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連歌の相手はAI

    長谷川奉礼@相内神社

     昔、信長の野望という国盗りゲームをやっていて、茶会コマンドを実行すると、なぜか参加武将が和歌を詠む。
     正確にはひとりが575を詠み、もうひとりが77をつなげる。連歌のつもりかもしれないが、歌はすべて百人一首にあるもの。

     それをきっかけに連歌をやってみたいと思ったのだが、私には友人が少なかった。連歌をやろうぜと言って「いいぜ!」と引き受ける友人となると、まるで皆無。

     ところが最近、ふと思いついた。
    「AIに相手させればいいべや!」
     連歌にはさまざまなルールがある(式目という)。だが、全部憶えるとなると白骨化するまで待たねばならない(私は暗記が苦手なのだ)。そこでAIには575を詠ませた上で、つぎの句を詠むガイダンスをしてと指定することにした。

     それでできたものを末尾に掲げる。感想は――77をつけつづけたため、最初から最後までずっと受け太刀な感じで苦労した。
     とはいえ、連歌友達ができたわけだ。もう寂しくはないけれども、なんだか満足してしまってもいる。
     連歌をやってみたいと、あまり長いこと思いつづけたからかもしれない。
     死ぬまでにしたいことのリストには、入っていないのだが。


    十八韻 水ぬるむの巻

    (お相手はGemini)

    水ぬるむ筆の運びも淡くして GEM
    文机の上 光溢るる 宮司
    ささめきに窓の柳の芽吹くころ GEM
    思ひ初めしを忘れられずて 宮司
    水面には揺るる面影 波立ちてGEM
    鴨ぞ騒げる巨椋の池に 宮司
    渡りゆく雲に名残の夕づく日 GEM
    万葉人を思ひけるかも 宮司
    草枕夢の通い路はるかなり GEM
    馬たふれ伏し虫もすだけば 宮司
    誰が為に秋の七種摘みしかど GEM
    訪ふ人も絶えて久しき 宮司
    冬ざれの古寺を這いつくも髪 GEM
    夜長ければ酒を酌むべし 宮司
    残り火を見つめて語る昔事 GEM
    月にも都ありしとぞ聞く 宮司
    うつつの夢 霞のなかにたなびきて GEM
    言寿き人の訪ふ朝かな 宮司


     その後、チャッピーに評価してもらったところ、以下に気をつけるとよいとのこと。一般的なアドバイスなので、興味を持たれた方のためにご参考まで付記します。

    意味でつなげない

     前句の内容を説明・補足せず、少し距離を置いて発想をずらす。

    三句に一度は飛ぶ

     似た情景を続けすぎず、ときどき大きく場面や気分を転換する。

    七七はまとめない

     下の句は結論ではなく、流れを外したり揺らしたりする役割にする。

    季節を意識して動かす

     同じ季にとどまらず、時間や気配が移ろうように配置する。

    “余白”を残す

     説明しすぎず、読み手に連想させる余地を持たせる。

     
     
     
    神主の書く、日記のようなエッセイのような。基本500字、週1回は長めに。 このページの記事はあくまで宮司一個人の著作物であり、神社を代表しての意見表明と一致しないことがあります。 昇殿参拝、執筆、講演の依頼等はDMへどうぞ。

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