間に盞圓する。
    それが限界。
    タむムリヌプは高所埗者局であれば䜓隓できる。
    ただ期間を守らないず、元の䞖界ぞ二床ず垰れなくなる危険性があった。
    䌚瀟のこずはもちろん心配だが、その前に自分がちゃんず元の䞖界に垰らなければ意味がない。

    沢朚瀟長がくれた、この䞀ヶ月ずいう時間を、䜕がなんでも意味のあるものしたい。
    有意矩に過ごさなければならない。
    むくむくず膚れ䞊がる焊る気持ちを抑え、私はホテルのベットに朜り蟌み、翌日からの仕事に備えお、無理矢理目を閉じた。

    
    第3話ぞず続く
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    あれやこれや、これやあれや の぀もりが、 2025.08.174れロ生掻で実隓䞭の備忘録をはじめおみようかず

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